魔法少女リリカルなのは 世界を渡りあるく者
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第三章 孤独だった者たち 〜海鳴 闇の書事件〜
第十話 最終決戦① もう独りじゃない
「なのはちゃん達との連絡がつかないの!!」
エイミーさんがいきなり呼びたした理由はなのは達との連絡は取れないし居場所も分からないとの事だった
「んな...まさかヴォルケンリッター達の手に?」
「いや....ちょっと待ってくれ」
時刻を確認する。今はまだ病室でお見舞い中のはずだ
なのに連絡がとれない?道端で襲われたのか?
いや、それはないだろう。一般人もいるのに襲うとは考えにくい
しかも襲撃タイミングは毎回夜遅くだったはずだ。なのになんでこんな、まだ夜になったばっかの時間に?
まさか、いやまて。そんな偶然あってたまるか
「準備ーー完了」
[アカシックレコードとの接続を確認/緊急検索開始]
検索で得た情報は...
「嘘だろ....」
俺の希望を完膚なきまでに潰した
「なんで....なのはとヴォルケンリッターが一緒に....いやそもそもなんでお見舞いの相手が夜天の主なんだ..!」
「なんだって!」
クルーの間に驚きが広まる中、アラームが鳴り響いた
「け、結界反応!場所は...地球、術式はエンシェントベルカです!!」
その言葉を聞き、俺は我に返った
「っ!なのは達が危ない!!」
俺は転送魔法を使おうとリンカーコアを活性化、座標計算を始めるが
「まだ駄目だ!勝手な出撃は認められない!!」
クロノに手をつかまれ、遮られる
「なんでだよ!なのはが...民間協力者と嘱託魔導師が危険な状況なんだぞ!なのに出撃許可が降りないってどういうことだよ!」
「落ち着け蒼炎。別に許可しないわけじゃ無い、少し待ってくれ」
「だからなんでなんだ!」
俺は早くなのは達を助けに行かなきゃならないのにクロノに止められて怒りがこみ上げて来た
「なら、君は結界をぶち壊して周りに被害を広める気か!」
クロノに言われてはっとする。俺は早く行かなければならないという思いで頭がいっぱいだったらしい。そのせいで周りが見えていなかった
落ち着けよ、遠藤蒼炎。冷静に、だ
「....ふー。すまん、なら結界を壊さなきゃいいんだよな?」
確かにあの状態なら結界をぶち壊して入ろうとしただろうな。さすがクロノ、もう俺のことわかってやがる
「できるのか?」
「多分....って普段なら言ってるだろうな。だが今だけは違う。やってみせるさ」
俺は自信満々にクロノに向かって言う。そうすると俺の後ろから声が聞こえた
「なら、出撃許可しましょう。目的は以前の対策会議で話した通りです」
先日の対策会議...結局方針としては今までと変わらないけどみんなの夜天の魔導書への偏見が薄れたみたいでよかった
対策っていっても夜天の魔導書がもともとどんなものなのか、そしてどのような経緯をもって今の形になったのかを話しただけなのだが
「了解しました、リンディ艦長。目的は夜天の魔導書の修正、それが不可能な場合無力化ですね」
「その通り。蒼炎くん、おねがいしますよ?」
方針もその時に決めた。まあ今までとそんなに変わらないけどな
「僕も準備ができしだい向かう。.....無事でいてくれよ」
クロノとリンディさんに向かって俺は強く頷き、そして
「では、遠藤蒼炎。出撃します!」
敬礼をし、転送魔法を起動する
一瞬で結界上空に跳んだ俺は頭の中で手順を確認する
おそらく結界は今までで一番強度が高い
魔法で干渉してすり抜けるのも難しいだろう
けれど、方法はある
俺は今まで隠していた拳銃を召喚する
形状はリボルバーだ。これがバレたら色々面倒だがそうも言ってられない
「起源弾、装填」
ハンマーを上げ、唱える
そして、銃を真下に向けて引き金を引く!
バン!!
