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ソードアート・オンライン〜Another story〜

作者:じーくw
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SAO編
  第43話 其々の想い


光に包まれた瞬間 一瞬の転送感覚に続き、エフェクト光が薄れた途端、シリカの視界に様々なな色彩の乱舞が飛び込んできた。
 目を開けたその先に広がっていた光景を見てシリカは。

「うわぁぁ………!」

 思わず歓声を上げていた。
 第47層主街区ゲート広場は無数の花々で溢れかえっていたのだ。円形の広場を細い通路が十字に貫き、それ以外の場所は煉瓦で囲まれた花壇となっていて、名も知れぬ草花が今が盛りと咲き誇っていた。

「すごい……とても綺麗、です……」

 シリカは、目を輝かせながら、この花で溢れる空間を魅入っていた。
 初めてこの層を訪れる者の大体が第一声にシリカと同じ感想をしている。

「この層は通称《フラワーガーデン》って呼ばれていて、街だけじゃなくフロア全体が花だらけなんだ。時間があったら、北の端にある《巨大花の森》にも行けるんだけどな」
「まぁ……、あそこに行くにはもう少し時間がいるからな。……それに花を愛でる為に行くとすれば、一瞬いっただけじゃ物足りないだろう?」
「あはは……そうですね? それはまたのお楽しみにします!」

 シリカは まだまだ素敵な場所があると言う事を訊き、また 行ければ良いな。と思いつつ、今は目の前に広がる花壇へと足を運び、そこにしゃがみ込んだ。
 その花は薄青い、現実世界で言う矢車草に似た花だった。シリカは、そのまま花の香りを楽しむ……そして、細部に至るまでの作りに驚いていた。もちろん、この花壇に咲く全ての花を含む全アインクラッドの植物や建築物が常時これだけの精緻なオブジェクトとして存在しているわけでは無い。
 ……そんな事をすればいかにSA0メインフレームが高性能であろうとも忽ちシステムリソースを使い果たしてしまう。それを回避しつつプレイヤーに現実世界並みのリアルな環境を提供する為に、SAOではあるシステムが搭載されているのだ。

 それの名は《ディティール・フォーカシング・システム》

 プレイヤーがあるオブジェクトに興味を示し、視線を凝らした瞬間、その対象物にのみリアルなディティールを与えてくれると言う仕様。シリカはその話を聞いて依頼、次々と色々なものに興味を向ける行為はシステムに無用な負荷をかけているような強迫概念に囚われていて気が引けていたのだが……。
 この層の、この素敵な景色を見てしまえば、思わず忘れてしまった。この時だけは、この一瞬だけでもそれを忘れて、心ゆくまで香りを楽しんでいたいと思っていたから。

 そして、漸くして立ち上がると……シリカは改めて周囲を見回した。

 花の間の尾道を歩く人影は見ればほとんどが男女の2人連れだ。それも……皆がしっかりと手をつなぎ……あるいは腕を組み……、とても楽しそうに談笑をしながら歩いていた。
 それらが、連想させる言葉は1つしかなかった。

(――ここって……、もしかして、デートスポット???)

 そう認識した途端に、シリカは顔を真っ赤にさせた。

(あたしの状況って……これって両手に花……?いや……《花》って言葉じゃなかったような……。)

 所謂今の自分の状況は、左右にキリトとリュウキがいる。……シリカは言葉を捜すことよりも今のこの状況を理解してシリカは、思わず慌ててしまっていた。

(ってあたしは何をっ!!)

 思わず火照りを誤魔化すように、シリカはすくっ!っと立ち上がると。

「さ……さぁ!フィールドに行きましょう!」
「??」
「う、うん」

 キリトは目をぱちくりさせて、シリカを見て頷き。勿論、リュウキもよくわかってないような表情をしていた。いや、この時 キリトもよく判っていないようだろう。
 判らないが とりあえず、シリカの両隣へと向かい歩き始めた。

 ゲート広場を出ても街のメインストリートも花に埋め尽くされており。その中を並んで進んでいた。この時、シリカは2人に気づかれないようにそっと……2人の顔を見ていた。そして 思い出すのは2人に出会った時の事。
 それが、まだ1日もたっていないと言うのが自分でも信じられない。それほどまでに、2人の存在が自分の中で大きくなっているのだ。でも、2人は? 2人はどう思っているのだろうと窺ってみたかった。
 だからシリカは、2人の顔を交互に見ていたのだ。

 キリトは謎めいている所がある。いや、それを言えばリュウキも同様だろう。
 この2人は、似た者同士と言うのが一番しっくりとくる。

 いや……、その2人の中でどちらが?と言えば何処と無くリュウキの方が……わからなかったりする。シリカは、自分を助けてくれた理由にもあった、《大切な人》と言うのも気になっていた。
 その点、キリトは明確であり、《妹》がいるって言っていた。
 
