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ドリトル先生の林檎園

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第六幕その七

「本当に悪魔の言語だよ」
「とんでもなく難しいってことだね」
「この場合はね」
「まあ実際に日本語難しいからね」
「何でこうなったの?っていう位にね」
「物凄い言語だね」
 動物の皆もこう言います。
「何が何かね」
「ちょっと勉強した位じゃ覚えられないし」
「先生はそう思うと凄いよね」
「イギリスにいた時から日本語マスターしてたし」
「古典もすらすら読めるし」
「昔の言葉も解読出来るしね」
「古文書の解読もね」
 こちらについてもとです、先生はお話しました。
「これまたね」
「大変な技術だよね」
「特に日本語については」
「日本の平安時代とか戦国時代の文とかね」
「そうそう読めないわよね」
「そうだね、平仮名にしてもね」
 この文字もというのです。
「明治維新までずっと多かったから」
「えっ、今よりもだったんだ」
「今でもアルファベットより多いのに」
「それでもなんだ」
「今より多かったの」
「平仮名も」
「そうだったんだ、それを維新の時に整理したんだ」 
 そうしたことがあったというのです。
「そのことも頭に入れておかないといけないしね」
「何から何までね」
「日本語って難しいね」
「ひょっとして難しくなる方向に進歩したの?」
「そうも思えるけれど」
「否定出来ないね、僕も」
 どうにもというのでした、先生も。
「実際に難しいからね」
「そうだよね」
「とんでもない難しさだからね」
「実際にそうだし」
「それだとね」
「先生も否定出来ないことよね」
「文字が三つもあるのは」
 平仮名と片仮名、そして漢字とです。
「そこにローマ字入れると四つなのはね」
「日本だけだしね」
「英語や中国語やアラビア語は文字一つだし」
「ロシア語でもね」
「最近ベトナム語でもそうだね」
「あと韓国語も」
「それが日本語ではね」
 この言語はというのです。
「そうなっているからね」
「特別凄いね」
「本当に何でこうなったか」
「それがわからない位で」
「凄いよね」
「全くだよ、けれど」
 それでもと言う先生でした。
「学んでいて面白いよ」
「そこでそう言うのが先生だね」
「そうだね」
 オシツオサレツが二つの頭でお話します。
「学問のことなら何でもで」
「そう言うのがね」
「だから日本文学にも詳しいんだね」
 トートーの口調はしみじみとしたものでした。
「原語で読めるし」
「そして日本のことにも詳しいんだね」
 ホワイティもこう言います。
「この国のことにも」
「というか今の先生は」
「日本人より日本に詳しいところがあるし」
 チープサイドの家族もこう言います。
「物凄い日本通だよね」
「日本語についてもだし」
「今だってこんなお話も出来るし」
 ガブガブも思うことでした。 
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