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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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二十四章 幕間劇
  エーリカについて考え事×一真隊愛妾連合との膝枕交換

「はぁ・・・・・・」←ひよ

「・・・・・・・・」←ころ

「・・・・・・・・」←詩乃

「どうなさいましたの?皆さん。何だか元気がありませんわね」

「ああ・・・・梅さん、雫」

「何かあったんですか?」

「一真様から聞いた、エーリカさんの事を考えていたんです」

ああ、そう言う事か。何か皆で落ち込んでいるから何だと思えば、この前まで味方だったはずのエーリカが最初から敵だったという事なのかな?でもあの時のエーリカは本来のエーリカではなかった。前回の外史で葬ったはずの悪しき魂がこの外史での仕事をこなすためなのに、俺との出会いで方向性が少し変わった事だと俺は思う。本来の方は本能寺に誘い込み久遠を本堂で殺す事だったが、今回は久遠ではなく憎き俺に対してになった。

「エーリカさんの・・・・・」

「そういえば詩乃達は、エーリカさんとの付き合いも長かったですね」

「ええ。一真様や久遠様と堺に赴いた時に知り合って以来、色々と良くして頂いていましたから」

「鞠も遊んでもらった事あるの」

「梅ちゃん達も奉教人だから、宣教師のエーリカさんとは色々話とかした事あるんじゃないの?」

「ひよさん達ほどではありませんわ。小谷の懺悔部屋に許可を頂いたり、時々お説教を聞かせては頂きましたけれど」

説教というともしかしてあれかなと思った俺であったが、そういう説教とかではなさそうだ。そんで雫達も南蛮の話を聞きたいとは思っていたらしいが、エーリカは一人で物思いが多かったらしいのかあまり聞けなかったようだ。というか南蛮の事なら俺達の方が詳しいんだけどな。

「・・・・そうだね」

「どっちかって言えば、雀やお姉ちゃんと鉄砲の話をしてた事の方が多かったかもー」

「・・・・・・・・」

「お姉ちゃんは強いねー。傭兵は次に会う時は敵同士でも珍しくないから、エーリカさんにも迷いなく鉄砲向けるって・・・・」

「・・・・・・・・!」

「全力で首を振ってらっしゃいますが?」

雀の冗談か本気かはさておき、俺達も今この世界では傭兵みたいな感じではあるからなのか。味方が敵になったとしても、撃てる自信はあるが弾は非殺傷性にするかもしないが今回ばかりはエーリカを倒す事になっているらしいけど俺達黒鮫隊と黒神眷属はエーリカを救う方法を模索中だ。たぶんエーリカが考えていた事はあの時からかもと妾メンツはそう思っていた。

「んー。綾那は良く分からないのです」

「私達が一真隊に加わったの、金ヶ崎の後だものね。こなみにはエーリカさんとは?」

「鞠様と一緒に、鬼との戦い方を教わりました」

「だったら、知らない仲じゃないわね・・・・」

「小波は気付かなかったですか?」

「・・・・面目次第もございません」

「仕方ありません。それを言ったら、この場にいる誰も気付かなかった訳ですし・・・・」

まあそうだな~、エーリカの事を思うのならこの場にいる全員が気が付かなかったとされている。俺は、堺から付き合いがあるからとても長いからかどう思っているのかを聞いたひよだったけど。で、そろそろ俺の出番かと思いながら、この場にいる全員の部屋に自然と入ってきた俺であった。

「ん?皆、どうしたのだ?全員休憩で集まったのか」

「あ、一真様」

「一真様、お茶はいかがですか?」

「頂こうか、ちょうど喉乾いていた事だし」

「お座布団ですわよ。こちらにどうぞ」

そう言いながら俺の席を確保した梅の誘導で、座布団の上に腰を下ろした俺。そしたら自然的な流れなのか、その上に腰を下ろしてきた綾那だったけど。

「ちょっと綾那さん!?そこは私が狙っていましたのに!」

「早い者勝ちなのです」

歌夜は早い者勝ちじゃないと呆れていたが、あとで歌夜と変わってあげると言ったら嬉しそうなような皆の視線で嬉しくないような感じであった。この場にいる全員妾だからかもしれないけど。鞠も替わってほしいと言いながらかわいい笑顔で聞いてくるから、俺の隠しカメラでさり気なく撮影した。

