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WvsA‘s ジ・ビギンズナイト

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決意のH・壊されたくない日常

なのはは自分が魔法少女となったキッカケとなる事件について話していた…。


プレシア・テスタロッサ事件…

フェイトの母であるプレシアが願いを叶えるというロストロギア『ジュエルシード』を巡り引き起こした事件…。


この事件により当時、海鳴市に散ったジュエルシードの回収にあたっていたユーノと出会い魔法の力を得た…。

そして、プレシアの最早、人形同然だったフェイトとの戦い。


【お願い…!話さないと何もわからないよ!】

【話しても…何も伝わらないこともある!】


しかし、事態は管理局の介入で大きな進展を迎える。なのはが嘱託という形ながらも管理局に契約したため、全面なバックアップを得て彼女側…正確には管理局側がジュエルシードの多くを獲得。
結果、今度はプレシアとのジュエルシードの奪い合いになるのだ。


決戦…なのはとフェイト…


しかし、フェイトを見限ったプレシアはフェイトのジュエルシードを強奪。根城である次元世界『庭園』にて『自らの娘にあいたいという願い』で発動。しかし、管理局の活躍により被害は最小限に抑えられた…。
プレシアもまた、施設の崩壊により死亡し事件は幕を閉じたのであった…。





「まー、だいたいこんなかんじかな?」

「そんなことが半年前にねえ……」

翔子はちょうどその時期、なのはがアリサらと珍しくカリカリしていたことが記憶にある…。成る程、そういうことだったのかと合点した。

「あ、もうこんな時間!フェイトちゃん、翔子ちゃん、翠屋に行こう!」

「うん…!」

「そうだね。」









「ねえ……僕を忘れてない?」



「「「あ」」」


すっかりシリアスな話と翠屋のことで頭がいっぱいだった3人…。完全に空気と化したフィリップに今、気がついたのであった…。


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翠屋…





そこには宗吉とリンディ…あと2人と同年代らしきサングラスをかけた男がいた。金色の蝙蝠が刺繍された黒く上等なジャケットを着こなすその姿はただ者ではないオーラを感じさせる…。

「久しぶりだなシンク。悪いな…貴重な休暇だろ?」

「貴重な休暇だからこそお前らに会いにきたんだよ。」

申し訳ないと声をかける宗吉に軽い拍子で答える男…。黒髪を弄びながら男はリンディを見る。

「クロスケは元気か?」

「ええ。タイガくんとも仲良くやってるわ。」


そうか…と頷くと男はバイトに新たなケーキとコーヒーのオーダーを頼むと宗吉の肩に手を置く。

「宗吉…ちょっと話がある。」

「?……なんだ?」

そして、宗吉をリンディから引き離し店の隅で話をはじめる男…。

「おまえさ……リンディちゃんとは?」

「は…?」

「まさか、進展なし?」

「進展も何も俺はリンディとはそんな仲じゃ……」

「おいおい…クライド死んでもう、十年近いぜ?リンディちゃんも寂しいだろうし…」

「しかし……」


「しかしも屁も糞もねえよ。こんなことを言いたか無いが死人は死人。生き返ることは無い。だがな、お前とリンディちゃんは生きているんだ。」

「…」

「…宗吉、かっこつけて自分の思いから逃げるなよ。今でも好きなんだろ…?リンディちゃんのこと……」









カランカラン…


「「「お邪魔しま~す!!」」」


「「!!」」

その時、鳴り響く来店を知らせるベルが鳴り響き驚く男2人は驚く。来店してきたのはなのはとフェイト…そして、グロッキーになったフィリップを引きずる翔子であった。

「あ、んじゃ俺帰るわ。」

「オイ…!」

それに気がつくと男は宗吉を置いてそそくさに去っていく…。珍しく焦りの表情となる宗吉だが、リンディや子供たちが奇妙なものを見る視線を送ってきたので彼は帽子を深く被り直しごまかした。

「宗吉おじさん…あの人は?」

「あ…ああ……昔の仲間さ。」

翔子は不思議そうに首を傾け訊ねたが、宗吉ははぐらかしてまともに答えなかった。

(自分の気持ちから逃げるな…か。余計なこと言いやがって………)

その後、彼は心配そうにするリンディをしばらく直視出来なかったという…









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八神家…


それは翠屋から翌日の早朝のこと。

広い屋上で木刀の撃ち合いが行われていた。シグナムと隼人である。

「うおぉぉぉ!!」

「はああああ!!」

木刀とはいえ、かなり両者熱が入っており圧巻するような空気が充ちている。

「隼人!また、腕を上げたな!!」

「ありがとうございます。」

「ふむ……そろそろ朝飯だ。切り上げよう。」


2人はやがて、木刀を壁に立てかけ屋内の階段へ降りていく…。そして、明るいリビングにははやてとヴォルケンリッターたちが勢揃いしていた。  

「遅いで、隼人くん。そろそろ呼びにいこかと思ってたんよ。」

「…すまない。」


「シグナムもきぃつけてや。」

「申し訳ありません。主、はやて。」

「それじゃ、皆席についたし…ほな…」



「「「「「いただきます!」」」」」


そして、皆で声を併せ朝食を食べはじめる…。ザフィーラは狼形態で床で皿に盛ってあるドッグフードを食べている…。

何気ない家族の風景…それは大切な家族の1ページ…

その暖かさを八神家は皆、知っている…





だから、絶対に守っていこうと…


(はやて、皆…何があっても守ってみせる。例え、この命に替えてでも…)


加速の少年は静かな決意をする…。シグナムらヴォルケンリッターたちが夜中、はやてと自分に黙って何をしていたかを…


それがはやてのためであることも…



隼人は決意する。この幸せな時間を守るために……




つづく…
TSUDUKU…

 
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