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星河の覇皇

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第八十六部第三章 学園の理事長としてその四十三

「首都が暗黒宙域にあるならな」
「その暗黒宙域まで攻め入って」
「そしてだ」
 その様にしてというのだ。
「掌握する」
「その必要がですね」
「有り得る様になる」
「そうですか」
「それでだ」
 八条はさらに言った。
「そのこともだ」
「考えておくことですね」
「その時はな」
「そうなりますか」
「私はそう考えている」
「その時のこともですか」
「まだ先だが」
 それでもというのだ。
「考えている」
「そうなのですね、既に」
「先の先を考えることも重要だからだ」
 そう考えるからだというのだ。
「その様にしていく」
「そうなのですね、しかしかなり先ですか」
「百年先かも知れない」
「百年ですか」
「その時私はおそらく生きていない」
 八条はここでは笑った、そうしてこう言った。
「おそらくな」
「それは、ですね」
「どうしてもだな」
「はい、今の連合市民の平均寿命は百歳程です」
 このことは男女共である。
「ですがそれ以上になると」
「少ないな」
「百十歳まではまだおられても」
「百二十、百三十となるとな」
「非常に少ないです」
「だからだ」
 その平均寿命から見てもというのだ。
「どうしてもだ」
「義統様もですね」
「その頃にはな」
 百年後はというのだ。
「百数十歳にまでなるとな」
「生きていない」
「おそらくな、だからだ」
「今の様に言われますか」
「そうだ、だがそれより早いならだ」
「見ることになりますか」
「そうなる、おそらく新天地を手に入れれば」
 エウロパがというのだ。
「そうした話をギルフォード総統自身がだ」
「出しますか」
「そうなる」
 こう言うのだった。
「おそらくな」
「そうですか」
「彼はおそらく千年先までだ」
 国家そして人類社会のというのだ。
「考えている、文明の進歩は予想を遥かに超えるが」
「千年後になりますと」
「もう五十年後すらだ」
 千年どころかというのだ。
「かなり違っている」
「文明は」
「ここ数百年の違いは然程ではないが」 
「それでもですね」
「やはりな」
 その違いはというのだ。
「連合も百年前とはだ」
「全く違いますね」
「他の国はその連合の三百年前だ」
「そこまで違いますね」
「人類は産業革命から文明の進歩の速度を上げた」
 それまで以上にというのだ。 
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