FAIRY TAIL 真魂の鼠
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第十九話 S級対決
前書き
HELLO!07です!
今回はエルザの戦いです!果たして、どのようなバトルになるのか・・・そして、何と「あの人」が登場!!
途中で目線が変わります。最初はエルザ目線で書いていきます。
それでは、第十九話・・・どうぞっ!
S全「瞬間移動。」
赤面の吸血鬼の奴等が言った瞬間、辺りが眩しい光に包まれて私は思わず目を瞑ってしまった。
?「いつまで目を瞑っているつもりだい?妖精女王」
背後から声がして、恐る恐る目を開けると、
エ「!?」
目の前に広がっている光景に、私は目を見開いた。そこは遥か遠くまで続く砂漠だった。人気も無く、ただ私の頭上で太陽が輝いていた。
エ「ど、どこだここは・・・!?」
辺りを見回しても、ナツ達はいない。
?「安心しろ。ここはエジプトなんかじゃない。赤面の吸血鬼の魔道士専用修行室だ。部屋に砂漠のCGを映し出しているだけだ。」
振り向くと、後ろで無造作に束ねた黒い長髪に青い瞳。だが、右目に深い傷があり失明している。フード付きの青いトレーナーに黒いバギーパンツを穿いた男がいた。
エ「貴様が赤面の吸血鬼のS級魔道士の一人だな。」
?「あぁ。この赤面の吸血鬼の魔道士専用修行室は全部で五つ。俺以外の他のS級の奴等は、あんたの他の仲間と違う修行室で戦っている真っ最中だ。助けに行こうとしても無駄だぜ。俺を倒すまで、あんたはこの部屋からは一歩も出られねぇからな。」
出ようと思っても、砂漠のCGが映し出された部屋の中で部屋の扉を探すだけで一苦労だ。それに、
エ「私はこの部屋から出て行く気は一切無い。」
?「!?」
エ「私の仲間は、必ずお前の仲間を全員倒して無事に戻って来る。今の私がやるべき事は・・・貴様を倒す事だっ!!」
そう言うのと同時に、私は天輪の鎧に換装した。
エ「私はエルザ・スカーレット。妖精の尻尾のS級魔道士だ。」
私が名乗ると、男は右手を頭上に掲げた。すると、いつの間にか男の右手には一本の剣が握られていた。剣の刃先を私に向けると、
ジョ「俺はジョナイト・ソラーノ。赤面の吸血鬼のS級魔道士。」
ジョナイトが名乗り出たのと同時に、私とジョナイトは小さく地を蹴り、同時に剣を振りかざした。ガキィンッ!と火花が散り、剣と剣の刃先がぶつかった。
エ「私は鎧と武器を換装するが、貴様は武器だけを換装するようだな。」
ジョ「似た魔法であり、S級魔道士。・・・面白い勝負になりそうだ。」
私達は一度距離をとる。先に動いたのはジョナイトだった。ジョナイトはまた地を蹴り、それと同時に剣をもう一本換装した。
ジョ「双波ッ!」
二本の剣を力強く振りかざし青白い波動を起こした。
エ「天輪・三位の剣ッ!!」
三本の剣が逆三角形の光を作り、波動を切り裂いた。
エ「天輪・繚乱の剣ッ!!」
銀色に光り輝く無数の剣がジョナイトに向かって放たれる。ジョナイトは二本の剣から自分の背丈と同じくらいの黒光りする盾を換装すると、剣から身を守った。剣は全て、黒光りする盾に突き刺さっている。
ジョ「流石妖精の尻尾最強の女魔道士、妖精女王のエルザ。この俺と互角に戦えるとはな。」
ジョナイトが右口角だけを上げて微笑む。私は「ふっ。」と小さく笑う。
エ「「互角」だと?貴様は大きな勘違いをしているぞ。」
ジョ「何ッ!?」
私の言葉にジョナイトは目を見開いた。その時、ジョナイトの盾にバキッ!と音を立ててヒビが入った。
ジョ「なっ!?」
エ「私の剣の威力は、そんな盾一つでは防ぎきれない。盾に突き刺さってはいるが、剣の威力はまだ半分も失われていない。そんな盾など、粉々に砕いてしまう。」
私が言っている間にも、盾はバキッ!バキバキッ!と音を立てて次々にヒビが入っていく。そして・・・
バキィンッ!!