「鞠にも替わって欲しいのー!」

「でしたら私にも替わって下さいまし!」

「おっぱいのある人は一真様のお膝は禁止ですよ」

「な、なんですって!?」

そしたら前に雀が言ったと聞いた梅は、雀に聞くが雀はそんな事言ってないと言いながら烏に振るのだった。そしたら全力で否定しているから、胸がある人は俺の後ろから抱きついとけばいいじゃないと言ったそうだが、それだったら両方とも役得だな。背中から押されると柔らかいメロンが当たり、前は小さい子が俺の膝上に座る。とんでもないハーレム野郎じゃないかと思った。

「そ、それはそれで、ハニーに喜んで頂ける気がしますわね・・・・。ハニー・・・・?」

「お前らまだ昼だぞ?まあ男としては嬉しいが、刺激物には早すぎる時間だぞ」

この中で胸が大きいのは梅くらいだと思うが、船には巨乳がたくさんいるからか背中から押されようが挑発行為して来ようがもう慣れてしまった感じではある。本妻の奏も結構あるからな、桃香並みに大人の女性と言おうか」

「ほら駄目じゃありませんの」

「お前ら喧嘩するな」

「そうですよ。せっかく一真隊で独占出来る貴重な機会なのですから、好機は最大限に利用すべきです。それに一真様は船に戻ってしまうと、側室と正室に独占されてしまうのですから」

「確かに貴重な機会ではありますけど、自分はしっかりと一真様の隣を確保してますよね、詩乃」

「・・・・当然です」

たく、こういう時に前髪で隠れている目を見れるからか、この詩乃はかわいいと思う。それといつも通りな感じだな、さっきまではどこか悲しそうにエーリカのを語っていたのにな。

「で、一真隊での出立準備の方はどうなんだ?」

「出立準備なら、今日出来る分は終わっていますよ」

「糧食は・・・・?」

「万端揃っています!」

頼もしい言葉をくれながら、ひよは脇にお茶を出してくれる。出立準備は出来ているならいいが、あとは兵達だな。その辺はこいつらには内緒で行っているから、一真隊の兵達だけでもと思ったが、久遠・美空・光璃の兵達を一真隊の兵達が冗談半分で誘ったら全兵達がその話乗ったと言う始末となった。なので、全兵達を夜叉にするのは時間かかるし、全員を転生神にするのは術式と輪廻転生システムを使って人間から夜叉にする事となった。夜叉にした後に、人間の頃の仕事をするためのコーティングを行う事にしたので結構情報がヴェーダに集まっている。

「武器と玉薬は?無論一真隊だけの話だが」

「今ある分は全て運べるようにしてありますわ。玉薬の補給の大半は途中で行う計画ではありますが、ハニーのお力で既に確保済みですわ」

「まあ俺の力で玉薬は問題はないとして、しがみ付いて来ないのか?梅」

「・・・・あぅぅ。せっかくの機会ですのに」

「それは別の日にな・・・・」

てっきりしがみ付いてくるかと思っていたが、皆の視線を感じたらしいのか梅はしがみ付く好機を失ったようだ。まあしがみ付くと言えば、最近は船だとだいたいが黒神眷属の者達だけど。朱里や雛里は黒の駒のお陰で身長と胸がコンプレックスだったのが、蒲公英並みに胸は大きく成長し身長は桃香や愛紗並みに大きくなった。でも鈴々とかは黒の駒を入れても、そのままだったりする。

