連邦の朝
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第37話 ゲルマニア
前書き
遅くなりすみません。言葉を書くとは、こんなにも辛い事とは…
ゲルマニア…それは前話で解説した通りの国である。
それに加えてかの国は、魔術を使えない者も多く、更に支配下に置いていない寒冷地からは蛮族である亜人やよくわからない疫病が入り、猛威を奮っている厳しい大国でもある。
そんな過酷な場所で魔法が使えないと言うのは、従来では死活問題だった。海辺では、寒い上に海獣(クラーケン等やシーサーペント等を含む)が現れ、時たま極寒の北側からは、亜人の蛮族が船に乗り街を蹂躙し、寒さと飢えから疫病が流行る。
支配下に置いていない地域の近くの街は、他国との隣接地点とされる場所よりも辛く厳しい日々を送っていた。
ただ人は、その地域の住人は蛮族達に蹂躙されたり、疫病に襲われたりするのをよしとしなかった。
まず初めに海獣や蛮族に対しては、灯台を何度かの襲撃と失敗から作り上げた。それでも、灯台を壊されたり攻撃されたりした。この事から人々は、灯台に兵器を置いた。まずは、大きな港を作った。更には、初期のバリスタなども港や他の辺境からが開発の原点だ。
人間は、己の危機に対してのみ頭の回る生き物だ。その頭が常時続いているのが“天才”と呼ばれる人種だ。
現にワイアットも国防や政治改革等を進めているが、それらの行動の本的な部分はで、自ワイアット身の保身から来ている点も多く、前世ですら娘の“マリー”が死んだと判明するまでは消極的な戦闘行動を指揮していた。例えを出すならば、ジオンに対する偽造紙幣・偽造軍票作戦やジオン首相のダルシア・バハロ等の穏健派(連邦からすれば十分な強硬派に含まれるが)に所属する野心家の心を揺さぶったりしていた。
話を元に戻すとゲルマニアの兵器開発は、辺境が主体となっているのだった。簡単な言い方をすれば槍やバリスタ等の兵器使用者つまりは、現場の声と戦闘教訓を取り入れた最新兵器や改修(マイナーチェンジ)品を作っているのだった。
その過程で火薬の研究も盛んに行われているのだった。火薬の発祥は、ロバ・アル・カリイエにある大国なのだが、ワイアットのロバ・アル・カリイエからの茶の苗木等の輸入により、ロバ・アル・カリイエとハルケギニアの東方貿易が大きな規模に発展した。
東方貿易が大きくなるにつれて、ロバ・アル・カリイエ産の火薬が安くなった。ゲルマニアの研究者は、この事に歓喜した。研究者達が、バリスタを金属で補強し火薬を原動力とした超兵器“グラーシーザ”をゲルマニアの派閥争い中の宮廷にもっていた。結果、強大な力を持つこの超兵器は、宮廷内では興味を持たれたが同時に敵対派閥に研究者らが着いたらば、縦んば味方に着いたとしても裏切ったらばと考えに至った各派閥の長が、各派閥を集める会合を開いた。
利害が一致すると敵対してても結束するものである。研究者達を辺境に帰し、更に首都ヴィンドボナに在住の兵器研究者達を北西の沿岸部等に派遣とは聞こえは良いものの実質的には、首都からの追放を言い渡したのだった。
これにより、辺境の開発力が増すとも知らずに…。
辺境(中央より北側、東側地域全体)は、基本的にゲルマニアと仲は良くない。他国の都市国家併合等と違いトリステインやガリア等と接する西部(沿岸部とブリティッシュ商会が食い込んでいない地域)と南部は、古くから従えて居たので比較的安定した土地なのだが、逆にその他の地域は近年武力制圧した都市国家ばかりなので、不安定だった。逆に言えば、発展していないのも不満の一つであり、土地の大きさの割には人口が少ない、東伐をして土地が増える、統治出来る者が少ない、荒れ地が多く開墾が困難で発展しないこの負の連鎖にゲルマニア南部、西部、首都近くを除いておちいっていた。
ゲルマニアは、表向きには帝政で通っているが内情は、連邦制国家に近い。
現ゲルマニア中央部を武力制圧する内に、中央部から以北と以東の地域は蛮族襲来や麦等穀類の不作が一因となり、以北と以東の都市国家や国が集まり連合を作り、その連合の外交官らが降伏(降伏内容としては、同盟に近い)した。この降伏が、ゲルマニア事情を難しくしていた。
ゲルマニアの首都は、蛮族との戦闘を考えてゲルマニアの南東部、地球で言うのならば、オーストリアのウィーンに在る。
ゲルマニアの極東部は、ポーランドの西部相当地に…最北端は、デンマーク(ユトランド半島の最北端は、蛮族に占領されている。近くにある島々は、トリステイン諜報局でも情報収集不可能だった。)相当地に在り、どの地点でも元々の貴族や王族、代表などが利害が絡み合い一触即発の様相に近いのだが、蛮族に対する反感で固まっていた。
尚且つ、ゲルマニアに対しての嫉妬、自分達と比べ肥沃な土地に一種の憧れや尊敬を持っていた。
そんな国々が、内側に存在するのである。当然、他国とは違い主力は東部に置き、転封された貴族を司令官に、東北部の者達に外敵と戦わせる。他にも他国と違うのは、厳しい土地柄と様々な内情が入り混ざった実力主義の貴族制である。
前述の通り蛮族の対抗するために、本当の忠義溢れる貴族や軍略の才がある貴族の大部分を東部に集結させていた。
他国との国境は、伝統的な暗黙の了解と馴れ合いや慣習で大幅に動く事がない。この事から、他国に対する警戒はあれども何処かで安心していた。国益や見栄、利権が関わる場合を除いてだが…
他国と言えども複雑に絡まりあった関係から、隣国を滅亡させるなどとはあり得ない事だった。だが、そのぬるま湯の如し慣習も蛮族とされる者達には、通用しない。だからこそ、東部に集中して戦力を配置しているのだ。
以上の事から、ゲルマニア東部の亜人等に対する感情は言葉には言い表せないものとなっていた。現に、政戦中であれ東部国境に対する支援や援助は、莫大なものだった。
これが更に、ゲルマニア内情を難しくするとは、今は誰も露にも知らない事である。
ゲルマニアの内情は、不穏な気配や臭いをさせていても、それなりに優秀な政治家達によって内部パワーバランスはどちらにも傾かずにいた。蛮族の問題と継承争いを除けば平穏そのものであった。
後書き
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スランプ辛い…
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