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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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二十五章
  疑惑者一真への監視

「皆、昨日の事でまだ話していない者もいるので我らから皆に報告をしたい。壬月に麦穂」

「御意、昨日から一昨日までの夜にて謎の儀式が行われていた。対象人物達は畿内連合内にいる組頭に足軽達を纏めている足軽大将らが、何もない庭にて神殿という建物内にて聖なる儀式が行った」

「昨日の召集でいなかった和奏ちゃん達と一真隊の鞠さんと綾那さんと結菜様に双葉様に報告致しますが、神殿と聖なる儀式を行って関係のある人物はここにはいない人物でもあります。その人物がここにはいない一真様です」

ザワザワ感があったので、多少はあったが静粛にと言った後に美空と光璃も続けて言うのだった。

「なぜ一真が関係しているかは分からないけど、聖なる儀式が行っている間は私のお家流も光璃のお家流も使えなかった。それはなぜか?」

「・・・・美空が使役している護法五神と光璃の源氏精霊も呼べなかった。と言う事は関係している人物が一真以外いないという事を」

「・・・・・・・」

「そうだよね~、雀達の八咫烏隊はいつも通りだったけど。他の兵達がしていたのかな?」

八咫烏隊の者達は変わった様子がなかったので、それ以外の足軽達に変化があったという事だ。一方俺は躑躅ヶ崎館の正門に到着したが、今頃大部屋で話し合っていると思ったら大当たりだった。まあ気配だけで分かってしまうのは、この世界のスペックがおかしい事だと思うが、とりあえず門番と話してた。ちなみに足軽との通信は見えない機器を足軽達に配布したからだ。これで夜叉化になった足軽達と通信できる訳でもあり、念話も出来るという事だ。

「お帰りなさいませ織斑様。お屋形様達は大部屋にて、朝食をしていると思われます」

「ご苦労。だが汗まみれはアカンので一旦船で風呂でも浴びてくるか、久遠達がいる大部屋に行く時は誰かと一緒に行くとする」

「承りました織斑様『船から戻ってきた時は念話で呼んでください』ごゆっくりと」

そんで俺は船に戻った後に朝風呂として、大浴場に行ったら鍛錬相手をしていたクロウ達を呼んだ。たまには風呂に浸かるも悪くないと思ったので、それに今の時間は朝鍛錬を終えた野郎共で一杯だった。女性隊員はお先に浴びたそうらしいと、蒼太も言っていた。俺達も浴びようとして、体を洗ってから風呂に浸かると小型ドラゴンのドライグとサマエルが浸かるとクロウ達も浸かる。それとヴァーリ達もいたけどな。

「おやおや一真にクロウ達か、ヒト化を見るのはあまりないな」

「おはようさん、ヴァーリとアーサーに曹操、ヘラクレス。地上では気持ちいい風が吹いていたが、そちらではどうなんだ?」

「俺達は問題ないが、昨日まで執り行っていた儀式をしていたゲオルグとルフェイならまだ寝ているぜ」

「三日間による全足軽達の夜叉化をするために創った輪廻転生システムを、一緒に構築させて更に守護結界による魔法だったか」

「まあな。この世界はもうすぐで滅ぶが、足軽達も自然消滅するが上司である久遠達と一緒にいたいと言うのでな。最初は一真隊だけだったんだが、一真隊の足軽達が冗談半分で言ったら全足軽達がその話乗ったと言ってたぞ。だから三日間に渡る聖なる儀式を行うために神殿と輪廻転生システムを完成させた後に、組頭と足軽大将に全足軽の情報を調書として自分の血で書いてもらった」

そう言って大変さを知ったヴァーリ達だったが、あまり遅くなるといけないので俺とクロウ達は先に出た。脱衣所に行くとタオルで拭いた後に、各自の服を着たのだった。俺は量子変換機で鍛錬着から普段着に着替えた。いつもの真っ黒戦闘服ではなく、長袖シャツにジーンズという格好だ。そしてクロウ達を俺の中に戻った後に地上である躑躅ヶ崎館にある俺の部屋前に戻ってきたら、武田衆の一人が来ていたので俺は久遠達がいる大部屋へと向かう。

「それで?一真は今どこにいるのだ」

「躑躅ヶ崎館に戻ってきたご主人様は門番の方と会話をされてから、恐らくですけど船に戻られたと思われます」

「確かにいつもの一真様なら朝鍛錬を行った後に、一度船にてお風呂で汗を洗い流すそうです」

躑躅ヶ崎館に戻ってきた一真を追ってきたが、一瞬にして気配も消してしまったので久遠達がいる大部屋にて今までの経緯を報告していた。そして報告が終わると小波は詩乃の隣で朝食を食べようとしていた。明け六つから一真を監視していたので、食事くらいは一緒にという一真の命令でもある。久遠・美空・光璃が揃っていて、畿内連合と長尾衆と武田衆武将全員で朝食も珍しいがこれも情報交換だと思えばいい事。

