MUVLUVにチート転生者あらわる!?
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第三十三話
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悠斗side
1999年1月3日
月衛星軌道上第四師団機動艦隊旗艦サダラーン
年が明けて新年になり、俺達メビウスは月攻略作戦、通称チェンバロ作戦を決行した。宇宙要塞ソロモンから昨年12月29日に出発し、先に出発した先遣艦隊と月衛星軌道上にて合流した。因みに、出撃した部隊の内訳はこうだ。 まず戦艦だが、エンドラ級巡洋艦6400隻、 ムサカ級巡洋艦3200隻、レウルーラ級戦艦4隻、サダラーン1隻、ドロス級空母10隻、パゾク級補給艦20000隻だ。次にMSだが、ザクⅡ改40000機、リック・ドム20000機、リック・ドムⅡ15000機、エース専用リック・ドム50機、MAビグ・ザム5000機、ガドル宇宙戦闘機3000機、これが今回の、チェンバロ作戦に参加する総戦力だ。
俺は艦隊旗艦サダラーンのブリッジで、指揮を執っている。
「作戦開始時間まで後、どのくらいだ?」
「はい。あと、10分程です」
イルマ中尉が返事を返す。今ブリッジは、大忙しだ。まず、ホシノ少佐が月を見張っている衛星を、オモイカネを使用してハッキングしてコントロールを奪い、地球に対してダミー映像を流している。これで、地球の連中にバレる恐れは無い。ソロモンから出撃する際には、ミラージュコロイドを使用して出撃したから、バレることはない。てか、今も実は使用したまんまなのだ。ホシノ少佐が衛星を管理下に置くまでは、万が一を考えて使用していた。まあ、チェンバロ作戦開始と共に解除するから問題無い。
「デラーズ中将の部隊はどうしている?」
「はい。我が艦隊の反対側で、ソーラ・システムの準備を行っております」
「予定通りか」
ソーラ・システムのコントロールは、デラーズ中将の艦隊にお任せした。俺達の部隊が攻める方面には、ソーラ・システムによる月を焼き払う照射攻撃が無い代わりに、ビグ・ザムを投下して、門まで戦線を一気に押し上げて突入し、反応炉を破壊して制圧するプランになっている。ソーラ・システムの照射攻撃が有る方面の部隊は、照射攻撃で月表面を完全に焼き払い、BETAの居なくなった隙に門から内部に進行して、反応炉を破壊して制圧する。全てのハイヴの反応炉破壊後、残BETAを徹底的に排除してチェンバロ作戦の完了となる予定だ。
「ふぅ」
ため息をつく。つきたくないけど、出てしまうものはどうしょうもない。
「どうかしましたか?」
イルマ中尉が、頭に?マークを浮かべる。
「なに、未だに世界各国がBETAに対して一致団結して戦えていないこの時代に、我々メビウスが出来ることといえば、人類の安全の為に月を攻略して、危険を排除しておくこと位だ」
「・・・」
ブリッジに静かにしかし、確実に響きわたる様に呟く。
「寒い時代だと思わんか」
ふっと、鼻で笑う。今の人類は未だBETAに対して、一致団結出来ていない。更には、来るか分からない戦後を見据えて足を引っ張りあう始末だ。そんな分かりきった事に、今更毒づいても仕方のない事なんだがな。
思考を切り換える。今はチェンバロ作戦に集中しなければいけない。
腕時計を確認すると、作戦開始時間1分前になっていた。
「時計合わせ入ります!30、29、28、27、26、」
女性オペレーターが、カウントを読み上げるいよいよ、チェンバロ作戦が開始される。周りに目を向けると、皆緊張した面持ちで黙々と自分のすることをしていた。
「4、3、2、1、0!作戦スタートです!」
チェンバロ作戦がたった今、開始された。
「ミラージュコロイド停止!ビグ・ザム及びMSを発進させろ!メガ粒子砲チャージ開始!これより攻略目標は月サクロボスコハイヴ!!チェンバロ作戦開始する!」
一斉に指示を出す。即座にブリッジ要員達が動き出した。
「ビグ・ザム、MS各機、順次出撃していきます!」
「メガ粒子砲チャージ完了しました!何時でも射てます!」
各オペレーター達が指示をこなし、報告をする。彼女達は大忙しだ。
「よし!メガ粒子砲射てぇぇぇ!!」
サダラーンの大型メガ粒子砲2門に連装メガ粒子砲12門から、一斉にメガ粒子砲が放たれた。周りにいるエンドラ級わムサカ級からも、メガ粒子砲が発射され月に向かって突き進む。
