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ハイスクールD×D~進化する勇気~

作者:レゾナ
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第七話

 
前書き
七話でございます。 

 
宙に浮かぶ白い鎧を纏う者……そしてその背中には白い翼の神器を付けている。

俺はその姿を見て思わず「綺麗」と思ってしまった……白ってのは純粋な色だ。

それでいて色々な色に染まりやすい色だ。それでいて何も染まっていない純粋な白。

そんな綺麗な色を見て俺は綺麗と思った。

「あそこで守られている青年が今代の赤龍帝かな?」

「……ああ」

ドライグ、お前黙ってろよ?ここで俺の中にお前(ドライグ)がいるって事があいつにバレたら後々絶対に何かしてくるからな。

『ああ、わかっている……しかし念話ではいいだろう?』

まあ、それならいいかな。

「さっきまでここから見ていたけど……すごいね、君は……コカビエルは堕天使の中では上級に位置する堕天使だ。それも大戦を生き抜いた猛者……それを最後のたった一撃で沈めるとは……」

俺は警戒を解くまではいかないもののあいつはコカビエル……つまりは堕天使陣営の人間だという事がわかった。

「私の今回の目的はコカビエルの回収でね……あのはぐれ神父も回収しようと思っていたのだが……逃げられているようだし……まあ、いいわね」

そう言って白龍皇はコカビエルをかつぐ。

「それじゃあね……イッセー」

っ!?何で俺の名前を!?

俺が疑問をぶつけようとしたら、白龍皇は既に跳び上がっていた。

『無視か?白いの』

『やはりその青年の体に宿っていたか。赤いの』

『ああ、俺にもなぜかはわからんがな。まあ、あのバカ(神名流星)よりは百倍マシだ』

『ああ、それに関しては同意する……まあ、また会う事もあるだろう』

『そうだな』

ドライグと白龍皇───アルビオンが念話で会話する。

(何でだ!?俺は赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を持ってるんだぞ!何であいつは俺に興味を示さない!?)

リアス先輩達と一緒にいるバカが何か納得がいかない顔をしているが……まあ、無視していいな。どうせ碌な事じゃない。

「そういえば……アザゼルがあなたに会いたがってたよ?『たまにはこっちにも顔を出せ』だそうよ」

「ああ、そうだな」

まあ、今回の事件で何かしらの会議があるからその時にでも会いにいくか。

そして白龍皇はそのまま飛び立っていこうとしたが

「待て!お前の名前は!?」

俺がそう聞くと……白龍皇はマスクを外す。そこから見えたのは……月の光に反射する綺麗な銀髪だった。金色の瞳に雪の肌のように綺麗な肌……そこにはまさに絶世の美女がいた。

「私の名前は……ヴァーリ……覚えておいてね」

そう言って白龍皇……ヴァーリは飛び立っていった……。



「そっか、イリナはもう帰るのか……」

「うん」

俺がいるのは空港。イリナはここから本国に帰還し今回の事件の顛末を報告しなければいけない。

「イッセー君には感謝してるわ。もしあの時、イッセー君が居なかったら私はもう死んでたと思うわ。神の不在なんて、そんなこと聞いてしまえば頭がおかしくなっちゃうもの!」

そう、家で待機していてもらったイリナにも神がいないって事を報告した。

イリナはそれを聞いた瞬間には信じられないって顔をしていたけど……俺が真剣な表情をしていたからだろう。すぐに信じてくれた。

そして……イリナも無事に乗り越えてくれた。

「イッセー君はすごいね……アーシアちゃんを救って……ゼノヴィアを救って、私も救って……」

「すごくないさ。俺はただの人間だ。でも人間にだってやれる事はある筈。俺はそれを模索しただけさ」

「ふふっ。ホント、イッセー君って罪深いよね!」

イリナはそう言って微笑んだ。

? 罪深い? 俺が?

