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FAIRY TAIL 真魂の鼠

作者:紺碧の海
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第十八話 空中合戦

 
前書き
駄作者07です!
今回はウェンディの戦いです!果たして、赤面の吸血鬼(ブラッシュヴァンパイア)のS級魔道士の実力とは・・・!?
ウェンディ目線で書いていきます。
それでは、第十八話・・・どうぞっ!! 

 
S全「瞬間移動(テレポート)。」



赤面の吸血鬼(ブラッシュヴァンパイア)のS級魔道士の皆さんが言った瞬間、辺りが眩しい光に包まれて私は思わず目を瞑ってしまいました。

?「いつまで目を瞑ってるの?」

頭上から声がして、恐る恐る目を開けてみると、

ウェ「えっ?」

シャ「ど、どこよ、ここ・・?」

私の隣にいたシャルルも目の前に広がっている光景に驚きを隠せないでいる。私達の目の前に広がっている光景。それは上も下も、右も左も、四方八方青空で囲まれた空間が広がっていました。

シャ「・・ど、どうなって、るの・・・?」

ウェ「わ、私達・・そ、空を、飛んで、る・・!」

まだ驚きを隠せないでいる私とシャルルの頭上で、

?「人間が羽も無しに空を飛べる訳ないでしょ。ここは赤面の吸血鬼(ブラッシュヴァンパイア)のギルドの地下にある一室。部屋の中に青空のCGを映しているだけよ。」

薄紫色の髪の毛を低い位置でツインテールに束ねていて、深海のような大きな青い瞳。肩出しの紫色のセーターに青と黒のチェックのミニスカート、リボンの付いた黒いローファーを穿いた私より三つくらい年上の女の子が私とシャルルの事を見下ろしていました。

ウェ「これ、CGなんですかぁ~?」

シャ「すごい綺麗な青空ね。」

私とシャルルが青空のCGに感心していると、女の子は呆れたように「はぁーー。」と深いため息をつきました。

?「あなた達、自分達の今の状況ちゃんと理解してる?あなた達の目の前にいるのは、闇ギルド赤面の吸血鬼(ブラッシュヴァンパイア)のS級魔道士の一人よ。」

女の子が胸を張って言いました。私はにっこり笑って、

ウェ「ちゃんと状況は理解してますよ。でも、これは依頼ですから、ちゃんとこのギルドを討伐しないといけませんから。」

シャ「ちゃんと依頼を達成しないと、誰かさんが家賃を払えなくなっちゃうからね。」

?「あら。随分しっかりしてるじゃないの。」

女の子は胸に手を当てると、

エ「私はエミリー・マラリオス。赤面の吸血鬼(ブラッシュヴァンパイア)のS級魔道士の一人よ。」

ウェ「妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔道士、ウェンディ・マーベルです。」

シャ「同じく、シャルルよ。」

自己紹介されたなら、自己紹介で返さないといけませんからね。

エ「この部屋は赤面の吸血鬼(ブラッシュヴァンパイア)の魔道士専用修行室。修行やバトルをする時は、この部屋で思う存分暴れる事が出来るの。気分に合わせて部屋のCGも設定出来るのよ。この部屋と同じ修行室が後四つあるの。あなた達の仲間もそこで他のS級魔道士と戦っている最中よ。」

他の部屋で、ナツさん達も戦っているんだ。私も頑張らないと!

