英雄伝説~光と闇の軌跡~(FC篇)
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第33話
その後空賊達は帰って来たキール達と合流した後、自分達のアジトに飛行艇で帰って行った。飛行艇の中に侵入者がいるとは気付かずに……
~空賊団アジト~
「ふわ~、眠い、眠い。ここに来てから昼夜逆転の生活だからな。」
「まあ、もう少しの辛抱でこんな生活ともオサラバさ。ドルンのお頭に付いていけば間違いなしってもんだぜ。」
見張り役の空賊が欠伸をして愚痴を言っている所を、もう一人の見張り役の空賊が耐えるように言った。そして空賊は思い出したかのように口を開いた。
「しかし最近のお頭……ちょっとばかり変じゃねえか?おっかないっていうか気安く話せねえっていうか。」
「お前ね……そんな滅多なこと言うなよ。兄貴やお嬢に聞かれたらぶっ飛ばされるぞ?」
「で、でもよ……」
「寝不足で疲れてるんだよ。とっとと片づけを終わらせて、ゆっくり休むとしようぜ。」
相方の注意に空賊は反論をしようとしたが流された。そして2人が空賊艇の整備をしようとした時
「今すぐ休んでもオッケーだけど?」
オリビエのアイデアで空賊艇に忍び込み、潜んでいたエステル達が現れた!
「あ。」
「お前たちは……!」
一方それを知らずにエステル達を見た空賊達は驚いた。
「遅いってば!」
空賊達が驚いている隙を狙ってエステル達は戦闘を仕掛け、空賊達を気絶させた!
「フッ、無事、潜入できたようだね。」
「まったく……こんなに上手くいくとはね。今回ばかりはあんたに感謝しなくちゃいけないわね。」
シェラザードはオリビエのアイデアの成功に半信半疑だったが、実際成功したのを見て驚いた。
「で、でもさ~。メチャメチャ焦ったわよ。隠れてる所を発見されたらどうするつもりだったの?」
「いや、発見されたとしても、その時は空賊艇を制圧すればいい。飛行船の内部は狭いから多数との戦いにも有利に働くしね。オリビエさん……そこまで考えていたんですか?」
エステルの疑問にヨシュアは答えた後、オリビエに尋ねた。
「いや、まったく。敵地潜入というシチュエーションが単に面白そうだと思っただけさ~。」
「あ、あんたねぇ……」
オリビエを見直したエステル達だったが、オリビエの考えていたことを知ると脱力した。
「まあ、いいじゃない。こうして無事潜入できたんだし。それよりも……ここは『霧降り峡谷』みたいね。」
気を取り直したシェラザードは周りの風景を見て場所の詳細を言った。
「『霧降り峡谷』ってボースとロレントの境にある?そっか……だから外が白く霞んでるのか。」
自分達がいる場所をギルドや街の住民の情報で知っていたエステルは霧が深い外を見て、納得した。
「それと、大型船は侵入できない高低差の激しい入り組んだ地形……。シェラさんの推測、どうやら当たってたみたいですね。」
「ま、せっかくの推測もあまり役に立たなかったけどね。」
ヨシュアの言葉にシェラザードは溜息をついた。
「そういえば、プリネ達を置いてきちゃってよかったの、エヴリーヌ?」
空賊艇に侵入する際、あまり大人数だとばれる恐れがあったのでプリネやリフィアはその場で残り、エヴリーヌだけをエステル達に同行させたことを思い出したエステルは尋ねた。
「大丈夫。今連れてくるから。」
そう言ったエヴリーヌは転移して、プリネ達と共に再び転移して戻って来た。
「え!」
「なっ……」
「ほう。」
エヴリーヌがその場で消えた後、一瞬でプリネ達を連れて来たことにエステル達は驚いた。
「こういうことだ!だから、後で追いつくと余も言ったであろう?」
驚いているエステル達にリフィアは胸をはって答えた。
「ちょっ……今の何!?」
驚きがまだなくなっていないエステルはプリネ達に詰め寄って聞いた。
「フフ……時間もありませんから、簡単に説明しますね。」
そしてプリネは驚いているエステル達に簡単に転移魔術の事を説明した。
「ふえ~……魔術ってそんなこともできるんだ!」
「魔術はどんな場面でも役に立って、本当に万能性があるね……」
