時空を渡る精霊
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鳥と証明と
前書き
久しぶり(4ヶ月くらい)の最新話投稿。
家に帰った俺達は、母さん達に事情を説明した。
母さん達は、もう決めた事なんでしょ?後悔はしないようにしなさいって言ってくれた。
俺となのは、ユーノは用意をしてからアースラに向かった。
アースラ
会議室。
「と言う訳で。本日零時をもって、本艦全クルーの任務はロストロギア、ジュエルシードの捜索と回収に変更されます」
アースラ艦長のリンディが全員に話しかける。
「また本件においては、特例として問題のロストロギアの発見者であり、結界魔道師でもあるこちら――」
リンディに紹介され、緊張しながら立ち上がるユーノ。
「はい!ユーノ・スクライアです」
「それから彼の協力者でもある現地の魔道師さん達」
なのはも緊張したように立ち上がる。
「あ、高町なのはです」
俺も立ち上がって。
「高町エミルだ」
「以上3名が臨時局員の扱いで事態に当たってくれます」
「「よろしくお願いします」」
「よろしく頼む」
挨拶が終わり、クロノがなのはを見てる事に気が付く。
なのはも気付いてニコッと笑うとクロノは顔を赤くしてそっぽ向いてしまった。
ユーノはそれをジト目で見ている。
俺は面白くてにやける。
顔合わせの会議も終わり、俺達はジュエルシードが見つかるまで待機になった。
ジュエルシードの捜索は時空管理局がやるらしいので暇だ。
学校の方は両親が何とかしてくれている。
アリサとすずかには学校を休む事を伝えておいた。
仕方ねぇ、暇な時間に勉強するか……
勉強は嫌いだが、さすがに子供に負ける学力と言うのは恥ずかしいものがあるからな……
その後、なのは、なぜかユーノまで加わり勉強会となってしまったが。
そしてジュエルシード発見の知らせを受け俺達は現場に向かう。
敵は鳥型の魔物みたいな奴だ。
だったらこちらも。
「……天空に舞いし羽根、白き神鳥よ、我が元に来よ、魔物の王と契約せし守護者、魔物召喚、伝説の羽根、来よ、シムルグ!」
目の前に紺色の魔方陣が現われ、そこから白と緑の羽根を持つ巨大な鳥が出てくる。
伝説として語り継がれた神鳥に相応しく飛ぶ姿は優美だ。
なのは達が唖然としている。
「シムルグ、敵をこっちに誘導してくれ」
「ピイイ!」
シムルグは鳴き声をあげ、素早く敵に向かう。
「ぼさっとするな!来るぞ!ユーノ、近づいたらバインドで捕まえるぞ!」
「あ、うん!」
「トドメはなのはだ!」
「わ、わかったの!」
敵の鳥が近づいてきたところで俺とユーノがバインドを発動させて捕まえる。
なのはが封印作業して終了。
戦いが終わるとシムルグは降りてきて擦り寄ってくる。
かなりでかいから大変だけどな。
俺がシムルグの頭を撫でているとなのはとユーノが近づいてくる。
「お兄ちゃん。その子もムーちゃんと同じ魔物なの?」
「ああ、名前はクシャラだ」
「それにしてもでっかいね。僕達全員乗れるよ……」
※魔物の大きさは一部変更するやもしれません。
そんな会話をしながらアースラに帰還。
もちろんシムルグは還した。
アースラに戻るとリンディ達に呼び出された。
「あの鳥はなんだったのかしら?」
「それを答える前に、言っておく。一応、俺はお前らを信頼してる。組織ではなく個人をだ」
「それは嬉しいわね。でもそれは信頼されてないとしてもらえない話なのね」
「ああ。それで信頼していいんだな?」
「そうね、じゃあ、これからする話はプライベートの話って事でいいかしら」
「ああ」
「それじゃあ、あの鳥がなんだったのか答えてくれる?」
「あれは魔物だ」
「魔物?少なくともこの地球にあのような生物はいないはずだ。それどころか僕達が見たこともない生物だぞ!」
クロノが叫ぶ。
「あたりまえだ。あれは俺の元いた世界の魔物だからな」
「元いた世界?あなたもしかして次元漂流者なの?」
リンディが聞いてくる。
「次元漂流者?それは知らんが、俺は知人にこの世界に飛ばされた」
「飛ばされた?次元に干渉する装置でも持っていたのか?」
「いや、魔法で――」
「魔法!?馬鹿な!そんな事できる人間がいるはず……」
クロノは驚いてる。
「誰も人間とは言ってないだろう」
「人間ではない?どういう事かしら?」
「俺をこの世界に飛ばしたのは、大樹の精霊マーテルと心の精霊ヴェリウスの二人だ」
「精霊?それは架空の存在のはずだ!」
「お前ら人間が見つけられなかっただけだろ?精霊は基本的に人間の前に姿を現さないからな。召喚士とかの例外はいるが」
「私達の知る召喚士は精霊を召喚したりはしないわ。召喚するのは竜などの生物だけよ」
リンディはそう言う。
こちらでの召喚士は魔物に近い生物を使役するものを言うのか……
「なら、お前らの知る世界の中には精霊はいなかったのだろうな」
「結局精霊なんていないんだろう?どうしてそんな無駄な嘘をつくんだ」
クロノは完全に嘘だと思い始めてるようだ。
こいつとは相性が悪いのだろうか?
