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第十二幕その十
「こんな美味しいものになるなんて」
「それじゃあね」
「きつねうどんも」
こうお話してでした、そのうえで。
きつねうどんも食べました、それからまた百人一首もしました。それは三時のおやつも挟んで夕方もでした。
楽しみました、そして。
夕方になるとです、リンキティンク王は皆に言いました。
「ではな」
「今日はだね」
「うむ、これで帰らせてもらいたいが」
「また来てね」
狐の王様は笑顔でリンキティンク王に応えました。
「そしてまた遊ぼう」
「貴殿もわしの国に来てな」
「一緒にだね」
「遊ぶぞ」
「それでは」
お互いにこうお話して楽しんで、でした。そして。
狐の王様は皆をお国の正門まで送りました、それから。
ドラゴンが寝ているのを見てです、こうしたことも言いました。
「あのドラゴンで来たと」
「その通りじゃ」
「では、だね」
「うむ、あのドラゴンに乗せてもらってな」
「帰るんだね」
「そうさせてもらう」
「わかった、ではな」
それならと言ってです、そしてでした。
狐の王様は皆をミクりました、お互いに手を振り合ってそうして仲良くでした。王様達はドラゴンに声をかけました。
「よいか」
「あっ、これからですね」
「うむ、国に帰るが」
「それでは」
「また送ってくれるか」
「勿論ですよ」
ドラゴンは王様に礼儀正しく応えてでした、そのうえで。
皆はドラゴンの背中に乗りました、そして最後まで狐の王様と手を振り合って再会を約束するのでした。
リンキティンク王の国にはすぐに着きました、すると。
王様はドラゴンから降り立ってです、皆も降り立って。
飛び立とうとするドラゴンにです、こう言いました。
「それでじゃが」
「はい、私はこれで」
「違う、お礼じゃ」
「いえ、お礼は」
「そういう訳にはいかぬ」
こうドラゴンに言うのです。
「わしも王様じゃ、礼を忘れてはいかん」
「では」
「何でも好きなものを言ってくれ」
「何でもですか」
「それをやろう」
送迎をしてくれた褒美というのです。
「御主にな」
「何でもですか」
「うむ、欲しいものを言うのじゃ」
「それでは」
ここでドラゴンが王様に言ったものはといいますと。
「お菓子を下さい」
「お菓子か」
「はい、王様がいつも食べている」
それをというのだ。
「お菓子をお願いします」
「それでいいのか」
「いえ、王様はお菓子もお好きですよね」
「好きも好きも大好きじゃ」
「そうですね、王様が召し上がらているのを見ていると」
「そういえばグリンダさんのお城に行った時も食べておるな」
「はい、その時に見まして」
そしてというのです。
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