「師匠から転移魔術のことも知識として教えてもらったけど、実際にこうして見てみると驚きを隠せないわ……」
転移魔術の説明を聞き魔術が使えないヨシュアはもちろん、魔術が使えるエステルやシェラザードも驚きを隠せなかった。
「ほほう……これはボクも本気で魔術習得を考えようかな♪」
「ハァ?なんでアンタがそんなことを?」
オリビエの言葉に疑問を持ったエステルは聞いた。
「そんなの決まっているじゃないか♪その転移魔術ができればいつでも、ヨシュア君やシェラ君、可愛い女の子達の傍にいけるんだよ♪」
「……そんなことだろうと思いました。」
「あ、アンタってやつは……」
「あはは………」
「まさか、転移魔術をそのようなくだらないことに使うことを考える輩がいるとは……」
「……言っとくけど、エヴリーヌは教えないよ。」
冗談か本気かわからないオリビエの答えにヨシュアやエステルは呆れて白い目で見て、プリネは苦笑し、リフィアは呆れて溜息をつき、エヴリーヌは冷ややかな視線でオリビエを見た。
「ハァ……さてと……あまりグズグズできないわ。空賊たちを制圧しつつ、監禁されている人質の安全を確保するわよ。もちろん……カシウス先生もね。」
「うん……!」
「了解です!」
「フッ……では行こうか!」
「フフフ……ついに余の異世界での活躍の時が来たか!」
「いやな予感……面倒なのはエヴリーヌ、嫌だよ。」
「リ、リフィアお姉様……お願いですから力の加減を間違って砦を崩壊なんてことをしないで下さいね……」
溜息をついた後、気を取り直したシェラザードの言葉に全員は頷いてアジト内部に潜入した。
「……………………………………」
さらにさまざまな場所でエステルを観察し、エステル達が空賊艇に忍び込むのを見て、空賊艇が飛ぶ瞬間、船に飛び移り潜んでいた狐らしき生物も現れ、エステル達の後を追って行った。
「…………」
「手下がいるみたいだね。……突入してみようか?」
「モチのロンよ!」
アジト内を歩いていたヨシュアは部屋から話声が聞こえたことに気付き、ヨシュアは部屋に近づきドアの隙間から談笑している空賊達を見つけて、戦闘準備をするように全員に合図を送った。
ヨシュアの合図に全員は武器を出して、ヨシュアとエステルを先頭に部屋に突入した!
「あん……?」
「なんだ、新入りか?」
「ガクッ……そんなわけないでしょ!」
「緊張感のない連中ねぇ。」
エステル達の姿を確認して言った言葉にエステルとシェラザードは相手の呑気さに呆れた。
「え、でもよ……それ以外に誰がいるって、」
「………………………………」
「……あの、まさか侵入者?」
空賊達はお互いの顔を見合わせた後、恐る恐る聞いた。
「ピンポン♪」
これから驚くであろう空賊達の表情を考えた、オリビエは楽しそうに肯定した。
「遊撃士協会の者です。降伏した方が身のためですよ。」
「じょ、冗談じゃねえ!」
「返り討ちにしてやらあ!」
ヨシュアの宣言に怒った空賊達はエステル達に襲いかかろうとしたが
「とりゃっ!」
「はっ!」
「ギャッ!」
エステルの棒の一撃やヨシュアの双剣の攻撃がそれぞれ攻撃した空賊を沈め
「フッ!」
「ウワァッ!?」
「そこっ!」
「ぎゃ!」
オリビエの銃での攻撃に怯んだ隙を逃さなかったプリネのレイピアの攻撃に悲鳴を上げて、気絶し
「余の風格を知るがよいっ!」
「キャハッ♪」
「「「「「ギャァァァ………」」」」」
リフィアやエヴリーヌが手加減した魔術――追尾弾やティルワンの闇界を受けてしまった空賊達は断末魔を上げて気絶し
「せいっ!」
「あう!」
シェラザードの鞭による攻撃に耐えられず、最後の一人は膝をついた。
「ちょっと!人質はどこにいるの?正直に言わないと、ひどい目に遭わすわよ!」
「か、勝手にしやがれ。誰が喋るもんかよ……」
痛みで呻いている空賊に尋ねたエステルだったが、空賊は情報を口にしなかった。
「あーら、そう。エステル、どいてなさい。」
「う、うん……」
シェラザードの言葉にエステルは戸惑いながらどいた。そしてシェラザードは鞭を震ってさらに空賊を痛めつけた!
