インフィニット・ストラトス~IS学園に技術者を放り込んでみた~
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本編
第17話「迷子の迷子の○○ちゃん。貴女の行先どこですか?」
<食堂>
鈴音
「ああっ! あんた達!!!」
おおう!? どうした鈴、急に大きな声を出して
鏡也
「ありゃ? 昨日のチャイナっ娘だ」
ケイン
「あ、ホントだ」
あれ?
一夏
「お二人とも鈴のことを知ってるんですか?」
ケイン
「昨日ちょっとな~」
へ~、そうなんだ…
ん? ってことは鈴は昨日からIS学園に着いてたのか…。
鈴音
「…あんた達ここの生徒だったんだ。泥だらけの作業着を着てたから、清掃員の人かと思ってたわ」
鏡也
「ああ、アレは昨日どっかの誰かさんがアリーナに大穴を開けてくれてね~(チラッ」
ケイン
「そうそう、その修復作業で泥だらけになったんだよ(チラッ」
うっ、それって俺のことだよな…。
チラチラとこっちのほう見てるし……耳が痛いとはこのことか!
鏡也&本音&ケイン
「「別に上手くないぞ(ないよ~)」」
うっなぜ心の声が
鏡也&本音&ケイン
「「顔に出てる(~)」」
マジか!? ってこのやり取り二回目じゃね?
鈴音
「ってそれよりも昨日はよくも間違った道を教えたわね!!」
え? 間違った道?
鏡也
「何を言ってるんだ? 俺達はちゃんと(遠回りの道を)教えたよなケイン」
ケイン
「ああ、ちゃんと丁寧に(複雑な道のりを)教えたぜ」
…なんだろう。
先輩方の言葉に伏線を感じる。
鈴音
「そんなわけないでしょう!! あんた達のせいで昨日あたしは恥をかいたんだから!!」
恥って……
一夏
「昨日何かあったのか?」
鈴音
「うっ、そ、それは……」
―――
――
―
<IS学園総合窓口 夕方>
和輝
『…佐伯嬢』
受付嬢(本名:佐伯美和子)
『あら、水瀬君こんばんわ』
和輝
『迷子の子猫を連れてきました』
鈴音
『はぁっ!? だ、だれが子猫よ!! それに迷っても無い!!』
受付嬢
『あら、ありがとう。探す手間が省けたわ(助かったわ)』
鈴音
『そこっ、本音と建前が逆ッ!!』
受付嬢
『駅前からここまでそんなに複雑じゃなかったと思うけれど、どこにいたのかしら?』
鈴音
『コラー、無視するなー!!』
和輝
『どうもあっちこっち動き回った結果迷子となり、ポイントα7で半泣きでいた所を保護した」
受付係りの女性
『あらあら…』
鈴音
『ちょ、なにストレートに言ってんのよ!! もうちょっとオブラートに包んでもいいでしょうがっ!! それと泣いてないわ! ただちょっと眼から汗が流れただけよ!!』
受付係りの女性
『(それって結果的に涙を流したって言ってるようなものよね…)』
鈴音
『あんたのせいで変な誤解が流れたらどうしてくれるのよ!! ちゃんと言いなおして!!!』
和輝
『フム…………。どうやら彼女は初めて訪れる土地に大変心躍らせ、その好奇心や冒険心を抑えられずに雄叫びをあげて横道へと飛び出し、猫のようにあっちへほいほい、こっちへほいほいと気まぐれに歩き回った結果、非常に不本意ながら現在地がわからなくなってしまい――』
鈴音
『ぁぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!??? やめて、本当にあたしが悪かったからもうやめてぇえええ!!!! あたしのLPは0なのよっ!!!!』
和輝
『――自力で帰れるところをたまたま通りかかった俺の余計なお節介でこちらまで案内させて頂いた次第です』
受付嬢
『ブフッ、クッ…、それじゃあ、こねk―凰さん、こ、こちらにサイン、ぶはっw、を、おねがいしまs …www』
鈴音
『殺せ!! いっその事殺してぇぇぇえええっ!!』
和輝
『それでは俺はこれで失礼しいします』
受付嬢
『はい。ふぁn―迷子の子猫ちゃんはこちらにお任せて♪ ブフッ…ww』
鈴音
『ちょっと!? なんでわざわざ言い直したのよっ!? あといつまで笑ってんの!!』
和輝
『………(スタスタスタッ』
鈴音
『って何であんた何も言わずに立ち去ってるのよ!! せめて何か言ってよ!! コラー!!!』
受付嬢
『では、凰鈴音さん。こちらの番号が貴女の部屋になります』
鈴音
『いい加減にしろーーー!!!!!!』
―――
――
―
鈴音
「な、なんでもないわ///」
一夏
「は? いや、さっき…」
鈴音
「なんでもないの!! いいから忘れなさい!!!」
一夏
「…なんなんだよ」
