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ロックマンゼロ~救世主達~

作者:setuna
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第5話 ネオ・アルカディアの列車

 
前書き
一方ゼロは…。 

 
ルインがデュシスの森でレジスタンス兵の救助をしている頃、ゼロも輸送列車の物資を手に入れるべく、行動を開始していた。

『この列車の先に、輸送物資を確認しました。障害物に気をつけて、列車を奪って下さい。』

「了解した…ミッションを開始する。」

オペレーターのジョーヌの指示を受け、ホルスターからZセイバーの柄を抜くと、光刃を発現させる。

セルヴォの手腕は相変わらず見事なもので、あれだけの損傷にも関わらず完璧に修理してくれた。

セイバーの破壊力に物を言わせ、パンテオンを斬り捨て、時折運搬用メカニロイドに運ばれてくるタイヤ型のメカニロイドはパンテオンより固いため、チャージセイバーかチャージショットで粉砕する。

極希にヤドカリのようなメカニロイドがいたが、セイバーで殻を両断すると、メカニロイドは殻が無くなったことで身軽となったのか、周囲を跳ね回る。

ゼロに向けて光弾を放つが、ゼロは予備のセイバーを取り出してシールドブーメラン形態にする。

シールドブーメランは光弾系を跳ね返すことが出来るため、メカニロイドが放った光弾を跳ね返し、逆に光弾を受ける。

そのまま駆け抜けるが、パンテオンがこちらにバスターを向けてきたので、シールドブーメランで跳ね返そうとした瞬間、障害物がこちらに迫ってきた。

ゼロはジャンプでかわすが、身体能力はさほど高くないパンテオンは障害物に巻き込まれて爆散した。

「成る程な…」

あれがジョーヌの言っていた障害物のようだが、タイミングを見てかわすしかない。

ゼロは立ちはだかるパンテオンやメカニロイドを近距離はセイバー、遠距離はバスターショットで敵を薙ぎ払って行く。

しばらくそれをしながら先に進むと、大量のコンテナが積まれた場所に出た。

「……あれか」

ゼロが大量の物資が入ったコンテナを見上げて、呟いた時であった。

『ゼロさん大変です!敵のメカニロイドが接近中です。恐らく、そこの物資だけでも取り戻すつもりです。敵を撃墜して、守りきって下さい』

ジョーヌから通信が入り、何かの駆動音が聞こえ、上空を見上げると大量の運搬用メカニロイドが降りてきた。

「チッ…」

舌打ちしながらセイバーを抜き、メカニロイドを一体両断したが、メカニロイドは次々降りてくる。

「させるか!」

すぐさまチャージショットを放ってメカニロイドを数体破壊したが、破壊しきれなかったメカニロイドがコンテナを抱えて上昇していく。

バスターのチャージをしていては間に合わないと判断したゼロはセイバーをチェーンロッドに切り替えた。

「はっ!!」

勢い良くロッドを振るい、鎖の光刃がメカニロイドを両断した。

そしてチェーンロッドのチェーンをメカニロイドに巻き付け、鎖を縮ませると、それによってメカニロイドの真上に乗る。

「他にメカニロイドはいないか…なら」

運良くゼロが乗っているメカニロイドが一番上だったらしく、他のメカニロイドはまだ下にいた。

ゼロはバスターを抜き、下にいるメカニロイドに向けてショットを連射した。

撃ち漏らしたメカニロイドには、チェーンロッドで斬り裂いていき、それの繰り返しで自分が乗っているメカニロイド以外を破壊すると、セイバーを抜いて足元のメカニロイドに突き刺した。

メカニロイドは爆発を起こしながら墜落し、無事に着地したゼロはコンテナを見つめ、損傷がないことを確認する。

「オペレーター、聞こえるか?メカニロイドの撃墜は完了した。」

『了解しました。では、ゼロさんは引き続き、ミッションを続行して下さい。』

後続部隊が来て、物資を運んでいく。

ゼロは後続部隊に物資を任せ、そのまま奥へと進んでいく。

物資が奪われたことに気付いたか、パンテオンがメカニロイドを伴って向かってきた。

ゼロはチェーンロッドを振るい、複数のパンテオンとメカニロイドを纏めて両断した。

「悪くない…」

最初に見た時は扱い辛いと感じていた武器だが、役に立つ場面はかなりあり、確かにトリプルロッドのように槍として使うよりも鞭として扱った方が良いという、ルインの言葉は間違ってはいなかったようだ。

