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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者

作者:niko_25p
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第六話 訓練開始!

新たな部隊。

再会する少女達。

そして、始まる厳しい訓練

魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者、始まります。





outside

機動六課発足式当日。

バックヤードスタッフに混じって、アスカとエリオとキャロは集合場所にいた、

アスカは落ち着きなくキョロキョロと辺りを見回している。決して、女性が多いな~とか思ってはいない。

「アスカさん、どうしたんですか?誰か探しているみたいですけど…」

フリードを抱えたキャロがアスカに尋ねる。

「ん?ああ、ちょっと……な。知ってるヤツがいるんじゃないかと思って」

ポン、とキャロの頭に手を置き、撫でくりまくるアスカ。

(あっれー?あいつ等、来ると思ってたんだけどな)

昇格試験の時、チームを組んだ二人の少女の姿を探したが、それらしき人物は見あたらない。

「あいつら……断ったのか?」

ふと、そんな言葉が漏れる。その時、アスカは遠くから何やら騒がしく近づいてくる二つの人影に気づいた。

「痛いよ~ティアー。引っ張らないで!」

「うっさい!アンタがいつまでも食堂で粘るからギリギリになっちゃったでしょ!」

思わず視線を外すアスカ。

「相変わらず…仲が良いな。ティアナも苦労するな……」

アスカがポツリと呟く、と同時になぜか安心感もあった。

「知り合いの方ですか?」

その呟きを聞いたエリオがアスカを見る。

「ああ、短髪の方がスバル・ナカジマ。オレンジツインテールがティアナ・ランスター。オレ達の同僚だ」

二人に説明した時に、スバルがアスカに気づいた。

笑顔で手を振って駆け寄ろうとしたが、アスカは待て、とジェスチャーで伝える。

そして、クイクイと前を指した。

そろそろ来るぞ、と言う意味を察したティアナが、スバルの首根っこを引っ掴んで列に並ぶ。

(大丈夫か?あいつら)

さすがのアスカも、少々呆れる。

それからすぐに、部隊長であるはやてが隊長を引き連れて現れた。

壇上に上がり、挨拶の訓辞を述べている。

(しかし、凄いメンツだな)

アスカははやてを囲む隊長陣を見てそう思った。

なのは、フェイト両隊長はもちろん、守護騎士であり副隊長のヴィータ、シグナム、医務官のシャマル。

(隊長以上はオーバーSクラス。副隊長でもニアS。だいたい医務官が総合AA+ってありかよ。何回世界を救えるのやら……)

そう考えた時、アスカは眉を顰めた。

(つまり……そういう時が来る?まさか、な)

世界規模の災厄。

アスカは物騒な考えを頭から振り払った。

(考え過ぎ考え過ぎ……部隊長の身内ってだけだ)

そのはやての挨拶も終わり、解散となった。

「ヤホー!久しぶりだね、アスカ!」

すぐにスバルが飛んでくる。

「おう、相変わらず元気だな」

スバルの突き出した拳に、コツンと拳を合わせるアスカ。遅れて、呆れ顔のティアナも来る。

「ティアナも、相変わらず苦労しているみたいだな」

アスカの言葉に、ティアナが肩をすくめる。

「もう慣れたわ。アンタも相変わらずマイペースね」

ティアナはそう言ってから、アスカの後ろにくっついているエリオとキャロの存在に気づく。

「アスカ、そっちのチビッコ二人はなに?」

六課の人員が若いとは言え、その二人の子供に違和感を覚えるティアナ。

それを察したアスカが、いたずらっぽい笑を浮かべる。

「ああ、紹介するよ。ライトニング分隊のエリオとキャロだ」

アスカに紹介され、エリオとキャロはピシッと敬礼する。

「ライトニング3、エリオ・モンディアル三等陸士です!」

「ライトニング4、キャロ・ル・ルシエ三等陸士です!この子はフリードリヒです!」

フリードの紹介まで一気に済ませるキャロ。

「え?ええ!マジで?」

まさかフロントメンバーだとは思わなかったティアナが、一瞬呆けた後、驚きの声をあげる。

「私はスバル。スバル・ナカジマ二等陸士ね。コールサインはスターズ3。よろしくね、エリオ、キャロ。それに、フリードもね」

そんな驚くティアナの隣で、普通に自己紹介するスバル。ニコニコ笑って二人と握手している。

「あ、ああ、ゴメン、ちょっと驚いちゃって。アタシはティアナ・ランスター二等陸士。コールサインはスターズ4。よろしく」

まだショックが抜けきってないティアナを見て、アスカは苦笑する。

(ティアナの反応は予想通りだけど……スバルは中々の大物だな)

