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レーヴァティン

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第百五十六話 一騎当千の者達その九

「堅固な、よく訓練はされているから」
「迂闊には攻められないな」
「それは無理だな、じゃあな」
「それならだね」
「今言った通りの攻め方でいくな」 
 こう言ってだった、久志は追撃は仕掛けたがそれでも積極的には攻めず遠距離攻撃に徹した。そうしてだった。
 スパルタ軍を夕闇が完全に落ちるまで攻めた、その後で。
 久志は日が落ちたその後で全軍を休ませ食事を摂らせた、そこでだった。
 彼は夕食のシチューを食べつつ仲間達に言った。
「色々強かったな」
「はい、将兵の個々の強さも戦術も」
 進太はパンを食べながら応えた。
「非常に高いレベルにあって」
「尋常じゃなかったな」
「あと少しで、だったでござるな」
「槍衾を破られてな」
「切り込まれていたでござる」
「そうなっていたな」
「こちらの損害も結構出たでござる」
 進太はこのことにも言及した。
「苦しい戦だったでござるよ」
「そう言うべきだな」
「まことに」
「ったくよ、本当にな」
 久志はこうも言った。
「強い敵ってのはな」
「面倒でござるな」
「ああ」
 まさにと言うのだった。
「本当にな」
「味方であるならともかく」
「これは辛いぜ、しかもこの戦だけじゃねえな」
「まだ戦は続くでござる」
「そうだよな」
 久志は苦い顔で述べた。
「絶対に」
「やはりこの度の戦は」
「連中を完全に潰すまでな」
「続くでござる」
「あの連中をか」
 強い彼等をとだ、久志は苦い顔で述べた。
「最後までか」
「戦ってでござる」
「何度聞いても嫌だな」
「そうでござるな、ですが」
「そうするしかない戦だな」
「この度は」
「だよな、じゃあ次は」
「スパルタの街に向けて進軍するでござるが」
「また来るか?」
 スパルタ軍がとだ、久志はパンをシチューに浸した、そうしてからそのパンを口に入れてから言った。
「スパルタ軍は」
「若しくはゲリラ戦でござるな」
「ゲリラかよ」
 そう聞いてだ、久志はこれまで以上に嫌そうな顔になった。そのうえで言った。
「あれはな」
「戦いたくないでござるな」
「ああ、いきなり出て来ていきなり襲って来るとかな」
 そうしたことはというのだ。
「正直な」
「嫌なものでござるな」
「やっぱり戦だとな」
 それをするとなると、とだ。久志は進太に自分の偽らざる考えを述べた。
「正規戦にしても攻城戦にしてもな」
「軍勢同士がぶつかってでござるな」
「ぶつかるのがいいからな」
「そうでござるな」
「それが何時何処からか襲ってくるかわからない」 
 久志はさらに言った。
「しかも軍人かどうかわからない奴がな」
「急に攻撃してくるでござるな」
「農民とか町人だと思っていたのがな」
 村や町でそう思っていた者達がというのだ。
「いきなり背中から攻撃してくるとかな」
「それは嫌でござるな」
「ああ、どうしてもな」
 それはというのだ。
「ゲリラ戦はな」
「それはもうモンスターとの戦闘と考えればいいでしょ」
 あっさりとした口調でだ、留奈が言ってきた。 
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