 その……自分に似ていると言う。

(――……聞いてみたい……なぁ。ふたりのこと………)

 シリカは暫く躊躇した後、思い切って口を開いていた。

「あ……あのっ。キリトさん」

 先ずは、キリトの方から聞いていた。その順に関しては、理由は特に無かった。
 2人のことをもっと知りたいから、シリカは聞いていた。

「妹さんのこと、聞いて良いですか……? 現実の事、聞くのはマナー違反だってわかっているんですけど……その、私に似ているって言う妹さんの事……」

 キリトは一瞬顔をしかめたが、直ぐにふぅ……とため息を吐く。

「……仲はあまりよくなかったな……」

 ぽつりぽつりと話し始めた。

「妹って言ったけど、本当は従妹なんだ。事情があって、彼女が生まれたときから一緒に育ったから向こうは知らない筈だけどね。でも そのせいかな……どうしても俺の方から距離を作っちゃってさ。顔を合わすの……避けていた」

 嘆息……微かにだが、キリトから伝わってきた。懊悩を抱えている、と思っていたから。

「……それに 祖父が厳しい人でね。オレと妹は、オレが8歳の時に強制的に近所の剣道長に通わされたんだけど、オレはどうにも馴染めなくて2年で止めちゃったんだ。じいさんにそりゃあ殴られて……。そしたら妹が大泣きしながら『自分が2人分頑張るから叩かないで』 って俺を庇ってさ。オレはそれからコンピューターにどっぷりに なっちゃったんだけど、本当に妹は剣道打ち込んで、祖父が亡くなるちょっと前には 全国で良いトコまでいくようになっていた。……きっと、じいさんも満足だっただろうな……。だから、オレはずっと彼女に引け目を感じていた。本当はあいつにも他にやりたい事があったんじゃないか、俺を恨んでいるんじゃないかって。そう思うとつい余計に避けちゃって……そのまま、SAO(ここ)へ来てしまったんだ」

 キリトは言葉を止めると、そっとシリカの顔を見下ろした。

「だから、君を助けたくなったのは、俺の勝手な自己満足なのかもしれない。妹への罪滅ぼしをしている気になっているのかもしれないな。……ごめんな」

 シリカは、一人っ子だった。
 だから、キリトの言う事は完全に理解できなかったが、何故だろうか? シリカにはキリトの妹の気持ちはわかる気がしたんだ。

「……妹さん、キリトさんを恨んでなんかいなかった、と想います。何でも好きじゃないのに、頑張れる事なんかありませんよ。きっと、剣道、ほんとに好きなんですよ。好きに、なったんだと思いますよ!」

 一生懸命言葉を捜しながらシリカがそう答えた。言葉を探しはしたけれど、これは決して嘘偽りのない本心だ。

「その意見にはオレも同意だ……」

 そして、 キリトの話を黙って聞いていたリュウキも答えていた。

「とは言っても、オレはよく知らないし、経験が特段ある訳じゃない、が キリトも2年間はやったんだろう? ……そんなに甘いものなのか? 剣道というのは。……偉そうに言うつもりは無いが、浮ついた理由で打ち込んだとしても、そんなに《上》に上がれる様な 安いものは無いと思える。それはどんなジャンルでもそうだ。……だから、スポーツにしても、なんにしてもな。」

 リュウキ自身はシリカのように言葉を選んだりはしてない。本当の素の気持ちを答えただけだった。
だから、彼にはあまり裏表と言うモノが感じられないのだ。そこが良い所でもある、とキリトは思っていた。そして、シリカの言葉にも、とても感謝をした。

「ははは……。なんだか、オレばかり慰められてばかりだな。……そうかな。そうだと良いな」

 シリカはリュウキの顔を見て、ウインクをした。リュウキも両目を閉じ、シリカに答える仕草をした。ただ、リュウキは思った事を言っただけだが……キリトの表情が柔らかく、先ほどよりも良い顔になった事は理解できたから。

「でも、人それぞれ……色々あるよな」

 リュウキはそう呟いていた。それは、考えて言った言葉じゃない。
……自然と出ていたのだ。そして、顔も何処か上の空になってしまっている。

「……リュウキさん?」

 シリカはそんなリュウキに気がついていた。
 そしてキリトも同様だった。

「そういえば、リュウキはどうなんだ……?あの時、大切な人って言っていたけど」

 キリトがそう聞いていた。

 自分の内を明かした。

 そう言う条件があったり、示し合わせたわけじゃないんだけれどリュウキの事を知りたいとも思ったんだ。キリトもシリカ同様に。
 だけど、詮索しあうのは、正直嫌だ。
 断られたら、それで諦めるが、話を聞かせてくれれば、嬉しい。それは、自分の事を信頼してくれているとも思えるから。