「兵の訓練はどうなんだ?」

「もう少し余裕が出てくればする算段も整えていますが、今必要なのは十分な休息かと」

まあそうなんだけど、早めに兵達を夜叉にするために慣れてもらわないと困るが今は問題ない。人間と夜叉ではスペックの差がかなり開いてしまうが、今はまだ人間のスペックで十分に休息をしてからの方が良さそうだ。最近は金ヶ崎からここまで、戦があったり野宿続きだったからかもしれんが黒鮫隊のお陰でそんなに疲労はしていないはず。

「そこは雫と臨機応変に動きます」

「任せる」

これだけ遠征が続けば、皆は慣れてくるそうだ。次の戦が最終決戦だと言う事は、半分理解していないかもしれない。決戦後、全員を船で保護をしてからこの世界から脱出する計画がある。

「ま、次の戦が終わればこの世界がどうなるかはもう知っているだろ?」

「あの時の大評定では、理解はしていますからもちろんです!」

「お任せ下さいまし」

「で、俺が来るまで何を話していた?順調の割には、元気がない感じではあるが」

部屋の外から声が漏れていたので、あえて聞いてみた。あとは何人かいるかと思ったら、妾全員が揃っているのだからな。影で聞いていたとしても、一真隊のメンツ全員が揃うのも珍しい事でもある。いつもなら、今よりも何倍も賑やかなだったはず。

「エーリカの話をしてたの」

「・・・・エーリカ?」

「ハニーは何も感じませんの?味方だったエーリカさんが敵になったという事を、皆はエーリカさんの事でいっぱいでしたのよ」

「うーん、正直言って今までのエーリカの考えている事は俺でも分からないが、今だったら分かる。それにだ、俺達が見たエーリカは見た目は今まで道理と聞いているはずだが、俺には聞こえたのさ。エーリカ本来の心の声がな、これは初めて言うが俺は前回もエーリカと会っているのだよ」

「前回もお会いになさっているという事、ですか?」

「俺はこの世界と似た世界に一度行った事がある、その時砕いたはずの悪しき魂がこの世界のエーリカに憑依してしまったと言えば分かりやすいか。今までのエーリカは本来あってだが、今のエーリカは前回滅ぼしたはずの邪気・悪しき魂という鎖によって精神の中あるいは心の中に鎖として閉じ込められてしまっている状態だ。俺は助けたいが前回と同じ方法では助けられないから、奏たちと考え中だ」

俺は初めて言ったかもしれないが、ここと似た世界に行った事や本来在るべき魂と邪な魂を切り離した事。そして俺の手で砕いた後に、俺が見たエーリカの中に前回砕いたはずの魂がいた事。ま、信じられないかもしれないが実行部隊としての付き合いや、一緒にいた時間だと長いとは思う。詩乃達は情報が少なすぎるとも言うが、それはしょうがない話だ。

「付き合いは長くとも、中の性格や敵という感じではなかった。鞠や小波そうだろ?」

「うん。よく分からなかったの・・・・」

「まさかご主人様はそれを分かっていて、今まで行動していたのですか?」

「まあその通りだ、二つの名を持つ方が怪しいと俺達黒鮫隊は始めから分かっていた。黒鮫隊も同じさ、前に世界で見ているのだから」

一真隊で一番そういう直感に優れている鞠や、草としての訓練を受けている小波でもエーリカの異変は察知されなかった。察知できたのは、俺と黒鮫隊のみだ。エーリカが鬼の大将だと言うのであれば、鬼が出現する時は何時も久遠達と近くにいたからな。それに鬼は俺の方を向いていた。まあこの二人でも気付けない相手だから、一枚も二枚も上手である。

「だから俺達黒鮫隊の最終目標は、エーリカの中に潜む闇の部分を排除するのが目的でありエーリカがいるところに行くのが、俺達の最終任務だと思っている。素の部分と闇の部分は違う」