という音と同時に銃弾が結界に当たる
そして、結界は一瞬で破壊された
と思った次の瞬間には修復されていた
その時にはもう蒼炎は結界の中だ
必要ないと思い蒼炎はリボルバーを元あった場所に還した
蒼炎が行ったことは単純だ
蒼炎の起源は破壊と創造
そして起源弾とは当たった対象に起源を直接再現させる
まず、結界を破壊し、同じのが直るのを創造しただけのことだ
ただそれだけ
「よし、入れたな。なのは達は無事か?」
「やめてえええええええええええ!!!」
「っ!!」
知らない人の悲鳴が聞こえた。こんなところに入れるのは....夜天の主だけ。そして悲鳴を上げた?なにがあったにせよまずい
まずいかもしれない。もしかしたら、管制デバイスの逆ユニゾンが起こる危険性も見えてきた
それが起きれば最悪だ。もし意識がなくなればもう修復出来ない限り壊すしかない
そうなれば主は助からない。それだけは避けなきゃ
今から転送魔法使ってもラグの時に魔力流に当たれば俺の体が危ない
「間に合ええええええ」
俺が出せる最高速度で悲鳴が聞こえた方向に飛ぶ
すぐに魔力も感じられたので方向修正をしながら向かう
すると、見えたのは蔓らしきものに捕らえられているヴァルケンリッター達と涙を流しながら天を見る少女がいた。その傍らには夜天の書がある
もう魔法陣も展開していてかなりまずい状況になっていた
ヴァルケン達の方を見ると蔓でねらわれて....ちがう、あれは夜天の書の魔力で編まれやがる
半暴走状態で、守護騎士プログラムを抹消しようとしてやがる
ここからじゃまだ遠い、間に合わない
ヴァルケン達が蔓に貫かれ、情報的にも、物理的にも消されたのがわかる
くそったれ。せめて主だけでも....え?魔法陣が展開されてる?
やばいやばいやばい
どうすりゃいい?いまここからじゃどうやったって間に合わない
しかも、本人が絶望してるのも併せて、暴走を加速させてやがる
ごめん
また、俺は救えなかった
そして俺は魔力流にながされ吹き飛ばされる
寸前で踏ん張った
違うだろう。まだ手はある。あるはずなんだ
探せ、最後まであきらめるな
これが運命だとしても、乗り越えろ
「前だけ.....そうだいつだってそうだ。前をみて進むんだ」
「はやてちゃん!!」
「はやて!!」
どこかにとらえられていたのか、なのはとフェイトも主の少女と思われる名前を叫びながら合流した
前を見るとそこには魔力が天まであふれて、まるで塔のような形をしていた
それはまるで爆発をするかのように周りに広がり、俺たちを吹き飛ばそうとしていた
全員で耐えるとさっき少女がいた場所には別の人物が立っていた
「逆ユニゾン....か」
おそらくは管制ユニット、遂に出てきた。しかもナハトヴァールこみで
もしも、もしもだ。ナハトヴァールが無ければ話し合いは成立したのかもしれない
でももう今となってはもう無理だ
だが、方法がないわけじゃないんだ
しかしそれは本当に細い
それでも
それでもやるしかないんだ
違うな、やってみせるんだ
「また、すべてが終わってしまった」
管制ユニットが話す。よく見れば泣いていた
あいつも、心のどこかでは平和が欲しかったってことなのかな
「我は魔導書。我が力のすべてを」
<デアボリック・エミッション>
管制ユニットが手の平を天に向け、そこに魔力をため始めた
それは瞬く間に大きくなっていく
「あっ...」
なのはとフェイトは呆然とそれを見ていた
「忌まわしき敵を打ち砕くために」
「まっずい」
「空間攻撃!!」
いまフェイトのバリアジャケットはどこから見ても防御をすてて早さをとった姿になっている
確かソニックフォームだっけか
そんな状況であれを、しかも殺傷設定でくらったら死ぬ
「なのは、フェイト俺の後ろに隠れろ!!」
「う、うん!」
なのはとフェイトが俺の後ろに隠れると同時に
「闇に沈め」
ためていた魔力を圧縮してから解放、たちまち高密度の魔力がいったいを覆っていく
「あれも投合の一種と考えられるなら....複製...入手」
もともと頭の記憶領域に入れてたそれを複製する
すべての投合攻撃にたいして無敵を誇るその真名は
「熾天覆う七つの円環!!!」
目の前にまるで七枚の花弁のような盾が出現し、魔法を受け止める
「く....」
思っていたよりも重い....やっぱり空間魔法じゃ概念防御もあんまり効いてない
それにこの概念防御俺が組んでるから本物よりは劣るか
魔法が終わったときには花弁はその枚数を5枚にまで減らしていた
もうすこし長く続いたら危なかった
俺はあいあすを消して、様子を見る
「大丈夫か?」
俺は後ろにいる二人に問いかける
周りを見てみると敵は見あたらない。すこし後ろにとばされたみたいだな
それにしてもビルばかりだ。それにさらに強い結界を張られた気配がした
「う、うん。今のは」
なのはがおずおずと聞いてくる
「ああ、前に話した別の世界の盾だよ。といってもこの世界にも昔は存在してたんだけど...ってこんな話はあとだ。フェイトは」
「わかってる。バルディッシュ」
<ライトニングフォーム>
フェイトはバリアジャケットをいつものに戻した
「あの人って一体....」
なのはの疑問にはフェイトが答えた
「ベルカの融合騎。主と一体化して戦う人格型管制ユニット彼女が表に出てるって事は、はやては多分意識をなくしてる」
「助けるには」
なのはがフェイトの方をみて聞く
「わからない。けど」
「話してみるしかないよね」
「いや、」
「うん」
っておい....思いっきり俺の言葉むしられたんだが....