「そういえば確かに変化があったような気がするけど、そんな事があったなんて知らなかった」

「私や結菜様は一緒に寝ていましたけど、夜にそんな事があったとは驚きです」

「確かに母衣衆の様子が何か変わった気がするな。雛や犬子はどうなんだ?」

「んー?雛達の兵も雰囲気が変わったかも」

「犬子も」

「ワシらのもそうだな、ガキ達が感じ取った通りとなるが雰囲気や気配が何かが違うというのは感じ取れた」

「母同様にだ、オレも今日と昨日では何かが違う気がするぜ」

「柘榴達の兵達もっすか~?」

「松葉達の兵は海津城にいるから分からない」

「拙らは昨日の密談でもそうだが、明らかに今日と一昨日とは何かが違うと思われるでござる」

「確かに赤備えの者達も何か雰囲気が変わった気がするだぜ!」

「こなちゃんは相変わらずですけど、確かに兵達の雰囲気が違いますね」

「兎々もらのら」

上から結菜と双葉、三若、森親子、柘榴と松葉、武田四天王なのだが、情報交換を行っているが共通しているのが兵達の雰囲気や気配が変わった事。まあいくら人間コーティングされていても、人から夜叉への気配となったからなのか武将達も変化に気付いた様子だった。俺は武田兵の一人と一緒に大部屋に向かっていたが、疑われても俺は船にいたという奏からの情報というのも全員に言っていた。それが嘘なのか本当なのかは分からない様子だったけど。

「とりあえず今日一日は、いつも通り作業しているが一真を見たら何か気になった事を家老達に報告するのだ。それとこの事については、一真には内緒だぞ?」

「私達も報告があったら纏めてみるけど、今日一日様子見っていうのは理解したわ。一真を様子見というのも、今日どう接していいか分からないけどいつも通りで頼むわよ」

「・・・・光璃達も問題ない」

「失礼します、織斑様が来られました『入れ』はっ!」

「失礼するぞ。・・・・何だこの疑惑の雰囲気は?それより俺の席はどこなんだ薫」

「あ、うん。お兄ちゃんの席はここだよ」

薫に言ったら、俺の席は一真隊がいるひよ達がいるところだった。俺が座ると今日の隣は詩乃と雫だったけど、この雰囲気は疑惑の念が籠っているが問題ないな。まあいいと思ってから、膳がある食事を手に取り食べていた。食べている所だったが、皆はいつまで経っても食べないで俺の事を凝視していたので落ち着かない。

「この部屋にいる全員は、何か俺に用なのか?こちらをじーっと凝視されては、食べづらいのだが?」

そう言うと慌てて食べ始めたが、これは何かあるなと思ってから今日の予定についてを隣にいる詩乃と雫に聞いたらいつも通りとの事だった。俺は何もしなくていいから、俺は俺で準備していればいいとの事だったけど。不意に秋子から聞いてきたけどな。

「そういえば一真さんは、この食事後はどこかに行かれるんですか?」

「この後についてか?海津城に行く予定だが」

「海津城と言えば私達長尾衆がいるところよね?なぜ一真が行くのかしら。海津城に用があるならば、一真じゃなくて柘榴か松葉に行かせるけど」

「お前らでは馬でどのくらい掛かる距離だと思ってるんだ?俺が行くとすぐ到着する距離だし、たまにはバイクに乗らないと気が済まなくてな」

「ばいくというと、一真様が乗るモノでしたよね?」

「そうだ。馬ではなく絡繰りだと思えばいいし、ここから海津城まで馬よりもバイクならすぐに到着する。追いかけっこするのであればまたにしてくれ」

そうして食事を食べた後は解散となったが、俺は躑躅ヶ崎館の正門前にバイクを空間から出した。そしたら何故か秋子と夕霧がいたけど、秋子は俺とバイクに乗る事になり夕霧は馬との競争がしたいそうだ。あとは海津城に用があると言ったら、三日前から音沙汰無しだったのか監視も含めて乗る事になった。バイクに乗るにはヘルメットが必要だけど秋子の分はないから、安全運転で行く事にしてから俺がまたがった後に秋子が俺の腰に手を回すように言う。