「素と闇ではどういう違いがあるんですの?ハニー」

「素は鍋や茄子を食べて美味しいと言ったり、一緒に鬼を倒すのが素の部分。闇の部分は俺を殺すために着々と準備をするエーリカと言った方が分かりやすいか」

「そういえば、エーリカさんを囲んでの鍋は・・・・あれから一度も出来ず仕舞いでしたね」

「そうだね・・・・」

あの後、京に上って、ほとんどすぐに金ヶ崎だったのか。戦いが終わればと思っていたひよ達は、まさかこんな事になるとは考えもしなかっただろう。二度も来た世界をどうするかは、この世界によってだが二度も破滅になるとは俺も思わなかった。一度目はエーリカを助けた後に新田達を北郷一刀がいる外史に戻して新たな生活を満喫中だと、たまにその外史での貂蝉からメールが届く。そして二度目は俺らの拠点へと保護をする事になり、もちろんエーリカも助ける事だ。

「お鍋ですか・・・・」

「皆で一つの鍋を分け合って食べる、という考えを喜んでくれてたのさ。だから最終決戦時には皆の力を貸してほしい」

「はいっ!」

「無事にエーリカさんを助け出してくださいね、一真様!」

「俺の全力を持つところだが、今回ばかりはとても難しい事だ。今回は神界と冥界の神々の力を貸すように、奏と優斗と深雪も参加する予定だ。・・・・ふあぁ」

「あら。ハニー、おねむですの?」

「一真隊や他の仕事は皆に任せているが、最終決戦時にはたくさんの力をつけるために鍛錬をしてきたからかも」

それでも一葉や美空達の仲裁をやってきたのは、俺でもあるからなのか実際はかなり疲れているのではないかと指摘された。それはそれで疲れるかもしれんが、船には側室や正室の相手もしているからなのかそれが疲れなのかもしれんな。

「・・・・でしたら、私のお膝を枕にして頂いても・・・・」

「悪いが貸してもらおうか・・・・」

「ええ、もちろんですわ・・・・!」

そう言ってから綾那は残念そうな顔をしながら、膝上からどいてくれた。最近は地上での仕事が多いのか、自然に疲労が溜まっていたようで船からはいいなと言われるが、たまには愛妾達にもしてあげてくれと言いながら近くにある膝に身を寄せたけど。

「ああ、ハニーに膝枕だなんて夢のよう・・・・ってちょっとハニー!?そっちではありませんわよ・・・・!」

「おや」

何だか自然的に力が抜ける感覚であり、まるで本妻が寝かしつけるかの如しだったからか、既に眠気が来たのでそのまま寝てしまった。

「ふぅ・・・・・」

「・・・・もう寝ちゃいましたね、一真様」

「外見ではそうは見えなかったのに、中身はそうとう疲れておいでだったのですね。黒鮫隊や黒神眷属という家族とを過ごしていたり、地上に降りれば久遠様たちの相手をしていたたかもしれません。こちらから無理をされていたかのようで」

「もう・・・・。ハニーったら、私と詩乃さんを間違えるだなんて、ひどいですわ」

「左右の区別も付かなかったくらいお疲れだったのでしょう、最近は特に地上・戦艦・神界を行き来していると聞いていますから。何もしていないと聞いていますが」

「久遠様達四人とやり合えるならまだしも、正室・側室・愛妾を相手にしていたのなら余程の体力が必要とされてます」

「そうだね。一真様は身分なんて全然気にしていないと言ってたけど、人間なら私達みたいな平民出だっていうし。神様としてなら、将軍と同じくらいだったはずです」

「武門は理解はしていても、仕来りが分からず仕舞いで苦労する事も多くなったのでしょう。恐らくこの世界に降臨されてからだと思われます」

そう言っていたが、まあそうだろうな。現代の仕来りならまだしも戦国時代の仕来りなんか知るかと言いたいぐらいだ。三国志の時も苦労したが、そこはゼロや努力で何とかなったからな。それにその時も神を名乗っていたけど、拠点に行く前だったから力も剣術とか銃の腕だけだった。綾那は俺の寝顔を見たのか、幸せそうにして寝ていると言っていた。そしたら綾那が触ってくるから、声を出したけど。

