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ドリトル先生と不思議な自衛官

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第七幕その二

「あの戦艦のね」
「帝国海軍っていうとあの戦艦だよね」
「何と言っても」
「大きくて格好いい」
「特別な戦艦だね」
「残念なことに戦争末期に撃沈されたけれど」
 それでもというのです。
「あの戦艦は有名だよね」
「本当に帝国海軍の象徴みたいだよ」
「東郷さんが乗艦していた三笠と並んで」
「そう言っていいね」
「凄い戦艦だね」
「その大和が母港としていた」
 そうしていたというのです。
「港なんだ」
「そう思うと凄いね」
「呉は」
「あの大和が母港だったなんて」
「そうだね、しかしね」
 ここで先生はミルクティー片手にこうも言いました。
「大変だったろうね」
「大変?」
「大変っていうと」
「いや、大和はとても大きいから」
 だからだというのです。
「瀬戸内海みたいな複雑な海で動かすことは」
「先生瀬戸内海のことも言ってたね」
「海流は複雑で小島も多い」
「漁船も漁網も」
「まるで迷路みたいなんだよね」
「そうした海だからね」
 瀬戸内海はというのです。
「そこをあそこまで巨大な船が行き来していたってね」
「そういえばかなりだね」
「しかも瀬戸内海って狭いし」
「広島から四国が見える場合があるそうだし」
「そう考えたらね」
「凄いよ、それだけ帝国海軍の操艦技術が凄かったんだ」
 そうだったというのです。
「本当にね」
「そうだよね」
「操艦技術が凄くて」
「それであんな巨大な船でも瀬戸内海を通れたんだね」
「並の操艦技術ではね」
 とてもというのです。
「進めないね」
「そうだよね」
「日本近海って難所ばかりだけれどね」
「瀬戸内海は特に凄いんだよね」
「世界屈指の難所で」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「その難所をいつも通っていることはね」
「かなりだよね」
「本当に驚く位だね」
「考えてみたら」
「それが出来たのは」
 どうしてかとです、先生は皆にお話しました。
「最初から訓練でいたからだね」
「その瀬戸内海に」
「そして他の日本近海の海に」
「そこで最初から訓練してきたから」
「自然と進めるんだね」
「そうだよ、難所も最初からいて」
 そうしてというのです。
「訓練して行き来しているとね」
「自分達の場所になるね」
「ホームグラウンドに」
「果ては遊び場にもね」
「そうなるよ、けれどそうなることがね」 
 実にというのです。 
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