詩集「棘」
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有明けの月
希望を求め流離う魂(ココロ)
想い募り身を焦がす
燃えるような秋の夕暮れ
静かに風は芒を揺らし…
秋風に 枯れしや侘し
鏡草 現し世は夢 流る水面に
ざわめく心に落ちた幻
不確かな明日へと伸びゆく
寂しさに溢れて眠る
醒めて残るは…有明けの月…
繰り返される今を生きても
苦痛は常に纏いつき…
愛するが故の醜さを
知りつつも想う…君だけを…
秋虫の 鳴くや荒ら屋
小夜更けて 星のふりしも
わが身虚しき
揺らめく世界へ散り行く恋慕
拾い集めて繋げようとも…
叶わぬ夢に胸痛め
見れば儚き…有明けの月…
切り刻まれる…時の檻…
疲弊した感情は求め続けて
君への想いがこだまする…
夕暮れの朱に染まる街並み
行き交う人は影法師
願わなくとも朝は来る…
見るも侘しき…有明けの月…
さざめく想いに落ちた影
不確かな明日へと伸びてく…
淋しさに疲れて眠る
醒めて残るは…有明けの月…
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