「いいか秋子。絶対に手を離さずにして俺の背に捕まっていろよ?そうしないと落ちてしまうからな」

「そんなになんですか?そうは見えないくらいなものなのですけど」

「兄上と競争出来るのは、あまりないでやがる。まずはお先に行くでやがるよ」

そう言った後に夕霧が先に出発したので、俺はヘルメットを被ってエンジン始動させてから発進させた。すぐに夕霧を追い越すぐらいの加速力を持っていたのか、秋子も馬以上の速度だったために、一真からの言い付けを守っていた。追いついた後はそのままの状態で馬の限界速度を余裕で走り去ったのだった。で、結局馬の方が限界な速度だったために俺は速度を上げてから真っ直ぐ海津城に向かったのだった。

「まさか夕霧さんの馬を余裕で追い越すとは!?」

「こいつはまだまだ速度は出せるが、道があまり舗装されてないので速度はこのままだけどな」

「一真さんの言う通りで正解でした。まさかあんなに速度が出る馬はこの世にないと思いました」

「海津城に行く用は、さっきも言ったけど一時的だったとはいえ一緒に戦った兵達の様子見だ。そんで今後京での鬼退治を一緒にするのだからな」

そう言ってからしばらく無言になると、海津城が見えてきたのでそのまま門の前まで近付いた。バイクから降りた秋子と俺は空間に入れてから、まだ先にいる夕霧を空間移動のようにこちらに来させた。で、騎馬よりも速いモノはないと言った。そんで馬と共に海津城に入って馬を預けてから、海津城にいる長尾衆と様子見として来たと言ったら秋子と夕霧と一緒に調練を見た。

「それで?対鬼戦での調練はどうだ『念話はいけるか?』」

「これはこれは織斑様ではありませぬか。我らは問題ありませぬが、なぜに直江様と典厩殿が一緒にいるのですかな?『夜叉化になってからは、いつもより身体が反応します。それと全兵達の念話は大丈夫かと』」

「ホントは俺一人でもよかったんだが、海津城には長尾衆がいるのと俺の見張りだそうだ。三日前から躑躅ヶ崎館にいなかったのでな、何か疑いがあるそうだ『念話の試運転で来たが問題なさそうだな』」

『織斑様、いつでも人から転生神にいけますぜ/合図でいつでもなれます/動きがいつもよりも無駄にない動きとなりました』

「兄上を疑う事はないでやがるが、姉上の命でやがる。三日前からいなかったのでやがるから」

「私もです。別に一真さんを疑っている訳ではないのですが、御大将からの命で動くのなら一真さんと誰かが付く様にと言われているので」

念話は大丈夫として、お前らの変化についてはここにいる秋子や美空にも伝わっているので注意する事。あとは京に着いてからの合図は、照明弾と全兵達の付近に見えない先輩夜叉から伝わるようにしようと思っている。そんで昼まで海津城にいたが、まだあちらでの動きがない事や物資搬入の手続きをここでやるなど秋子がやっていた。昼食は長尾衆全員と一緒に食べたが、作り手は俺だ。最近作ってないし、腕を鈍る訳にはいかないがあちらでは俺が台所に行こうとすると心に止められる。

「忘れていたでやがる。兄上を台所に立たせてはいけないという事を・・・・。心のご飯よりも美味いでやがるー!」

「そうでした・・・・。一真さんの料理の腕はこの世の全ての料理人の誇りをズタズタにされてしまうという事を」

「おやおや何を言っているのやら・・・・うん腕は鈍ってないようだな。ドライグも食え食え」

ドライグ召喚してから、久々の焼いた肉を食べた後に運動のために帰りのバイクに乗った俺と秋子と夕霧だった。ホントは三人乗りはいけない事だが、夕霧がどんな速度だったのか知りたいと言ってきたから馬は先に躑躅ヶ崎館に戻らせてから一気に加速した。三人乗り用にはなったけど、ゼロ曰く違反になると言っていたがこの時代に違反切符はないさと言っといたけど。

「凄い速度でやがる~!これが兄上の馬でやがるか~」

「もう躑躅ヶ崎館に到着とかどれだけ速いんですか?このバイクというのは」

「海津城から躑躅ヶ崎館までは馬でも半日かかるでやがるが、ほんの少しで到着とは凄いでやがる!」

「はははは、こんなのは序の口さ。この速度で高速移動は今だけだから味わっとけ」

そうして到着してから降りた二人だったが、バイクを空間に戻してから俺と秋子と夕霧は躑躅ヶ崎館に戻った。一度二人とは別れたが、代わりに正門で待っていた鞠と薫が両サイドの腕にしがみ付いていたけど。一方秋子と夕霧は主である美空と光璃に報告するためにわざわざ光璃の部屋で報告する事となったらしい。 
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