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神葬世界×ゴスペル・デイ

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第一物語・前半-未来会議編-
  第六章 告白前者

 
前書き
~明・灯による前章説明・第五回目~

【明さん】  :『さあ、今回も私の時間が来たわ! 文句なんて言わない、言わせないわ。
 あんたもあんたも、そこのあんたも付き合うのよ!

-前章のあらすじ-
 辰ノ大花との会議も大詰め。
 独立宣言した日来について色々話し合って、無事に会議が終わろうと……しなかったのよね! これが!
 ダウンしてた馬鹿長ことセーランが宇天長である委伊達・奏鳴に対してラブアタアアアアアアック!
 しかし見事撃沈されてしまい、傷付き逃げ出すセーラン。
 大丈夫よ、またの機会で再チャレンジよ!
 そしてお去らば辰ノ大花勢。
 だが、ここでまた来客が。
 社交院の登場よ。
 タイミング見計らって来た感じがプンプンするわ!
 急な社交院の登場により、宇天隊長は相変わらずのピリピリ口調で大人相手に堂々と会話をしたわ。
 さすがは奥州四圏の子よねえ。
 そして誰が呼んだが、呼ばれて来ました戦闘艦。
 いい感じに危険な香りがするじゃない!

【明さん】  :『今回は戦闘艦によって監視されることになった日来のお話しお話し。
 一体何やるのかしらね(棒読み)』
【白黒うさぎ】:『章のタイトル見れば分かると思いますよ』
【明さん】  :『あら、美兎ね。あんたの間接会話名前|《チャットネーム》可愛らしいわね。長莵神社だから兎ってわけね』
【白黒うさぎ】:『そうなんです。うさぎは長莵家だから、白黒は特に意味はありません』
【明さん】  :『因幡の白兎から取ったとか意味は無いの?』
【白黒うさぎ】:『特には。後、稲羽の素兎という表記もありますよ。明の表記の方が皆さんには理解され易いと思いますが、どちらとも間違ってはいないです』
【明さん】  :『うさぎと言えばバニーガールよね。あんたバニーガールやりなさいな』
【白黒うさぎ】:『な、なんですかいきなり』
【明さん】  :『あんた巫女候補の人気順位が後輩よりも下らしいじゃない。ここはドーンと男前にバニーガールに挑戦して、そこら辺のエロ人から指示されないよ』
【白黒うさぎ】:『男前って、私女性なのですが……。というか、明には私の巫女候補の人気順位は関係無いですよね』
【明さん】  :『関係あるわよ。あんたの人気無くなったら誰があんたの写真なんて買うのよ! 私の貴重な収入源を減らさないでほしいわ!』
【白黒うさぎ】:『え、ちょっと! 写真てなんですか!? 収入源って、私何時の間に商売道具に!? だ、誰に買わせてるんですか!
 変な人じゃないですよね! 変な写真じゃないですよね!』
【明さん】  :『大丈夫よ。あんたと同じ同性のニチアだから』
【白黒うさぎ】:『ア、アウト――! それ、違う意味でそれはアウトですよ――!』 