ジョ「グアァッ!」
ジョナイトの盾が粉々に崩れ、まだ威力を失っていない剣たちは無防備のジョナイトを攻撃した。
エ「これで分かっただろ?貴様と私・・・いや、『闇』と『光』の格の違いが。」
傷だらけになったジョナイトに私は語り掛ける。が、ジョナイトは不敵に小さく微笑んだ。
エ「何が可笑しい?」
ジョ「いや、妖精女王という異名があるから、大した魔道士だと思ったんだが・・・どうやらそれは、俺の大きな勘違いだったみたいだ。」
エ「何だとっ!?」
ジョ「赤面の吸血鬼を討伐しに来たのが運の尽きだったな。赤面の吸血鬼のS級魔道士の真の強さ・・・思い知らせてやるぜっ!!」
ジョナイトの右手には自分の背丈の二倍はある巨大な槍。左手には自分の背丈の三倍はある巨大な斧が握られていた。
ジョ「俺の最終形態、死の槍と地獄の斧だ。この二つの武器で、俺は今までに数え切れねぇくらいの人間を暗殺してきた。」
エ「・・・貴様は、人の命を奪うのが、そんなに楽しいのか・・・・?」
ジョ「あぁ。人の『死』と『鮮血』を見る事より楽しい事を無い。」
その時、私の中で何かがブチッ!と引き千切られた。
ジョ「今、あんたの命も死の槍と地獄の斧ですぐに奪ってやる。妖精女王の命は、この俺がも・・・」
エ「ふざけるなああああああああああああああああああああっ!!!」
ジョ「グォハッ!」
怒りを握り締めた拳で、ジョナイトの右頬を殴った。ジョナイトは部屋の端まで吹っ飛んで行った。
ジョ「っ・・!てめぇ~・・・!」
ジョナイトはすぐに立ち上がり、血を拭いながら怒りに染まった瞳で私を睨んだ。そして、ものすごい速さで駆け出すと、地獄の斧を振りかざした。
ジョ「消してやらあああああああああああああああああああああああああっ!!!」
ギリギリで斧を避ける。振りかざされた斧がズサァァンと効果音を立てる。
ジョ「うおおぉぉおおおらああああああぁぁああああぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」
ジョナイトは周りが見えなくなったように闇雲に死の槍と地獄の斧を私に向かって振りかざし続ける。私は飛翔の鎧に換装し、双剣で攻撃を防ぎながら必死に避け続ける。が、ジョナイトの武器は私の武器よりも遥かに大きい。やはり頬や足に切り傷や掠り傷を覆う。
ジョ「エルザ・スカーレットォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」
エ「!!?」
ジョナイトが私の名を叫びながら地獄の斧を振りかざした。ギリギリで避けたが、その弾みで私はバランスを崩してしまった。慌てて体勢を立て直そうとしたが上手くいかず、その隙にジョナイトに双剣を奪われてしまった。
エ「くっ・・・!」
そのまま私はゴロゴロと転がる。立ち上がろうとしたが、一足先にジョナイトに手首を摑まれた。
エ「しまっ・・・!」
時すでに遅し。私はジョナイトに馬乗り状態にされてしまった。逃れようとしたが、ジョナイトに手首を摑まれ、首筋には死の槍が突きつけられている。少しでも動けば、槍の先は私の首に突き刺さる。ジョナイトは一度ゆっくりと死の槍を私の首筋から離すと、口角を上げて不敵に微笑むと、
ジョ「死ねええええええええええええええええええええええええええええええっ!!!」
死の槍を私に首に向かって振り下ろした。私は覚悟を決め、ギュッと目を瞑った。その時・・・
?「ギアチェンジ!モード雷!!雷拳弾!!」
ジョ「グギャアアアアッ!」
エ「えっ?」
聞き覚えのあるような声がしたと思ったら、ジョナイトが勝手に吹っ飛んだ。・・い、いったい・・・どうなって、いるんだ・・・・?不思議に思いながらも、私は自由になった体を起こし立ち上がった。
ジョ「くっ・・・そぉ~~~!!後、少しだったのにぃ~~~~~!!」
傷だらけで、血走った瞳をしたジョナイトが私の事を見る。そして、小さく地を蹴り駆け出した。