「ぎゃっ……!」
「ふふ、手加減しているから簡単に気絶できないでしょう?素直に話してくれればゆっくりと寝かせてあげるわ。」
悲鳴を上げた空賊にシェラザードは鞭を床に叩いて脅迫した。
「ひ、ひいいいい……。この下の階にいるっ!俺たちの仲間が守ってるんだ!」
シェラザードの本気の態度に恐れた空賊はあっさり大切な情報を手放した。
「素直でよろしい。キールとジョゼットっていう首領格の連中はどこにいるの?」
「ふーん、人質はともかく自分たちのボスは売れないか。仕方ない、勘弁してあげるわ。」
自分達の首領の情報を頑なに話そうとしない空賊にシェラザードは弱冠感心し、飛び掛かって勢いよく鞭を空賊に振るった!
「ぎゃうっ!………う~ん……」
「うっわ~……相変わらず容赦ないわね。」
情報を引き出された後、容赦なく気絶させられた空賊を見てエステルは言った。
「失礼ね。これでも手加減してるんだから。」
エステルの言葉にシェラザードは心外そうな顔で反論した。
「確かに、そこはかとなく気持ちよさそうな感じではあるね。」
「あら、試してみる?」
「いや、またの機会に。」
オリビエの言葉にシェラザードは鞭を構えたが、オリビエはキッパリと断ったので鞭をしまった。
「人質が監禁されているのは下の階のようですね。急ぎましょう。」
プリネの言葉に頷いたエステル達は下の階層へと進んだ。
「それにしても……ここって一体なんなのかな?あいつらが造ったにしては大きすぎるし、古めかしいけど。」
下の階層に降りてエステルはさっきから疑問に思っていたことを口に出した。
「大昔の城塞のような雰囲気ね。その頃の隠し砦を、アジトとして使っているんじゃないかしら?」
「『大崩壊』から数百年以上、戦乱の世が続いたそうだからねぇ。こういうものが残っていてもそれほど不思議ではないだろう。」
エステルの疑問にシェラザードやオリビエはそれぞれの自分なりの答えを言った。
「『大崩壊』?」
「1200年前にあったっていう古代ゼムリア文明の崩壊のことだよ。天変地異が原因と言われているんだ。」
オリビエの言葉に首を傾げたエステルにヨシュアは説明した。
「ああ、前にアルバ教授が言ってた……」
ヨシュアの説明を聞いてエステルは以前護衛したことがある歴史学者の説明を思い出した。
「あら?エステルさん、アルバ教授を知っているんですか?」
「うん、前に『翡翠の塔』まで行った時、たまたま護衛もなしに一人で調べているのを見つけて街まで護衛したんだ。でも、なんでプリネが知っているの?」
エステルはなぜ、プリネがアルバ教授を知っているのか疑問に思って聞いた。
「エステルさん達と同じ理由ですよ。エステルさん達がラヴィンヌ村に行っている間に、私達はヴァレリア湖へ行ったのですがリフィアお姉様が『琥珀の塔』に興味を示されて、探索をしたんですがその時にお会いして街道まで送ったのです。」
「そうなんだ……っていうか相変わらずね~。あの教授は……」
護衛をつけずに魔獣がいる危険な遺跡に一人で調査していたアルバ教授にエステルは溜息をついた。
「…………エステル、余の直感になるんだが奴とは関わり合いにならないほうがいい。」
「ほえ?なんで??」
リフィアの忠告が理解できずエステルは首を傾げた。
「………なんとなくなんだが、奴は何かとんでもない謀を考えている気がするのだ。」
「……リフィアの言う通りだよ。あいつ、雰囲気がパイモンに似ていた気がするもん。」
「パイモンって誰??」
リフィアやエヴリーヌの言葉に首を傾げた後、エヴリーヌが口にした知らない名前にエステルは聞いた。
