勇者指令ダグオンA's どっこい
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第十六話 楓の家出
大地のボロアパート
「ZZZZZZ」
久しぶりの休暇の為、布団で惰眠を貪る大地。
「ZZZ・・・くんくん」
すると部屋の中から何やら良い匂いがしてきた。目を覚ましてみると・・・
「大地~おはよう~♪」
「ん?・・・姉貴?」
何故か部屋にいる楓。
「それにしても汚いな~ちゃんと掃除しないと彼女も呼べないよ~」
男一人暮らしにありえそうな散らかり放題の部屋。大地は部屋の掃除は几帳面な方なのだが最近は多忙な為あまり片付けている暇が無いのだ。
彼女も呼べないといって片付けた楓に・・・
(・・・彼女なんていねえし・・・)
そう思う大地。
「さぁ~朝ごはん出来てるよ~」
朝ごはん作ってる楓・・・普通なら良いお姉さんに見えるのだろうが・・・
「・・・で?・・・お前何があった?」
長年楓の弟をやって付き合い長いと楓の言葉の裏を感づく弟だった。
第十六話 楓の家出
南家
「なにいいいいいいいいいいい!?楓が家出した!?」
南家では楓が家出した事にかつてない危機を感じていた。
そう・・・楓の存在は八神組では要化している。
全員が心当たりを探ってみた。
力
(まさか・・・この間発破解体してしまった家を建て直させたせいとか?)
はやて
(まさか・・・この間ウチが溜めに溜め込んだ仕事を処理させたことに激怒してとか?)
飛鳥
(まさか・・・この間ダグベースのフルメンテを一人で全部押し付けた事を恨んでとか?)
北斗
(まさか・・・この間銃で蜂の巣にした機器類を直させた事を根にもってとか?)
サイモン
(まさか・・・この間ダイの子供の相手を全部押し付けたのに嫌気がさしてとか?)
シグナム
(まさか・・・最近報酬が全て干物になった事に不満をもってとか?)
ヴィータ
(まさか・・・前に楓が大切にとっておいた饅頭を食っちまったから拗ねてとか?)
ザフィーラ
(まさか・・・ダグベースの畑の肥料を手間隙かけさせたのを面倒臭がってか?)
リイン
(ひょっとして・・・この間洋服の洋裁をやらせまくったのに怒ってとか?)
シャマル先生
「あら~皆思い当たることが一杯そうね~♪」
【ああ・・・思い当たる事だらけだ・・・】
口をそろえて言う八神組一同。
実は書類整理や近所への謝罪は全てはやてがやっていたのだが、破壊活動の復元作業や誤魔化しは手先が器用な楓が全てやっていた。
再び大地のアパート
「うぇ~ん大地~」
「・・・・・・・・・・」
あんまり興味は無いがとりあえず泣き付いてくる楓の話は聞いてやる大地。
「おめえ他に行くと来ないのかよ・・・」
「だって~大地の所しか行く所無いんだもん!」
「・・・・・・」
本音を言えばとっとと帰って欲しいがとりあえず面倒臭いので放っておくことにした大地。
「まぁ・・・飽きたら帰るだろ・・・」
一方
「うぎゃああああああああああああああああ!!」
楓が離脱した為楓が普段やっていた事を全てやらなければならない力達。
とりあえず楓が残していった予定表を見たのだが・・・
「何だこの量は!!!!!!!!?」
楓が普段こなしている事・・・合計すると人間が一日で終わらすことは不可能な量ある。
「こりゃ下手すりゃ一週間かかるぞ・・・・」
予定表を見た力は気合を入れると仕事分担に入った。
楓の日々の予定1 ダグベースのメンテ
『えっと!これがこっちで・・・』
『違う!!そっちだよ!!』
『これであってるんだよ!!』
『いや!先輩こうですよ!!』
八神組で楓を除いてメカに詳しいチームアルフェリスがダグベースをメンテしているがあまり上手くいかない。楓が奇抜なセッティングや微妙な感覚調整を行っている為下手に弄れないのだ。
『う~ん最近楓にまかせっきりしてたたからな』
『楓がいないとこういう事で苦労するのか・・・』
ビルガー・ボルト共に超細かいセッティングで四苦八苦していた。
普段から楓一人にダグベースのメンテをすべてやらせていたしっぺ返しである。
楓の日々の予定その2 子ども達の相手
「きゃ!きゃ!!!」
霧島園で子ども達の相手をしているサイモン。
「おい!サイモン!相撲だ!!」
「違う!飯事だ!!」
「戦いごっこが先だ!!!」
「うわああああああああ!お前ら俺の身体は一個しかねえんだ!!!」
子ども達の不特定多数の相手をしているサイモンはパニックになっていた。
「姉ちゃんなら全部やってくれるぞ!!」
「う・・・想像がつかない・・・ていうかダイの子供の相手より大変だぞ!!」
