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レーヴァティン

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第百八十四話 馬封じその七

「ですが」
「やっぱりな」
「ワインとビールが主流で」
「それでな」
「どちらも飲めますが」
「それでもな」
 久志は源三に話した。
「ワインを飲むことが多いな」
「肉やパスタなら赤、魚介類なら白だ」
 正も言ってきた。
「そのどちらかだ」
「チーズだとどっちもだな」
「俺はチーズに固いパンとサラミでだ」
 正は自分の好きな飲み方をここで話した。
「白ワインを飲む」
「あっさりしてるな」
「日本酒で刺身や冷奴も好きだが」
「完全に日本だな」
「この浮島では刺身はカルパッチョがあるがな」
「刺身自体もあるしな」
 古代ローマで食べていたそれをそのまま食べているのだ、ただし醤油は魚醤であり大豆からのものではない。
「それは食えるけれどな」
「だが豆腐はないしな」
「日本酒もないからな」20
「米で造った酒はない」
「だからな」 
 それ故になのだ。
「その組み合わせはないな」
「残念なことにな」
「それでも白ワインはあるしな」
「チーズや固いパンとだ」
「サラミか」
「ハムでもいい」
 こうしたものもというのだ。
「そうしたあっさりとした楽しみ方も好きだ」
「お前らしい趣味だな」
「俺らしいか」
「そう思ったな、しかしビールもな」
 久志はあらためてこちらの酒の話をした。
「美味いからな」
「産業として最適です」 
 夕子もこう言った。
「まことに」
「そうだよな、それで俺達はあまり飲んでないからな」
「今宵はビールにしますか」
「そっち飲むか、泡立つその酒をな」
「飲まれますね」
「ごくごくとな、騎士団じゃ朝からビールだったな」
 久志は敵国の一国であるこの国の話をここでした。
「水代わりに飲んでるんだったな」
「そうです、まさに朝から」
「朝から飲むのはこの浮島特有だしな」
「起きた世界の欧州でもそうですし」
「学校の欧州からの留学生皆そう言ってるな」
「朝食欲がないと」
 その時はとだ、夕子は話した。
「ワインやビールをです」
「飲んで朝飯にしてるな」
「そうしています」
「そういえば某少佐も朝ワイン一本空けてたな」
 久志はとある黒髪ロングヘアでアイシャドーが印象的な男色家として知られているダブルオーナンバーの人物の話をした。
「そうだったな」
「あの人はワインばかり飲んでますね」
「食うのはステーキばかりでな」
「栄養学的には大問題ですが」
 そうした食生活だが、というのだ。
「しかし」
「それでもだよな」
「朝からワインを飲むことはです」
「あっちでは普通でな」
「ビールもです」
「そうだよな」
「軍議の時もジュースの様に出ていました」
 ワイン、それがだ。 
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