「ほら、触らないの。一真様が起きちゃうでしょ」

「うぅ・・・・だったら、見るだけにするです」

「一真、かわいいのー」

「こうして静かに眠っていれば人の子なのですので、可愛げもあるのですけど。戦闘時とはまるで違います」

「そりゃそうだよ・・・・。一真様はいざ戦闘になれば、表情も代わって自ら前線に赴きますからね。あとはこれ以上恋敵を増やさないでと思いたいのですが」

「一真様から誑し込まれたというより、私達自身が自然に好きになったからですよ」

俺は一切誑してないからか、桃香や華琳、それに雪蓮も自然に俺を好きになってしまったなと言ってたな。あの男嫌いの桂花でさえ、俺と出会い、戦い、一緒に策を考えていたらいつの間にか俺限定で好きになったと言ってたのが一番の驚きだったな。魏軍の元覇王であったのに俺らと一緒に暮らす事になってからは、料理を一緒に研究したりしていた。

「詩乃ちゃんがそう言うの、珍しいね」

「寝ている間だけは好きに言ってもバチは当たりませんよ。何しろ一真様は神様でもありますから、他が聞いたとしてもこうやって素直に言えるのはこういう時ぐらいですから」

「ふふっ。そうだね」

「・・・・さて。一真様も寝入ったようですし、誰か膝枕を代わって頂けませんか?」

「いいんですの?」

「ええ。本音を言えば独り占めしたくはありますが、ここにいる皆で公平にした方が楽しいでしょうし・・・・眠っている一真様を別の角度から見たいという気持ちもありますからね。それにここで好機を失えば、船にいるはずの沙紀さん達がここに来るはずですから」

とそう言っていたようだけど、船からはバッチリ聞こえていたようだった。雀が大きな声を出すからか、ひよが注意をしていたけど。それと詩乃の言う通り、ここにいる全員は愛妾で沙紀たちは側室扱いであり先輩でもある。雀は声を小さくすると雫が慌てて俺を落としてしまうかもしれないと言っていたが、雀ぐらいだと俺の頭が重くてすぐ交代としてしまうだろ。烏は雀を見ていたが、明らかに顔が赤くなっていた。

「烏さんも雀さんの膝枕は反対ですか?」

「・・・・・・・・」

「反対のようですわね。では、詩乃さんのご指名で」

「そうですね・・・・。でしたら、ひよ」

「え?梅ちゃんでいいんじゃないの?あんなにやりたがってたんだし」

「あら。ひよさんはハニーの膝枕、したくはありませんの?」

「それはしたいけど・・・・」

「梅さんが膝枕に並々ならぬ執念を燃やしていらっしゃる事は理解していますが、私と梅さんの膝では差が大きいですから・・・・」

同じくらいの高さならば、俺が起きないと思ったらしい詩乃の考えだった。その考えは全員を一致させて俺の頭は詩乃からひよに移動する。ホントはしたかったらしいひよだったけど、膝枕なんてあまり出来ない事だからな。特に最近は戦が多かったかもしれない。で、目が少し覚めた感じで伝わってくる感触は頭の下から柔らかい物が抜けていくという感触であった。まあ膝枕を堪能したのは、この前奏が来た時に久々に堪能したけどな。浮いた頭を細い手に支えられていて、頭は落ちたりしてないから膝枕を交代するのかなと思った。

「(目を瞑っているのか、誰も俺が起きた事なんて気付いている訳ないか)」

「大丈夫?ゆっくりね・・・・」

で、俺の頭を支えていた手の力が抜けて俺の頭は別の膝枕に移動されていた。細身の柔らかい膝で、温もりがあって落ち着く感じは何だろうな~と考えながらだった。この癒しオーラを出しているは誰だ?と思ったがひよかと感じ取った。まあ俺の妻たちの膝枕は人によって違うからな。