ありのままを受け入れるスバルに感心するアスカ。

「この後はオリエンテーションだろ?みんなで行こうか」

とりあえず自己紹介も終わったので移動しようとした時、5人は呼び止められた。

「あ、みんなー、ここにいたんだね」

「高町一尉、いえ、隊長!」

いつものように、優しげな微笑みで現れたなのはに敬礼するアスカ。

スバル達も一斉に敬礼する。

「はい、今日からよろしくね。みんな、こっちに来て」

敬礼を返した後、ついてくるようにと促されたアスカ達は、言われるがままについて行く。

「どこに行くんだ?」

隣を歩くティアナに、何となしに聞いてみるアスカ。

「さあ?」

もちろん、ティアナが分かる筈もなく首を傾げている。

「そう言えば、お互いの自己紹介はもう済んだ?」

先を歩くなのはが振り返って尋ねた。

アスカとティアナは、顔を見合わせてから答える。

「名前と部隊分け、コールサインぐらいですが」

「そう。じゃあ、訓練に入りたいんだけど、いいかな?」

なのはの言葉にアスカが驚く。

「え?いきなり訓練ですか?オリエンテーションとかは…」

アスカが聞くと、

「うん、それは後日やるから」

にこやかに答えるなのは。

(……頭を切り替えよう)

アスカは敬礼して答えた。

「了解しました!」





アスカside。

「しかし、いきなり訓練とはね」

訓練着に着替えたオレは、歩きながら呟いてしまった。

「それって、おかしな事なんですか?」

隣を歩くエリオがキョトンとした顔で尋ねてくる。

ああ、そういえば、エリオは六課が初所属だったっけ。

「ああ。普通はオリエンテーションをやってからだから、早くても午後くらいなんだよ、初日ってのはな」

「オリ?」

聞き慣れない言葉だったのか、エリオが首を傾げる。

「オリエンテーションってのは、何て言うか……導入教育って言うの?新しい職場でのルールとか、どんな仕事があるのとか、細かい約束事みたいのを勉強する事なんだ」

オレが説明すると、エリオはなるほど、と頷いた。

よかった、納得してくれて。ツッコまれたらどうしようかと内心ドキドキだったよ。

オレじゃこれ以上うまく説明できないからな。

うん、次からこういう説明はティアナに任せよう、そうしよう。

「じゃあ、そのオリエンテーションをボク達はやらないって事ですよね?」

「後日やるって言ってたからな。それよりも、訓練を急ぎたいんだろ?」

そんな話をしていたら、ちょっと疑問に思った事がある。

なぜ急ぐ?

事件は待ってはくれない。だから、早急にオレ達の実力を見極める必要があるって事か?

副隊長以上のあの布陣。

まさかとは思うが……天変地異クラスの災厄がくるのかもな。割とマジで。

ヤベェ……ちょっと寒気がした。

「まってー、アスカー、エリオー」

オレが怖い想像をしていた時、後ろからスバルのバカみたいに明るい声がした。

振り返ったら、着替えたスバル、ティアナ、キャロが早足でコッチにきていた。

「おいおい、随分遅かったな」

オレは先ほどの怖い想像を振り払うように、ちょっと大げさに言ってみた。

「女の子の着替えは時間がかかるの!」

ぷう、と頬を膨らませるスバル。

15歳にしては幼い行動に、ちょっと和んでしまった。

「そんなに変わんないでしょ。しかし、いきなり訓練とはね」

ティアナもオレと同じ事を言ってる。

さっきの怖い考えの事を相談しようかと思ったけど、わざわざ訓練前に話す事でもないか。

よし、じゃあ気合を入れてやるか!

「それだけオレ達が頼りないって事だ。よし!訓練なんだから元気だしていこうぜ!駆け足!」

オレが走り出すと…

「あ!」「待ってください!」

エリオ、キャロも走り出したきた。よし、いいぞ!

「あ!ずるいよ!」

スバルも後を追ってきた。そして…

「こらー!廊下を走るな!」

うん、ちゃんとティアナで落としてるな。ヨシヨシ





「どこで訓練するんだろうな?」

オレ達は指示された場所まで来て戸惑っていた。

訓練スペースと言われた場所は、海に面した人工広場、とでも言えばいいのか、何も無い空間だった。

エリオとキャロがいる時点で、オレ達と同じ基礎体力訓練はしないだろうし、模擬戦でもやるのかと思ったけど、このだだっ広い空間でなんの障害物も無しの模擬戦って、ただのタイマンにならないか?