 
 外交区域学勢領の正門に、幾人かの人影が見える。
 そこにいる皆は空を見上げ、近付いて来る八艦の戦闘艦を見た。
「黄森のワイバーン級小型戦闘艦・輝光ね。騎神を保有していない黄森にとっては特攻隊の中心にもなるという」
「八艦か。日来を監視するにはまだ不十分だが、抑止力はあるな」
 葉木原は空を見る。
 大気を震わせ、艦が自分達の頭上を通る。
 騒音と風を導いて、八艦の内二艦は西二番貿易区域に停泊している辰ノ大花の戦闘艦の護衛に向かった。
 残りの六艦は、日来の上空を航行しながら監視を行う。
 全長十キロ強、幅八キロの日来を監視するにはまだ数がいる。
『こちら日来の監視に先行した輝光七番艦。監視するには数が不十分のため、至急増援を求む。繰り返す、数が不十分のため至急増援を求む』
『こちら黄森、日来監視本部。その要求を承認した。
 ワイバーン級小型戦闘艦・輝光を四艦、ドレイク級中型戦闘艦・光波を三艦、計七艦を日来に送る』
『了解』
 日来の監視をしている輝光七番艦が、本部へと連絡をする。
 それを下で見ていたセーランは縄を抜け出すように体をくねらす。
「くそおう、この縄抜けねー!」
「特殊な結び方をしたので、抜け出すのは無理ではないかと」
「セーラン、よくこんな状況でアホ出来るな」
「褒めんなって、照れるだろうが」
「褒めてないって」
 騒音が過ぎ去り、ここにいる面々は会話に戻る。
 始めに話したのは、宇天覇王会隊長の実之芽だ。
「今更日来の社交院が何と言おうと事態は変わりませんよ」
「全くだ。降伏したら違うかもしれんがな」
「あ、あのう……俺ってもしかして置き去りにされてる? 覇王会で会長なのに?」
「もしかしなくてもそうだよ」
 非難の視線を飛豊は受けるが、睨み見返す。
 セーランは怯え、丸くなった。
 それを見て、葉木原は視線を宇天学勢院の面々に向ける。
「そろそろ戻り願おうか。こちらとて暇じゃないのだからな」
「何か言いたいこともあるだろうけど、学長権限でここは退きますよ」
「学長がそう言うなら構いません。それでは」
 実之芽は軽く頭を下げ、その仲間達も頭を下げる。
 社交院の者達と飛豊と空子も頭を下げ、返事を返す。
 足音が右から鳴り、後ろへと移動する。
 その後ろ姿を見たセーランは、体をそちらの方へと移動させる。
「あ、そうそう。そちらの長さあん、今夜七時に騒ぐから戦闘艦から東の方見といてなあ」
「今夜七時にか?」
「奏鳴様、お先に」
 実之芽は奏鳴に先に行くよう告げる。
 その後、実之芽は体の方向を反対に向けた。
 奏鳴は歩きながらも、後ろの様子を気にしている。
 それに気付き、セーランは手の代わりに体を振る。
「貴方、なんでここに残るって知っているのかしら」
「簡単だろ。海側から日来に向かうには燃料が必要だからな。日来に来る船や艦のために燃料は備蓄されてるけど、それを使ったら監視中に燃料なくなったらわざわざ奥州四圏に移動するなんて合理的じゃないじゃん?」
 セーランは縄に縛られながら説明した。
「送って来ればなんとかなるけど、一回に輸送出来る量は限られてる。それに戦闘艦で来たんじゃ今日中には補給出来無いだろ」
「よく分かってるわね。伊達に覇王会会長やってないわね」
「ああ、委伊達だけにな!」
 冷たい風が吹いた。
 その風は、その場の空気をも冷たくした。
「それじゃあね」
「え、反応なし?」
「当たり前だな」
「当たり前だネ」
「しっかりしてくれよ……」
 飛豊、空子、葉木原の三人は、セーランを見て言葉を吐く。
 凛とした姿のまま、実之芽は何も言わず歩いている。
 この状況にセーランは悶え苦しんでいるように、地面を転げ回った。
「お止めになってえええ!!」
 その言葉だけが、この場に空しく響いた。
 空に六艦の戦闘艦が飛び、日来を監視するなか。地に転げ回っているセーランだけが、この状況で騒いでいた。
「馬鹿長のお前も伊達じゃないな……」
 飛豊のため息を最後とし、この場は終結した。