そして向かってくるパンテオンとメカニロイドを薙ぎ払いつつ、先に進むと、黒豹を思わせるレプリロイドがいた。

「貴様ーっ!!ここをハルピュイア様のシマと知らねえ訳じゃねえよな?ふん、レジスタンスの手先が!貴様がそうやって暴れていられるのも今のうちだけだぜ!!」

『ゼロさん。あのレプリロイドはネオ・アルカディア“烈空軍団”に所属し、四天王ハルピュイアに仕えるレプリロイド。素早い動きで獲物を翻弄し、体から放電する一億ボルトの電流攻撃を得意としています。気をつけて』

「ああ…」

ゼロもセイバーのエネルギーチャージをし、互いに油断なく見据える。

最初に動いたのはフラクロスの方で、大きくジャンプするのと同時にゼロに向かって凄まじい勢いで蹴りを繰り出してきた。

ゼロは後ろに飛び退いてかわし、反撃でチャージセイバーを繰り出すが、フラクロスも身軽な動作でチャージセイバーをかわした。

「チッ…」

「喰らいやがれ!スパークボール!!」

ゼロに向けて電撃弾を放つ。

対するゼロもシールドブーメランで受け流しつつ、フラクロスに向けてシールドブーメランを投擲した。

「へっ!そんなもの軽くかわせるぜ!!」

シールドブーメランを跳躍してかわし、ソニックブームを繰り出そうとするが、シールドブーメランはブーメランの名に相応しい能力を持ち、こちらに戻ってくる。

完全に油断していたフラクロスは戻ってきたシールドブーメランに脇腹を深く斬り裂かれた。

「ぐおっ!?」

「喰らえっ!」

シールドブーメランで脇腹を斬り裂かれ、ふらついているフラクロスに向けてチャージショットを放つ。

「くそ!舐めるんじゃねえ!!」

ふらつきながらも咄嗟に電撃弾を放ってチャージショットを相殺する。

「やはり簡単にはいかないか…」

バスターを収めると、セイバーを構える。

「今度はこっちの番だ!ブーメランクロウ!!」

勢い良く爪を振るい、ソニックブームを繰り出す。

ゼロはダッシュしながらかわし、チャージセイバーを繰り出そうとしたが…。

「待ってたぜ…お前が俺に近付く時をな!テイルスパーク!!」

列車上面、側面に電流を流すフラクロスの最大の技が繰り出され、一億ボルトの電流がゼロに炸裂する。

「ぐっ……!!」

一億ボルトの電流をまともに浴びたゼロに、フラクロスが勝利を確信して大笑する。

「どうだ!?テイルスパークは俺の最大の技だ!これを喰らって生きているレプリロイドなど……」

「……はあっ!!」

しかし、ゼロはフラクロスが今まで倒してきたレプリロイドとは一線を画する存在だ。

フラクロスの一億ボルトの電流に耐えきり、チャージセイバーを叩き込む。

「が…っ、な、何……?」

「叩き斬る……!!」

チャージセイバーを喰らって、仰け反ったフラクロスにセイバーの三連撃を喰らわせる。

「この野郎!!」

フラクロスも爪を振るうが、ゼロは予備のセイバーも発現させ、二刀流で挑む。

時間経過と共に段々とフラクロスの動きを見切り、徐々に追い詰めていく。

「くっ…ど、どうなってやがるんだ…奴もダメージを受けているはずなのに動きが鈍くなるどころか良くなっていやがる…!?」

フラクロスは知らないが、ゼロにはラーニングシステムが搭載されており、戦いの中で自身の基礎性能を向上させる能力があるのだ。

つまり戦えば戦うほど、ゼロは強くなっていくのだ。

戦いの合間に二本のセイバーが強く輝いていき、ゼロは隙を見て二刀流のチャージセイバーを叩き込もうと言うのだろう。

それをまともに喰らえば傷付いた今のフラクロスなどひとたまりもない。

「(くっ、冗談じゃねえ!あんなのまともに喰らえるか!!)」

ダブルチャージセイバーが繰り出されたが、フラクロスはジャンプしてかわした。

そしてゼロに向けてソニックブームを放とうとした瞬間。

「あ…?」

突如、フラクロスの視界が反転した。

目の前には鎖のような光刃があり、ゼロがチェーンロッドを繰り出し、フラクロスの首を斬り裂いたのだ。

「ば、馬鹿な…この俺が…ち、畜生…デュシスの森に現れたハルピュイア様達に似た女と言い…今のレジスタンスは…どうなってやがるんだ…ハルピュイア様…すまねえ…」

フラクロスは主に謝罪をしながら爆散した。

「…ミッション終了。転送してくれ」

『了解、ルインもミッションを終了しました。お二人を転送します』

どうやらルインも殆ど同じタイミングでミッションを終了したようで、ゼロは転送の光に包まれ、輸送列車を後にした。 
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