でもまあ、前もなのはのそういう前向きな姿勢で困難を乗り越えたんだ
いまは、それにかけよう
もしかしたら、もしかするかもしれないしな
俺たちは敵の方に向かい、話すことを決断した
結界を張り終えたと同時に俺たちは敵の近くに着いた
「あの、闇の書さん!!」
「いや、だから夜天の」
「私達、はやてちゃんとヴィータちゃん達とは」
また無視されたんだが.....泣きたい
「我が騎士達はお前達を打ち破り、ナハトの呪いを解き放ち主を救うと誓った」
やっぱり、夜天の書の浸食のせいで蒐集せざるをえなかったのか
「そして我が主は目の前の絶望が悪い夢であってほしいと願った。我はただそれをかなえるのみ」
予想していた俺とは違い、なのは達は当然のことに驚いている
「穏やかなる胸の内で、永久の眠りを」
っ!!魔力が活性化してる!!
「「っ!!!」」
なのはとフェイトも気がついたようですくんでいる
敵がこっちにむけて一歩踏み出す。それと同時に魔法陣を展開している
「そして我らに仇なす者達には、永遠の闇を!!」
さっきの魔法だけでなく、火柱も呼び出してきた
俺たちはそれをよけ、敵に向かっていく
最初にねらわれたのはなのはだ
なのはの上空に現れ攻撃している
それをなんとか受け止めているなのは
だが武器を受け止めても魔力弾までは避けきれず、吹き飛ばされる
「なのは!」
それを見て俺よりも近かったフェイトがなのはの方に向かう
「あんにゃろ」
俺もそれに続けてなのはの方にむかう
それにしても、やっぱり戦い慣れしている感じがある
これは、手強いぞ
「アルティメイタム!リミットリリース!!」
<セーフティーロックリリース 魔力リミッターの全解除ーー完了>
このままではまずいと思い普段かけてるリミッターを全部解除する
そうしている間にフェイトも吹き飛ばされるがその隙になのはが敵にむかい砲撃を構える
フェイトも体制を整え砲撃の構え
そして相手に二人ともバインドをかける
うまいコンビネーションだ
このうちに接近する!!
「「シューーーーート!!」」
だが、それも防がれる
力任せにバインドを解除し、シールドで受け止められる
同時に多数のレーザーで二人とも打ち抜かれた
「はああ!」
その隙を見て俺は敵を斬りつける
「甘い!」
「どうだか!!」
後ろに避けるが俺が放ったのは一心だ。すこしはダメージ通れ!!
「な!」
当たった!!
バリアジャケットの左腕の部分が切れる
「少しはやるな。だが」
「んな!?」
しかしそのまま砲撃を食らい、ダメージはないが後ろに吹き飛ばされる
まさかダメージくらいながら反撃するとは、あいつ痛覚ないのかよ!
