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新オズの臆病ライオン

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第十一幕その三

「残ってもらうわ」
「じゃあ残るはね」
「私と」
 トトに応えながら考えるお顔で言いました。
「神宝、ジョージ、カルロス、ナターシャ、恵梨香ね」
「僕達ですか」
「僕達はドロシーさんと一緒に行くんですね」
「虹の妖精の国まで」
「飛行船でお空を飛んで」
「そうするのですね」
「貴方達はあの娘ともお友達でね」
 ポリクロームと、というのです。
「それであの国にも行ったことがあるし」
「だからですか」
「僕達はドロシーさんと一緒ですね」
「あの国まで行って」
「それでポリクロームさんとお会いして」
「迎えに行くんですね」
「そうして貰うわ」
 五人に笑顔で答えました。
「今回はね」
「わかりました」
「宜しくお願いします」
「そうさせてもらいます」
「じゃあ今から飛行船に乗って」
「ポリクロームさんのところに行かせてもらいます」
「そうしてね。それとね」
 さらに言うドロシーでした。
「臆病ライオンは」
「そうそう、ずっと名前が出なくて心配だったよ」
 その臆病ライオンが言ってきました。
「本当にね」
「御免なさい、私もね」
「忘れてないよね」
「私が忘れると思う?」
「まさか」
 笑ってです、臆病ライオンはドロシーに答えました。
「そんな筈がないよ」
「そうだよね」
「私達がお互いを忘れることなんてね」
「かかしさんも樵さんもね」
「そんな筈ないから」
 だからだというのです。
「何処で貴方が言ってくれて」
「どの役目をするかだね」
「考えていたのよ」
「そうだったんだね」
「ええ、それでね」 
 さらに言うドロシーでした。
「今回はね」
「僕はどうするか」
「貴方飛行船操縦出来るわね」
「あの飛行船は自動操縦も出来て脳波でリモコン操作も出来るね」
「オズの国の科学と魔法の技術でね」
「だったら僕にも出来てね」
「それでね」
 ドロシーは臆病ライオンにさらに言いました。
「貴方はこの中で一番足が速いでしょ」
「そうそう、臆病ライオン君の足は速いよ」
「しかもスタミナもあるよ」
 かかしと樵も太鼓判を押します。
「この中では一番だね」
「何と言ってもね」
「そうしたことって操縦にも影響するから」
 それでというのです。
「是非ね」
「僕になんだ」
「操縦して欲しいけれど」
「それならね」
 お話を聞いてです、臆病ライオンも頷きました。
「一緒に行かせてもらうよ」
「お願いするわね」
「すぐに行こうね」
 こうしてでした、臆病ライオンが飛行船を操縦することになってです。 
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