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ドリトル先生の林檎園

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第七幕その五

「そうなるんだよ」
「そういうことですね」
「そこは仕方ないから」
「受け入れるしかないですね」
「そういうことでね、ただね」
 こうも言う先生でした。
「紅玉のお話をしたけれど」
「この林檎は、ですね」
「林檎独特の酸味が強くてね」
 そのお陰でというのです。
「アップルパイやアップルティーにはね」
「向いていますね」
「そうなんだ、日本人は林檎をそのまま食べることが多いね」
「そうですね、果物全体が」
 トミーは先生のそのお言葉に頷きました。
「そのまま食べられることが多いですね」
「他の国に比べてね」
「だから林檎もですね」
「そのまま食べることが多くて」
 それでというのです。
「そちらに向いている種類が多いけれどね」
「日本の林檎は」
「そう、けれどね」
「そのまま食べて美味しい林檎よりも」
「紅玉はね」 
 こちらの種類の林檎はというのです。
「調理してね」
「そうして食べる方がですね」
「美味しいしね」
「そうしたものに似ていますね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「そこはわかっておいてね」
「わかりました」
 トミーも先生の言葉に頷きました。
「そういうことですね」
「そうだよ、それとね」
「それと?」
「林檎のお話をしたから」
 だからだというのです。
「ちょっと林檎酒も飲みたくなったね」
「シードルですね」
「僕はあのお酒も好きだからね」
 にこりと笑って言う先生でした。
「だからね」
「それで、ですね」
「そう、今夜はそれを飲もうかな」
「いいですね、ただ」
 ここでこうも言ったトミーでした。
「長野県は確かに林檎の産地ですけれど」
「それでもだね」
「シードルは造っているでしょうか」
「林檎自体が有名でだね」
「シードルは」
「あったらだよ」
 その場合はというのです。
「その時はね」
「飲まれたいですか」
「うん、飲んで」
 そしてというのです。
「そうしてね」
「楽しみたいですね」
「長野県の地酒も楽しんだし」
 日本酒のそれをというのです。
「その後はね」
「シードルもですね」
「そう思ったからね」
 だからだというのです。
「今夜ね」
「じゃあ」
「飲もうね」  
 シードルがあればというのです、そうしたお話もしながら先生はこの夜はシードルが飲めればと思っていました。
 するとです、宿泊先の近くにあるお店にでした。
 そのシードルがありました、それで先生は皆に笑顔で言いました。 
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