魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
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【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第7節】新暦70年から74年までの出来事。
・新暦70年4月 高町恭也(24歳)と月村忍(23歳)が、大学卒業直後に結婚し、翌5月には仕事の都合でドイツに移住した。
→後に、二人は現地で1男2女をもうけるが、その長女(第二子)が雫である。
【なお、「前世」の後日譚(?)では、雫は「第一子」になっているようですが、この作品では、彼女を「新暦76年の生まれ」にする必要があったので、両親の年齢などから考えて「第二子」という設定に変更させていただきました。】
・同4月 初等科を卒業したギンガ・ナカジマ(12歳)が、陸士訓練校に入学した。
→寮の二人部屋で同室となったデュマウザ・シェンドリール(12歳)と意気投合し、二人はそのまま「無二の親友」となった。
【なお、オリジナルのキャラクターですが、ハウロン、デュマウザ、メルドゥナ、ルディエルモ、などといった「シェンドリール家の人々」については、「プロローグ 第7章」の末尾に「キャラ設定7」という形でまとめておきましたので、詳しくはまたそちらを御参照ください。】
・同70年6月 フェイト執務官(14歳)が補佐官のアルフとともに、〈管5ゼナドリィ〉の研究機関からエリオ(クローン、5歳相当)を保護した。
【エリオの出身地については、少々悩みました。公式の設定では、彼の生家は「富豪モンディアル家」とされているだけで、それが一体どの世界の富豪なのかに関しては、何も言及がありません。それで、私も最初は、『〈プロジェクトF〉の技術がそれほど広く流出しているとも思えないから、やはり、モンディアル家もミッドにあるのだろう』と単純に考えていたのですが……。
よく考えると、彼はモンディアル家から(おそらくは同じ世界にある)某研究機関へと引き取られた後、フェイトに保護されて本局の「特別保護施設」へ移されるまでの間、その研究機関の中でしばらく「非人道的な扱い」を受けています。
そうした「虐待」がミッド地上で堂々と行われていたと考えるのも……どうなんでしょうか?
という訳で、私は「はじめに」で、新暦58年3月の「ヴァルブロエス・レニプライナ」の項に書いたような設定を考え、モンディアル家に関しても『第5管理世界ゼナドリィの富豪だったが、犯罪組織〈永遠の夜明け〉からの甘言に乗せられて、その組織が造った「息子の違法クローン」を莫大な金額で買い取らされた』という設定にしてみました。
また、原作では、『エリオが保護されたのは69年の出来事だ』ということになっているようですが……それだと、エリオにとっては『まだ4歳の時の出来事だった』ということになってしまうので……もう少しだけ遅らせて考えた方が良いような気がします。
そこで、この作品では、『実は、「あの」エリオがモンディアル家で暮らしていたのは、新暦70年1月から3月の、ほんの二か月ほどで、その後、彼はしばらくの間、「ゼナドリィの首都郊外にある某研究機関」で「非人道的な扱い」を受けていた。そして、同年の6月に、エリオはフェイトの手で〈本局〉の特別保護施設に移され、72年の春までは、もっぱらそこで暮らしていた』という設定で行きたいと思います。】
・同70年9月 八神はやて(14歳)が、「上級キャリア試験」に一発で合格した。
【これも、原作では「はやてが13歳の時の出来事」という設定になっているようですが、前後の関連から考えて、この作品では一年遅らせることにしました。
また、「一般キャリア試験」および「上級キャリア試験」について、原作には特に説明が無かったようですが、この作品では、『士官学校を出ていない管理局員が、後から士官の資格を取得するための試験である』という設定で行きます。
具体的には、『曹長になると「Ⅱ種キャリア(一般キャリア)試験」を受けて准尉の資格を取得することが可能となり、またさらに、一尉になると「Ⅰ種キャリア(上級キャリア)試験」を受けて三佐の資格を取得することが可能となる』という設定です。
はやては、レアスキルと固有戦力のおかげで「特別に」合格と認められたため、以後、丸一年の間、みっちりと研修を受けさせられることになります。】
・同70年10月 クロノ(19歳)が、他の艦長たちとも巧みに連携を取り、違法指定薬物の広域密売組織をひとつ、一網打尽にした。
→クロノは以後、「資金源の三割あまり」を一挙に断たれた犯罪結社〈闇の賢者たち〉(つまり、その密売組織の上部組織)、および、その下部組織であるテロ集団〈炎の断罪者〉から「本気で」命を狙われるようになった。
