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デジモンアドベンチャー Miracle Light

作者:setuna
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第36話:竜殺の閃き

 
前書き
太一達は原作通りなんで飛ばします。 

 
ワルもんざえモンを退けて、太一達を捜し回る子供達だったが。

「何?この音?」

空が突然、何かの音が聞こえたようで、全員は耳を澄ませて空が聞いた音を聞こうとした。

「何かが壊れているような音だな…しかも段々と大きく…まさか!?」

嫌な予感を感じたヤマトが咄嗟に後退した。

その瞬間、ヤマトがいた場所の壁が吹き飛び、そこから何とムゲンドラモンとアンドロモンが現れた。

「ムゲンドラモン!?」

「今、アンドロモンもいなかったか…?」

そして2体は、そこにいたヤマト達に気付く事も無く更に奥に進んで行った。

ムゲンドラモンが破った壁から太一達が飛び出してきた。

「おお、太一。生きていたのか」

「こんなとこで死んでたまるかよ!!」

ブイモンがからかうように言うと太一はヒカリの元に駆け寄りながら言い返す。

「なあ、太一。今の…アンドロモンだよな…?」

「ああ、ファイル島のアンドロモンだ。今、代わりにムゲンドラモンと戦ってくれてる」

「アグモン進化出来ないの?」

「ヒカリさんを捜すために休みなしで動いたからエネルギーが足りないんですよ」

ヒカリの問いに光子郎が溜め息を吐きながら言う。

どうやら敵に見つかった時のことを途中までまるで考えていなかったようだ。

「とにかく、ムゲンドラモン達を追い掛けましょう。積もる話は後で」

【おお!!】

賢が先に駆けて、大輔達もその後を追う。

その間にムゲンドラモンとアンドロモンとの戦いはやはり究極体と完全体では差があるようで、次第にアンドロモンは押され始めていた。

「ワームモン!!」

「ワームモンワープ進化、バンチョースティングモン!!」

究極体に進化して一気に距離を詰めて殴りかかる。

体格はムゲンドラモンが上回るが、バンチョーに属するデジモンだけあってムゲンドラモンの巨体が揺らいだ。

「はあああああ!!」

その隙を逃さず、懐に飛び込んで連続蹴りを叩き込み、ムゲンドラモンを一気に後退させた。

「バンチョースティングモン!!」

「爆雷天!!」

賢が指示を飛ばし、バンチョースティングモンは零距離での機雷による爆撃を繰り出す。

衝撃によってムゲンドラモンは大きく後退した。

「凄え…」

経験を積んだためか、前回のダークマスターズとの初戦の時とは違い、今回の戦いではムゲンドラモンをスピードで翻弄し、重い一撃を叩き込んでいる。

「アグモン…まだ、進化出来ないか?」

「ごめん、お腹空いたし…疲れて…」

「いや、俺がちゃんと休憩を挟めなかったからだ。」

かつて光子郎からウォーグレイモンの両腕の武器であるドラモンキラーは竜系のデジモンに有効だと言っていたのを思い出した太一は、ウォーグレイモンに進化さえ出来ればムゲンドラモンにも有効打を与えられるかもと考えたのだが、無理な捜索が災いしてアグモンに進化出来るだけのエネルギーがないのだ。

「チッ、相変わらず頑丈な奴だ!!」

「俺の全身はクロンデジゾイド合金だ。メタルシードラモンのような半端者と同じにされては困る。」

バンチョースティングモンの攻撃で確かにダメージは通るのだが、ムゲンドラモンに決定打を与えることが出来ないでいる。

やはり完全な機械化をしているムゲンドラモンに打撃はあまり通用しないようだ。

「苦戦してるな、バンチョースティングモンの奴」

「まずいわね、一応あの光で進化出来るまでには回復したようだけど、何時まで保つか…」

ブイモンとテイルモンが険しい表情を浮かべながら戦いを見つめる。

「大輔、ヒカリ。もう一度さっきの光を出せないか?」

「「え?」」

「無理よ、本人達さえ理解してない力よ?あまり頼らない方がいいわ」

ブイモンの問いにテイルモンが首を横に振る。

しかし問われた本人達は紋章を見つめた後に表情を引き締めた。

「「やってみる!!」」

紋章を握り締めてただひたすらに想いを込める。

すると先程に比べれば弱いが癒やしの輝きが放たれていく。

「対象を絞れるかい?対象はアグモンだ」

「はあ!?俺を回復させてマグナモンに進化すれば…」

「エネルギーが保つまでにムゲンドラモンに勝てるならやってもいいけど、出来るのかい?」

「ゔ…」

「ウォーグレイモンならドラモンキラーでムゲンドラモンに有効打を打てる。バンチョースティングモンが隙を作るから、アグモンはムゲンドラモンを一撃で仕留めてくれ」

「分かった。やってみるよ」

光を浴びて回復していくアグモン。

究極体にまで進化出来るくらいに回復したら一気に駆け出した。

「喰らえ!!爆雷天!!」

渾身の一撃をムゲンドラモンに叩き込むと、ムゲンドラモンの体が爆炎に飲まれた。

「くっ!!」

バンチョースティングモンの体が光に包まれ、ワームモンに退化した。

「これで終わりだな」

「ああ、君がね」

ムゲンドラモンに対して不敵な笑みを浮かべながら言うワームモン。

「何?…!?」

ムゲンドラモンが気付いた時には既にアグモンは近くまで来ていた。

「アグモンワープ進化、ウォーグレイモン!!」

光から飛び出したウォーグレイモンは右腕のドラモンキラーに全てのエネルギーを収束させた。

ムゲンドラモンの強固な装甲に生半可な攻撃は通用しない。

もしバンチョースティングモンが事前に隙を作ってくれなければウォーグレイモンは反撃を受けてダメージを逃れられなかったかもしれない。

「うおおおおおお!!」

ウォーグレイモンは右腕を振るった。

全てのエネルギーを込めた一撃はムゲンドラモンの装甲をまるでバターのように斬り裂き、横一文字に両断した。

次の瞬間、ウォーグレイモンはコロモンに退化する。

「ば、馬鹿な…」

「信じられないかい?でもこれが結果さ。仲間がいてそれを信じる僕達に自分しか信じない君達に僕達が負けるはずがないんだ」

「そうさ、僕達には仲間が…みんながついているんだ!!壊すことしか出来ないお前達なんかには絶対に負けない!!」

ワームモンとコロモンの言葉の後にムゲンドラモンが消滅した。

ムゲンドラモンが消滅したことにより、街のエリアが元の位置に戻って行く。

支配者が消えた事により動力源となっていたヌメモン達もようやく解放された。

「ヌメモン達…大丈夫かな?」

「大丈夫、ムゲンドラモンみたいなのがいない限り、悪用はされないだろう」

ヒカリの不安を和らげるように賢は言う。

「私……決めたわ。私も戦う。みんなみたいなことは出来ないけど自分に出来る精一杯をやる」

「うん、ミミ。私も戦いたい。戦わなくても誰かが傷つくなら戦った方がいい」

「うんうん、ミミの問題も解決して、目出度し目出度しだな」


ブイモンが頷き、アンドロモンは子供達に力を貸してくれるそうで、この先行動を共にしてくれるそうだ。

ムゲンドラモンを倒したことで、残るダークマスターズのメンバーは…。

「ピエモンだけだ…」

大輔が静かに呟くと、ピエモンとの決着をつけるために大輔達は足を動かした。 
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