「エヴリーヌと同じ『深凌の楔魔』の”魔神”だけど、今のエヴリーヌはあいつ、信用できない。リウイお兄ちゃんを人間達を怖がらせる魔王にしようと考えてたし。」
「ああ、あの不忠義者は余をも謀ろうとしていたからな……。プリネ、お前はどうだ?」
「……そうですね。あの方、隠してはいましたけど私達を後ろから探るような視線で見ていたのには気付いていました。……あの舐め回すような視線で見られた時、正直嫌な気分でした。」
「えっと……なんかその言い方だとアルバ教授が凄い悪者みたいな言い方なんだけど……?」
リフィア達の言葉にエステルは理解できず聞き返した。
「端的に言えば、そうなるな。」
「アルバ教授が?まっさか~。リフィア達の気にしすぎだよ!」
「………………」
リフィアの言葉にエステルは笑い飛ばして否定したが、ヨシュアは真剣な表情で聞いていた。
「……まあ、余達の気のせいかもしれぬ。今のは心に止めておくぐらいにしておいてくれ。」
「はいはい。それより早く人質達の監禁部屋を探そう!」
そしてエステル達は監禁部屋を探した。しばらく歩くとまた、話声が聞こえる部屋があった。
「また話し声が聞こえる。……突入してみようか?」
「迷ってられないわ、行くわよ!」
再びエステル達は武器を構えて部屋に突入し、部屋にいた空賊達を気絶させた後、奥の部屋に入った。そこにはリンデ号が行方不明になり、詳細が不明で空賊達に
人質にされていた飛行船の船長達や船客達がいた。
「みんな、無事!?」
「遊撃士協会の者よ。皆さんを救出しに来たわ。」
「ほ、ほんまか……ワイら、助かったんか!?」
部屋に入って来たエステル達が名乗り出た時、乗客の一人が期待したような目でエステル達を見た。
「見張りは片付けました。とりあえず安心してください。」
「ほ、本当か……!?」
「た、助かったの!?」
ヨシュアの言葉に人質達は半信半疑でありながらも、喜んだ。そして人質の中から船長らしき人物が名乗り出てエステル達にお礼を言った。
「私は、定期船の『リンデ号』の船長を務めるグラントという。本当にありがとう……何と礼を言ったらいいか。」
「……あれ?あれれ?」
「いないみたいだね……」
「どうかしたのかね?」
誰かを探しているように見えるエステルやヨシュアに船長は声をかけた。
「え、えっと……。人質のヒトって、これで全部?」
「ああ、その通りだが……。『リンデ号』に乗っていた乗客・乗員はこれで全部だよ」
戸惑いながら尋ねたエステルに船長はハッキリ答えた。
「うそ……」
グラントの答えを聞いたエステルは呆然とした。
「カシウス・ブライトという人が定期船に乗っていませんでしたか?遊撃士協会の人間なんですが……」
「カシウス・ブライト……?どこかで聞いたことがあるような。」
ヨシュアの言葉に船長は首を傾げて思い出そうとした。その時、一人の女性乗務員が思い出してグラントに言った。
「あ、あの船長……あのお客様じゃありませんか?離陸直前に船を降りられた……」
「ああ!そう言えばそんな人がいたな。」
乗務員の言葉にようやく思い出した船長は手をポンと打った。
「ど、どーゆうこと!?」
船長達の会話を聞いたエステルは慌てて聞いた。
「いや、ボースを離陸する直前に船を降りたお客さんがいたんだよ。王都から乗ってきた男性で確かに、そんな感じの名前だった。」
「あ、あんですってー!だ、だって乗客名簿には……」
「なにせ離陸直前の下船だったから、書類の手続きが間に合わなくてね。ロレント到着後に手続きするはずが空賊に襲撃されて、そのままなんだ。」
「……………………(パクパク)」
船長の説明に驚いたエステルだったが、さらに話された船長の説明を聞いて言葉を失くした。
