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レーヴァティン

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第百八十四話 馬封じその三

「遠距離からの攻撃も得意としてる」
「そのことも頭に入れてか」
「戦っていこな」
「警護もだよな」
「そうしてこな」
 実際にというのだ。
「ほんまに」
「ああ、しかも重騎兵だったな」
 このことは久志から言った。
「連中は」
「そや、守りも堅いんや」
「そうだったな」
「これまでの騎兵隊より強いで」
 守りも堅い為にというのだ。
「そやからな」
「本当に油断出来ないな」
「そやから喧伝はうちもや」
「賛成なんだな」
「さもないとな」
 それこそというのだ。
「やられるのはこっちや、下手したら負けることもな」
「有り得るな」
「戦に絶対はないやろ」 
 美奈代はこうも言った。
「そやろ」
「もう何があるかわからないからな」
「何時な、それでや」
「絶対はないからな」
「もうそういうことわかってな」
 そしてというのだ。
「やっていくもんやさい」
「負けることだってあるな」
「負ける可能性は実は常に僅かでもあっても」
 それでもとだ、美奈代は久志に話した。
「その可能性を自分から増やすことはな」
「ないってことだな」
「そや、それでや」
「敵のことを喧伝してな」
「警護もな」
「しっかりする、そのうえでな」
「ブダペストに向かうな」
「そうしよな、あと敵は騎兵隊が多いから」
 美奈代はこのことをさらに指摘して話していった、その目がくるくると動いてそれ自体が生きものの様だ。
「籠城戦はな」
「苦手だよな」
「そや、城を守るのはやっぱりな」
「歩兵とか砲兵だからな」
「そやからな」
「馬から降りても戦えるにしても」
「その本分を発揮出来んからな」
 騎兵隊のそれをというのだ。
「それでや」
「守るのは苦手か」
「攻めるよりもな」
「それじゃあ野戦で敵を破ったらか」
「もうや」
 それこそというのだ。
「楽になるわ」
「そういうことだな」
「後はもう降る様に言ってな」
「降らないとな」
「街を囲んでな」
「これまで通り術や大砲で攻撃して」
「そしてや」 
 そのうえでというのだ。
「陥落させればええ」
「そういうことだな」
「ほな今からな」
「敵のことを話して」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「油断せん様にしてな」
「守りも固めて」
「そしてやっていこうな」
「ああ、そういうことでな」
 久志は美奈代の考えも入れた、そうしてだった。
 実際に敵のことを将兵達に喧伝しかつ守りも固めつつ進軍した、将兵達は幸い敵のことを聞く時が引き締まり。
 かつ守りも堅くなった、久志はその状況を見て笑みを浮かべた。 
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