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WvsA‘s ジ・ビギンズナイト

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Sの過去・和解と強化


第1ランク護送室…



『があああああ!!!!!?』


1人の女性から大量の触手が伸び、部屋の一帯を覆っていた…。

『フフッ、中々これは骨が折れますね…』

そこにはウェザー・ドーパントの姿もあり手元で何か端末機を操作している。


バタン!

「!…これは!?」

『これはこれは…クライド執務官殿に管理局の白衣のエース、宗吉ですね?お会い出来て光栄です。』

そこに扉を突き破りやってきたクライドと宗吉。クライドはその惨状とウェザーに驚く。

「貴様…『財団Z』の関係者か…?」

『まあ、そんな所です。元エースさん?』

宗吉はウェザーを睨みつけながら懐のスカルメモリとロストドライバーに手を伸ばすがそれを途中で止める。クライドが隣にいるからだ。

「デュランダル!」

『オーライ!』

それに気がつかないクライドは自身の杖型のデバイス、デュランダルで氷結系の魔法を発動。そのまま護送室の凍結を試みるが…

『寒いのは嫌いなんですよ。』

ゴォウ…!!

ウェザーは炎を発動させそれを阻止。

「ジゲン!アクセル・シューター!!」


バキュン!

『無駄無駄。』

宗吉もジゲンから魔力弾を放つがウェザーには傷1つ付けられない。

『邪魔しないでくれます?』

「ちっ!(魔法では限界か!」

やはりこのままでは歯が絶たないと判断した宗吉はロストドライバーに手をかけ装着する。

「クライド…すまない!」

『スカル!!』

「宗吉?」

「変身!」

『スカル!!』

そして、仮面ライダースカルへと変身する宗吉。これにはクライドもウェザーも驚愕する。

「さあ、お前の罪を数えろ!」

スカルはそのままウェザーに殴りかかり壁に押しつける。

『良いんですか?このままだと船の制御が持っていかれますよ?』

「何!?」

ウェザーの言葉に反応し、壁を見れば確かに闇の書から生える触手が壁に食い込み侵蝕していき警告表示が至るところで出ている。

「デュランダル!!」

クライドもデュランダルで凍結魔法を試みるが侵蝕の勢いは止まらない。

「クライド!ここは中からの手動で切り離せる!それを機動させてお前は脱出しろ!」

「宗吉!そんなことをしたらお前は…」

「俺は大丈夫だ!早く……」

『余所見してる場合じゃないですよ?』

クライドに向け必死に叫ぶスカル。しかし、ウェザーからの妨害は激しい。

「くっ!」

それでも、クライドは脱出用のレバーまでたどり着き暗証番号のキーを入力するとそれを思いっきり引っ張る。


ガコン!!

そして、嫌な音と共に重心がずれていく部屋…。部屋にいる3人は慌ててバランスをとる。

「クライドォ!早く、脱出しろ!!!!アルカンシェルが発射される!!!!」

スカルは叫ぶ。


しかし……



「悪いな宗吉…」
 

ダン!!


「!?」

クライドはスカルを脱出口に向け突き飛ばす。 

「クライド!?クライドォォォォ!!!!!!」





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「そのあとアルカンシェルが発射されその空間ごとクライドは吹っ飛んだ…。そして、俺はその時、発生した次元震に巻き込まれ運良く生き長らえちまった訳だ。」

