ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
【禍風の槍】聖域の雷VS禍風の槍
前書き
……はい、コラボバトルです。
因みにトーナメントとは関係無いです。
そして安定のチート警告とキャラ崩壊警告。
シーカーは一人、新生アインクラッド第三層【迷い霧の森】に立っていた。
『ライトよ、今回の仕事はなんだ?』
シーカーの肩に乗る、ジンが質問をする。
「知るかよ。第一知ってたら断るっつうの」
シーカーは気だるげにその手に持つ槍を振る。
霧の中でも緋色に輝くその槍の銘は【霊槍・烈火】。シーカーが仕事で愛用する武具の一つだ。これで刺し殺した相手は数知らず。本来は綺麗な色をしていたが、血に濡れ、その色を変化させた。
烈火を振るいながら、シーカーは言う。
「ったくよぉ……。毎回毎回こう呼び出されたらたまんねぇぞ。前回なんか獣っぽいプレイヤーとやりあったり刹那ともやりあったんだぞ此方は」
『戦闘経験は積めば積むほどその人間を強くする。戦っていても損は在るまい』
「そうだな……」
シーカーは一つ息を吐くと、開けた場所に出た。
霊槍・烈火の元々の銘【業火】の入手場所、最深部だ。
ここで一度、黒騎士二体を相手に業火を振るい、倒したことがある。
「……今回の場所は此処で合ってるんだよな」
シーカーは辺りを見回すと、不自然な人物を見付けた。
「……何だあいつ」
シーカーはその目で人物を睨むと、その視線に気が付いた様に振り向いた。
「おっ、やっと来たさね」
地面に刺していた槍を引き抜き、言う。
見た目は若そうだが、並々ならぬ気迫を感じる。その手に握る槍を見て、シーカーは確信する。
(コイツ……相当やるな)
何より、半裸なのだが刺繍が施されている。それがより一層シーカーを警戒させる。
「……お前が、グザか」
「ヒハハ、そうさね」
人物ーーーグザは肯定する。
『世界』からの依頼は一つ。迷い込んできた異界人を元のところに送ること。
名前は事前に聞いていたから判ったが、姿等は聞いていなかった。
「結構やるそうだな、あんた」
「おお?判るかい?」
「その雰囲気と良い、その槍と良い、そして俺を目の前にしてもそのふざけた態度をする……OK、気に入ったぜ」
シーカーは笑う。そして、一歩を踏み出した。
『ーーーっ!!ライト!!』
ジンの制止を振りきって、第一段階を解放。雷を纏って突貫したがーーー。
「おおっと、いきなりさね」
掴んだ。グザが、素手で。
確かに、不意打ちだった。シーカーの速度は常人には殆ど見えていないはず。しかし実際グザは掴んで見せた。つまりーーー。
「……成る程、見立ては悪くなかった訳か」
「ヒハハ、誉め言葉として受け取っとくよ」
お互いに笑い、そして。
「「イイイッヤッ!!」」
ローキックを互いにぶつけた。
互いに離れ、槍を構える。
「効いたぜ、さっきの」
「お互いに効くね、こりゃ」
先に仕掛けたのはグザ。一歩を踏み出した時点で、シーカーの視界から消えた。
「そこだっ!!」
しかし、長年の直感で、直ぐに槍を振り抜く。
しかし、それは空を斬った。
「なっ……!」
「ヒハハ!そいつはハズレさね!」
上から声がし、グザが槍を投げる。
「チィッ!」
後方に回避し、槍を避けると、直ぐにグザが接近する。
「ヒハハハハハハッ!!」
連撃。幾つもの武道を持っているのか、様々な型から様々な技を繰り出してくる。
だが、シーカーも巧みに槍を操り、その攻撃を反らし、受け、反撃する。
「オラァッ!!」
受け流しからの裏拳。相手の勢いをそのまま攻撃に転じて放つ。
「そこ、甘いさね!」
しかし、グザは腹を蹴り飛ばして反撃する。
シーカーは地面を転がりながらも手ではねあげて立ち上がる。
「おー痛ぇ。守護者蹴り飛ばすとか」
「それはお互い様さね」
グザの頬は切れて血が出ていた。その地面には烈火。
「そんじゃー行きますかい……ちょいと真剣にな。その必要が在るみたいなのよ」
「奇遇だな、俺もちょいと本気でやりたくなった所だ」
槍を構えるグザと、無手のまま構えるシーカー。
そして。
「ヒハァ!!」
「天城流体術【烈火槍】!」
お互いの槍が放たれる。
