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勇者指令ダグオンA's どっこい

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第十五話 バレンタインの悲劇

ある日のダグベース

北斗専用厨房で何かを作っている八神組の女性達。

「明日は~バレンタインや!!」

そう明日はバレンタインである。



第十五話 バレンタインの悲劇



チョコレートを作るのが楽しいらしく社交場もこめてダグベースの北斗専用厨房を無断で使っていた。

その理由は・・・

「だって・・・襲撃を免れる為や!!」

そう北斗専用の厨房は北斗の性格を考慮して超防弾性を高めてありちょっとやそっとの攻撃ではびくともしないのだ。

襲撃してくるのはもっぱら管理局の魔王と死神なのだが・・・

一応二人は理解はしてくれようとはしているのだが・・・

「八神組は理解のしようがないからな・・・まぁ・・・理解しようとすこと自体正気のさたやと思えへんし」

魔王と死神に理解してもらえるのは天文学・・・もしくは超常現象波に難しい。

「今回はどんなのにしようかな?」

せっせとチョコレートをかき混ぜているはやて。今回は結構凝った物に挑戦したいらしい。

「・・・・・」

何を血迷ったのか火でチョコを焙っているシグナム。

「・・・なぁ・・・シグナム・・・それ一体何やってるんや?」

「主・・・チョコの干物を作ろうと思いまして・・・」

「誰や!シグナムに干物つくり教えたんは!!!」

シグナムの物凄くずれた感性に絶叫するはやて。

一方

「うっへっへっへ・・・・・美味しそう・・・」

ヨダレ垂らしながらチョコレートかき回しているスバル。甘い物好きなのか物凄い量のヨダレである。

「このまま思いっきり食べたいかも~・・・あ・・・」

そこで気付いた。

実はさっきからヨダレが全てかき回しているチョコに入っていたのである。

その結果

「見なかったことにしよう~♪どうせ上げるの一人しか居ないし」

そのままスルーを決め込むのだった。

後日この事実を知った貰った男が大絶叫したのは黙っておこう・・・

すると

「ていうか誰に上げるの?・・・本命?」

「へ?」

ティアナに突っ込まれて考え込むスバルであった。

一方

「せっせ!!」

一生懸命チョコかき混ぜているキャロ。

その理由は・・・

「絶対に高級チョコ顔負けのものを作ってお義父さんをうならせてみせる!!」

北斗にチョコを作っているのだった。

実はドスの効いた態度で甘いものに煩い北斗。

キャロは思いっきり撃ち砕かれているのである。エリオは文句を言わずに食べているのだが・・・

「私負けません!今年こそお義父さんを打ち倒して見せます!お義父さんが私の行く手を阻むのなら!!」

最近北斗の性格を色濃く受け継いだキャロであった。

「はぁ・・・私彼氏居ないんだよな~」

チョコ混ぜながら呟く年齢=彼氏居ない暦の楓。

「楓ちゃんそんな腐らないの・・・顔だけは美少女なんやから」

「うん顔だけはね」

「そうね・・・顔だけはね」

八神組メンバーから【顔だけ】と強調されてしまう楓。

「良いもん!行く当てに困ったらシズマに貰ってもらうもん!!シズマと結婚するうううう!!!」

「うわ・・・すっげえシズマが嫌がりそうな台詞吐いたな・・・」

冗談なのかマジなのか分からないといったツッコミ担当の飛鳥であった。


一方野郎共

「バレンタインデー!世間が許してもこの俺が許さん!!」

南家で何故か登場と同時に目が燃えている大地の姿が・・・

「どうしたんだ?登場と同時に・・・」

大地のただならぬ雰囲気に質問する力。

すると

「爺さん・・・バレンタインはな・・・俺の天敵なんだよ!!」

実は甘いものでもチョコレートが好きな大地は凝ったチョコレートや詰め合わせのチョコレートを買うのが大好きである。