と、その時イリナが搭乗する飛行機の搭乗時間を告げるアナウンスがなった。

「……もう、行かなきゃね……」

「そうだな……」

「…………最後に一言、本当にありがとうね?それと……あの子の事、頼むね。イッセー君」

「おいおい、それじゃ一言になってないぞ?」

「あはは!そうだったわね!……それじゃあ……」

そう言ってイリナは荷物を詰めたバッグを持って搭乗口に向かう。

そしてもう少しで搭乗口に着くという所で再び振り返る。

「イッセー君!!大好きっ!!!」

「なっ!?///」

イリナが言ったその不意打ちの一言で俺は顔を真っ赤にしてしまう。

原因を作ったイリナは既に搭乗口に入っちまったし……。

「はぁ……ま、一件落着という事で……俺も帰るか」

そして俺は自分の家に帰る。

そして家の玄関のドアを開けると……そこには

「ここは…‥こう、か?」

「はい、その通りです!ゼノヴィアさん、筋がいいですね!私よりも……」

「ああ!そんなに落ち込まないでくれ、アーシア!!」

台所でアーシアがゼノヴィアに料理を教えていた。

ゼノヴィアはこちらに残る事を決めたのだ。

ちなみに今日は祝日だが……明日からはゼノヴィアも俺たちと同じ駒王学園に通う事になっている。

ゼノヴィア自身の強い意志で俺と一緒に暮らしているのだが……あんな感じで少しずつアーシアと交流して、友達になりたいとゼノヴィアから歩み寄っているのだ。

まあ、ゼノヴィアからは「あのグレもリー眷属の男とは友達にはなれんかもしれん」って呟いてたのを聞いたんだけど……多分あのバカだろうな。

【ピリリリ…ピリリリ…】

ん?電話?

俺は電話を取る。

「はい、兵藤ですが……」

『ああ、イッセー君だね?実は……』

それはサーゼクスさんからの電話だった。内容は……近い内に駒王学園で三大勢力による会議が行われるらしい。

『リアスは未だに君を信用していないらしい。それで……世界終末の日(ハルマゲドン)について語ってもいいかい?』

「いいよ。別に俺に許可を取らなくても……そういえばそろそろ授業参観だったな……」

それを知らせるプリントがこの前配布された筈だ。

『なん……だと……!?イッセー君、それは本当かい!?』

「あ、ああ……本当だけど……」

『ああ、何てことだ……なぜリアスは知らせてくれなかったのか……」

そりゃあ、あんたみたいなシスコンに来てほしくなかったんじゃないですか。

とは言えなかった。

だって言ったら……この人、無駄に落ち込むんだもん。

「まあ、とりあえずもう切るぞ?」

『ああ、大事な事を知らせてくれてありがとう、イッセー君!グレイフィア!!すぐに人間界に行く準備をするよ!!』

電話を切る前にそんな声が聞こえてきた……グレイフィアさん、キツいだろうな……。

そういえばこっちに来るって言ってたけど……もしかして、あの人も来んのかな?

…………来そうだな、あの人も大概シスコンだからな。

































そして授業参観を明日に控えた今日……。

あ、そういえばアザゼルがこの街に来ていた。結構大きな気配が来たからな。

そしてゼノヴィアも無事、駒王学園に編入出来た。

最初の頃は慣れなかったみたいだけど……今となってはクラスの人気者だ。

まあ、あのバカはゼノヴィアに笑いかけまくってるけどな。

そしてゼノヴィアはそれを無視する。

これがゼノヴィアが編入してきてから毎日必ず一度は目撃される光景だ。

校門の前にこの前の白龍皇────ヴァーリが立っていた。

「ヴァーリ?」

「やあ、イッセー……思い出してくれたかい?」

?思い出す……?

「すまない、本当に申し訳ないけど……俺はどこで君に?」

「そうか、覚えてないのか……仕方ないね、あの戦乱の中でイッセーが救ったのは何億と言える人だ。その中の一人が私なんだ」

戦乱って……もしかして世界終末の日(ハルマゲドン)の時に俺が助けた女の子って事か?

「それとアルビオンから聞かされたけど……君が赤龍帝を宿しているんだってね」

アルビオン……!何で喋ったんだ……!