「グオッ!」
押し負けたのはシーカー。
「終わりさね!!」
「まだだっ!!」
使えぬ左腕を盾にし、槍を受けると、右腕から仕込み短刀を出して斬り付ける。
「それこそ甘いさね!!」
だが、グザが空いた腕を使って叩き落とすと、そのまま槍で連撃を放つ。
「うおおっ!」
至近距離でそれを食らい、シーカーはよろけた。
「終わりさね!!」
グザは再び突貫する。
『ライト!!』
ジンが叫んだーーーーその時だ。
「起きろ、烈火」
ギィン!とグザの槍が烈火によって防がれた。
「隠し玉かい?こりゃ一本取られた」
グザはにやけた顔で言う。
「さてさて、参ったねぇこりゃ」
「全然参った顔じゃねぇだろ!!」
右腕で烈火を掴み、薙払いを放つ。それをブリッジで回避したグザが拳を握って立ち上がる。
「ヒハァ!!」
体術ソードスキル【閃打】。
ズサザ……と音がし、シーカーはよろけた。
「……いやはや、やっぱ効くわ。この身になってからいろんなもん身体に受けたけど結構効くもんだな、アンタの拳と槍」
「そうかい?まぁ、さっき挑んできた小僧よりは強いね、お前さんも」
小僧、と言う言葉に少し疑問を感じたが、シーカーは置いておいて言う。
「さて、と。こんなもんで良いかな。アンタの実力も判ったから……」
そして、そこに紫電がほとばしる。
「最強で相手してやるよ!」
「ヒハハハハハハッ!!良いさね!!」
槍で突貫するグザに対し、それを掴んで反撃するシーカー。それを避けてそのまま槍をスイングしてシーカーを吹き飛ばすグザ。
互いの攻撃は辺りにクレーターが出来るレベルで放たれた。
「ヒハハハハハハッ!!良いねぇ良いねぇ!!」
「心沸き血がたぎる……。コレが本当の戦いってもんだろ!!」
だんだんと速度をあげ、互いの身体に傷を増やしていく両者。
「これで終いさね!!」
「天城流槍術【災火炎】!!」
両者は数百も離れた地点から、それぞれの槍を持って突貫する。
互いの速度は閃光の如く速く、それを放った。
……だが、そこで水は挿された。
『いい加減にせんか馬鹿者共!!』
金色の雷が降り注ぎ、シーカーとグザはそれを避けた。
「おいジン!何で邪魔すんだ!!」
「そうさね、邪魔するならスライスにしてやるさね!」
『何げに酷いな!?いやそうではなくてだな!』
金雷公となったジンは溜め息をついて言う。
『……主ら、アインクラッドを壊すつもりか』
それを聞いて周りを見ると、木々は全て伐採されていた。辺りに霧はなく、森も消え失せていた。
「……あー」
「これは少しやり過ぎさね……」
『……だから馬鹿者共と言ったのだ』
再び溜め息を吐くと、ジンは言う。
『グザとやら、ここは主のアインクラッドではない。済まんが元のところに帰って貰うぞ』
「あり?そうなのかい?何か道理で違うと思った」
「……」
シーカーは薄目でグザを見ると、ジンは言う。
『ライト、聖域の守護者で空間を繋げろ』
「命令すんな馬鹿狼」
紫電をほとばしらせたまま、烈火を持つと、その雷は金色に輝く。
「おら、よっと!」
そのまま烈火を振るうと、その空間に扉が現れ、その先にアインクラッドが現れる。
「そらよ、とっとと帰れ」
「つまんない幕切れさねぇ」
飄々とした雰囲気を出しながらグザは言うと、シーカーは言う。
「仕事だから仕方ねぇだろ。その内また来やがれ。しょっぱなから全力で叩いてやる」
「ヒハハ!そりゃ良いさね。この続きはまた次回ってね」
グザは笑いながら言うと、自分のアインクラッドに戻っていった。
「……グザ、か」
傷付いた烈火を握りながら、シーカーは呟く。
「……次こそは、勝つ」
その顔に、ジンは笑っていた。
後書き
時系列的には連刃→番外→今回と言う流れ。
それにしてもグザがかなり強い。
シーカーさん相手に遅れを取らないとか……何処の黒い人ですかマジで。
シーカー「マジで強かったな、烈火も傷付いたし、割りと」
……あれ?設定だと烈火って壊れにくい筈なんだけど。
シーカー「……うん、マジで壊れそうになった」
マジで何者グザ。
と言うことでグザVSシーカー戦でした。
にしても描写とかかなり適当な……。
そこのところは容赦下さい!!
では次回もお楽しみに!!
ページ上へ戻る