エ「ここでは思いっきり暴れても大丈夫。だから、年下だからと言って、手加減は一切わよっ!」

そう言うと、エミリーさんは小さく地面を蹴るとこっちに向かって駆け出しました。

ウェ「私も手加減はしません!」

私もそれに応えるかのように、小さく地面を蹴って駆け出しました。

ウェ「天竜の・・・鉄拳ッ!!」

空気の渦を纏った拳でエミリーさんに殴り掛かりました。が、私の拳はスカッとエミリーさんの体をすり抜けてしまいました。

ウェ「あ、あれ?」

シャ「消えたぁっ!?」

エ「人間が勝手に消える訳無いでしょっ!」

ウェ「キャアアッ!」

シャ「ウェンディッ!」

いつの間にか背後に周り込んでいたエミリーさんが無防備だった私の背中に蹴りを食らわせます。私はその反動で地面に叩き付けられました。

ウェ「は・・速い。」

エ「これだけで驚いてもらったら困るわ。」

すると、エミリーさんは左手で右手首を摑み、その状態で右手を前に突き出しました。前に突き出した右手の平に、小さな白い魔力の球が集まっていきます。そして・・・

エ「縮小光球(リデュースシャイニー)!!」

縮小された光の球が私に向かって放たれました。ここで慌てたら、確実にあれに当たっちゃう!私は冷静に、タイミングを見計らって・・・

ウェ「バー二ア!!」

速度を上げる魔法、バー二アで私は攻撃が当たる寸前で右に移動した。エミリーさんの攻撃は私には当たらず、部屋の壁に直撃しました。

エ「なるほど。あなたが妖精に存在する三人の滅竜魔道士(ドラゴンスレイヤー)の一人、天空の巫女だったのね。」

エミリーさんは私の事を見ながら納得したかのように呟きました。

シャ「ウェンディ、あいつを倒すなら、飛びながらの方が有利だわ。」

ウェ「そうだね。シャルル、お願い!」

シャ「言われなくても分かってるわよっ!」

シャルルは真っ白な羽を広げると、私の服を摑んで宙を飛んだ。

エ「羽!?・・なるほど。ただの白猫ちゃんじゃなくて、エクシードだったのね。でも残念ね。飛びながら私を倒そうとするのは不可能よ。」

シャ「何ですってぇっ!?」

ウェ「ど、どういう事・・ですか?」

私が問うと、エミリーさんは小さく微笑むと、その場で小さく飛び跳ねました。すると、エミリーさんが穿いていたリボンの付いた黒いローファーに、シャルルと同じくらいの大きさの白い羽が生えました。

ウェ「・・く、靴に・・・羽が・・!」

シャ「こ、こんなの・・・初めて見たわ・・・」

私とシャルルは目を見開きました。エミリーさんはあっという間に私とシャルルと同じ高さまで飛んで来ました。

エ「すごいでしょ?この靴は飛靴(フライトシューズ)と言って、私がナノハナの街の靴屋に頼んで作ってもらったのよ。まっ、九割は脅して頼んだんだけどね。」

飛靴(フライトシューズ)にも驚いたけど、私はこんなすごい靴を作った靴屋さんの方がすごいと思いました。

エ「さぁ、選択肢は三つ。このまま空中合戦で勝敗をつける?それとも、また地上に下りて地上合戦で勝敗をつける?それとも、このまま自分の負けを認めて、私に暗殺される?さぁ、どうするの?天空の巫女さん?」

シャ「ウェンディ・・・」

シャルルが後ろで不安そうな顔して私を見る。でも、私はすでに決めていた。

ウェ「このまま、空中で戦いますっ!!」

エ「空中合戦ね。良いわよ。最初に言ったけど年下だからと言って、一切手加減はしないわよっ!!」

エミリーさんはそう言いながら、また左手で右手首を摑み、その状態で右手を前に突き出しました。また前に突き出した右手の平に小さな魔力の球が集まっていきます。がさっきと違って魔力の色が白ではなく赤色をしています。そして・・・

エ「縮小炎球(リデュースファイア)!!」

縮小された炎の球が私に向かって放たれました。私は今度は避けずに、息を大きく吸って両頬を膨らませると、

ウェ「天竜の・・・咆哮ッ!!」

エミリーさんと炎の球に向かって空気の(ブレス)を放ちました。空気の息はあっという間に炎の球を飲み込んでしまいました。

エ「な、何て威力!?くっ・・・!」

エミリーさんは防御する間も無く空気の息に飲み込まれてしまいました。が、

エ「縮小雷球(リデュースライトニング)!!」

空気の息の中から縮小された雷の球が飛び出してきました。

ウェ「キャアアァァアァァアアアッ!!」

シャ「アアアァアァァアアッ!!」

いきなりだったので、私とシャルルは避ける事が出来ず、雷の球に直撃しました。



ウェ「はぁ・・はぁ、はぁ・・・はぁ・・はぁ、はぁ、はぁ・・・」

エ「はぁ・・・はぁ・・はぁ、はぁ・・・はぁ、はぁ・・はぁ・・・」

私とエミリーさんはお互いの魔法を無防備のまま直撃し、息は荒く、傷だらけで、魔力が限界になりながらも、まだ戦える状態でした。

エ「はぁ、はぁ・・や、やるじゃ、ない・・はぁ・・・はぁ、はぁ・・」

ウェ「はぁ、はぁ、エ、エミリー・・さんこそ・・・はぁ・・はぁ・・・」

シャ「はぁ・・・ど、どっちも、どっち、じゃないの・・はぁ、はぁ・・・」

シャルルも息が荒く、傷だらけで、魔力が限界になりながらも、私の事をしっかり支えてくれていた。

エ「はぁ・・はぁ、わ、私も、あなたも・・エ、エクシードも、もう限界、だから・・・はぁ、はぁ・・お、お互い、最強で、最後の、攻撃で・・はぁ、決着を、つけない・・?はぁ・・はぁ・・・」

