ハイスクールD×D×HERO’s
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3話
新たにハリケーンスタイルへと変身したウィザードはソードモードのウィザーソードガンを構えリアス達……正確には残る前衛の裕斗と小猫の二人へと向かって行く。
リアス達全員のタイプは真っ先に眠らせたアーシアと、交戦していないリアスの二人以外は大体理解していた。
剣術を主体としたスピードタイプの前衛の裕斗、素手での格闘をメインとしたパワータイプの前衛の小猫、魔法による大火力の後衛タイプの朱乃と、ほぼ推測している。
逆に前衛タイプだが経験が圧倒的に足りてない割りに妙に籠手からは強力な力を感じる一誠については完全に把握できていないが、それでも今のままなら脅威では無いと判断。眠らせたアーシアは眠らせた時の反応から後衛タイプだろうと判断。最後にリーダー格と思われるリアスのタイプは後衛の能力を持った指揮官と推測している。
故にウィザードとしては裕斗か小猫の無力化を優先する。接近戦ならば後衛タイプは火力が大きければ大きいほど、味方を巻き込む危険が有り攻撃を躊躇させる事が出来る。それを利用すれば一対四から一対二にする事が出来る。注意を向けているが、コンビネーションから考えて後衛の攻撃が来る際には二人が離れる事は先程の攻防から理解している。直撃すれば無事で済まない攻撃を避けない奴は居ないだろう。
「はっ!」
狙うのは小猫ではなく裕斗。力よりもスピードに特化した能力であるが故に、短時間での無力化が容易いだろうという判断だ。
…………まあ、小柄な少女と同年代の男では後者の方が殴り易いという判断も加わっていたりするが。
「くっ!」
《コピー! プリーズ!》
全身に風を纏って飛翔しながらのスピード重視の連続攻撃に何時の間にか二本目の剣を持って対応してくる裕斗に対して、ウィザードHもまたウィザーソードガンをコピーして二刀流で攻撃を仕掛ける。
「ハァハァ……」
ウィザードへの変身による身体能力の強化と転生悪魔とは言え生身である裕斗、その差は徐々に開き始め裕斗の方が押されていく。
「一つだけ言っておく」
「何かな?」
「分かってると思うけどこれは銃剣、剣じゃないぜ!」
「っ!?」
独楽の様に回転しながらの斬撃の最後に右手のウィザーソードガンをガンモードへと切り替え引き金を引く。回避が間に合わずとっさに両手の剣でウィザーソードガンの銃弾を防ぐ。
《スタン! プリーズ!》
……何気に有る程度独自のウィザードリングも作れていたりする。己の攻撃に麻痺の追加効果を与える『スタンリング』を使い両手の剣でウィザードの銃弾を防いだ裕斗に麻痺の力を与えた斬撃を浴びせる。
「がはっ!」
それによって崩れた裕斗の腹部に容赦なくキックを放つと、そのまま後ろに有った木に叩きつけられて意識を失う。
(あと三人……)
「赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)ァァァァァァァァァァ!!!」
『Boost』
裕斗の無力化に成功してウィザードHが地面に降りると背後で力が膨れ上がったのを感じ取る。それに気が付いて後ろを振り返ると立ち上がった一誠が赤い籠手を着けた腕を振りかぶって殴りかかってくる。
(っ!? 力が上がった? あの武器の能力か? 自分の力を増幅する力……何倍になるのかはわからない……けどな)
ウィザードHは青いウィザードリングを取り出してそれを翳す。
《ウォーター! プリーズ! スイ~スイースイースイ~!》
魔法陣をウィザードが潜ると今度は青い菱形の仮面と緑色の部分が青く染まった『ウィザード・ウォータースタイル』へとチェンジした。
「コロコロ変わりやがって! でもな、そんなモン関係ネェ! オレはもう負けるわけには行かないんだ!」
「結構な決意だけどな……よく言うだろ、“柔よく剛を制す”ってな」
《リキッド! プリーズ!》
新たに使った『リキッドリング』の力で液化する事で一誠の拳を回避する。
「なに!? グッ!」
「無駄だ。力をどれだけ増幅しても……物理攻撃で液体は破壊できないからな」
液化したまま一誠の後ろに回りこんでヘッドロックから液化から別の関節技へ切り替える連続攻撃を続ける。
「畜生……オレはもう二度とあんな思いはしたくないんだ……。……部長に涙は似合わないんだ……」
締め上げられて意識が消えて行きそうになりながら一誠はそんな事を叫ぶ……。首と両腕を締め上げながらウィザードは仕上げとしてアーシアに使ったスリープリングを取り出す。
(……もう二度と……負けるわけには……行かな……い……んだ)
『小僧、力が欲しいか?』
(……その……声は……)
『今回は無料でくれてやろう。無銘の龍に負けるのはオレも気に入らんからな』
「行くぜ、禁手(バランス・ブレイカー)! 赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)!」
締め上げられている一誠の体に赤い鎧が装着されると背中から炎が噴出し、その衝撃でウィザードWが弾き飛ばされる。
「ぐっ!」
液化したとは言っても流石に炎によるダメージは受ける。此処で初めてウィザードWはダメージを受ける事となった。
(なんだ、あいつ……行き成り強くなった?)
「見せてやるよ、指輪野郎! 神様よりも強い……龍の帝王の力をな!」
一誠の宣言も嘘では無いだろう。力の増加が鎧を纏ってから爆発的に増えたのを感じ取れる。
「神様ね……奇遇だな。『仮面ライダー』も神様よりも強いらしいぜ!」
そう言いながらウィザードWが取り出したのは赤い指輪だが、施されている装飾はフレイムリングよりも多くなった『フレイムドラゴンリング』。
『帝王だと……気に入らんな。オレを差し置いて龍の帝王などと名乗るなど……』
心の中に聞こえる声……『ウィザードラゴン』の声なのだろう。内心で『お前はドラゴンのファントムだろう』とツッコミを入れたい気分だが、
『小僧、今だけ力を貸してやろう。どちらが真の最強の龍なのか、奴に教えてやれ』
実際、ウィザードラゴンに力を貸してもらえないためか、ドラゴライズのリングでの実体化(アンダーワールド外でも出来るらしい)やドラゴンと融合したスタイルへのチェンジは出来なかったが、許可は出た様子だ。
「見せてやるよ……オレの『ドラゴン』の力をな」
《フレイム! ドラゴン!》
ウィザードWが魔法陣を潜り抜け、その周囲をウィザードラゴンの幻影が踊る。
《ボー! ボー! ボーボーボーボー!》
ドラゴンの幻影と一つになったとき、ウィザードの姿が新たなものに変わる。頭部には二本の角『エクスドラゴロット』、両肩には封印石『グランマジェスティ』が追加され、胸部はウィザードラゴンの頭部を模した装甲『スカルキュイラス』に変化し、全体的にフレイムスタイルの時以上に赤が目立つ姿。
「またコロコロ変わりやがって!」
「悪いけど、結構大量に姿が有ってな。改めて、仮面ライダーウィザード・フレイムドラゴン。さあ、ショータイムだ!」
己の新たな姿の名を層宣言する。
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