もう二度と
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第三章
だが翌日彼に異変が起こり。
数日後彼は友人達に話した。
「あたったよ」
「牡蠣にかい?」
「若しかして」
「そうなのかい?」
「うん、それでね」
友人達に話すのだった。
「一日酷い目に遭ったよ」
「下痢かな」
「トイレに通いづめだったのかい」
「そうなったのか」
「そうだよ、吐き気はしなかったけれど」
それでもというのだ。
「三十分か一時間に一回でだよ」
「それはまた酷いな」
「実に酷い下痢だな」
「聞いているだけで辛そうだ」
「実際辛かったよ」
そうだったとだ、彼は話した。
「本当にね」
「やっぱりな」
「それだけの下痢だと確かに辛いな」
「言うまでもないな」
「そう、そして」
クライストはさらに話した。
「何故あたったかというと」
「まさかと思うが牡蠣の質が悪かったのかい?」
「新鮮でなかったか菌が付いていた」
「そうだったのかい?」
「いや、どちらの問題もなかったよ」
このことは店員が言う通りだった。
「そしてアレルギーでもなかったよ」
「ああ、牡蠣にもアレルギーがあったな」
「そういえばそうだったな」
「あのアレルギーは辛いらしいな」
「マグネシウムだったよ」
それのせいだとだ、クライストは話した。
「牡蠣の中のね」
「ああ、牡蠣の中にはそれがあったな」
「そういえばそうだった」
「牡蠣はそうだった」
「百個以上食べたんだ」
もっと言えば一八五個だ。
「それでだよ」
「マグネシウムを多く摂取し過ぎて」
「それで身体を壊したのかい」
「激しい下痢になったんだな」
「そう、これには参ったよ」
クライストはその時のことを思い出しつつ話した。
「実際にね」
「まあ三十分か一時間に一度トイレに行くとかね」
「冗談じゃないよ」
「そんな生活一日でも嫌だよ」
「うん、仕事も休んだし」
とても行ける様な状況でなかった、トイレに通い詰めで。
「洒落になってなかったよ」
「牡蠣は怖いな」
「普通に食べ過ぎるとあたるとかな」
「そんなものなんだな」
「そう、それこそ百個以上食べたら」
とにかく多く食べればというのだ。
「危険だよ」
「全くだな」
「僕達もそのことは知らなかったが」
「怖いものなんだな」
「そう、だからビスマルクも」
彼が憧れ食事を真似てみた彼もというのだ。
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