――……心を開いてくれている、と思えるから。

 この世界において……それは何より大切だと思うから。何より《リュウキ》と言う男はキリトにとっても、それほどまでの人物だから。

「そうですね。あたしも 気になりました。そのリュウキさんの《大切な人》。どんな人なんですか?」

 シリカもキリトに続いた。
キリト程、考えていたわけではないが、最初から2人の事をもっとよく知りたいと思っていたんだ。それに、『女性は守るもの』だと教えて聞かせてくれる人は、きっと素敵な人だと、そうもシリカは思っていた。

「ん……」

 リュウキにも2人のことは伝わっている様だ。『自分の事を知りたい』と。そして、キリトも話してくれた。リュウキは、普段なら、ただのゲームでは当然だがは話さない。
 自分の事など、それも現実の事など。

 これまでも、そんな事はあったことない。
 自分からも聞いたこともないし、興味が無い、訊きたくもない事だった。
 
 だけど……リュウキの方も、何処か キリトのことは訊いてみたかった。決して自分からは聞かないが……聞いてみたかったんだ。
 それだけ、気を許している。……信頼をしてくれている。

 リュウキ自身もそう思えていたから。

「……そうだな。オレだけだんまりは、フェアじゃないか」

 リュウキは……この世界の空を眺めた。
 そして第一声、その言葉に、皆戸惑いを隠せなかった。

「現実世界で、オレには肉親はいないんだ」

 そして、キリト同様に、リュウキもぽつりと始めていた。


「どこから言えば良いかな……。オレは幼い頃から……といってもそんな年齢に達してるわけじゃないが、小さな頃からコンピューター関係の仕事をしていた。コンピューターと共に育ってきた。と言っても過言じゃない程にだ。……ただその過程で技術だけが、備わってきたんだ。……プログラミング技術。それが中でも一線を凌駕するようになってな。色々な仕事をしてきたよ。……何年も何年も。だからかな?はっきりわからないが、多分。お前達が不思議がっている力。ここでも発揮されているんだ。デジタルコードの解析……だな。所詮は仮想空間と言ってもデジタルだから」

 リュウキの言葉。キリトは、以前にも聴いたことがあった。
 自身の能力、この世界での力。他のプレイヤーにはない能力は、10年以上の歳月を経て身につけたとも言っていた。
 そして、製作側の人間である事も言っていた。キリトの中で リュウキの事、これまでに判っていた事が 全て繋がってきた。

 シリカにはまだよくわかってなかったから、話に集中をしていた。

「まあ……、ただ 普通の仕事ばかりしていれば良かったんだけどな……。つい数年前の事だ。結構……不味い仕事をすることになってた。結構踏み込んだ所までの仕事を、な……」

 リュウキの表情は一気に強張った。

「オレには肉親はいないが、信頼できる人はいたんだ。同じ家に住んで……、色々と世話をやいてくれる人が。仕事については、サポートしてくれるくらいで、そこまで踏み込んだ話はしなかった。オレ自身もオレの力なら……サポートなんていらない。何でも出来るって粋がってたよ」

 言い終えると同時にリュウキの顔が、更に歪んだ。

「そして、オレは失敗した。致命的なミスを犯した。そのせいで………」

 リュウキは、そこから先の話は……口を噤んでいた。これ以上は、思い出したくない事なのだろう。そして話をしたくない事だと。

「色々とあった。だけど……こんなオレを支えてくれたのが、その一緒に暮らしている《大切な人》……だ。オレにとって親も同然の人。その人が色々教えてくれたんだ。その中に、『女性は大切にしろ、守るものだ』と言うのも言っていた。……正直 オレにそんな場面に遭遇する機会はあまり無いと思うとも言われたが……。まあ、そんな場面があったみたいなんでな。だから、きっと教えを守っているだけみたいだ」

 リュウキは軽く笑うと、2人の方を見た。

「他人のことは本当に言えない。オレだって、同じだ。オレは本心からシリカを助けたい……と思っていないのかもしれないから。……だから、礼を言う必要は無い。キリトが言うように目的とかぶらないわけでもない……オレにとっては、『目的と教え』 多分、それだけなのかもしれないな」

 次には笑みが消えて少し寂しそうにしていた。
 さっき、キリトを励ますように言っていた姿が……もう見る影も無いと思う。

「そんな………」
 
 シリカは……流石に言葉が出てこなかった。
 リュウキは、自分に想像もつかないことを経験しているんだ。確かに、何かあるだろうと思ってはいた。でも、それは文字通り想像以上だった。

(親がいない……? 致命的なミス……? こんな……自分とそんなに変わらない歳(と思う)の男の子が、一体どれだけのことがあったの……? なんて……言えば……)