「海あるし、水中戦やるのかな?」

発想の飛躍がすばらしく明後日の方向に飛んでいく意見を言ったのはスバル。

「いや、初日からそこまで変化球の訓練はしないいだろ。陸士だし、オレ達」

ツッコミ気味にオレが言う。そういう発想、嫌いじゃないけどね。

「どんな訓練になるんでしょうね?」

エリオが不安そうに聞いてくる。

まあ、組織に入った事のないエリオだ。勝手がわからないんだろうな。

「厳しい訓練になるのは間違いないさ。今のうちにポジションの確認でもしておくか?」

オレの意見に賛成したみんなは、それぞれのポジションを確認しあった。

フロントアタッカー スバル・ナカジマ。

ガードウイング エリオ・モンディアル。

センターガード ティアナ・ランスター。

フルバック キャロ・ル・ルシエとフリードリヒ。

まあ、バランスの取れた布陣だな。

「……で、アスカのポジションはどこなの?」

あ、オレだけ言ってないのがティアナにばれた。

さて、何て言うべきか……正直に言うしかないけどね。

「……ないよ。決まったポジションは」

「「「「はい?」」」」

オレが言うと、四人が綺麗にハモりながら聞き返してきた。

「だからないの!動き回ってのバリア要員だったから。いうなれば、フロントガードってところか?」

「いや、ないから、そんなポジション!」

ティアナがツッコんでくる。そこまで力一杯言わなくてもいいじゃん。悲しくなるわ。

「って言われてもなあ。ずっとそれでやってきたし」

「じゃあなんでポジション確認しようって言ったのよ!」

ティアナが間髪入れずに聞いてきた。

「いやー、みんなのポジション聞いてから決めようかなーって」

「あ…う…」

オレの切り返しに絶句するティアナ。頭を抱えてしゃがみこんだ。

「もう…勘弁してよ…スバルだけでいいから、そういうのは」

「あはは」

おい、スバル。お前の事を言われてるんだぞ?なに笑ってやがる。

「アンタの事も言ってんのよ!」

あい、すみません……つーか、オレの心を読むな、ティアナ。

「とりあえず、試験の時と同じでいいか?オレが防御担当で、あとは臨機応変にって事で」

「…もうどーでもいいわよ。やってみないとわかんないし」

……そんな諦めたように言わないで欲しいなあ。一応、迷惑かけてるの自覚してんだからさ。

なーんて、若干へこんでいる所に、フィニーノ一士がオレ達のデバイスをもってコッチにやってきた。

集合と同時にデバイスにセンサーを付けるとかで回収して行って、その作業を今までやっていたのだ。

「みんなー、デバイス返すね」

受け取ったデバイスを確認してみたが、特に変わった様子はない。

訓練で影響は出ないようになっているな。

「みんな、いいかな?」

高町隊長もフィニーノ一士ときていたので、オレ達に話しかけてきた。

ズラッと整列する。

「今返したデバイスには、データ記憶用のチップが入っているから、ちょっとだけ大切に扱ってね。それと、メカニックのシャーリーから一言」

隊長が隣に立つフィニーノ一士を促した。

茶髪のロングヘアーでメガネを掛けているフィニーノ一士は、美人と言うよりは、カワイイ系の顔をしている。

「えー、メカニックデザイナー兼、機動六課通信主任のシャリオ・フィニーノ一等陸士です。みんなはシャーリーって呼ぶので、よかったらそう呼んでね」

ニコッて笑って自己紹介するフィニーノ一士。うん、カワイイカワイイ。

「みんなのデバイスを改良したり、調整したりもするので、時々訓練を見させてもらったりします。あっ!デバイスについての相談とかあったら、遠慮なく言ってね」

気さくな感じでフィニーノ一士が言ってくれた。

いいね、階級を笠にきる感じじゃなくて、本当に相談しやすい感じの人だ。

「「「「「はい!」」」」」

声をそろえてオレ達は答える。

どうやら、良い上司に恵まれているみたいだ。よかった。

「じゃあ、早速訓練に入ろうか」

高町隊長がそう言うが、目の前にあるのは、だだっ広い空間。どう訓練するんだろうか?

「ここで、ですか?」

オレ達を代表してティアナが高町隊長に質問した。

隊長は意味あり気に笑うと

「シャーリー」

フィニーノ一士に合図した。

「はーい」

右手を上げて返事をするフィニーノ一士。

そのまま手を振り下げる。

同時にフォロモニターとパネルが宙に浮き出てきた。

オーケストラの指揮者みたいだね。

「機動六課自慢の訓練スペース。なのはさん完全監修の陸戦用空間シミュレーター、ステージセット!」

ピアノを弾くようにパネルを操作するフィニーノ一士。

その設定が終わると、信じられないような現象が目の前で起こった。

何も無かった訓練スペースに、蜃気楼のように複数のビルが……いや、街が現れた!

「これは!」

空間シミュレーター?こんなに出来の良いのは初めて見たぞ!

なんか、そのまま住めそうなんだけど。

みんなも、目の前で起きた事に圧倒されていた。

「限りなく本物に近いシミュレーターだからね。リアルな模擬戦ができるよ」

圧倒されているオレ達に、隊長が説明してくれた。

「ここでやる訳ですか、街での模擬戦ですか?」

オレが聞くと、高町隊長は頷いて答えた。

「そうだよ。じゃあ、準備開始!」
 
 

 
後書き
訓練編が始まりませんでした……
次からアスカが頑張る?かもしれません。

うちの主人公は攻撃力が弱いのが欠点です。

今思えば、結構致命傷だよね、 
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