「一真様、起きてない・・・・よね?」

「平気だと思う。目も開けてないし・・・・」

「えへへ・・・・」

やっぱり当たったが、声の感じと周辺の気配で分かった。波導は人によって違うからか、ルカリオみたいに波導使いでもあったのか。人それぞれの波導を感じるようになれたけどね、目を閉じていても匂いや触覚で誰の膝なのか理解できるようになった。いらない能力かもしれないが、嫁さんを間違えるのは失礼にあたるからか。

「うわ・・・・膝枕って、こんなに良い物だったんだ」

「どうですの?」

「なんか、凄く甘えられてる気がするよ・・・・。別の顔を見られただけでもクセになっちゃいそう」

「そんなにいいの?」

「ころちゃんも膝枕、一度やっといた方がいいよ。今まで凄く損している気がする・・・・」

「そ、そんなに!?あとで替わってよ、ひよ」

「ああ・・・・なんでこれ、今までやらなかったんだろう・・・・。尾張に居た頃だったら、私ところちゃんと詩乃ちゃんの三人でやり放題だったのに・・・・」

「全くです。過去の私がどれほど先見の明がなかったか、呆れ果てて物も言えませんね」

そう言うともう戦いとかどうでもいいとか言い始めたひよだった、それに確かに初期の頃だったらやり放題だったけどあの時は愛妾というより部下だったのだからな。しょうがないと言えばしょうがないと言うべきだが、一真隊筆頭の言葉とは言えないと言っていた梅だった。慕っているという気持ちは理解しているが、戦いが終わらなければ平和は来ないとも言う。梅は俺への愛情表現の形として考えていたそうだが、そういう軟弱な気持ちで考えてもいいんじゃねえのと思ってしまうほどだ。

「じゃあ梅ちゃんもやってみなよ」

「ええ、受けて立ちましょう!」

「ころちゃん、先に梅ちゃんでいい?」

「それはいいけど・・・・」

確かここにいる人数は十人以上いるから、しばらくは膝枕を体験しときたいのかな。さっきと同じようにそっと抱え上げられてから、入れ替わりで乗せられたのはひよや詩乃よりも一回り大きいから梅か?まあこういうのは紫苑や桔梗みたいな膝枕を表現するのであれば、肉感的な太ももとでも言うべきかな。梅とひよや詩乃では体格は違くないけど、こうやって代わりばんこすれば誰の膝か分かる気がする。

『隊長の膝枕は私達が担当なのですけど、今回はひよさんたちに任せます』

『たまにはそうさせた方が良いと思うぞ沙紀』

『いいないいな~、ご主人様との膝枕』

『私達の出番でもありますが、たまには私達よりもこの世界で出会った愛妾たちに任せた方がよろしいかと。吉音さんはまた今度やればいいのよ』

『僕たちの出番は、この世界から拠点に戻ってからにしようよラウラ』

そう言いながら側室である桃香、詠美、シャルであったけど、各チームの代表が言っていたが桃香達の出番は拠点に戻ってからしようなと言うか今度船に戻った時になと二つ言ったら、返事は保留となったけど。

「こ、これは・・・・」

ひよから梅になったのか、膝と反対側の頭にちらちらと触られる柔らかい感触があったがこれは何だ?

「どう?梅ちゃん」

「膝枕って・・・・こんなにドキドキするものですの・・・・?」

呟いてから、僅かに身を屈めたんだろうか。耳元に触られる感触はより一層強くなったが、もしかして胸が当たっているのか。

「幸せでしょー?」

「し、幸せというか・・・・このままずっとしていたいという気持ちがひしひしと・・・・。わ、私はハニーの刃となるべき身ですのに・・・・っ。ああ、愛しい殿方との時間がここまで幸せだなんて、新しい発見ですわ・・・・」

何といえばいいのか、これではまるで一人ずつ膝枕体験ツアーになりそうだな。俺が寝心地が悪いのでは?と言ってたが逆に言えば寝心地は最高である。綾那は太いからと言うと、身体のラインはいつも気を使っているそうだ。

