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レーヴァティン

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第百五十六話 一騎当千の者達その八

「これはナポレオンがした」
「あの人そういえば砲兵士官だったな」
「その為砲撃のことを熟知していてだ」
 それでというのだ。
「こうした攻撃もした」
「大砲を放物線じゃなくて直線に撃つ、か」
「そうだ、そしてそれがだ」
「物凄い効果があったんだな」
「今の様にな」
「砲弾が進路中の敵を薙ぎ倒してるな」
 流石にレベルが高いので並の将兵達より多くは倒せていないがそれでも多くのスパルタ兵達に確実にダメージを与えている。
「しかもバウンドしてな」
「跳ねてさらに動いて倒しているな」
「ああ、それを見るとな」
「わかるな」
「そうだよな、これはいいやり方だな」
「放物線を描かせて撃つのが普通だが」
 大砲はというのだ。
「隕石なら上から落とす」
「それが普通でな」
「効果はあるが」
「こうしたやり方も効果があるな」
「そういうことだ」
「ならここはか」
「こうして攻めていくな」
 正は久志に問うた。
「今は」
「ああ、効果がある戦術は何でもやるさ」
 久志は正の問いに確かな声で応えた。
「勝つ為にな」
「そうだな、ならな」
「ああ、このまま正面に砲撃を加えて」
 久志はさらに言った。
「隕石もな」
「真正面にな」
「放つな」 
 こう言ってだった、久志は敵が戦力を集中させて攻めようとしてくるその場所に水平での砲撃や隕石での攻撃を行った、すると。
 さしものスパルタ軍も動きが止まった、そうして。
 徐々にだが退きはじめた、そこからさらに攻めるとだった。
 遂に撤退に入った、久志はそれを見て追撃にかかろうとしたが。
「まずいな」
「追撃は難しいよ」
 淳二も言う。
「もう後詰の軍勢はね」
「全員死兵になるつもりだな」
「そのつもりでいるよ」
「そうだな、じゃあ追撃はしてもな」
「深追いはしないね」
「術や銃、弓矢での攻撃は行うけれどな」
 それでもというのだ。
「接近戦は挑まない」
「そうするね」
「騎兵隊を突っ込ませることもな」
 追撃戦の定番であるこれもというのだ。
「しないでおくな」
「そうしてだね」
「追撃を仕掛けるな」
「そうするね」
「ああ、しかし攻めるだけじゃないな」
 スパルタ軍の堅固な後詰を見つつだ、久志は苦い顔で述べた。
「退く方もな」
「上手だね」
「戦は攻めるだけじゃないけれどな」
「スパルタ軍はそこもしっかりしてるね」
「退く方も訓練してるか」
「そうだね、ただ攻める時よりも」
 先程までの彼等と比較してだ、淳二は言った。
「慣れていない感じだね」
「それだけいつも攻めてるってことだな」
「そうみたいだね」
「退くことは訓練はしていても」
「経験はないから
「慣れていないんだな」
「うん、けれどね」
 それでもとだ、淳二はまた言った。 
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