 シリカが自問自答を繰り返していた時だ。

「リュウキ」

 キリトの方からリュウキに声をかけていた。

「……ん?」

リュウキはキリトの方を見た。

 「お前の事……少し知れた気がするよ」

 キリトはそう言うと、続けた。

「励まされた相手を励まし返す、なんてちょっと変だが、オレはお前以上に優しいプレイヤーを、人を見たこと無いと思うぜ? そして、これまでで多分。オレと同じ、基本ソロのお前。オレが一番お前との付き合いが長いと思う……。目的とその教えだけ、とは思えないがな。さっき言ったように、オレと同じ……な」

 そう言い終えると、キリトは最後には笑っていた。

「そう、か……?」

 リュウキはキリトに……聞くように返した。

「そうですよっ!!」

 シリカがキリトに続くように言った。
 言葉が上手く出てこないけれど、キリトが先に言ってくれたと言う事もあり、勇気が持てたのだ。だから、シリカは必死に言葉を繋げる事が出来た。

「さっきだって、リュウキさんっ認めてくれなかったけれど、あたしの為に……あたしの為にあの人の前に立ってくれたじゃないですかっ! リュウキさんはとても優しい人です! キリトさんもリュウキさんも。あたしの恩人ですっ! だって、だって…… あたしを……助けてくれたもん!」

 シリカの必死な言葉は2人には伝わる。痛い程、伝わってくる。2人とも、励ましてくれている。それは、よく判った。
 嘘偽りの無い言葉というものがよく判ったのだ。

「……ん。ありがとう。2人とも」

 だから、自然に礼を言う事が出来ていたのだ。感謝の言葉を言う事が。
 正直、感謝を言うのは、あまり記憶が無い。こうやって直接的になんて。この世界に来て本当に沢山の事が経験出来る。


「あっ……」

 シリカはその顔を見て、表情を緩めた。
 真剣に言葉を探し……どんな言葉を言えば良いのかわからなかったから。そのリュウキの顔を見て、本当に嬉しかった。自分がまるで慰められた様にだ。

「お互い様……だな」
「ああ、まったくな」

 キリトとリュウキ、2人とも互いに笑っていた。

「よ、よかったぁ……」

 2人の表情を見てシリカもほっと撫で下ろしていた。自分が、訊いてみたい、と思ってしまったから、訊いてしまったから、表情を暗めてしまったのだ。だから、元の表情に戻ってくれた事に、心底安心したのだ。

「……悪い。空気を悪くしたな」

 リュウキはシリカにそう言っていた。

「いえっ!リュウキさん、元気になってくれて嬉しいですっ!」

 彼女の素直な気持ち、それも凄く嬉しい。

「そうか…… 本当にありがとうな」

 だから、シリカに、礼を言っていた。言葉を考えるよりも早く。

「いえ……っ お礼を言いたいのはあたしの方ですから……っ!」

 シリカはややオーバーアクションを取りながら、慌てていた。ここまで、礼を言われるとは思ってなかった様で、照れてしまっていた。そんなオーバーなリアクションの仕草をする理由がわからないリュウキはただ首を傾げるだけで、それを見たキリトも自然と笑みに包まれる。

「それは……笑うところなのか?」

 リュウキは、その事はどうしてもわからないようだ。笑っているキリトにリュウキは聞いていた。

「あっ……は、はい!!  そうですよね? キリトさんっ!」

 シリカは、キリトに同意を求めていた。ひょっとしたら……今見てみたいものが、リュウキの笑顔も見れるかもしれないから。

「ああ、そうだな。笑う所だ」

 キリトはリュウキを見て、そういった。キリトも、シリカと同じような気持ちだったようだ

「……そうか」

 リュウキの表情が徐々に変化していった。それは……歳相応、とまではいかないが。
 今までで、一番の笑顔だった。

「わぁ……!」

 シリカはその表情を見れて、嬉しいのと、恥ずかしいのでいっぱいになったようだ。それだけ魅力的な笑顔だったから。まるで花開くかの様な……。

「ん??」

 リュウキは戸惑う。
 笑う所だと言っていたから、笑うのはわかる。だが、判らない事もあった。

「どうした? 顔が赤いぞ?」

 それがわからないのだ。熱でもあるのか?とも思えたが、ここは仮想空間。
流石にそう言う現象は実装されていないのだ。

「ひえっ……! な、なんでもないですよっ」

 シリカは、必死に顔を戻そうと努力?を。そして、両手を顔の前でブンブン振っていた。

「ははは、2人とも そろそろフィールドにでるぞ。」

 少し前で微笑ましそうに見ていたキリトは2人にそう告げる。とりあえず、フィールドではもう少し緊張感が欲しいところだから。

「ああ、そうか」

 リュウキは直ぐにスイッチを入れたが。

「は……はいっ!」
 
 シリカは中々そうはいかないようだった。 

 だけど、足をフィールドに踏み入れながら、何とか戻す事が出来たのだった。

 
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