 空には日来を監視している、黄森の小型戦闘艦が見える。
 大気を押す音と共に、上空から地上の様子を伺っているのだ。
 それを西二番貿易区域のコンテナの上から、それを眺めている片腕の無い者が一人いた。
「はいはい、皆さあん集まって集まって」
 その場にいた学勢数名は、自分達を呼んでいる彼の元に集まる。
 よく見ると、周りには幾つかの機器が置かれていた。
「皆さん今回のご協力とても感謝します。礼は後でっということで」
「それにしてモ、今日告る相手って誰なんダ」
「告る告ると申しておいて、相手を言わぬとは。いささか卑怯で御座る」
「僕達には言えない相手なのかい?」
 問う仲間達に対し、セーランは左手を上げ下げして静まるように合図する。
 わざとらしく咳払いをし、
「告る相手は――」
「「うむうむ」」
「告る相手は――」
「「うむうむ!」」
「……やっぱ恥ずかしくて言えない」
 期待に胸を膨らませた皆は、その場に崩れ落ちる。
 セーランは恥ずかしさから手で顔を隠す。
 遠くからその状況を、周りで作業をしていた者達は不思議そうに見詰めていた。
「なんですかそれ!」
「言わないときなかあ」
「しゃいな御方に御座るな」
「おいおい、そこまで期待してたのかよ」
 セーランは頭を掻きながら、崩れている皆を見た。
 空を移動する戦闘艦を気にしながらも、視線を停泊している青い戦闘艦に向けた。
 崩れている皆のなか、それに気付いた短髪の金髪少女が、
「あそこに停泊してるのって、会議で来た宇天学勢院の皆が乗ってる艦だよね」
「妹よ、正確には艦ではなく戦闘艦だ」
「兄ちゃんは黙っててよ。てかお尻触るな、蹴り飛ばすよ」
「気にするな。僕の女性の好みは何を言っても巨乳だ。妹属性はルヴォルフにくれてやるさ」
 その言葉に金髪少女のテイルは、セーランが上に乗っているコンテナに向かって背を向けている獣人族を半目で見る。
 視線に気付いた獣人族の少年は、目を見開き否定の言葉を述べる。
「グレイよ何を言うか! レーテルよ、勘違いをするな。確かに妹は好みだが俺は身内を襲わんぞ」
「身内って、日来住民のことだよね」
「もちろんそうに決まっている!」
『でも、まさかルヴォルフが妹好きだったとは。思いも致しませんでしたわ』
 突如、ルヴォルフの目の前に映画面|《モニター》が表示される。
 そこには、半獣人族の少女が映っていた。
 半獣人族の少女は、目の前に映るルヴォルフを見下すような視線を送る。
「ネフィア嬢! 違うぞ、これは!」
『思い出せば、幾日か前に教室のルヴォルフの机の上に妹系のエロゲーの雑誌が置かれてましたわね』
「っ!? あ、あれはだな――」
「それ元は俺のね」
 映画面に映るネフィアは、コンテナの上に立つセーランを見た。
 左人指し指を自分に向けて、自分のものだとアピールしている。
「あれはキサマの仕業か――!!」
「家でこっそりプレイするよりも、皆で分かち合ってプレイする方がいいだろ?」