相撲やって飯事やりながら戦いごっこしている姿が想像できないサイモン。
楓の日々の予定その3 皆様のサポート
「楓!ばんそーこー!」
「楓!デバイスの調子が悪くて!」
「楓!電気の配線が切れた!!」
「楓!部屋にゴキが出た!!」
厄介ごとを全て楓に持って来る八神組の面々。
「ええっと!処置は完了して・・・これがこっちで・・・これは担当部署にまわして・・・ことはちゃんの部屋のは新聞紙丸めて撃破して・・・」
適切に処理しまくっているシャマル先生。
「ふぅ~楓ちゃん本当に人間なのかしら・・・」
一息入れて紅茶を飲むシャマル先生。
楓の日々の予定その4 後始末点検
「ええっとこっちは異常なし」
「あっちもな・・・」
力と飛鳥が日々の破壊活動の点検をやっていた。
「うわ・・・これホント秒刻みのスケジュールだな・・・」
「よく身体もつなあいつは・・・」
楓の強靭な体力は力譲りなのであろうが流石に量が多すぎる。
「うわ!あっちは修繕しないといけないのか!?」
「うわ!あっちも!!」
修繕が必要な事に眼を回す馬鹿コンビ。
楓の日々の予定その5 勇者ロボの整備
「うわあああああ!どうすりゃええんや!!」
デリケートな作業の為がさつな力達に任せられないという事ではやてが整備をかって出たのだが大雑把な所は自動整備システムで賄うのだが細かい所はやはり人間の手で整備しなければならない。
しかし量が量だけに細かすぎて賄えないのだ。
「えっと多分これがこうだから・・・ぎゃあああああああああああ!!」
スパナで適当に弄繰り回していたら爆発してしまった。
「主・・・やり直しです・・・」
「ぐううううううう!!」
シグナムに突っ込まれながら説明書を読んで整備を頑張るはやて。
いつもなら助っ人でユウに連絡するのだが・・・
「(ただ今~ユウ・サエグサは留守に)逃げた」
こき使われるのを察知したのか既に逃亡した後であった。
楓の日々の予定その6 はやてが普段サボった仕事の誤魔化し
「うう・・・はやての奴なんでこんなに仕事溜め込んでるんだよ」
「・・・やっぱり・・・何処か遊びたい年頃なんです」
「ていうか!本人きてやれよ!!」
ヴィータとリインの絶叫が響き渡った。
大地のボロアパート
「ふあ~こんなにのんびりしたの久しぶり~♪」
呑気にこたつでみかん食べてる楓。実はミツキから特上ロースの誘惑があったのだが面倒ごとが増えそうなので大地がカットして事なきを得た。
余談だが一瞬楓は野生化し吊られてもう一人の珍獣も現れ、珍獣は特上ロースの元へ向かったのである。
「ほれ餅もあるぞ」
「おお~気が利くね~さすが最愛の弟~」
楓の好物の甘味噌醤油の餅を出す大地。
「う~ん♪甘しょっぱくて美味しい~♪」
「食べたら帰れよ・・・」
「もう~大地のいけず~♪」
「ウチに居座るつもりか!?」
正直ゆっくり寝てたい大地・・・だが姉は帰ってくれそうに無い。
その時
「楓えええ!お願いだから帰ってきてええええええ!!」
霧島園の子供たちから住所聞いて大地のボロアパートにやってきた力。
「頼む!お前がいないと俺たち駄目だ!!」
大地の部屋の玄関で土下座しまくる力ちゃん。楓のありがたみがわかったらしい。
「な!楓!頼むから帰ってきてよ!この通り!!」
「はぁ・・・そこまで言われちゃ黙ってられません!」
そう言って素直に帰る楓だが・・・
実は何処かで帰るきっかけを待っていた楓。家出した手前素直に変えることが出来ないが従来のお人好し体質で心配で心配でしょうがなかったりもする。
それを見た大地は・・・
「はぁ・・・やっと帰ってくれる」
安心するのだが・・・
ダグベース
「・・・なして?」
勇者ロボの整備を手伝わされている大地。
実ははやて達が整備をしたのだが逆に壊していたのである。
その為迅雷の整備をやって多少の知識がある大地がアシスタントとして無理矢理呼ばれたのだ。
「ほら大地!口じゃなくて手を動かす♪」
大層楽しそうな楓。やはり楽しんでやっているらしいが大地は・・・
「・・・・・・俺の休みが・・・」
折角の休みを丸々潰されたことに嘆くのであった。
後書き
力
「何!?宇宙人の残党が変なものを送ってきた!?よし!相手になってやるぜ!ええ!?地球で一番強い生物を模して作った!?あれは!?」
次回!勇者指令ダグオンA’s どっこい 激突!はやて対メカはやて
力
「何だ!?あのメカメカしいはやては!?」
はやて
「何でウチのロボ持ってくるんや!!?」
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