そのまま俺はビルのなかにつっこむ。どちらかというと激突ダメージの方がでかい
「いってぇ...このままじゃ勝てないぞ。やるしかないか」
俺は腹をくくる
もうしょうがない
以前なら管理局所属じゃないから俺の様々な異能を隠すこともたやすかった
だが今は違う。それに今回の闇の書事件はいろいろなお偉いさんがたにも見られる。追求は免れないだろう
でも、いいさ。それで誰かを守れるんだったら
「やるぞ、アルティメイタム」
<いいのですか、という言葉は野暮ですね>
なのは、フェイト。しばらくふたりで耐えてくれ
「四方に四大、これをもって世界を表す」
精霊達をまとめて呼び出す起句。そして
「みんな、魔力貸してくれ」
「「「「おう(うん)!!」」」」
その魔力を元に、俺は自分の姿を変える
魔術師の姿へと
「さあ、いこうか」
外に向かって勢いよく飛び出す
見るとフェイトが闇の書に吸収されているところだった
半ば吸収されてるのに止めたら逆に危ない
それに、いいこと思いついた
これならうまくいくかも
「生と死の狭間の夢。それは永遠だ」
「そんなの願い下げだね」
俺はアルティメイタムで水平に切る。敵も反応しきれなかったのかバリアを展開しても吹き飛ばされた
「永遠?そんなの誰が求めたよ。それに違うだろ、あんたがみしてるそれは夢だ」
「夢の何がいけない。もうすぐすべてが終わるのだから」
傷はもう治されてる。やっぱり魔力が尋常じゃないのか
「終わらせないさ。それに、夢って言うのはいつか醒めるものなんだから」
俺は敵に向かってつっこむ。向こうもナイフ状の魔力弾を撃ってくるがそれをすべてソニックカノンで落とし、クロスレンジに持って行く
アルティメイタムとナハトヴァールがぶつかりあう
俺の斬撃をすべて受け止められるが攻撃の手をやめない
時々後ろに回られるが魔力の流れでわかるので突きもなんなく避ける
「そもそも、なんであきらめるんだ。まだ、まだ手は残ってるだろうが夜天の書」
本来の名前で呼ぶと敵は少し顔をほころばせた
「まだ、その名で呼んでくれる者がいようとはな。だがもう無理だ、後少しでナハトが暴走し、すべてを飲み込もうとする」
「その元凶は壊れた自己防衛プログラムだ、ならそれを切り離せばいい」
怪訝な顔をした後、一瞬で驚いた顔をした。この一瞬で俺の考えにたどり着くなんて、頭いいな
「まさか...」
「ああ、そのまさかだよ。眠れるお姫様をおこしにいくんだよっ!!」
繰り出される突きを受け流し、後ろに飛びながら言う
因みにこの会話中ずっと打ち合ってました
「正気か、戻ってこられない可能性もあるのだぞ」
「だったらお前が起こせばいい。でも、それじゃあ無理なんだろ?」
多分管制ユニットが起こした場合、管理者認証プロセスやっても防衛プログラムではじかれるのだろう
夜天の書は少し面倒で管理者権限を得るには管制ユニットと防衛プログラムの認証が必要だ。しかし防衛プログラムは壊れているため今までうまくいかなかった
だが、本人が本人の意志で覚醒してとしたら。可能性はある
だから
「いくよ、お前の中を荒らしにな」
俺は再度突進をし、突きを繰り出す
ーー桜花派生、烈風
強烈な突きを桜花の要領で繰り出すこれを相手は夜天の書で受け止める
「ーーお前が私たちを夜天の書と言ってくれた。だから信じてみよう」
そして俺の意識は薄れていくーーーー
「ありがとう。必ず、やり遂げる」
なのは、外のことは頼む。必ず帰ってくるから
目を開けた先は信じがたい光景が広がっていた
「ここは」
ただの日本の屋敷に見える。だが、ここはまぎれもない
「先生の家だ」
「おう、私がどうしたって?」
後ろを振り向くとそこには座敷の上で酒を飲んでる先生がいた
ーーこれは幻だ。それは入った瞬間にわかる
いや、わかってしまう。幻想体系を極めている俺に幻惑はきかない
だからこそ、これが虚構だとわかる
でも
ああ、離したくはない。こんな生活、俺がずっと望んだ生活だ
「おいおい、僕を忘れるなよ」
え・・・?
先生の向こうにありえない人物がいた
「やあ、久しぶり蒼炎」
そこには、俺が殺したーーーーー
「ぁぁ.....」
俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した
「ストップだ蒼炎」
立ちつくす俺を先生が抱きしめる
「あ....」
「全く、まだ克服してなかったのか」
「忘れ去られていたらさすがの僕も泣くよ」
先生に止められて俺は落ち着いた
そうだ、あいつはもういないんだ。これは夢なんだ
「そう。だから言ったよ?久しぶりって」
「はあ。まあ確かにこいつにはこの空間なんて意味ないが言うなよ、私はどっち選ぶのかすこし気になったのに」
先生は俺から離れると元いた位置にもどる
改めて先生を見る
髪は相変わらず長い。剣扱ってるのになんでか束ねてない。そんなんでじゃまじゃないのかって聞いたことあるけど別に気にならないだそうだ
そしてやっぱ黒い。というか黒すぎやしませんか?