はぁ、まああの時の映像を出すんならドライグを宿している事がバレルのは確実だろうからな。

「ああ、確かにドライグを宿している。何でか知らないがドライグの意識だけな。器となる赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)はお前が指した奴が持っている」

「面白い事もあるんだね」

俺に取っては面白くない事だよ。

「まあ、三大勢力会議でまた会うだろうからね。それじゃあね」

そう言ってヴァーリは去っていった。

「あいつ、何が目的なんだ?」

俺と一緒に登校してきたゼノヴィアがそう言う。

「さあな。案外興味があったんじゃないか?」

ちなみにゼノヴィア達には聞こえてない。三大勢力会議で知ることになるからな。

そしてその日は滞りなく進み……いよいよ授業参観……そして三大勢力会議の日となる。

授業参観が始まって……俺は目の前の物を見ながら疑問符を浮かべる。

だって俺の前に置かれたのは……粘土なのだから。

粘土で何をやれと?今の時間は英語の時間では?

「いいですかー今渡した紙粘土で好きなものを作ってください。自分がいま脳に思い描いたありのままの表現を作ってください。そう言う英語もあるのです。」

(ねぇよッ!意味わかんねぇよ!何処の世界に授業で紙粘土を使う英語の授業があるんだよ!!)

思わず心の中で突っ込んでしまう俺。

だってありのままの表現って……英語じゃねぇだろ!?

「それじゃあ、始めてくださいねー」

(軽っ!この人、毎度毎度思うけど軽っ!)

また突っ込んでしまう俺。

『それで?何を作るのだ?相棒』

うぅん、まずはそこなんだよな……イメージが固まってないと……。

『だったら、俺を作ってみるのはどうだ?』

ドライグを?

…………あ、いい案が浮かんできた。

ありがとうな、ドライグ。

『なに、相棒の為さ』

ドライグのその声を聞きながら俺は粘土に手をかけた。

そして三十分後……俺は粘土用のナイフを置いて完成させた。

そこには……ソルブレイブを右手に持ちながら肩に置いて、左手に籠手を装備している俺とそれを見守る子供たち。それを見守るように龍がこちらに鋭い眼光で見ている。

まるで俺を龍が守っているかのような感じになった。

これは実際に世界終末の日(ハルマゲドン)を戦い抜いている時の光景の一つで俺は子供達を守るために頑張った時があったのだ。

ちなみにここで説明しておこう。この世界終末の日(ハルマゲドン)の際には魔獣達が暴れだし、もの凄い被害が出そうになった。

その際に俺たちはまず魔獣達を蹴散らす事にしたのだ。この粘土で表した場面はその時の光景だ。

「せ、先生……今までいろんな作品を見てきたけど……これはすごいよぅ…!」

と、先生も俺の作品を評価してくれる。

それを聞いたのかクラスメイトの皆 (神名は除く)が俺の作品を見にやってくる。

そして皆俺の作品を見て驚いている。

そしてそれぞれの作品が展示された後……なにやら校庭の一角が騒がしい。

「?何だ?」

「何かのイベントでもやっているのだろうか?」

「さあな……何なんだろう……」

「行ってみましょう!」

アーシアがそう言って一人突っ走って行ってしまった。

「「……………」」

俺とゼノヴィアは二人でその場に固まってしまう。

「……行ってみるか」

「……そうだな」

俺たちは呆れながらアーシアを追いかける。

そしてその一角を見つけたのだが……そこではなぜか撮影会が行われていた。

「オラオラ!天下の往来で撮影会たーいいご身分だぜ!ほらほら、解散解散!今日は公開授業の日なんだぜ!撮影会なら秋葉原にでも行ってやってくれ!こんなところで騒ぎを作るな!」