「それが…父の本当の最期…。」


宗吉により語られた本当の過去…。クロノはただ、呆然としいた…。

『ごめんなさいクロノ…。アナタがクライドと同じ運命を辿るかと思うと怖くて…』

「大丈夫です。母さんの気持ちがわからないほど子供じゃありません。」

映像越しのリンディは不安な顔をしていたが決してクロノは自らの母を責めなかった…。だが、その姿はどこか辛そうだった。

「クロノ…恨むんなら恨んで良いぜ…」

「宗吉さん…僕はアナタを責めませんし恨みません。恐らく、父も…クライド・ハラオウンも望まないてしょうから…」









『なーんだよ。クロスケが許すなら私のほうが馬鹿みたいじゃん!』


ここで、ロッテもやってられないと手を上げながら首を振り宗吉の元へ歩み寄る…。

『でも、勘違いするなよ?完全に許した訳じゃ……』

「そうか…ありがとう。」

『いや、許した訳じゃ……』











「終わった?」

「翔子、僕のウルジャン返して!」

「えー……今、ジョジョリ○ン読んでるだけど……」

「「…」」





このシリアスな空気を台無しにする言葉…。まだ幼く部外者の翔子にすれば訳が解らなく、果てしなくどうでもいい話。そんな翔子をなのはとフェイトは呆れながら見ている…。

「翔子…お前なあ…」

『あらあら……』

これには流石の器の大きい年長者2人も呆れかえってしまった。



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管理局デバイスラボ…



「なら、レイジングハートとバルディッシュは直るんですね!」

あの話から約一時間…

ホログラムや様々な機械
を設置しているこの部屋で流れる朗報。なのはは思わず笑顔ではしゃいでいた。

「良かった…」

また、フェイトも安堵しホログラムの中にある自身の相棒(バルディッシュ)を見る。

「良かったじゃん、なのは!」

「うん!」










「だが……直したところで今のお前たちでは勝てないだろうがな。」


「「「!」」」

翔子も一緒になって喜ぶが、それに釘をさしたのは宗吉であった。

「理由はその身でよくわかっているはずだ…。」

「「…」」

反論出来なかった…。なのははあの鉄槌を使う少女、ヴィータに歯が立たずフェイトは仮面ライダーアクセルに瞬殺された。直したところで、前回とステータスは変化しない。同じ結果になるのは目に見えている…。
落ち込む2人だが、それを察し宗吉が声をかけた。

「…そう、落ち込むな。別にお前らをイジメに来たわけじゃない。プレゼントを持ってきた。」

「「プレゼント?」」

「ジゲン!」

『オーライ。』

宗吉の指示により腕時計型の待機形態であった彼のデバイス、ジゲンがホログラムを宙に投影する。フェイトはすぐに何なのか分かった。

「バルディッシュにレイジングハートの強化プログラムプラン!?」

「そう…俺や奴らと同じ『カートリッジシステム』を組み込んだプランだ。これで、同等に張りあえるだろうがその分、リスクが伴う。」

カートリッジシステム…

魔力を溜め込んだ弾倉にあたるパーツをデバイスに組み込み、それをロード…つまり、消費することで爆発的に戦闘能力を上げるシステム。だが、まだ不完全なシステムであるため肉体への負担が大きいというリスクがある。 


「どうするかはお前ら……」

「「やります!」」

「即答…流石、翔子の友達なだけある。」


こうして、技術研に無理矢理とも言える依頼だったが、晴れて彼女らのデバイスの強化プランが実行されることになったのである。





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さて、デバイスの修復と強化が行われている間どうするか…数日もかかる間になのは達にもやることがある…。

それは…




海鳴市…

F高級マンション…


「フェイトちゃ~ん、この荷物運ぶね♪」

「ありがとうなのは。」

そこには引っ越し業者…に扮した管理局員とフェイトらが荷物をマンションに運びこんでいた。
ここで起きている事件の捜査本部がここに置かれることになったためである。さらに、フェイトやハラオウン一家もここに滞在することになり、なのはも上機嫌だ。

「情けないわね、フィリップ。」

「ぐへ…」

ついでに、フィリップが想定外の荷物の重さにグロッキーになっていたことを追記しておく…。






そして、しばらく時間が経過し作業は終了。拾い部屋に置かれた立派なソファーに子供たちはなだれ込む。ただ、クロノのみは会いたい人物がいるとのことで、この場にはいない。『彼女~?』という翔子の質問に対し、母であるリンディは『親友よ。勿論、男の子ね。』と回答。このあと、フィリップが『では、彼氏…つまり、あの年齢でボーイズ…』ととんでもないことを(しかも、母親の前で)言い出したので翔子は実力公使で彼を黙らせたのであった。

「にゃはは…翔子ちゃん、フィリップ君のことになると容赦ないなの…。」

それを、他人事視線で見てたなのは…。彼女にもまた、悲劇が訪れる…。


カブッ



「にゃあああああああああああああ…!!!!!!!?」

「なのは!?」

突如、尻に走る激痛…。気がつけば少女の尻にファングメモリが噛みついていた。うっかり、尻に敷いてしまい元々懐かれてすらいないから逆鱗に触れたのであろう。

「うふふ…大変ね。」

リンディはそれを見ながら笑っていると外から呼び出しがかかり、子供たちのみが取り残されてしまった…。

そんなこんなしているうちにファングはどこかに行き、翔子もフィリップの加工(リンチ)を終え、『ふう…』と溜め息をつく…。なのはもまだ、涙目だったが翔子は彼女に視線を向ける…。

「なのは…」

「…?」

「周りも落ち着いたし、聞かせてくれない?……『なのはが経験したこと』について…」







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一方、マンションの外では…



「悪いな、こんな所まで…」

「良いんだよ。僕が勝手に父さんについてきただけだから。」

クロノが同い年ぐらいの茶髪の少年と話をしている…。少年はどこかのお坊ちゃまな雰囲気を出しているがキリッとしているその姿はクロノと同じものを感じさせた。

「また、顔を出すよクロノ。」

「ああ…バイオリン楽しみにしてるよ、タイガ。」

そして、別れる2人…


この少年が成長し、また彼の物語を刻むのは別の話…。







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後書き
最後のやりとりはダキバSKLへの布石です。
SKLはすでに更新は私のホムペで連載を終えております。

 
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