「いいわけあるか! いいか? エロゲーは一人で楽しむものだ。大勢でやるなど外道!」
『隠す気もうとうありませんわね……』
「あ、しっま――」
 た、とルヴォルフが言葉に出すよりも早く、セーランが声を出す。
「ルヴォルフさんが、エロゲプレイヤーであることをネフィア嬢に告白しました! それも妹系エロゲーでえーす!」
 直後、西二番貿易区域の所々から声が聞こえた。
「ついに告白してしまったか、同士よ」
「あのルヴォルフがエロゲをねえ」
「これはいいネタを仕入れた。今すぐ伝界|《ネット》に書き込まなければ」
「おい、最後の奴! それはやめろ!」
 ルヴォルフは叫んだが、時すでに遅し。
 セーランが表示した映画面には、ルヴォルフ沈集と書かれたページが映る。
 観覧数は千を超えていた。
「クソ ッ! 俺はもうお仕舞いだ」
「仲間がいるぞ」
「……セーラン」
 地に手を付くルヴォルフを、コンテナから飛び降りたセーランが慰める。
「あ、だけど俺はパスね。多分いると思うよ、隠れエロゲプレイヤー。うん、知らないけど」
「キサマッ!」
 掴み掛かろうとしたルヴォルフを避け、セーランはコンテナの後ろへと逃げた。
 ルヴォルフが右に行ったら、セーランは左へ行く。左に行ったら、右へ行く。後はその繰り返しだ。
 コンクリートの地面を踏む音を聴きつつも、他の皆は話を始めた。
『あの二人は置いといて、告白の準備は進みまして?』
「順調に進んでいますよ」
「ロロアは小物を運ばせるのにとても役に立っていた」
「ロロ犬の名は伊達じゃ御座らぬな」
「それフリだな? 俺に委伊達だけに、て言わせようとしてんだな?」
「話している暇などないぞ!」
 ルヴォルフはセーランが身を隠すコンテナを、両手で抱くように掴み上げる。
 身を隠す場所を奪われたセーランは、右往左往して逃げ場所を探す。
 そこに近付く足音が聴こえる。
 足音を鳴らす正体は、
「皆さーん、何処いるんですか――?」
「あれ、美兎さんですね」
「もう三時のおやつの時間か」
「あっ、そこにいたんですねー」
 小走りでこちらに近付く美兎の手には、菓子類が乗ったお盆が握られていた。
 膝まで届く長い髪を左右に揺らし、近付く美兎はあるものを見た。
「きゃ――っ! ルヴォルフさん何をやってるんですか!?」
 皆に近付いた美兎は、セーランにコンテナを放り投げるように持つルヴォルフに驚いた。
 気が付き、二人は美兎に顔を向けた。
「美兎か。今、こいつをこらしめようとしているところだ」
「だからってコンテナを投げたら、セーラン君がブシャってなってしまいますよ! ブシャっと!」
「擬音語なのがすげえ怖いんだけど」
「……ふ、まあ、今回は許しておこう。小腹が空いたからな」
 そう言い、ルヴォルフはコンテナを地に置く。
 音が鈍く響き、小さくコンクリートが振動する。
 その後、美兎の周りに皆が集まり休憩を始めた。



