魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第十七話
「はぁ、はぁ、まってよほうきちゃん…いちかくん、はやいよ~」
「箒、少し待ってやれ」
「は~い」
さて、俺達は今北白蛇神社の階段を登っている。
北白蛇神社は山の上に在る。
一応階段が在るものの普通の小学一年生の足にはかなりきつい物だ。
俺と箒は剣道で鍛えているから問題ないが千石は何も運動をしていないのでこんな状況である
同行者が束さんならラボに初めて行った帰りみたいにすればいいが今日は俺、箒、千
石の三人だ。
千石は箒の家に遊びに行くと言って家を出てきたらしい。
北白蛇神社は負のパワースポットなので一応、箒、千石には霊的(情報的)防御をこっそり掛けている。
「千石、もうすぐで頂上だ、頑張ってくれ」
「う、うん」
「ねーねーいちかー、なんでこんなにたかいやまのうえにあるの?わたしたちのおうちはやまのまんなかにあるのに」
「ほうきちゃんのいうとおりだよ」
あ~確かあの…なんだっけ?なんでも知ってる人…え~と…まぁいいか、あの人が何か言ってたよな…
「え~と、この神社は最初は別の場所に在ったんだけど、この街でお化けとかが悪いことをしないよう見張るためにこの場所に引っ越して来たんだ」
表の理由ってこんな内容だったよな?
「へ~」
「いちかくん、じゃぁこのじんじゃはおばけはいないの?」
「さぁ?どうだろう?神社って言うのはあくまで神様がすむ家でしかないから、神様が居なくなってたらお化けが住み着いてもおかしくはないよ。
むしろ整備されてた分居心地がいいかもね」
北白蛇神社・境内
「やはりか」
「壊れてる」
「い、いやなかんじがするからかえろうよ~」
あ~うん、なんかいるっていうか在る。
何て言うか幽霊、特に悪霊と呼ぶべき物の欠片、つまり負の感情のプシオンと呪い一歩手前の状態のサイオン。
「もう少し見てから帰ろう」
さてと…でもって初代怪異殺しは……
あ…居た、いや、欠片か?
眠ってるのか?
反応が弱々しい、人間程度の力すらないようだ。
ザッザッザッザ
ん?誰か来た?
「やーやー、そこの君達、こんな潰れた神社で何をしてるんだい?」
!
「この神社は霊的に負の気を持っている、って言っても解らないか。
え~と、ここは本当にお化けが出るから早めに帰ったほうがいいよ、坊やたち」
ああ、この人だ…
「あの、貴女は?」
「ん~?私かい?私は臥煙伊豆子、ただの通りすがりのお姉さんだよ」
あぁ、そうそう、この人そんな名前だったな。
「ところで君達の名前は?」
「えっとねーわたしは……むぐっ!」
箒が名乗ろうとしたので口を塞いで止めた。
彼女は妖怪変化や呪術の世界に連なる存在だ、名前なんて教えたらどうなることか。
「怪しい人には名乗るなと教えられてまして。
で、臥煙さんは何故この北白蛇神社に?」
一応前に出て箒と千石を守れる位置へ。
初代怪異殺しを見に来たのか?
神社の様子見か?まぁ警戒するにこしたことはない。
「おーおー、そんなに警戒しなさんなって。
君達いくつ?子供は子供らしく無いとね」
「いやいや、警戒しますよ、心霊スポット巡りをしてたら知らない人に声をかけられたんですから。
お化けかと思いまして、名乗った瞬間あの世行きなんてごめんですよ」
「ひっ!」
千石、俺を盾にするんじゃない。
「いや、本当、君達いくつよ?」
「ことしからいちねんせーなのー!」
「おお、そうかい、学校は楽しいかい?」
「うん!」
なんか箒と臥煙さんが久々に会った親戚に見えてきた。
「君もかい?」
「ええ、そうですが何か?」
「何故そんなに警戒するのかなぁ?
臥煙お姉さんに教えてちょうだい?」
「だったらその不審者っぽいファッションをどうにかしてください」
「ふふ、君は面白いねぇ。ところで君達はお化けを信じるかい?」
いきなりなんだ?
「あの、おばけってほんとにいるんですか?」
千石がめっちゃ不安そうに尋ねた
「質問を質問で返すのはよくないよ」
「はい、すみません…」
「お化けが居るかだろう?お化けは」
「居ると思いますよ。勿論、神や妖怪も」
「何故そう思うんだい?あと人のセリフを遮るのも…
いや、君の場合はわざとか…」
「霊感ありますもん、俺」
「ん?なら君に憑いてる……いや、なんでもないよ」
橙の事バレてるのか?諸々の術式で隠してるのだが…
「そういう事を聞くってことは貴女は信じているのでしょう?臥煙さん?」
「ああ、そうだよ、君の言うとおり妖怪や神もね。
さぁ、もう十分この神社を見ただろう?
私は少し此処で仕事が有るんだ。
邪魔になると思うからもう帰りな」
やっぱり神社の様子見のようだ。
ここの御神体は封印されていたが、例の札はもうあるのだろうか?
今のところ持っていないようだが、単に持っていないのか、置いてきたのか…
「ええ、解りました、ああ、それと、この神社の御神体ってなんなんでしょうね?
石なのか、そこにある木が御神木なのか、それとも…蛇の骸だったりして」
「さぁ?私に聞かないでおくれ」
「ヘェ~貴女って『なんでも知っている』ようにみえますけどね」
「どうだろうね?」
「「あははははははははは!」」
乾いた笑い声だこと。
「「………」」
あ~箒も千石も黙り込んじゃってるよ。
「では俺達はここら辺で。帰るぞ二人とも」
「う、うん」
「はい…」
元気ないな。
「さようなら臥煙さん、また会いましょう」
「ああ、さようなら。結局最後まで名前を教えてくれなかったね」
「俺の名前は織斑一夏、『まだら』を『おる』に『一つ』の『夏』です」
「そうかそうか、いい名前だ。
また会おう織斑一夏君」
「ええ、たぶんもうあわないでしょうがね」
「いちか、あのひとってわるいひとなの?」
「何故そう思うんだ?」
「さっきのいちかこわかった、いつものいちかじゃないみたいだった」
「そうか、悪かったな箒。千石はあの場所で何か感じたか?」
「いやなかんじがしたよ」
それだけか?
「本当にそれだけ?蛇を見たりしなかったか?」
「ううん、なんにもいなかったよ」
「そうか、なら良かった」
蛇切縄の一件が起きてなくとも千石にはそういった存在が見える可能性も有ったが大丈夫なようだ。
「な、なんでそんなこときくの?いちかくん…」
あら、こわがらせちゃったかな。
「さぁ?何故でしょう?」
「こ、こわいこといわないでよぉ…」
「いちか~」
箒がジト目だ。
「悪いな千石、お前の反応が面白くってな」
「むぅ~」
「悪かったって、さぁ、早くおりようぜ。
今日中にあと二つか三つは行きたいからな」
「まだいくの?」
「もうつかれたよ~」
「大丈夫、残りは殆ど街中だから」
「なら…いいです」
山中なら駄目なのかよ…
「よーし、行くぞー!」
「おー」
「おー」
テンション低いなー、まぁいいか
その後は街に戻って街中の神社を回った、日記のネタには十分だろう。
明日はラボに行かなければいけないが明後日にでもまた行くかな。
夏休みは始まったばかりだ!
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