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女神と星座の導きによりて

作者:草ナギ
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星10 聖域の日常2

 さて、こうして黄金聖闘士達が揃った訳ですけど……、ん?ああ、はい。まだ一部候補で、最後の一人は聖域に居ないけれども。
 これからどうなるんでしょうね?
 このままだと女神、アテナが誕生してカノンがサガを誘惑?うん、誘惑だったですかね?して、サガの中の悪の心を刺激しちゃう……ハズ。
 うあー、マジうろ覚えですよー!!しっかりしなさい、私の頭!
 このままだとカノンはスニオン岬で死にかけてた所をアテナに助けてもらってた事知らずに、ポセイドン復活フラグ立てるし!アイオロスは死んで逆賊の烙印押されちゃうし!サガの乱は十三年まで成立しちゃうし!私はどうしたらーっ!!

 「おい、あいつ一体どうしたんだ?」

 「変なモンでも拾い食いしたんじゃね?」

 「いくらなんでも、姉さんはそんな事はしないよ」
 
 「でも強く否定は出来まい?」

 「……はぁ、姉さん、ごめん」

 そこの三人、聞こえてますよ。しーっかり聞こえてますとも!!
 ディーテ!最後まで否定しなさい!姉さんはおこですよ!おこ!
 確かに頭を両手で掴み、ブンブン振り回していましたが、決して拾い食いなんてしてません!むしろ、拾い食いしてたらお腹を押さえるでしょ!

 「なんだ、真名。拾い食いしたのか?」
 
 「黄金聖闘士でも拾い食いするんだな」

 「そんな訳ありますか。それに、拾い食いしたら押さえるのはお腹です」

 アイオリアとミロが私が本当に拾い食いしたと勘違いしてます。そこにムウのツッコミが入る!そんな君にシビアコ!
 っつーか、拾い食いで、そんなに盛り上がらないでください!本当に私の事をどう思っているのか……!

 「え」

 「えーっと」

 「控えめに言って変人」

 「その喧嘩買うから、カニさんはコロシアム裏に来なさい」

 「なんでだよ!本当の事だろ!?」

 「この子達を嗾けますよ」

 「……すんませんでした」

 わかればいいのです!ふっ、虚しい戦いでしたね……。

 「はぁ……姉さん、貴女という人は……」

 「心中察しする」

 ディーテ、シュラ、君達もコロシアム裏に来ますか?っと小宇宙を軽く燃やしてみる。

 「「!?」」

 「ふっふっふっふー」

 ちょっぴり怒ってるんですよーって、意味でも小宇宙を燃やした私に、三人は自主的に土下座(昔、私がデス君に教えました。二人は見てましたけど)して謝ってきました。デス君は二人から頭を押さえられてましたね。
 ふっ、口は災いの元っていうんですよ?
 
 「真名、強い……」

 「おー!俺もああなりたい!」

 「あの三人の様になりたいのかね?物好きだな。ミロ」

 「違う!そっちじゃない!馬鹿な事ぬかすな!シャカ!」

 「わたしはどっちにもなりたくないです」

 ちびっ子達はすんごい好き勝手に言ってますね。……そう言ってられるのも今のうちですよー。って、私、そんなに怒りっぽいですか?

 「ほらほら、皆さん。修行の続きをしますよー」

 「……お前が変な素振りするから」

 「んにゃ?何か言いました?」

 「な、なんでもねーよ!!」

 デス君がまた何か言ってましたけど、小声過ぎてわかりませんでした。
 うむ、気にしない事にしますかー。

 「では、皆さん、今日はサイコキネシスいってみましょー」

 「「えー」」
 
 「アイオリア、ミロ、”えー”ではないのです。苦手なものは今のうちに出来る様になった方がいいんですよ?」

 「でも、やっぱり苦手だよ」

 「そう言わずに」

 っと、言いながらアイオリアの頭を撫でます。うん、ふわふわな触り心地。

 「おれ、スカーレッドニードル使えるからいい」

 「アンタレス使えます?」

 「うっ」

 この時、ミロはまだアンタレスを使うのが苦手みたいでした。意外です?私も初めて知った時はビックリしました。どうやらアンタレスを打つのに小宇宙の練り方が甘いと打てないみたいで。
 小宇宙を燃やし、巧みに操る事が出来るにはサイコキネシスで慣れた方が良いと見ました。