エミリーさんが額の汗を拭いながら言いました。

ウェ「はぁ・・はぁ、わ、分かり、ました・・・はぁ、はぁ。」

私達は、お互い最強で最後の攻撃で決着をつける事にしました。なので、失敗は絶対に許されません!!エミリーさんは両手を頭の上に掲げました。すると、両手の平に今までの縮小された魔力の球よりも大きな黒い魔力の球が集まっていました。そして、

エ「拡大闇球(インラーヂダークネス)!!!」

拡大された闇の球が私に向かって放たれました。私は目を閉じて、その場から一切動かず、ただひたすら残りの魔力を掻き集めていました。そして、必要な魔力が集まると、閉じていた目をカッ!と見開いて、

ウェ「滅竜奥義ッ!!」

私の足元に水色の魔法陣が浮かび上がりました。

エ「め、滅竜・・奥義ィッ!!?」

エミリーさんはすでに目を見開いて驚嘆の声を上げました。私は両腕を横に広げ、体を横に捻ると、

ウェ「照波・天空穿ッ!!!」

・・これが、今の私の限界で、私の最強の魔法・・・グランディーネから貰った魔法書に書いてあった天空の滅竜奥義の一つ・・・照波・天空穿。

エ「ウアアァアアアァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」



エミリーさんは私の攻撃をまともに食らって、その場に大の字になって伸びてしまいました。私が買ったのと同時に、青空のCGは消え、壁も床も真っ黒に塗られた部屋に一変しました。

ウェ「・・か、勝ったぁ~・・・」

シャ「ウェンディ!」

安心しすぎたのか、私はその場にへなへなぁ~と座り込んでしまいました。・・・やっぱり、滅竜奥義をすると、魔力の消費量がすごい大きい・・・

エ「わ、私が・・負け、た・・・」

床に大の字になって伸びていたエミリーさんが小さく呟いたのが聞こえました。まだ私に負けてしまった事を受け入れられないみたいです。そりゃそうですよね。他の皆さんならともかく、最強チームの中で一番弱い私に負けたとなると、かなりショックを受けますよね。

エ「・・で、でも、まだ、終わってなんか無い、わ・・・私は、赤面の吸血鬼(ブラッシュヴァンパイア)のS級魔道士の中では一番最弱。私より、もっと強いS級魔道士と・・あなたの仲間が、戦っているのよ・・・そう、簡単に、赤面の吸血鬼(ブラッシュヴァンパイア)は・・・討伐、されない、わよ・・・」

エミリーさんは、私に負けたとのに、瞳の勝利の輝きはまだ失っていませんでした。私はゆっくりとその場に立ち上がると、

ウェ「確かに、エミリーさんは、赤面の吸血鬼(ブラッシュヴァンパイア)のS級魔道士の皆さんは、とても強いです。でも、その強さは、『光』の者の強さには、一生敵いませんよ。」

エ「・・・・・」

シャ「全く。解散命令を出されたのなら、すぐに解散すれば良いだけなのに。暗殺したり、街を支配したりするから、どんどん『光』から遠ざかって、どんどん『闇』に飲み込まれちゃうんじゃないの。」

ウェ「『闇』は、決して『光』には勝てませんから。エミリーさんも、『闇』から抜け出せば、今からでも、『光』に行くには遅くありませんよ。」

エ「・・・そう、ね。」

エミリーさんは床に大の字に伸びたまま小さく呟くと、ゆっくりと目を閉じ気を失ってしまいました。 
 

 
後書き
第十八話終了ですっ!
『光』は『闇』に勝ァつっ!『光』は『闇』を打ち砕ァくっ!!『光』は『闇』を救い出ァすっ!!!・・・はい。何か叫んでみました。
次回はエルザの戦い!いったいどんなバトルになるのやら・・・
それではまた次回ですっ!! 
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