「梅さん。声」

「あ、ああっと・・・・ハニーが起きてしまいますわね。とはいえ、私一人であまりハニーを独り占めするのもよくありませんわね。次はどなたがなさいます?」

梅が言うと綾那がやりそうだったが、さっき俺の膝に乗っていたからか歌夜から遠慮しとけと言われた。

「そうなの。鞠も一真のおひざ、座りたかったの」

綾那は鞠にも注意を受けて、最後にすると言うが何時間かかるのかな?他にいるかと聞いている梅はころに向けたが、ころもあとでいいと言うから梅の指名でいいと言ったころだった。

「でしたら・・・・そうですわね。小波さん」

「・・・・・・・はいっ!?」

俺もそうなりそうだったのを我慢したが、小波の膝だと!

「小波さん。ハニーの膝枕はいかが?」

「じ、じじじ、自分のような者が、ご主人様の!?」

「小波さんも私達と同じハニーの愛妾なのですから、遠慮する事などありませんわ。ですわよね?」

「そうよ。ただでさえ小波は一真様と触れ合う機会を避けているんだから、こういう時ぐらい」

「ですが・・・・・」

梅はしたいのかしたくないのか聞いて小波の答えを待っていた。そんでいつも通り逃げるのは無しと言ってから、綾那は小波の膝枕はきっと喜んでくれるとな。小波の膝枕とかはなかなか無いと思った俺も船で聞いていた嫁たちもそうだそうだと議論していた。俺が動くとどうせ逃げるから、動かない様にしといている。

「それは・・・・ご主人様はお優しいですから、そうお思いかもしれませんが・・・・」

さっさと取り替えた方がいいと言う綾那に、梅も賛成という事で頭は移動した。本来の主人公なら、「さらば、梅の素敵太もも」と言うに違いない。小波が来ないと俺の頭は落ちるからと言い綾那と歌夜に逃げ場を無くされた小波は渋々と俺の頭を乗せたが、ひよや詩乃と言った細さのある膝や梅のような太めな膝とは違いむっちりと癒し系の両方あると過言ではない。同業者である明命みたいに、草や斥候の匂いがして野山のような自然の香りに包まれている。

「ご主人様・・・・」

「ふふっ。良いものでしょう?」

「はい・・・・。自分には過ぎた幸せです・・・・」

「そうかなぁ・・・・?小波ちゃんなら、一真は言ったらいくらでもさせてくれると思うの」

まあそういう考え方もあるけど、お願いしてでもさせてくれるのであればとても有難いわ。

「そんな・・・・。自分などでは、とても」

「小波ちゃんは遠慮しすぎなの。もっと自分が思う事を言っても、一真はきっと喜んでくれるの」

「そうでしょうか・・・・」

「うん!」

鞠め、良い事を言う子に育ったなと言いたいくらいだが、それでは深雪に嫉妬されてしまう。俺が言う=命令になってしまうから、無理矢理や強引にしてほしくない。最近はもう慣れてきたけど、いつまでも命令に頼るのもおかしいと思うぞ。

「少し・・・・考えてみます」

「それがいいの。きっと一真もそうして欲しいって思ってるの」

「でもお兄ちゃん、よく寝ているねー」

「そうですね・・・・」

「あれだけちょくちょく膝を取り替えてるんだから、気付いて起きても良さそうなのに」

その勘は鋭いが、俺は起きていない。熟睡モードに入っているので気付いていないが、精神体となった俺は船での会話を聞いたりしている。

「・・・・・・」

「え、何お姉ちゃんその顔。何でそんなに怒っているの!?・・・・や、分かったよ。もう言わないから、そんなに怒った顔しないで・・・・」

烏の本気で怒った顔を精神体で見ているが、これが怒った顔なのか。あれか、笑っているけど目だけは笑ってないっていうあれか。そしたら烏は否定をしているらしい、雀は油断も隙もないが俺は熟睡していると思わせているから大丈夫だと思う。