だがこの時期は何処もかしこもそれらの物はバレンタインチョコと化す。

唯でさえ甘党である事が恥ずかしいと思っている大地は女性店員の前で買うのがとーーーーっても恥ずかしいのである。

因みに貰ったことは無いのである。

「だから俺はバレンタインがだいっ嫌いだ!!」

「そこまでの事か?「分かるぜその気持ち」なぬううううううううう!!」

絶叫する大地に呆れる力だが北斗が同意したことに絶叫した。

「俺もあの時期は恥ずかしい・・・」

「同志!!」

こうして大地と北斗は固い絆で分かり合った。

一方

「あ~親びんくれねえかな~」

「・・・てめえは頭の生物にでも貰ってろ」

「おめえのその頭に載ってんのは何なんだよ?」

物思いにふけていたサイモンが要求すると北斗の頭に何かが載っていることに気付いた。

「キュル♪」

フリードだったりする。

最近サイモンの頭から北斗の頭に乗り換えたらしい。

凄まじいしかめっ面で頭に筋浮かべている北斗。

「てめえ・・・猿の頭にでも乗ってろ」

「キュルキュル!!」

北斗の要求を嫌がるフリード。

因みに猿ことエリオは緊急避難していた。

「お義父さんお似合いですよ」

「・・・てめえにお義父さん呼ばわりされる筋合いはねえんだよこのクソ猿!それに・・・このクソ龍!とっとと頭から降りやがれ」

ガンガンガンガン!!

フリードを頭に乗っけながら銃を撃ちまくる北斗。

その横では大地はあほな物を作っていた。

「このチョコに唐辛子入れてやる・・・」

そう言ってチョコレートに唐辛子混ぜ始めた大地。バレンタインに復讐したいのだろうか・・・


ためしに力が食べると火を噴いた。

「んなもん食べたらショック死しちまうよ!!」

「大げさだなこんなもんでうぎゃああ!ホントにショック死するかもしれん・・・」

作った大地も火を噴いてしまったので永久封印をするのだった。

こうして八神組の男共のにぎやかな一日は過ぎていた。


一方

「いよいよだね・・・フェイトちゃん」

「そうだね・・・なのは」

バレンタインといってこの二人が黙っているはずが無い。

「「今年のバレンタインこそ!あの悪魔に復讐する!!」」

バレンタインだというのにこの二人は力への復讐を考えていたのである。

何とも罰当たりな話である。

二人の目の前には巨大なチョコが・・・

「前回はライゴウは毒チョコを渡したけどあの悪魔には通じない!」

「・・・確かに・・・あの男子供の頃から泥や葉っぱを食べて生きていたらしいからお腹が丈夫なんだよね・・・という訳で私の執務官権限でちょろまかしてきたロストロギア!」

一個人への復讐の為にロストロギアをちょろまかして来たフェイトさん。これで良いのか執務官・・・これで良いのか管理局・・・

「この!ちょう生物変化機を使って翠屋スペシャルな最強のチョコレート怪獣を作ってやるの!フェイトちゃん!」

「ラジャ!」

なのはの指示でチョコの中にロストロギアを投げ込むフェイト。





翌日

コケコッコー!!

はやての家

「ふぁあ~」

朝日が眩しい中はやてが新聞を取りに玄関のドアを開けると・・・

「「シュン」」

何故かバリアジャケットがボロボロの状態で我が家の前に立っているなのはとフェイト。新聞受けはなのはとフェイトの後ろにある。

はやての出した結論

「見なかったことにしよう~」

「「ちょっと待ってええええ!!」」

ドアをバタンと閉めたはやてに向かって泣き付くなのはとフェイト。

とりあえず話を聞いてみたはやて。

「それでどうしたんや?」

「実は・・・」

超気まずそうに話し始めるなのは。

実はあの後造り上げたチョコレート怪獣、通称チョコゴンは翠屋特性のチョコレートで作ったせいなのか超高性能化し見る見るうちに増殖した結果なのはとフェイトの制御を離れてしまったのだ。