そう言って撮影会を中断させているのは匙だ。

そして撮影をしていた男たちが次々と解散していき……中で撮影対象になった女性と目があった。

「「あ」」

その人は……俺のよく知っている人だった。

「イッセー君だ~~~~~♪♪♪」

そう言って俺に抱きついてくる女性。

「ちょ、ちょっと!?ここは学校ですよ!?」

「匙、言っても仕方ありませんよ……お姉様」

「あ、ソーナちゃん♪」

と、ソーナ会長がやってきた。

「お、お姉様!?って事は……魔王様!?」

と、匙はようやく気づいたようだ。

「お姉様、イッセー君が迷惑がってますよ?それに魔王様なんですからもう少し威厳を持ってください」

「だって、これが私だもん♪」

横チョキをしながらソーナ会長にそう言うセラフォルーさん。

「はぁ……いいですよ、ソーナ会長。慣れっこですから」

「申し訳ありません、イッセー君」

本当に申し訳なさそうに頭を下げるソーナ会長。

本当に……今の魔王様は公私共に自由過ぎると思うんだよね……。







そして夜中になり……俺とゼノヴィア、アーシアは旧校舎に来ていた。

「さて、入るか二人とも」

「あぁ」

「は、はい!」

三人は部屋に入ると円状の形でサーゼクスさんとセラフォルーさん、アザゼルさん、ミカエルさん、ガブリエルさんが座っていて、サーゼクスさんとセラフォルーさんの後ろにグレモリー眷属とシトリー眷属が待機しておりミカエルさんとガブリエルさんの後ろにイリナが待機しており、アザゼルさんの隣にヴァーリが座っていた。

「来たか、久しぶりだな、イッセー」

「ああ、最近お前の所に行かないもんな」

「そうだぜ……そのおかげでお前の神器を調べる事が出来なかったぜ……」

もの凄く悔しそうにしているアザゼルさん。

ああ、そういえばアザゼルは俺の神器を解明したいって言ってたな……。

「さて、それじゃイッセーはそこの席に座ってくれ」

俺は指定された席に座り、その後ろに置いてある席にゼノヴィアとアーシアが座る。

「さて、それでは集まったところで話しを始める前に言っておこう……ここにいる者達は全員が神の不在を認知しているということでいいかい?」

俺達を含めるその場にいる全員が無言でサーゼクスさんの問いに肯定すると、サーゼクスさんは話し続けた。

それから3つの勢力による会談が始まった。

各陣営のトップがそれぞれの勢力の意見を一人ずつ話していき、そしてそれを他の陣営は黙って聞いておくっていうのが暗黙だ。

そしてサーゼクスさんは悪魔の未来について熱弁し、そしてそれは戦争と隣り合わせで生きていれば叶わないと説く。

ミカエルさんはいかにして人々を導くか、神がいない世界でどのように平和を掲げるかを説き、そしてアザゼルさんはわざと空気を読んでいないような発言をして俺達を凍りつかせる。

この人は本当に変わらないんだもんな。

「ではリアス、こちらは大体のことを話し終えたからそろそろ今回の事件についての説明をしてもらえるか?」

「はい、ルシファーさま」

そう言ってリアス先輩は説明していく。

まあ、俺からも補足もいらない説明だったな。

ていうか、時々こちらを睨んでくるのは何でなんだ?

「これで私からの報告は以上です……そして私から皆さんに聞きたい事があります」

そう言ってリアス先輩は俺を見る。

「彼……兵藤一誠は何者なのですか?魔王様とも親身であり……また先ほどの言葉からアザゼル様とも親しいそうですし、コカビエルとも親しかった……そしてコカビエルからの言葉から推察するに彼はコカビエルに勝った……」

「そしてミカエル様も兵藤君を知っていた……一体彼はどんな存在なのですか?」

そう言われた皆さんは俺を心配そうに見つめてくる。

俺は立ち上がる。

「サーゼクスさん、この前言った通り言っても俺は構いません」

「…………わかったよ、それじゃあ説明するよ」

「そうだな、イッセーが言ってもいいって言ってんだ。だったら説明しないとな」

「そうですね。イッセー君がもういいと言うのなら」

そう言って円状の形になっていた円の中心部分が光り、モニターのようになる。

「それじゃあ説明するよ……この世界を救った英雄の話を……」

そしてサーゼクスさんは語り出した……七年前に世界を襲った前代未聞の大事件の事を……。 
 

 
後書き
ここまで来ましたね……さあ、次回はハルマゲドンについて説明していきますよ。 
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