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レーヴァティン

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第百八十四話 馬封じその八

「そして煙草を吸いつつです」
「軍議していたんだよな」
「ドイツ軍等では」
「酒飲みながら軍議か」
「日本では考えられないですね」
「絶対にな」
 その中でヒトラーはワインを飲まず煙草は彼の前では誰も吸えなかった、だからこそ酒も煙草も嗜むことをしないことが特筆されたのだ。
「生活習慣の違いだな」
「そうですね」
「それで将兵もビールを飲んでるし」
「私達もですね」
「今夜はそっち飲むか」
 ワインではなく、というのだ。
「そうするか」
「ビールもいいですから」
「ソーセージとかベーコン食いながらな」
「ビールにはソーセージですね」
「あと串カツが滅茶苦茶合うな」
 大阪名物のこれにというのだ。
「ビールには」
「確かに、ですが」
「この浮島カツはあってもな」
「串カツはありません」
「だからな」
「あれは確かに欧州の影響があります」
 串カツにはというのだ。
「このことは事実です」
「カツだからな」
「ですが日本で独自の進化を遂げた」
「そうした料理なんだな」
「そうです、ですから大阪名物で」
「日本の食いものでな」
「この浮島にもありません」
 起きた世界の欧州の趣が強いこの浮島ではというのだ。
「現代の日本のものです」
「そういうことだな」
「そのことは残念と言えば残念ですが」
「仕方ないな」
「そうです、ですがソーセージはあります」
 ビールの友と言っていいこれはというのだ。
「そしてベーコンもあります」
「ビールにはベーコンも合うんだよな」
「そしてジャガイモを茹でて」
 夕子はこの料理のことは微笑んで話した。
「上にバターを乗せたものも」
「あれも滅茶苦茶美味いよな」
「シンプルですが」
「そうだよな」
「あのお料理もありますので」
「ビールのあてには困らないか」
「そうです」
 こう久志に話した。
「串カツはないですが」
「それでもな」
「はい、ではビールも」
「そっちも飲むか」
「そうしましょう」
 こうした話をして実際にだった、久志は仲間達とこの夜はワインではなくビールを飲んだ。その酒を飲みつつだ。
 久志は茹でられたソーセージを食べて言った。
「いや、実際にな」
「ビールにソーセージは最高やな」
「ああ、シンプルでそれでいてな」
「最高の組み合わせや」
「そのうちの一つだよな」
「もうドイツはな」
 美奈代は大きな木のジョッキに並々と注がれたビールを飲みつつ言った。
「この組み合わせがや」
「定番だよな」
「こうしてビールをしこたま飲んでな」
「ソーセージ食うな」
「そや、この組み合わせがや」
 そのビールを満面の笑顔で飲みながらさらに言った。 
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