メガ粒子砲が着弾し、沢山いたBETAの反応が消えた。
「ビグ・ザム、MS各機は、予定通り降下作戦で月に着陸しています」
「ミサイル発射口開け!ミサイル一斉発射だ!」
ガッコンガッコン
サダラーンやムサカ級のミサイル発射口が開かれミサイルが一斉に発射される。
「BETA地表に出現してきます!」
月のハイヴから地表に向けて大量のBETA出現する。月の表面を表示していたマップが瞬く間に赤く染まって行く。
「ミサイル第一派損耗率2%!スペースデブリに命中した2%が爆発!残り98%が月に到達しました!」
ダダダダダーーーーンン
ミサイルが大爆発を起こす。サクロボスコハイヴ地表に出現したBETAを殲滅する。
「不動准将!デラーズ中将の艦隊が、ソーラ・システムを照射するそうです」
「分かった。各員これからが本番だ気を抜くな!」
「はい!」×多数
俺はそのまま、指揮を執るのだった。
悠斗sideout
デラーズside
ワシは今悠斗達の反対側月衛星軌道上からかなり離れた地点で、旗艦レウルーラに乗り指揮を執っておる。
「ソーラ・システムの準備はどうなっておる?」
「は!現在パネルの展開率は、95%まで完了しております!不動准将率いる第四師団が、陽動を開始後5分後に展開率100%になり、照射可能になります」
部下が報告をする。今現在予定通り作戦が進んでいる。後は、照射するタイミング次第だ。
「デラーズ閣下。不動准将の艦隊が攻撃を開始しました!」
「分かった。各員不動准将が予定通り陽動作戦を開始した。ソーラ・システム照射可能になり次第照射し、月のハイヴを攻略する!」
「は!」×多数
部下達が返事をする。モニターに視線を移すと、月が映しだされていた。
(よもや、月とはな。ワシもつくずく縁が有のを)
曾ては、月にコロニーを落とそうとして連邦艦隊を誘き寄せる罠にした月を、今度は取り戻す戦いになるとは思いもしなかった。感慨に耽っていると、オペレーターが声をあげる。
「デラーズ閣下!ソーラ・システム準備完了致しました!何時でも射てます!」
「よし!ソーラ・システム照射!目標は月だ!」
「了解!ソーラ・システム照射まで、5、4、3、2、1、0、照射」
ミラーパネルに光が反射する。全てのパネルが光り、月を焼き払いだす。 月の半分が焼かれ、地表及び地上付近に居たBETAを焼き払って行く。
「おお!凄い!」
「BETAを焼き払っている!」
我がメビウスの使用するソーラ・システムの太陽光を反射して、相手を溶かす際の温度は通常のソーラ・システムの温度とは、余りにも違う。
通常のソーラ・システムは、岩すら溶かすが我々が使用しているソーラ・システムは、摂氏4000度迄上昇するため、月の表面は無論BETAすら、容易に溶かせるのだ。月を焼き払った光が消えてゆく。照射可能時間を過ぎたのだ。月の地表にあったモニュメントは全て無くなり、跡形もなく消滅していた。熱によって溶けた地表が有るだけだった。
「ソーラ・システム照射終了しました!次の発射可能時間までは、1時間かかります」
「分かった。MSを発進させろ!」
部下に指示をだす。カタパルトから次々とMSが発進して行く。いくらモニュメントが無くなったとは言え、BETA事態が全滅した訳ではない。即座に反応炉を破壊して制圧する必要がある。
「BETAが地表面に出現!!軍団規模で出現してきます」
溶けた地表にBETAが地下から再び姿を表した。地表を再び埋め尽くす勢いだ。ここに来て、ソーラ・システムの弱点が露呈した。ソーラ・システム照射する場合、第2派照射に時間がかかりすぎるのだ。ソーラ・システム事態非常に強力な兵器な反面、速射ができないのがネックだ。使い捨て兵器の意味合いが強い。
(やはり、使い捨て兵器か。まあ、第1派照射で大分数を減らしただろうからよいか)
「MS隊、戦闘機隊、発進準備完了しました!」
「良し!全艦最大全速、ソーラ・システムを放棄し、月に一気に攻めこむ!ガトル隊発進!大型ミサイルで、地表に出てきたBETAを徹底的に叩くのだ!!」
「了解。ガトル隊に入電!ガトル隊各機は、大型ミサイルをどんどん放て!月地表のBETAを殲滅せよ」
レウルーラが進軍を開始すると共に、第一師団艦隊全艦が月に向かって進軍するのだった。
デラーズsideout
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