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詩集「棘」

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いつも笑顔でいられたら



過去の中の光…遠い幻…
手を伸ばせば届きそうな
月影に似て寂しくて…

秋虫のカンタービレ
夜の空へ優しく響く
愛しさは翳ることなく胸にあり
想う心は溜め息に…

いつも笑顔でいられたら
僕は幸せになれますか…?
廻り続けるこの惑星(ホシ)の上
どうして君は隣にいないの…?


大河のような時間(トキ)…流されるまま
悲しみや苦しみさえも
いつか癒えると知りつつも…

鉢植えのローズマリー
手に触れれば微かに香る
思い出はふとした時に甦り
甘い痛みが込み上げる…

いつも笑顔でいられたら
君と一緒にいれますか…?
巡り彷徨うこの人生(ミチ)の上
恋しさだけがつのるばかりで…


淋しいよ…なんて言えない
君に嫌われたくないから…?
会いたいよ…なんて言えない
僕が僕であるから…?

世界の柵から逃れられたら…
あり得ない夢を見るのは…きっと…罪…

いつも笑顔でいられたら
愛しい人に逢えますか…?
叶わぬ願い乱反射して
遠い記憶が胸を刺す…

いつも笑顔でいられたら
迷わず歩いて行けますか?
繰り返されるこの日々の中
君と在れたら…幸せなのに…

ねぇ、神様…この我が儘…

叶えて…



 
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