因みに、この話は昨日の夕食時に男子寮にいたメンバーのほぼ全員がその話を聞いており、大爆笑してたりする。
鈴音
「さあ、謝んなさいよ!!」
一夏
「おい鈴、先輩に対してその口の利き方はないだろ…」
ケイン
「と、言われてもな…」
鏡也
「というかだ、IS学園の生徒手帳には道に迷った時用に簡易マップや発信器がついてるんだから、最初からそれを使えばいいだろう」
一夏
「え? そんなのついてるんですか?」
鏡也
「ああ、入学してすぐのやつらは大体道に迷うからな。あと、学生証をモニター付近の機械に翳せば、機密区域を除いた詳細な地図が表示できるし、ナビゲーションで教えてくれる。それにPCルームの端末とかも学生証や専用のカードを差し込み口に入れないと使用できないようになってるぞ」
一夏
「そ、そうだったのか、全然知らなかった」
鏡也
「一応、学校の見取り図や施設なんかは学外には機密になってるからな。無くしたりしたら最悪退学処分になるんだよ」
一夏
「げっ!?」
マジかよ、一昨日どこに置いたか忘れて危うく無くしかけてた。
今度から、絶対に無くさないようにしないと
ケイン
「…織斑みたいに納得顔してるやつらはちゃんと読んで無いんだな~」
[サッ]
ケインさんの言葉に、箒や鈴音を始めとした複数名の女生徒が顔を背けた。
おいおい、みんな…
鏡也
「因みにだ。学生証に訓練機使用届をインストールしておくと、いちいち何十枚もの申込書にサインしなくても、ソレを翳せば楽に申し込むことができたりする」
女生徒's
「「「「「「「721っ!!」」」」」」」
その言葉に食堂にいた多くの1年生が驚きの声をあげた。
癒子
「ど、どうりで先輩方の申し込みが速いわけだ…」
女生徒A
「今すぐコンピュータ室でインストールしよっ!」
女生徒B
「わ、私も!!」
我先にと言わんばかりに複数の女生徒が食堂から立ち去っていく。
すげーな、軽く地響きが聞こえるよ。
鏡也
「まぁ、インストールしても試験問題を9割以上とらないと使えないんだけどね (ボソッ」
あ、悪魔だ。
皆が立ち去ったあとにサラリと重要な部分をボソッと呟いたよこの人。
本音
「きょ~ちゃん、私知らないよ~そんなこと~」
鏡也
「聞かれなかったからな♪」
本音
「ぶ~」
ああ、なんだろう。
のほほんさんに凄い癒される。
のほほんさん、マジのほほんさん。
[スパーンッ]
あいたっ!?
【オマケ】
鈴と別れたあとの男子寮のくだり…
和輝
「――ということが今さっきあった」
大賀
「ブハハハハッwww」←大爆笑
鏡也
「ナ、ナイスだ和輝www」←爆笑
ケイン
「その天然ナイフに痺れて憧れるぜwww」←爆笑
お母さん(仮)
「何やってるんですか和輝先輩…」←苦笑
和輝
「? なにかおかしかったか?」←不思議そうな顔
お母さん(仮)
「……いえ、なんでもないです」←諦めた顔
小璘
「鈴ちゃん……」←可愛そうな顔
お母さん(仮)
「ところで、何で鏡也先輩たちは遠回りの道を教えたんですか?」
ケイン
「いや~穴埋めが終わって疲れてる所に高圧的な態度で案内しろって言われてさ~」
鏡也
「ついイラッときてやっちゃった♪」
小璘
「やっちゃったって……」
鏡也&ケイン
「「反省はしてない。でも後悔もしてない!!(ドヤッ」」
お母さん(仮)
「反省も後悔もしろぉぉぉっ!!!」
[スパァァァンッ!!]
[スパァァァンッ!!]
後書き
【補足】
◆IS学園生徒手帳
緊急連絡先や特記事項以外にも簡易マップ等が書かれているやや分厚い生徒手帳
◆IS学園学生証
特殊マイクロチップや発信器を内蔵したカード
発信器には道に迷った時用以外にも生徒がどこにいたのかを記録する意味合いもある。
また、複数の機能をインストールすることができ、その中には“訓練機使用届”や“特定の部屋への入退室”などがある。
ただし、インストールするにも特定の条件をこなさなければならない。
ついでに言うと、学園にある特殊機器以外でカード内にアクセスしようとすると、どこかの黒ずくめの組織みたいなウィルスがPCやらHDDを食い荒らす仕組みになっている。
<初期>
簡易型電子マップ表示機能
IS学園入出記録
<条件付きでインストール可>
訓練機申込届
整備室入室許可証
○○部入室許可証
<特定の人物専用>
生徒会室入室許可証
理事長室入室許可証
立入禁止区域入室許可証
IS及びIS武装保管所入室許可書
◆佐伯美和子
IS学園総合窓口の受付嬢
25歳独身で彼氏募集中
多分もう出番はない
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