「あ、あの・・・・」

「どうしたの?」

「どなたか、替わっては頂けませんか?」

「もういいの?もっとしてればいいのに」

「いえ・・・・自分は、これだけさせて頂ければもう十分ですから。あとは皆さまで・・・・」

すると梅は欲が無いと言うが、小波にとってはこれで十分なのだろうなー。すると小波は鞠を指名した。

「にゃ?鞠でいいの?」

「はい。鞠様は、お嫌ですか?先ほど色々と言って頂いたので・・・・。自分の後で恐縮ですが」

「ううん!鞠も一真のお膝の枕、とっても、とってもしたかったの!えへへー」

今度は鞠かと思って頭を乗せると、今までとは小さな太ももであった。

「鞠ちゃん。重くありませんか?」

「平気なのー。ふわぁ・・・・これが一真なの」

細くて華奢だったが、重みをかけたらそのまま折れそうであったが嬉しそうな鞠はそれをしっかりと支えるように受け止めている。女性の匂いは、一人一人違うと理解はしているが鞠みたいな子と膝枕されるのは今まであまりないような気がした。

「ふふっ。一真、赤ちゃんみたいなの・・・・。かわいいの・・・・」

「そうですわね・・・・。戦いが終わりしばらくは奏様や沙紀様に独占されますが、皆でまたハニーの膝枕をしてあげたいですわね」

「うん。戦いがなくなったら、もっともっとゆっくりできるだろうしね」

いや、戦いが無くなったら俺が困る。半分戦闘狂なのか、模擬戦をしまくると思うと雫もしてみたいと言ってきた。もしかして全員一回はすんの?雫はもう少し鞠がしてて言いと言うと「一真。ゆっくり、寝て良いの」というボイスを聞いた俺はかわいいと思いながらだった。俺は赤ん坊か?とツッコみたくもなる。

「一真・・・・」

鞠は母親気分という体験コースだな、これは。耳元に子守唄も背中をゆったりとしたリズムで叩く小さな手も心地がよかった、本当に赤ん坊のような気分となった。紫苑達から嫉妬ありそうと思ったが、実際そうだしなーと思いながら完全に寝てしまった俺であった。

「すぅ・・・・・・」

「ふふっ。一真、また寝ちゃったの」

「え?やっぱりお兄ちゃん、起きてたの?」

「あら、気付いてませんでしたの?」

「え、あ・・・・いや、もちろん気付いてたけど?」

「一真様は熟睡されても、精神体となった一真様は私達の会話を聞いていたと思われます。まあ私達ももう少しこうしていたかったですし・・・・」

「・・・・だねぇ」

「本当に、この時間が続けばいいのにね・・・・」

「もうすぐ終わりますから。それからは、きっと大丈夫ですよ」

「そうですね・・・・」

「雫。替わってあげようか?」

「いいえ。一真様がもう少し寝入るまで・・・・」

「一真、いる?」

「あ、結菜様」

「・・・・ああ。寝てるんだ」

「最近は特にお疲れのようですから、それに船や神界やらの行き来でだいぶお疲れのようでしたので」

「そりゃ、奏様や桃香さん達の相手をしているし久遠や一葉様達の相手もされているから。いくら神様でも気疲れはするでしょ」

「一真様に御用でしたら、お起こしましょうか?」

「いいわ。別に急ぎの用でもないし、そのまま寝かせておいてあげて」

「・・・・ありがとうございます、結菜様」

「いいわよ、私や久遠もあなた達と同じ愛妾なんだから。それじゃ、一真の事、よろしくね」

「はいっ。お任せ下さい!」

そうして結菜が去った後は、ホントの熟睡モードとなった。そんで起きた頃にはいつの間にか船の自室にいたから、どうなっているんだと思ったら翼が勝手に展開してそのまま飛んで行ってしまったようで。船まで寝ながらだったので桃香達や吉音達に箒達もそれぞれキスや膝枕をした後に、大人代表である紫苑にここまで運ばれたそうだ。そしてそのまま紫苑と添い寝をしてしまってから、紫苑はおはようのキスをしてから船での仕事を始めたのだった。 
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