オズのボタン=ブライト
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第十二幕その九
「そうなっているよ」
「そういうことじゃな」
「狐さんってやっぱり揚げが好きなんだね」
ボタンも言います。
「そうなんだね」
「その通りだよ」
「狐さんは鶏肉も好きだけれど」
「今では揚げの方がだよ」
「好きなんだね」
「だから皆にもだよ」
笑顔で言うのでした、ボタンにも。
「揚げを食べて欲しいんだ」
「それじゃあだね」
「お昼はそれを楽しみにして十時は」
「おやつは何なの?」
「羊羹に」
狐の王様はまずはそれを挙げました。
「お団子にお饅頭だよ」
「和菓子だね」
「和風ティーセットだよ」
「また日本なんだね」
「そう、揚げに凝っているとね」
これがというのです。
「日本のお菓子も好きになってね」
「それで今日の十時は」
「和菓子なんだよ」
羊羹やお団子だというのです。
「お茶も日本のお茶でね」
「この国何か日本好きになってきたわね」
オズマも狐の王様の言葉を聞いて少し驚いています。
「前はそうじゃなかったのに」
「だから揚げのお陰で」
狐の王様はオズの国の国家元首にもお話しました。
「それでなんです」
「さっきボタンに言った通りね」
「そうです、揚げは私達の好みを変えました」
「親日になっているのね」
「少なくとも舌はそうですね」
「そういうことなのね」
「狐さん達は多くの国にいますけれど」
祖国ブラジルにいないことはです、カルロスは残念に思いながらもお話しました。
「揚げが一番なんですね」
「そう、我々は外の世界ではかなり広い範囲に住んでいるというね」
「実際にそうです」
その通りという返事でした。
「熱い場所以外にはいますよ」
「そうだね、だから舌もね」
「揚げ以外にもですね」
「楽しめるけれど」
「揚げはですね」
「本当に凄いよ」
まさにというのです。
「我々に最高に合っているよ」
「そういうことなんですね」
「そう、それじゃあ十時にはおやつが出るけれど」
「その間もお昼も」
「そう、ずっと」
それこそというのでした。
「百人一首をしようか」
「はい、今日はそれでですね」
「遊ぼうね」
こうお話してでした、そのうえで。
皆で楽しくおやつも食べながら百人一首を楽しんでです。そしてその後で揚げと鶏肉のお昼御飯が出ました。
焼いた揚げに煮た揚げ、それにです。
きつねうどんもあります、オズマはそのきつねうどんを見て微笑みました。
「このおうどんもいいわね」
「きつねうどんもですね」
「ええ、いいわよね」
「そう、最早我々はおうどんといえば」
「きつねうどんになっているのね」
「揚げがなくては」
おうどんの中にもです。
「もう食べられません」
「そこまで好きなのね」
「だからこそ皆さんにも」
「ええ、じゃあ頂くわね」
「どうぞ、おうどんに揚げを入れると」
それこそというのです。
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