「なるほど、そういう事ですか。父さんが空賊に捕まるなんて変だとは思っていたけど……」
「ふう……ようやく疑問が氷解したわね。」
「ハッハッハッ、それは重畳。」
「よかったですね、エステルさん。お父様が捕まっていなくて。」
「おめでとー。」
「道理でおかしいと思った。……ファーミシルスも高評価する男が賊程度で遅れをとるとは到底思えなかったからな……」
一方ヨシュア達は納得した後、安堵の溜息をついた。
「ちょ、ちょっと待ってよ。そ、それじゃ……父さんは何をしているわけ?これだけの騒ぎになってるのにどうして連絡を寄越さないの!?」
「落ち着いて、エステル。確かにそれは気になるけど、今ここで考えても仕方がない。ここにいる人たちの安全を確保するのが優先だよ。」
未だ混乱しているエステルは周りの者達に意見を求めたが答えは帰ってこず、ヨシュアの意見だけが帰って来た。
「あ……うん。わかった、今は忘れる。」
そしてヨシュアの意見にようやくエステルは落ち着いた。落ち着いたエステルを横目で見た後、シェラザードは人質達に言った。
「皆さん、我々はこれから空賊のボスの逮捕に向かうわ。申し訳ないけど、もう少しだけここで辛抱していてちょうだい。」
「あ、ああ……どうかよろしくお願いする。」
「こうなったら腹くくったわ。ワイらの命、アンタらに預けたる。せやから、あんじょう頑張りや!」
「うん、まかせて!」
船長や乗客の励ましの言葉にエステルは元気良く頷いたて、部屋を出て首領達がいる部屋を目指そうとした時、気絶している空賊達に気付いたエステルはある事を考えて、リフィア達に言った。
「そうだ……ねえ、リフィア達はここで気絶したコイツらの見張りと船長さん達や乗客達を守ってくれないかな?」
「確かに……誰か守りを置く必要はあるね。」
エステルの意見にヨシュアは頷いて同意した。
「なるほど……私はいいですが、お姉様方はどうですか?」
「ふむ……賊の首領と直接対決できないのは口惜しいが民を守るのも皇族の務め。よかろう、余達はここに残ろう!エヴリーヌもよいな。」
「ん。エヴリーヌ達が抜けて、そっちが大丈夫ならいいよ。」
「モチのロンよ!今までの直接対決ではあいつらには負けなかったんだから!」
エステルの頼みにプリネは頷き、リフィアは残念そうな表情をしたが納得して頷いた。そしてエヴリーヌの疑問にエステルは胸を張って答えた。
「オリビエさんはどうしますか?なんならプリネ達と共に見張り役として残ってもいいですよ?」
ヨシュアは空賊の首領達と直接対決する前にオリビエをどうするか考え、提案した。
「フム……麗しきメンフィルの姫君達に囲まれるというのは魅力的な提案だが、ヨシュア君達に同行しよう。」
「なんで?」
女性だらけのプリネ達と共に残らないと言ったオリビエにエステルは疑問を持ち、聞いた。
「だって、そっちのほうが面白そうだから。」
「ガクッ……こ、こいつは~!」
「ハァ……まあいいわ、足手まといにだけはならないでよ。」
オリビエの答えにエステルは脱力した後拳を握って怒りを抑え、呆れたシェラザードは気を取り直し忠告をした。
「フッ……任せたまえ!」
「本当に大丈夫かしら……まあいいや!3人共行くわよ!」
「みなさんのご武運をお祈りします!」
「余が守るのだ!ここは心配いらぬ!だから、思い切り戦ってくるがいい!」
「がんばって。」
「うん!」
プリネ達の応援の言葉を受け、エステル達は部屋を出た後首領格の人物達がいる部屋を探した………
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