ハイスクールD×D×HERO’s
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2話
(さて、と。大見得を切ったけど、流石に人間に近い相手には遣り辛いな)
「裕斗! 小猫!」
リアスはウィザード・フレイムスタイルの態度に多少苛立ちを覚えながらも、冷静に指示を出す。
「行くよ!」
「ふっ!」
剣士……裕斗の剣をソードモードのウィザーソードガンで受け止める。
「……行きます」
続いて仕掛けてくるのは小猫と呼ばれた小柄な少女。先程までリアスの側に居たのに既に距離を詰めている事からまともに攻撃を受けるのは不味いと判断、ウィザードは相手の力に負けた様に膝を曲げると、小猫の攻撃にタイミングを合わせてジャンプする。
「「っ!?」」
対象を失った攻撃は目の前に居た味方に向かう事になる。とっさに同士討ちは避けようと無理矢理自分達の攻撃を潰す。それによる負担は大きいだろうが、同士討ちよりはマシだと判断した結果だろう。
……それが正しいか間違っているかの判断は相手の能力を知らないウィザードがするべきではないだろう。
「一つ言っておくと、これって剣じゃなくて銃剣なんだ、よ!」
相手から距離を取りながらガンモードへと変形させたウィザーソードガンを乱射、相手もウィザードが引き金を引くタイミングよりも早くその場から離れる。
(銃だって教えたにしても判断が早い。しかも、銃を持っている相手から離れる……って事は最初から離れる事を前提としていた!? っ!?)
先程の動きで相手の狙いを推測する。恐らくは後衛組みの火力での殲滅と言うのが相手の狙いだろう。素早く四角い宝石がついたウィザードリング『ランドリング』を填めるとハンドソーサーを操作し、ランドリングを翳す。
《ランド! プリーズ! ドッドッ!!! ド・ド・ド・ドンッドンッ!!! ドッドッドン!!!》
魔法陣を潜るとウィザードの仮面が円形の赤から四角い黄色のものに変わり、全身の赤い部分が黄色へと変わる。
ウィザード・ランドスタイルへと変身すると新たにリングを填める。空中よりも安全な逃げ道は一つ、それは……
「私も忘れてもらっては困りますわ!」
「っ!? やっぱり! 間に合え!」
頭上から降ってくる雷が地面に着地したウィザードLに直撃したかに見えた。
(これなら間違いなくかなりのダメージを受けるはず)
爆煙がウィザードLの姿を隠す中、リアスはそう考えていた。だが、
《ディフェンド! プリーズ!》
「防御にはこう言う使い方も有る!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
「一誠さん!!! っキャア!」
後ろから相手が能力を使う時の音共に一誠とアーシアの悲鳴が聞こえてきた。リアスが後ろを振り向くと先程まで一誠が立っていた場所には土で出来た壁が有り、アーシアは片手をウィザードLに捻り挙げられて意識を失っていた。
「テメェ! アーシアに何しやがったぁ!」
「答えるわけ無いだろ、バーカ」
「ガッ!」
激昂して殴りかかってくる一誠を挑発するウィザードL。アーシアから手を離し籠手を填めた手で殴りかかってくる一誠の攻撃を避けながらカウンターキックを打ち込み、その勢いを利用しながら距離を取る。
その際に常に近くに意識を失っている……と正確にはスリープのリングで眠らせたアーシアを配置する事を忘れない。彼女が後衛の大火力での殲滅役か回復役と推測して真っ先に潰したが、ウィザードLの推理は当たっている。
《ビッグ! プリーズ!》
「これでも食らえ指輪野郎!!!」
「断る!」
殴りかかってくる一誠との間に現れた魔法陣にパンチを打ち込むと、
「へ? うそぉぉぉぉぉぉぉぉお!?」
目の前で腕が巨大化した事に驚いていた一誠はそのまま巨大化したウィザードLの手に問答無用に殴り飛ばされる。
「さ、ら、にぃ!!!」
そのまま平手にして巨大化した腕を横凪に振る。狙いはリアスを含むフッ飛ばした一誠と眠らせたアーシア以外の敵戦力。
(……次は前衛二人のどちらかを潰すか……)
相手は六人、流石に六対一と言うのは数の上で不利だったので、手早く相手の数を減らす方法を選択したわけだが、最初にウィザードが狙ったのは後方に居た一誠とアーシアの二人。
着地と同時に『ドリルウィザードリング』で地面に潜って朱乃の攻撃を回避、そのまま倒したと思って油断しているであろう彼女達の後方へと回り込む。その後は流石に女の子相手に手荒な事をするのは多少気が引けたので、ディフェンドリングで一誠の足元に壁を作って吹っ飛ばした後、アーシアに『スリープウィザードリング』を填めて眠らせたわけだ。
敵の指揮官と推測したリアスは後回しとして、後方に下げられている事から二人が比較的打たれ弱い後衛役と推測した上での行動である。
(それにしても、殴りかかってくるなんて、あいつって後衛の術者とか回復役じゃなかったのか? ……そうなると、あいつってもしかして前衛だけどかなり弱い?)
一誠の行動から推測してそう評価する。実際、一誠の役割は『兵士』であり、自陣である駒王学園の敷地内ではプロモーションは出来ない。
そんな事を考えながら片手を横凪に振るうが、素早くがリアスを庇う形で攻撃範囲から離脱し、朱乃の回避する。流石に大味な攻撃が当たるとは思って居なかった為に其処までは予想通りだが、
(なっ!?)
大して力を込めずに振り回しただけとは言え、巨大化したウィザードLの腕が小猫に受け止められていた。
(拙っ!?)
直ぐに腕を引き抜き新たに二つのリングを取り出し、その一つを填める。
(あの小柄な体格で今のを受け止めるか? あの子はパワータイプ……力で対抗するのは、押し切れない事も無いけど、余計な怪我をさせる危険が有るな。……だったら)
《ライト! プリーズ!》
「っ!?」
目晦ましの為に使ったライトウィザードリング。激しい光が周囲を包みリアス達はその光に一瞬目を閉じてしまう。
「続いて……」
《ハリケーン! プリーズ! フー、フー! フーフー! フーフー!
今度は黄色の部分が緑に変わり、顔の仮面が四角い黄色の物から緑の逆三角の物へと変わる。ウィザード・ハリケーンスタイルだ。
「さて、次はこれだ」
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