 西二番貿易区域には働く大人達がよく見える。
 日が西よりに移動するなか、貿易区域の一角で皆は休憩に入った。
「準備はゆっくりやっても後二時間くらいで済みそうだな」
「確か、夜七時に告白開始ですっけ?」
「映画面|《モニター》を使った告白だったね。フラれたらいい笑い者だよ」
「兄ちゃん、告る前に失敗の話はしないでしょ、普通は」
 持ってきた菓子類をつまみながら、集った者同士で会話を始める。
「ロロア、レーテル、グレイ、空子、トオキダニ、ルヴォルフ、魅鷺の七人がお手伝いをしていたんですね。ネフィアさんは何用で?」
『あ、ルヴォルフのことがあったので忘れていましたわ』
 美兎の左側。映画面に映るネフィアは、何かを思い出したように目を見開いた。
『監視を行っている戦闘艦を観察していたところ、どうやら横型車輪陣用い監視をしていましたわ』
「すみません。横型車輪陣って、なんです?」
 申し訳なさそうに美兎は問い、首を傾けた。
 問いにネフィアは答える。
『横型車輪陣とは、戦艦攻略作戦において最もメジャーな縦型車輪陣を転用したものですわ』
 ネフィアが映る映画面の横に、もう一つの映画面が表示される。
 ネフィアが表示したものだろう。
 それに戦艦を簡略化したものと、戦艦の前に一つの円が描かれる。
『縦型車輪陣は移動する戦艦に絶え間なく攻撃を与え、撃沈させるものですの』
 円の外側に左矢印が表れ、左に回り、円から砲撃を現す線が戦艦に向かう。
 そして、
『これを監視用に転用したものが横型車輪陣ですの』
「横型車輪陣の最大の利点は、少数でも多数でも艦さえあれば広範囲を監視出来ることだ」
 足を組み、地に座るルヴォルフは言う。
「日来は横十キロ強、縦八キロある。これを六艦で絶え間なく監視続けるなら、必然と横型車輪陣が選ばれる」
『そういうことですわ。分かりまして?』
「ようは小数で効率良く監視出来るからですよね」
『理解して頂きよかったですわ』
「でもさああ?」
 ネフィアの声の後に、もう一つの声が聞こえた。
 声の正体は、コンテナの上にいるテイルだ。
 テイルは手をコンテナに付け、足をばたつかせていた。
「欠点もあるんだよね? そこ教えてよ」
『そうですわね。言うなれば、欠点は燃料の問題ですわね』
「それって一般的な問題じゃん」
「妹よ、いいか? 横型車輪陣は縦型車輪陣を監視用に転用したものと、ネフィアが言っていただろう?」
 レーテルの問いを、兄であるグレイが続きを答える。
「制圧戦闘を主とする戦艦はそれ自体を止めることが困難。欠点は最小限に抑える必要がある」
『グレイの言う通りそうですの。横型車輪陣は等間隔で一定の速度で回り続ければそれでいいんですの。絶え間なく戦艦に攻撃を当てるのが縦型、絶え間なく監視を続けるのが横型ですのよ?』
「なにそれ、最強じゃん」
 実際、欠点という欠点は無い。燃料の問題はあるが、それは当然のことだ。
 戦艦攻略において、攻略が失敗すれば後は終わりを待つだけだ。だからこそ簡単かつ、持続的にことを運ぶ必要がある。
 それゆえ、縦型車輪陣を転用した横型車輪陣は強力なのだ。
 話を聞きながら、皆は空に円を描く戦闘艦を見る。ついでというようにネフィアは言う、
『今はまだ優しいものですわ。霊憑山にいる社交院の観察から、黄森からの増援がここへ向かっていると報告がありましたわ』
「日来と奥州四圏を遮るように聳える霊憑山から見えるってことは海にもう出たのかあ。面倒臭くなってきなあ、おい」
 セーランは、左手で持った湯飲みを口に運ぶ。
 ぷはあ、と湯飲みに入っていた茶を飲み干した。
 空になった湯飲みを灰色の地に置き、よいしょと言い立ち上がる。
「告白の時間ギリギリぐらいに着くかな。やってやるぜ、待ってろ未来嫁!」
「あのセーラン君、指を辰ノ大花の戦闘艦に向けないでください。思い違いで砲撃放たれたら私達、昇天、昇天エンドで人生終了ですから」
「オレは彼女無しで、この世に去らばするのはお断り願いたい」
「トオキンは一生独身で苦しめばイイネ」
「人の心配よりも自分のことを心配したらどうだ?」
 直後、トオキダニの鎧甲に空子が蹴りを入れる。
 鉄を打つ音に似た音が響くが、蹴られている当の本人は頭を掻きながら呆れている。
 宙に浮いているリュウが、心配そうにトオキダニの上を回っているが無用の心配だ。
 そんな光景を眺めながら、立っているセーランは息を吸う。
「一部いい感じに楽しんでる人がいるけど、告白するまでは手、貸してもらうわ」
「相手はその時まで、てことですね。楽しみですねー」
「長が告るって、日来全土大騒ぎだからね」
「元カノいる分際の男は、すぐ他の女に気が向くとか何とか、灯殿が申して御座ったなあ」
『魅鷺さん!? その言葉は今はなしでいいと思いますわよ――!』
 休憩を多目に取り、身体を休める皆は数分後、告白の準備に戻った。
 仲間達の力も借り、着々と準備と時間が過ぎた。
 日が沈み、空が黄昏色に染まる頃。その頃には既に告白の準備は整った。
 夕闇に沈む日来のなか、コンテナの上に立つ少年は真っ直ぐ辰ノ大花の戦闘艦を見ていた。
 冷たい風が、その場を静かに吹いていた。 
 

 
後書き
 告白に大規模な準備をするセーラン。
 やっぱり恋愛は青春ですね。
 そろそろ未来会議編終わります。会議は終わってますが……。
 次回は告白タイムです。 
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