「少なくとも一人はいる、お前の目の前に」
「どこにもいないじゃないか。僕達には見えないとでも言うつもりか?」
「見えてるぞ」
「……まさか、君がその精霊とでも言うつもりか?」
「ああ」
「証拠はあるのかい?」
「俺が精霊である証拠か……俺は他の精霊と少し変わってるからな証拠が……待てよ?この世界に確かマナはなかった……」
「何をぶつぶつ言ってるんだ。証拠がないのかい?」
「証明しようにも、そうだな……魔力がわかるのならマナもわかるかもしれないな」
「その、マナとは何かしら?」
「俺達の世界にある力、生命の源だ。精霊はマナから生まれた存在。マナがないと消滅してしまう」
「生命の源……その話が本当だったらその力はとんでもない力ね」
「この世界にマナはない。他の世界は知らないが……後、俺が今消滅せずにいるのは自身でマナを作れるようになったからだ。なぜかは知らない」
「さっき言った力を君は持ってるのか!?」
「魔力がわかるのならその力を感じ取れるかもしれない、そういう事ね」
「ああ、まあ普通、精霊はマナを作れないが、体はマナでできてるのは同じだ。俺は自分で作った分のあまりを使うことができる。今回はそれを証明に使う」
そこまで言うとリンディは何か困った顔をし始めた。
「うーん。実はもう証明されてるかもしれないわね……」
「どういう事だ?」
「失礼だけど、あなた達の事調べさせてもらったのよ。その時に貴方から魔力以上の力が出てる事がわかってね」
「なら、証明は必要ないな」
「そうね、でもその話を詳しく聞かせて欲しいわ。貴方は存在そのものがロストロギアに近いものだから」
「……吹聴すんなよ。これはあくまでプライベートでの話しだろ?」
「ええ、それはもちろん」
「艦長!」
「クロノ、この話は他言無用よ。本部への連絡もしてはだめ」
「ですがそれでは!」
「……本部に連絡してしまったら最悪の場合、彼は一生外に出られない生活をおくる事になるかもしれないのよ?」
「そ、それは……わかりました……」
「よろしい、では話の続きをしましょうか」
「ああ……何から話せばいいか」
俺はリンディに自分の世界の事、精霊の事、自分の事を最低限話すことになった。
リンディSIDE
彼との話が終わって、彼は部屋を出て行った。
「母さん!彼を野放しにしては危険です!」
息子がそう叫ぶ。
まあ、人類を滅ぼそうとした事があるって言ってたから仕方ないと言えば仕方ないのかもしれない。
そう考えるだけなら危険思想を持ったものとして警戒するだけですむけれど、彼にはそれを実際に出来るだけの力があり、今もその力は健在だと言う。
それが魔物を使役する力。
彼は元いた世界の全ての魔物と契約してるそうだ。そしてそれをこちらに召喚できる。
それに彼の強さはその契約数しだいでいくらでも強くなるそうなので、今は自身で作れるようになったマナを主に体の維持と力を抑えるために使っているのだとか。
本人はもうそんな馬鹿な事を考える事はないと宣言している。
過去に色々とあったようだ。
それでも彼が危険な事には変わりないけど、彼は私達が手を出さない限り攻撃してくる事はないと私は思う。
息子の言うように本部に連絡したら、本部は確実に彼を捕まえようとするだろう。どんな手段を使っても……
もし、彼の家族、友達に本部の人間が手を出したら……それこそ本部は彼に潰されてしまうかもしれない。
彼の魔物は、さっきの鳥の魔物たった一体でなのはさん達の魔力を上回ってた。
ランクにすればSSSクラス。
彼は元いた世界の魔物は全て契約済みと言った。
あの鳥は伝説級の魔物だったようだけど、全てだから他にも伝説、神話クラスの魔物とも契約してる事になる。
元々普通の魔物だったものを進化させて伝説クラスに育てあげたものもいると言っていた。
魔物を強くする事も可能という事だ。
それと、魔物と契約するためには自分の実力が魔物より上でないと契約できないとも言っていた事からして、彼はあの魔物以上の強さという事になる。
とんでもない話だ。
いつまで本部に隠せるかはわからないけれど、最善は尽くしましょう。
「クロノ、さっきの話は最重要機密よ。誰にも言ってはだめ」
「……っ!いつかは本部にばれますよ」
「その時はその時よ。もしかしたら時空管理局がなくなってしまうかもしれないわ」
息子は少し時空管理局への憧れが強いから……
もう少し柔軟な思考になってくれると嬉しいなと思いながらお茶を飲む。
SIDE OUT
後書き
なんか、エミルがやたらすごいチートキャラになってる!?
ただ魔物出したかっただけなのに、なぜかリンディ達に正体バラしてるわ、チート化してるわ……どうしてこうなった!って感じです。
(どうでもいい情報)ちなみに、シムルグはゲーム中ではボラって名前でした。
なんか見た目と合わないし、かわいそうな感じがしたので名前変更。
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