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恋姫~如水伝~

作者:ツカ
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二十二話

連合の解散からしばらく経った。
華琳や如水の予言したとおり、諸侯同士の小競り合いや紛争が相次ぎ、治安が悪化し盗賊らが増えた。
幸いにも曹操の領内ではまだそれだけ深刻な問題となっていないがそれも時間の問題だろう。
曹操は広大な領土と、拡大した軍を整備する為、軍の大編成を行った。

まず、第一の将軍として春蘭が任命され
次席には新たに配下となった張遼、真名を霞が抜擢された。
序列三位には秋蘭が任命させ
如水は序列四位に任命し、更に首席軍師も兼任した

そして賈駆、真名を詠が加わった事で、如水は内政の文官の任を解かれ新たに、外交交渉責任者を命じらせた。
更に、従来の部署を大きく改変し、情報部長官と技術開発の責任者に任命した。

そして董卓。真名、月の処遇は如水に預けられ如水の指導部署の医療班の責任者に就く事を命じられた。

城内のある棟

予算の拡大で外れの小屋から城の一角に与えられた技術開発室、そこで如水は真桜と共に鉄玉と火箭の二つを改良し、量産していた。

「先生、火箭五百何とか量産できたで。この調子やと華琳様に言われてた目標の四千まで二月ほどや」
「こちらも鉄玉千個量産できた。君の言った様に綿を詰めた箱に入れれば輸送時の誤爆は防げるようだ」

二人で完成させた設計図を元に城内の鍛冶職人らに華琳の許可を取り、製造を依頼した。
だが火薬の生産のほうは信頼できる百人にのみ製造法を教え量産していった。

一方で医療の所にも力を入れた。

「如水さん、この水は何ですか」
そこに配属された月は如水に質問した
「ああ、この水は蒸留水と言って綺麗な水だ飲んでみるといい」
如水に言われるまま飲んだ月は感動した。
「すごいです、あの泥水がこんなに美味しく飲めるなんて」
「ああ、この水を使えば治療も上手くいくかもしれん」
「そうですね、水が悪くて治らなかった人、私も何人も見てきました」
「蒸留水の作り方を教えるから今度は君が作ってみてくれ」
「はいっ!」

その一方で如水は他勢力の内情を探っていた。

連合から逃げた呂布は南方の城に兵をつれ逃れた。
その事を華琳に話した如水だったが華琳は対して興味を持たなかった。
「呂布は確かに強いわ、でも奴の頭には野心がなさそうだった今は放って置きなさい、それよりも注意すべきはあの馬鹿二人よ」

華琳の言葉に納得した如水はその二人の情報を多く集めた。
「今一番の問題は袁紹と袁術か、離反した者や敵対した者の倒滅に躍起になっている。その中でも気になるのは、孫策と公孫賛だな」

如水の情報では、孫策は未だに袁術に従っていた、おそらく兵と財を借り自身の領土を拡大するまでは大人しく従う気だろう。
袁紹は既に公孫賛と戦いをする気だった、戦力差を考えるとどうやっても公孫賛の負けだろうが彼女は烏桓族の押さえとなっている。袁紹が考えなしに公孫賛を攻め潰せば何が起きるかわからないと思い手を打っておこうと考え、華琳の許可を取りある場所に向かおうとした

「袁紹に対しての何か考えがあるのね」
「ああ、その前に一つ聞きたいが、袁紹が河北四州を手に入れたら次は隣接する、劉備と君のどこに向かうと思う」
「間違いなくここね、あいつは小さな宝箱と大きな宝箱どちらを選べと言われたら、迷い無く大きな方を選ぶわ」
「そうか、予想どうりだが。…君はどうなんだ」
「もちろん両方奪うわ。貴方は」
「私はその奪い方を考える方が好きだが、宝箱そのものには余り興味が無いな」
「ほとんど変人ね貴方」
「強欲な君程じゃない」
主従二人が笑い華琳は如水の長期の留守を許し、その場での全権を与え向かわせた。

烏桓族集落

如水ははるばる烏桓族の集落に訪ね、曹操に協力する様に頼んだ。
その為の品物と如水の人柄を気に入り彼らは一族を挙げて曹操に味方すると約束してくれた。
そして今までの者らと違い力を借りるだけでなく、こちらの身の安全の保証と自治権を公認してくれた事に感謝し、いずれ胡を挙げて曹操に味方すると伝えて欲しいと言って来た。

華琳私室

無事帰ってきた如水を労う為、華琳は私室に呼び食事を共に取った。
「上手くいったみたいね」
「ああ、私が異民族というのも関係しているのだろう」
「それだけじゃないと思うけど、でもこれで麗羽を牽制出来るわね」
「ああ、そうなれば袁紹といえど上手く動けんだろう」
「ご苦労様、明日、一日休んで良いわよ」
「そうか、では久しぶりに休ませてもらおう」

翌日、如水は凪達の出身の里に入り、村夫子の様に子供に文字を教えたり、一緒に遊んだりして過ごした。そして、三人の家族に活躍を報告し食事をご馳走して貰っていた。
夕方になると城から凪達が迎えに来た為惜しまれつつも城に戻った。
 
 

 
後書き
ろ過のくだりと烏桓族の設定変えました。 
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