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恋姫~如水伝~

作者:ツカ
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二十三話

 
前書き
色々愚痴を書いてしまいましたが。
応援してくれる人の為、頑張ります。

袁紹らの戦いあたりからかなり変わるので、納得いかない人は本当に読まなくて結構です。 

 
曹操の下に急使が届いた、公孫賛を落とした袁紹が曹操の領内に大軍を向けたとの報である。
自身は以前の諜報で公孫賛は兼ねてより親交の逢った劉備の元に逃げたらしい。
「まずいわ、今、殆どの部隊が出払っているから。とても迎え撃てないわ」
現在曹操軍は、各地で起きた盗賊団等や各諸侯の紛争の進出を阻む為に華琳の手元には三千程しか残って居なかった
「旗は?」
「旗印は袁、文、顔。主力を揃えた様です。数は、およそ三万」
「どうするのです、華琳様」
「そうね、袁紹軍は何処へ向かっているの」
華琳は桂花に質問した。
「一番薄い城に向かいました。城兵は七百しか居ません」
「七百、一日も持たんではないか」
「まずいわよ、そこを破られたら袁紹は他の城を内側から攻める事ができるわ。そうなればこちらが立て直せる時間が益々無くなるわ」
桂花の答えに春蘭は驚愕し、詠は最悪の状況を語った。
「そうね、城の指揮官に連絡を取りなさい」
華琳の言葉に桂花と詠が気まずそうに語った。
「それが、援軍の必要なしとの事です」
「はい、何度も連絡しましたが城兵も同じ意見だとか」

その言葉を聞き居合わせた者は混乱したが、如水は初めて喋った
「中々やりますねその二人、三万相手に七百では私でも十日しか持たないが、援軍の必要なしとはとても言えません」
「如水!何を考えている」
「そうです、存亡の瀬戸際ですよ」
秋蘭と桂花が如水の態度に怒鳴った
「皆さん、冷静に考えた下さい。袁紹の軍勢は河北四州をこぞって数えれば十万は越えます。それが袁紹の出陣だというのに三万。全体の三分の一も居ません、残りはおそらく公孫賛の戦いで疲弊したのでしょう。とりあえず、袁紹の新領地はまだ地固めが済んでいません。私が感心したのはそれを見抜いた指揮官です。それに、七百人の兵がその指示に従ったのは驚嘆すべき事です。私が一兵卒なら逃げますよ」
如水の意見を聞き華琳も賛同した。
「そうね、それを考えると三万の兵の大半は偵察と言って良いでしょう。あれは派手好きだから」
「偵察に三万も動かしかますか」
「不思議では無いでしょう。威力偵察と言って、相手への威圧行為ですから。ただ袁紹がそれを出来るかは別ですが」
「どういう事だ」
「既に、手は打ちました。胡に話をつけ袁紹領に侵攻せよと送りました。幸いにも牽制だけなので向こうも快諾して頂きました。これで袁紹は引き上げます、そして今回こちらは何も出来なかった。袁紹の性格から言っておそらく、こちらを見くびるでしょう。今はそう思わせておけば良いですよ」
「そうね、決戦まで奴に見くびらせておけばいいでしょう。桂花、詠。城の指揮官の名は」
「程昱と郭嘉の2名です」
「両名とも比較的新しく志願した者です」
「なら、袁紹が去った後、こちらに呼びなさい。皆の前で今回の行動の理由を説明して貰うわ…でないと、納得出来ないでしょうから」
「…承知しました」
「直ぐに連絡を送ります」
「皆勝手に兵を動かさない事、これに逆らう者は斬刑に処すわ、良いわね」
その言葉で解散し全員、万が一に備え、出来る限りの兵力を陳留に集めた。

そんな中、春蘭が如水に話しかけてきた。
「なあ如水、華琳様の前で言ったのはどういう事だ簡単に説明してくれ」
「いいですよ、要するに後ろから攻撃されたら袁紹も嫌だという事です」
「なんだ、そう言う事か」
と言って上機嫌で去って行った。
「…戦いにおいての心構えは変わった様だか、単純さは相変わらずか。まあそれでこそ筆頭将軍が務まるのだろう」
如水は自分は死にかけて変わった所もあるが、どうやら今でも自分の性格の根本は変わっていない事を考え、春蘭も似たようなものだろうと思った。

翌日

袁紹軍が去った後、華琳は程昱と郭嘉の二名を城に呼んだ。如水が驚いたのは、その二人が昔、この世界に来た時に助けてくれた三人の内の二人だとわかった。
「お久しぶりです、あの時は命を助けで頂き有難うございました」
「いえ、私達は何もしていません」
「そうです~。それにあの時のお兄さんが空の奇術師とは思いませんでした。今度、華雄との戦いの事を教えて下さい」
「この二人がいつぞや貴方を助けた、旅の者ね。まあ、雑談は後にして、程昱と郭嘉の意見を聞かせて」

二人の言った事は如水や華琳の憶測したとおりだった。
「まさか、そこまで見抜かれているとは思いませんでした。流石は曹操様ですね」
「はい、しかし御二人と同じ考えを持てた事を誇りに思いたいです」
「謙遜しなくていいわ、それより今後二人は城に戻らず私の軍師として働きなさい。二人共、真名は」
「風と言います。ぜひ喜んで」
「稟と言います。身に余る光栄、必ずや期待に答えましょう」
「私の事は華琳と呼びなさい。それと、二人共。治政には詳しい?」
「はい~」
「書で読んだだけですが自身はあります」
「なら、桂花と詠と共に文官としても務めなさい。以上解散!」

会議が終わった後、風と稟が如水に話しかけてきた。
「お兄さんが、天の遣いですね。今じゃ、水色策士、空の奇術師と呼ばれていますから、そんな方と一緒に働けて嬉しいです。どうか真名で呼んで下さい」
「私もです、稟とお呼び下さい。伝え聞く、如水殿の采配。まじかで見れるとは曹操様に仕える事と並ぶ光栄です」
「有難うございます。しかし風。お兄さんは止めてくれませんか」
「何故ですか?」
「私は妻も子供も居ますし、その息子も子を持ち。私には孫も居ますのでその呼び方は少し、抵抗がありまして」

如水の発言にその場に居た全員が混乱し、華琳ですら凍りついた。
「その若さで孫が居るのですか凄いですね」
そんな中、風だけは取り乱さなかった。
「私はこれでも五十九歳でした、こちらに来てから三年は経ちましたから。もう六十二ですね」
「でも、見た目はそんなに御年には見えないのでやっぱり、お兄さんと呼ばせてもらいます」
「…仕方が無いですね」
「ありがとうございます」

二人の会話が終わるのを待ち、華琳は意を決して話しかけた。
「如水。貴方、…結婚していたの?」
「あれ、言ってませんでした」
「聞いてないわよ!!全く、そういう大事な事は直ぐに知らせなさい」
「華琳、なぜ怒っている?。それにその事は大事な事か?」

その言葉を聞き風が呆れた
「お兄さん、女心がわかっていませんね。もしかして奥さんとも上手くいかなかったのじゃ無いんですか」
「なぜそうなるのかはわからんが。妻は私に良くしてくれたし、私も妻を愛していたよ」

その言葉を聞き、華琳は手が付けられなくなった。


 
 

 
後書き
如水ってキリシタンって事もあるから、他のキャラとの恋愛を入れるのって凄く抵抗がある。

秀吉、前田親子、山内に並ぶ円満夫婦だったし。

…秀吉と前田利家は浮気が多かったけど。 
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