「うわ・・・バレンタインやっていうのに何て罰当たりなことを・・・」

テレビをつけてみるとニュース速報でチョコゴンが大暴れしている様が映し出されていた。

「お願い!はやてちゃん!この話で最凶のはやてちゃんなら奴に勝てるの!!」

思いっきりはやてに泣きついてくるなのは。

「しゃあないな・・・」

そう言って出撃することになったのだった。

そしてこんな罰当たりなことに勇者ロボを使うわけにはいかないので己の力のみによる解決をする羽目になったのだ。

「で?何で俺はこんな格好をしなければならんのだ?」

何故か地球防衛軍のような格好をさせられている力達六馬鹿。

そして隊長服仕様のはやて。

「怪獣退治というたらこれや!ほないこうか!!」

そう言って楓が3分で発明したレーザーガンを片手に怪獣退治に向かう力たちであった。


海鳴

『ギャオオオオオオオオオオオオオ!!!』

海鳴の町で暴れまわっている全長50メートルはあるであろうチョコゴン。人々は逃げ回っている。

そして

「食らえ!チョコの怪獣!!」

チョコゴンに向かってレーザーガンを放つ力達。だが所詮相手はチョコ・あまり効いていない。

「食べ物を粗末にしちゃいけないって父さんが言ってたんだけどな・・・とりあえず!海鳴の平和の為に食らえ!!」

力がレーザーガンをチョコゴンの顔面に向けて放つと・・・

『ギャオオオオオオオオオオオオオ!!』

思いっきりチョコを吐き出すチョコゴン。

直撃したちまちチョコまみれになってしまう力。

すると

「うぷ!流石翠屋のチョコ・・・美味い・・・」

所詮はチョコで出来た怪獣なので攻撃もチョコなので普通に食べられる。

そして翠屋仕様なので美味しいのである。

「くそ!チョコレートを粗末にするとはこの俺が許さん!!」

「死ね!!クソ怪獣」

甘党の大地と隠れ甘党の北斗がチョコゴンに向かってビームと拳銃を放つがやはり効果が無い。

すると

『ギャオオオオオオオオオオオオ!!』

近所のお菓子屋さんのチョコレートを吸収し更に巨大化したチョコゴン。

「うぎゃああ!なんやあれ!?」

「恐らくチョコレートを吸収してパワーアップするように出来てるんでしょうね・・・あれ・・・」

チョコゴンを分析する楓。

するとはやては・・・

「楓ちゃん何か手はないんかい?」

「うう~ん所詮はチョコなので・・・カチンコチンに凍らせちゃえばいいんじゃないですか?」

「それや!!」

そう言って楓に1分で超高性能冷凍光線砲を作らせたはやてはビルの屋上に巨大な大砲を設置し構えた。

「よおっし!カモンやで!!」

チョコゴンの進路に向かって大砲を構え・・・

「撃てえええええええ!!!」

放たれる冷凍光線。

『ギャオオオオオオオオオオオオオオオ!!』

それを浴びたチョコゴンはカチンコチンに凍り付いてしまった。

「ようし!これで一件落着や!!」

と思ったのも束の間だった。

ドッカーン

『ギャオオオオオオオ!!!』

近くにあった銭湯のボイラーがチョコゴンの一部を溶かしてしまいチョコゴンは再び活動を開始してしまうのだった。

「な!一部でも無事ならええんかい!!」

といってチョコゴンを再び追いかけると嫌な予感がした。

「ちょい待ち・・・あの先お菓子工場やないか!!」

はやてが地図を見るとそこには海鳴一のお菓子工場があった。中には当然大量のチョコレートがあるチョコゴンがそこを襲えば・・・

「海鳴の危機や!!急げ全速前進!!」

はやて達がトラックに乗るとチョコゴンを再び追いかけるのであるが・・・

「遅かった!!」

とき既に遅しはやて達が追いつくとチョコゴンはお菓子工場を襲撃し中にあったチョコレートを全て身体に取り込み更に巨大化してしまったのだ。

「どないすればええんや!これじゃ止めようが無い!!」

チョコゴンは海鳴を覆いつくすであろうサイズに巨大化しようとしていた。

「どうすんだよはやて・・・」

このままではチョコゴンによって海鳴は破壊されてしまう。

