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レーヴァティン

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第百八十四話 馬封じその二

「是非な」
「それがいいよな」
「油断していてもこれから戦う敵が強いとだ」
「自然と気が引き締まるな」
「それも寡兵で大軍を破る様なだ」
「そんな敵が相手だって思うとな」
「自然と身が引き締まる」
 そうなるとだ、正は言い切った。
「油断していてもな」
「そうだよな」
「ここはだ」
 まさにというのだ。
「敵の強さをだ」
「全軍に言うか」
「そしてだ」
「全軍の気を引き締めるか」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「戦うぞ」
「それがいいな」
「敵の数は五万だが」
 こちらより遥かに少ないがというのだ。
「強い、だからだ」
「気を引き締めて戦わないと痛い目を見るのは事実だよ」
「装備も遥かに上にしても」
 このこともあるがというのだ。
「しかしだ」
「それでもだよな」
「敵は強い」
 このことは事実でというのだ。
「その事実を喧伝する、だが」
「だが?」
「話してそれで尾鰭が付くのならな」 
 その事実にというのだ。
「それはそれでだ」
「いいか」
「敵が強いと思うならな」
「強ければ強いだけか」
「将兵の気が引き締まるからな」
「事実にさらに加わってもか」
「いい、だからな」
 それでというのだ。
「喧伝するぞ」
「それじゃあな」
「それとな」
 美奈代はこう言った。
「敵の奇襲に備えていこうな」
「騎兵隊だと動きが素早くてな」
「奇襲もしやすいさかいな」
「そうだよな、輜重隊とか狙われやすいな」
「騎兵隊の有効な使い方の一つやろ」
「ああ、そうして敵にボディーブローを加えていってな」
 そうしてとだ、久志も言った。
「そしてな」
「弱めていくんだ」
「どんな軍隊も食いものと武器がないとな」
「戦も出来んやろ」
「ああ、じゃあ警護をな」
「より厳重にするんや」
「そやな、そうしてな」
 そうしてというのだ。
「損害をな」
「出さない様にしていくか」
「是非な」
「それじゃあな」
「ほなそういうことでや、それとな」
「それと?」
「向こうの騎兵は剣や槍以外にもな」
 美奈代は武器の話もした。
「弓矢や銃、術ってや」
「色々使うんだな」
「そうして戦って来るかさかいな」
 それ故にというのだ。 
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