 「早く使えるようになりたいでしょう?」

 「そ、そうだけど……」

 「ミロ、後でわたしの分のクッキー「ダメです」うっ」

 もう、皆さん平等に配ってるんですから、そういうのはダメです
 
 「カミュの分はカミュの分。ちゃんとミロにはミロの分があるので大丈夫ですよ」

 するとカミュが私に近付いてきて、服の裾をクイクイ引っ張ってきたので、カミュの身長に合わせる様に少しだけ屈みます。

 「でも、何かミロのやる気を出す方法がないと、このままだとサボってしまいますよ」

 「ふむ」

 では、こうしましょう。

 「ミロ」

 「ん、なんだ?」

 皆さんから少し離れて、こっちこっちと誘導し、耳元で囁きました。

 「え、ホント!?」

 「はい」

 「嘘じゃないよな!」

 「生憎、嘘は嫌いですね」

 そう言うと、ミロは目を輝かせて私に「耳を貸せ!」っと大慌て。まったく、仕方ないですねぇ。
 ミロに耳を傾け、言葉を聞きました。

 「はい、良いですよ」

 「おお!よーし、やるぞぉー!」

 「では、ミロ。君に決めた!」

 「おう!」

 そうして大岩に向かって指を突き出し、ミロを向けさせます。
 私はミロとの約束を考え、今後の事に関しては一旦隅に置いておく事にしました。
 その日ミロは何故か斜め上に向かって力を発揮し、この時にアンタレスを打つ為の小宇宙の練り方のコツを掴みました。ミロ、ちょろいですな。


 □■□■□■□■□■□■


 「子供って単純ですよねー?」

 「……一応、言っておくがお前も子供なんだぞ?」

 おおう、忘れてました。私ってば、後少しで中身は三十二歳の身体は十二歳になるんですよね。……年取るの早いですねぇ。
 
 「カノンは今、十五でしたっけ?十五に見えない体格してますよねー」

 「そういうお前は小さいな。女の方が大きくなるのが早いと聞くが、本当に身長伸びてるのか?」

 「むむ、失礼な!身長に関しては後半戦でケリを着けます!」

 「何とケリを着けるつもりなんだ。お前は」

 くっくっく、とまた笑われました。まったく、失礼ですね!
 
 「さっきは助けない方がよかったですかね?」

 「……すまなかった。俺が悪かった!これでいいか?」

 「最後のは余計です」

 そう、何やら揉めてる?みたいな感じで、気になったんで近くまで騒ぎっぽい所に行ってみたら、カノンが似合わないにっこにこ顔して神官や、女官の相手をしてたんですよ。
 どうやらサガと勘違いされて、サガしか知らない事を聞かれてるっぽく、困ってますオーラが出てましたね。
 仕方ないので教皇様が呼んでいると言って抜けてきたのです。
 教皇様なら聞かれてもカノンの事を知ってますし、誤魔化してくださるでしょう。まぁ、気軽に聞ける様な立場じゃありませんから大丈夫だと思います。
 そして、私達はいつものスニオン岬に来ており、適当な岩に座って雑談していました。
 
 「で、カノン、私に言う事があるでしょ?」

 「……」

 「意地を張ってるとしつこいですよー?私」

 「あ!あ……が、とぅ」

 「ん?」

 「ありがとうと言ったのだ!ちゃんと聞け!!」

 なんか逆切れされてるー!?ん?あらま、顔真っ赤。

 「そんなに恥ずかしがらなくても……」

 「くっ!」

 まさに不覚!みたいな感じで悔やまなくても……。

 「仕方ない人ですねぇ」

 「う、うるさぃ!」

 からかい過ぎると拗ねるのでここまでにしますか。
 そう思っていい加減飽きてこないのか?と聞いたら、時々しか貰えないから飽きない。っと言われたクッキーを渡す為に、ベルトに引っ掛けていた袋を取り外すのでありました。
 
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