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デジモンアドベンチャー Miracle Light

作者:setuna
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銀世界

 
前書き
最近暑くなったと思うのて現実逃避に季節外れにも程がある話です。

暑いと冬が恋しい 

 
大輔達が小学6年生に進級して夏の季節となり、大輔達はあまりの暑さに参っていた。

「大輔ー、暑いー」

「うるさいぞブイモン。それは全員同じ気持ちだよ」

「そうそう、大輔の言う通りよ。あんただけが暑いと思ってんじゃないわよ青蛙」

「うるさいぞネズミ。暑苦しいから寄るな、ネズミ臭が移る」

「………ぶっ飛ばす!!」

「返り討ちにしてくれるわあ!!」

「止めんかい!!」

「「アンビバレンチッ!?」」

暑さで沸点が低く(元からブイモン達の互いに対する沸点が低いけれど)なり、即座に喧嘩に発展しそうになるが、大輔がヒカリからハリセンを受け取ってハリセンによる洗礼を浴びせた。

「この暑いのによーやるわー…」

「流石にこの暑さは参りますね…京さん、デジタルワールドの雪原エリアにでも行きませんか?」

「あー、それ良いアイディアだわ。このままだと干物になりそうだもの」

平常運転のブイモンとテイルモンに呆れている京に同じく暑さに参っている賢が進言すると京も頷き、子供達に全員集合をかけて雪原エリアに避暑に向かうのであった。

【涼しい…どころか寒い】

「そりゃそうだ。夏服で雪原エリアなんだからな」

雪原エリアに足を着けた瞬間に身震いする一同に大輔は呆れる。

「それにしても冬の時は鬱陶しいと思う雪も夏になると恋しくなるんだよな」

「そうですね」

太一と芽心が雪を掬いながら呟く。

「そうだ、雪合戦しません?雪合戦」

「雪合戦か…最後にやったのは大輔達が小学1年生だった頃だったな」

「そうそう、私と大輔君と賢君とジュンお姉ちゃん達でやったんだよね」

「…ブイモン達もやったんですか?」

「そうだぞ伊織。大輔達に頼まれて俺もメンバーに加わってな…何せデジモンで雪合戦出来るの俺だけだったからな」

「ワームモンは手がないから雪玉を作れないからな」

ワームモンは雪合戦には不向きな体だから当時に参加出来るのはブイモンだけだったのだろう。

そこまで考えてヤマトは苦笑した。

「あの頃は大輔もヒカリも可愛くてなー。無邪気に雪玉を投げてたんだぜ?それをあの馬鹿は空気を読めずに割り込んできて…」

「ああー、ジュンさん?簡単に想像出来るわねー」

「ブイモンはジュンさんに雪玉でも投げたんですか?」

「ん?ああ、2人の良い雰囲気に邪魔をするから雪玉を目に当てて目潰しをした後にブイショットで夜空の星にしてやったぜ」

そう、今でも目を閉じれば昨日のことのように思い出せた。

『喰らえー!!』

『ぎゃああああ!目が!目がああああ!!』

『ブイショット!!』

『ああああああああ!!!?』

雪玉で目潰し攻撃を受けて悶えているところに衝撃波をまともに受けて星となったジュンの姿を。

「ああ、あれは見事だったね。目潰しを喰らって悶えるジュンさんにブイモンは一切の迷いもなく衝撃波をぶち当てた」

「懐かしいね賢ちゃん」

「あの頃は楽しかったなー」

「ふふふ、そうだね」

【(何と言うデスゲーム…!!)】

懐かしそうに微笑む大輔達だが、あまりにも物騒な雪合戦に一同は戦慄を覚える。

「そして数分後にジュンがけろっとした表情で空から降ってきて俺達に腹が減ったから飯やらおやつやらをたかってきてなー。あの馬鹿の図太さには流石の俺もびっくりしたぜ。何せ本気でぶっ放したのに」

「そ、そう…」

「いや、うん…ジュンさんのデジモンの攻撃を受けてもピンピンしてるタフさにもびっくりしたけど、自分のパートナーの姉さんに一切の迷いもなく攻撃を当てられるお前にもびっくりだ…」

「大輔の姉さんも姉さんだけど…お前も凄いな…」

空とヤマトと太一がジュンのタフさやらブイモンの凄まじさに複雑な表情を浮かべる。

多分小学1年生時代の冬となるとブイモンは成長期としては破格の強さを持っていたはず。

そんなブイモンの攻撃を受けてもピンピンしているジュンのタフさに驚き、そして呆れ、そしてそんな普通の人間に向けたら重傷確実な攻撃を容赦なく放つブイモンにも呆れた。

「まあ、今となっては…今の俺を形作る美しき良き思い出の1つ…って奴だな」

「ブイモン、どこが美しき思い出なのかさっぱりだよ」

「美しいと言うよりもおぞましいの間違いじゃない…?」

フッと微笑むブイモンに丈とミミがツッコミを入れたのであった。

「と言うよりも大輔君達は何の疑問も抱いていないところを見ると結構な頻度でジュンさんを攻撃していたんですねブイモン」

【あ】

光子郎の言葉を聞いて懐かしそうにブイモンのジュンへの攻撃メモリーを思い返している大輔達に振り返ると、どうやら感覚が麻痺していることに気付いた太一達。

少し大輔達の将来が心配になった太一達であった。 
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