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星河の覇皇

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第八十六部第三章 学園の理事長としてその四十四

「文字通り日進月歩でだ」
「進化していき」
「五十年前でもな」
「全く違う様になりましたね」
「明治維新と大正で日本は全く違う国になり」
 そしてというのだ。
「第二次世界大戦後と二十一世紀のはじまりでもだ」
「全く違いますね」
「テレビもなかったが」
 終戦直後はだ、そんなものはそれこそまだ存在していなかった。精々ラジオがあった程度のものであった。
「しかしだ」
「二十一世紀には」
「携帯電話が出ていた」
「テレビどころか」
「そうなっていた」
「そこまで違っていましたね」
「そして今もな」
 この時代でもというのだ。
「進歩が続いている、だが」
「ギルフォード総統は」
「不確定要素は多くとも」
 どれだけ進歩するかだ、人類の文明の進歩はまさにそう言っていいまでに想定しにくいものであるからだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「あの総統殿は千年先のことまでだ」
「視野に入れて」
「先を長く広くな」
 そのうえでというのだ。
「国家戦略を立てている」
「エウロパのそれを」
「そうしている、そしてな」
「エウロパを動かしていますか」
「連合を見てな、千年先なぞ誰にもわからないと言うが」
 それだけ経てば世界は全く違うものになっている、キリストが生まれた頃と西暦千年で世界は全く別のものになっていた。
「それでもだ」
「エウロパを存続させて」
「発展し続ける為にな」
「考えておられますか」
「そうだ、私は千年先なぞだ」
 八条は自分のビジョンの話もした。
「全くだ」
「おわかりにはなられないと」
「百年先ですらな」
 千年の十分の一である。
「ようやくだ」
「おわかりになられる」
「私なりにな、百年で連合もエウロパも存続しているとだ」
「思われますか」
「そして連合はこのままだ」
 連合の国家連合という国家のあり方を保ったままというのだ。
「そのうえでだ」
「それで、ですか」
「各国政府間、中央政府と各国の間でだ」
「今の様にですね」
「衝突と対立を繰り返し」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「国家として発展していく」
「そうなっていきますか」
「領土も拡大していく、国境もそうなるが」
 拡大していくがというのだ。
「それは確かなものだ」
「これまでの連合の様に曖昧なものではなく」
「外縁部の問題もな」 
 これもというのだ。
「ない」
「そうの様にですね」
「なっていてだ」
 そしてというのだ。 
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