だが顔だけは怖い、主に目が。いやさ笑顔はすごいきれいですよ?
そしてすらっと体型。胸は普通?かな
スリーサイズは「おいやめろ」
ちぇ...
まあいいや。え?なんで知ってるかって?いろいろあったんだよ
総括すると基本怖い、でも時々めっさきれい
そしてその奥を見る
名前は.....え?
「なん...で?」
「そりゃ、忘れてるさ。でもいずれ思い出す。それだけは真実だ」
俺は一番忘れちゃいけない名前を忘れてる
でも違和感がない。まるで忘れてるのが正常のような
「ああ、今はいいから。とりあえず僕の事を紹介してよ」
メタな発言やめて
とまあともかく
身長はおれと同じくらい
ただし、俺と違ってイケメンなんだけど
目は茶色、髪はすこし焦げた茶色だ
今はパーカーを着ている、そういえばこいつはいっつもパーカーだな
「いつもロングコートの君に言われたくないよ」
だってロングコート便利じゃん。いろいろ隠せるし、内ポケット多くできるし
そんな感じだ
「さて、でもまさかお前も来るなんてな」
「そりゃそうさ。ここは取り込んだ人間が一番欲しいと思った風景を作り出すんだから。しかも登場する人物は完全に再現される。だからこそ僕は最初に久しぶりといえたんだから。ここは夜天の書が作り出す空間ではあるけどすべてが都合のいいように作られる訳じゃない」
なんか難しいな。まあいいや
「そっか....。正直に言って、俺はさっき迷った。ここは俺の望んだ居場所に一番近い。ここにずっと居たい。でも、それじゃだめなんだろ」
二人は俺の方を向いたまま静かに話を聞いてる
「俺は、いままでもうどこにも居場所はないってこの間まで思ってたんだ。でも、違うんだ。もう俺は独りじゃなかったんだ」
俺はなのは、フェイト、クロノにエイミーさん、リンディさんを思い浮かべる
「今はまだ、違うけど。いつか本当に俺がいるべきって思える居場所が出来る。そんな気がするんだ」
俺の幻想の力の源は本当にひどいもんだよ
なにかを幻に変えられるってことは自分がそっち側にもふれられなきゃいけない
だから、使用者自身が現実には居るところが無いっていうのが源
もしも、自分は現実にいるんだっていう確固たるものができたらこの力は弱くなる
でも、いつかそんなときがくるって思えるなら
「だから、俺は行ってくる。今は、みんなを助けるために。そんで、前に進むために」
「なら行ってこい。私はもう死人だ、死人に口なしってな」
だったらあんときいた先生はなんなんですかっていいたいよ
「やっぱり蒼炎。お前は笑ってる顔が一番いいよ」
俺は自分でも知らないうちに笑っていたらしい
「じゃあな蒼炎。お前と居る間は楽しかったし、私自身報われていた。それだけだ」
最後にもう一回先生は俺を抱いてから消えた
気がつけば屋敷も消え、闇の中におれとあいつだけが立っていた
「蒼炎、君と居たとき、僕は本当に楽しかった。普通の友達だった君の存在が僕を助けてくれていた」
「俺もだよ。もしもお前と会ってなかったらもっとひどいことになっていただろうさ」
あいつは俺の方に向かって歩いてくる
「忘れないで、僕たちはいつだって一緒だ。最後に言っただろうーー真実と幻想がもうぶつからないようにーーその約束がある限り、僕は君とともにあるよ」
俺の胸をたたきながら笑う
「ああーーそうだな。忘れない。じゃあな」
「うん、また」
そういいながら消えていく
あいつは、俺と対になる真実の魔術師だった
幻想と真実は反発しあう、はずだった
でも、俺たちはお互いになにも知らないで出会った
そのときは、まだ魔法とか、そんなのも知らなかった
そして親友にまでなった
なのに、殺した
殺し合いをした
「なんでなんだろうな」
でも、もうそんなことは繰り返さない。繰り返させない
「だから、安心して眠ってくれ」
いこう、前に
出口は見えてる
はやてっていう少女の魔力も感知できてる
まずははやてっていう子に会おう
彼女も孤独じゃない
だから絶望する必要なんてないって教えよう
さあ、すべてを終わらせに、最高のハッピーエンドを作りにいこう
俺は体を粒子にしてその子の元へ向かった
後書き
蒼炎の過去の話はじょじょに明らかにします
まあ全部明らかになるのは最後の方かな?
いずれ先生との生活の話とかも書こうとは思ってます
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