「こうなりゃ・・・最後の手段や」

といってはやてが携帯電話を取り出して呼んだのは・・・

「じゅるるるる・・・」

畢だった。

畢の様子を見たはやては・・・

「このギラギラした本能に忠実な飢えた目!餌なら何でも食らい付きそうな獰猛な口!いける!!畢ちゃん!あれ食べちゃってええで!!」

「コクコク」

はやての言葉に頷く畢。

すると

「すぅううううううううううううううううう!!」

思いっきり空気をバキュームし始める畢。

『ギャオ?』

すると空気に巻き込まれチョコゴンが畢に吸い込まれ始めた。

「いけええヒッちゃん!チョコゴンを食べてまえ!!」

「コクコク・・・ずずううううううううううううううう!!」

『ギャオオオオオオオオオオオオ!!!!』

本能をむき出しにした畢によって見る見るうちに吸収されたチョコゴン。

結果

『ギャオオオ!!』

断末魔の叫びを上げ全て畢によって食べられてしまうのであった。

このミニっこい身体の何処にあの量が入ったのであろうか・・・・

「・・・ケップ♪・・・ご馳走様・・・美味しかった・・・」

そう言って満足して帰る畢だった。

この後なのはとフェイトは大量の始末書を書かされたのは言うまでも無い。



騒動が終了して・・・

「はい!大地!」

「・・・・・・」

元気一杯でチョコレートを渡すスバルと超照れくさそうに受け取る大地。

実は人生初のチョコでもあった。

「なんつーサイズだ・・・」

「いやぁ~持ってたチョコ全部使ったんで~」

大地の顔くらいありそうなチョコ。それを受け取って食べた大地。

この後人生初のチョコを貰った大地が悲惨な目にあったのは言うまでも無い。

そして

「ほれ新・・・」

「予想してたよ・・・」

チョコレートの干物を貰う新次郎。はっきり言って嬉しくなさそう。

「お義父さん!エリオ君!!どうぞ!!」

北斗とエリオに渡すキャロ。

チョコレートを美味しそうに頬張るエリオとしかめっ面で食べる北斗。

「ほらよ」

「プレゼントです♪」

「おお!親びん!父さんありがとう!」

嬉しそうにヴィータとリインからチョコ貰うサイモン。



すると

ピンポーン

「宅急便で~す」

突然家に次元宅急便が届くと・・・

「ミツキさんからだ」

「おお!今回はガトーショコラや!!」

ミツキから特性のガトーショコラが入っていたのである。

「流石ミツキさんや・・・美味しいわ・・・」

ミツキの力量に唸ってしまうはやて。因みにちゃんと影の守護者世界にも友チョコ義理チョコ世話チョコを送るのだった。

そして

「ほれよ」

「おお!相棒!」

相棒の飛鳥から義理チョコ貰って喜ぶ力。

因みに今まで世話になってる上司に配る為に作っていたので美味しいらしいと評判であった。


そして

「はい!力君!」

「あどうも・・・」

はやてからのチョコに対して何故か畏まってしまう力。実ははやてからの鉄拳や金平糖以外の贈り物に対してはどう反応して分からない為緊張してしまうらしい。

「なんや・・・その態度は・・・」

「え?だって・・・鉄拳以外はどうしていいか・・・」

「普通に喜びゃえええんやあああ!!!」

「ぎゃあああああああああああ!!」

そう言って鉄拳で吹っ飛ばされてしまう力は今日もシャマル先生のお世話になるのであった。

 
 

 
後書き


「何!?楓が家出しただと!?」

はやて
「力君ちょっと楓ちゃんの事こき使いすぎたんやないか?」


「この間壊したから家建ててもらったたけだぞ!」

はやて
「ウチかて壊れたダグベースフルメンテさせただけや!!」


「どうすんだよ!!?世界を探したって楓の代打なんてみつからねえぞ!!!」

次回!勇者指令ダグオンA’s どっこい 楓の家出


「うわ!楓の一日ってこんな地獄だったのか!?」
 
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