ジョ「今度こそ死ねええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!!」
狂ったように叫び、地獄の斧を振りかざした。私はその場から一歩も動かずに、装束の無い炎が描かれた赤い袴姿に換装する。両手には紅桜が握られている。そして、振りかざされた地獄の斧を紅桜で受け止めた。
ジョ「なっ・・!?」
ジョナイトは目を見開いた。そりゃそうだ。巨大な斧を二本の細い剣で受け止めてしまうんだからな。私は紅桜で弾くように地獄の斧をジョナイトの左手から奪い、足で死の槍をジョナイトの右手から蹴り落とすと、
エ「ハアアアァァアアアァァアアアアアアアアアアアッ!!!」
ジョ「ウオオォォアアアアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
十字にジョナイトの腹部を切り裂いた。ジョナイトは大の字になってその場に倒れ込んだ。私は換装を解いて、いつもの鎧姿に戻る。
ジョ「・・お、俺、が・・・ま、負け、た・・・だと・・・・?」
ジョナイトは自分が私に敗れた事を受け入れられないようだ。私は「はぁ。」と小さくため息をつくと、
エ「お前は、自分がどんな大罪を起こしたか分かっているのか?」
ジョ「・・・た、大罪・・・・?」
エ「たくさんの人々の命を、お前は自分の武器で奪い取り続けてきたんだ。」
ジョ「・・・・・」
ジョナイトは何も言わない。
エ「・・ジョナイト、一度起きた事、犯してしまった事は、もう二度と償いの出来ないものになる。その事を忘れるな。」
ジョ「・・・・償い、か・・・」
ジョナイトは短く呟き、そのまま気を失ってしまった。
エ「それにしても・・・」
?『ギアチェンジ!モード雷!!雷砲拳!!』
絶体絶命の時に聞こえたあの声・・・私は部屋を見回す。いるのは私と、気を失っているジョナイトだけ・・・
エ「・・・まさか、な・・・・」
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『ここから少しだけ、?目線でいきます。』
俺は赤面の吸血鬼の地下に繋がる、赤面の吸血鬼のギルドの床にある隠し扉から這い出る。ギルドの床にはエルザ達が倒した赤面の吸血鬼の魔道士が大勢倒れていた。俺はそれを見て「はぁ。」と小さくため息をつく。
?「全く。相変わらず派手にやるなぁ~。」
その時、足首を摑まれた。足元に視線を移すと、頭や口から血を流した赤面の吸血鬼の魔道士の男が荒く息をしながら、
魔1「はぁ・・はぁ、た、助けて・・・くれぇ・・・・はぁ、はぁ・・・」
と俺に訴えていた。俺はその場にしゃがみ込むと男に手を差し伸べた。男は嬉しそうに手を伸ばし、俺の手を摑むと、
?「感電。」
魔1「グギャアアアアアアアアアアッ!!」
感電して、また気を失った。さっきエルザを助けた時に発動したモード雷をまだ解除していなかった。でも、そんなに強かったかな?そんな事より・・・
?「全く。俺が『予知』でエルザが殺されそうになったのを見たからよかったけど・・・もし『予知』が見えてなかったら、エルザの奴、完全に死んでたぞ。」
俺は赤面の吸血鬼のギルドの隅に置いておいた黒いベストを羽織る。
ショ「旅に出る前に、「襲われそうになったり、危険な目に合ったら、すぐに俺、ショール・ミリオンの事を呼べ」ってあれほど言ったのに・・・」
羽織った黒いベストの胸ポケットに、白い妖精の尻尾のギルドマークがあった。
後書き
第十九話終了致しました~!
『ルビ』使ってみました。なんと書きやすい!!
やっぱりエルザはカッコイイですね☆惚れ惚れしちゃいます!!そして、最後にFT友恋のオリキャラの一人、ショールが登場!!いやはや、まさかこんな風に登場するとは・・・
次回はグレイの戦い!そんなバトルを繰り広げるのかっ!?
それではまた次回!!
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