・新暦71年2月 トレディアの義理の娘(11歳)は、戦闘中に義父と生き別れになった後に、重傷を負って〈管8フォルス〉のNGOに保護された。
→彼女は名前を訊かれて、とっさに「ルネッサ・マグナス」という、「いかにもオルセアの人間らしい名前」を名乗ってしまう。
【これも、「SSX」では「彼女が9歳の時の出来事」ということになっていますが、この作品では少しズラして考えることにします。】
・同71年3月 教会からの依頼で、クロノ艦長が「いつものメンバー」とともに、ロストロギア〈レリック〉を回収する任務に就いた。
→なのはやフェイトやはやてや守護騎士たちは、そこで「AMF発生装置」を搭載したドローンと初めて接触した。
【なお、StrikerSのコミックス第1巻では、その舞台が「第162観測指定世界」と表現されていますが、この作品では、単に「第162無人世界」ということにしておきます。
また、公式の設定では、この事件は次の空港火災事件ともども、4月の(なのはたちが中学3年生に進級してからの)出来事だということになっていますが、この作品では、『彼女らが3年生になる直前の3月の(試験休みや春休みの)出来事だった』という設定で行きます。
その理由は、ひとつには、『そうしないと、なのはたち三人が「あからさまに学校を休み過ぎ」になってしまうから』です。
(もうひとつの理由については、また次の項目で述べます。)】
→また、申請から5年を経て、なのはとユーノ、フェイトとアルフ、はやてとその守護騎士たち九人に対して、正式に「ミッドチルダの市民権」が認可され、九人とも戸籍上の「本籍地」をミッドチルダに移す。
(これによって初めて、ミッドにおける「選挙権」や「不動産を購入・所有・売却する権利」などが法的に認められた。ただし、正式な転居はまだ一年先のこととなる。)
・同71年3月末 ゲンヤ・ナカジマ三佐(42歳)は、部隊長資格の取得のため、首都近郊の部隊に出向研修中だったが、そこへ故郷の姉から『両親が危篤である』との報せが入った。
→彼は以前から『いつかは娘たちを実家に連れて行き、できれば両親にも紹介しておきたい』と思っていたので、急いで二人をエルセアから呼び寄せたのだが、二人が「首都圏・臨海第八空港」に到着した丁度その時、その空港では「原因不明」の巨大な火災事故が発生し、ギンガ(13歳)とスバル(11歳)もその事故に巻き込まれてしまった。
幸いにも、二人はそれぞれフェイトとなのは(15歳)に助けられたが、ゲンヤ自身はこの事件の事後処理に忙殺されてしまったため、結局は「親の死に目」どころか、葬儀にすら間に合わなかった。実の兄弟から見れば、「とんだ親不孝者」である。
(当然、「娘たちを実家の両親や身内に紹介する計画」も実現できなかった。)
【さて、StrikerSのコミックス第1巻によれば、ギンガは72年6月の段階ですでに「二等陸士」なのですが……エリオとキャロが〈JS事件〉の段階でもまだ「三等陸士」だったことから考えて、陸士隊では『たとえどれほど能力値が高くても、初年度はとにかく全員が三等陸士から始める』というのが「大原則」であるものと推測されます。
そうなると、ギンガは71年度の段階ですでに陸士になっていないと計算が合いません。そんな考えもあって、この作品では、この火災事件を(71年度になってからの出来事ではなく)『前年度(70年度)の末の出来事である』という設定にしてみました。
この段階で、ギンガはすでに陸士訓練校を卒業していますが、まだ陸士としての正式な配属先は決まっていません。『だからこそ、フェイトに救出された時も(「訓練生」でもなく、「陸士」でもなく)「陸士候補生」だと名乗った』という訳です。
もしかすると、公式の側にも『陸士隊や訓練校の「年度」は5月から始まる』などといった類の「裏設定」があるのかも知れませんが、この作品では、話をより解りやすくするため、『陸士隊や訓練校も、一般の企業や学校と同様、4月から「年度」が始まる』という設定にしておきます。】
→なお、実は、アインハルトの曽祖父ニコラス(80歳)と曽祖母フリーデ(79歳)も二人きりで「先祖代々の故地であるアンクレス地方」からはるばる首都圏へやって来た直後に、この事故に巻き込まれており、二人とも「現場では」死ななかったが、揃って病院に搬送されたまま、高齢のため二度と回復することは無かった。
【ニコラスは元々、アインハルトの兄ゲオルグを「次の記憶継承者」と想定しており、彼に「記憶継承に際して必要となる心構え」を事前に教えておくために、「現代における覇王流の存在意義」に関する「見解の相違」から長らく別居していた一人息子エーリクの許を、妻フリーデとともに訪ねようとしていたところだったのです。】
・同71年5月 アインハルト(4歳)の父ラルフと母ローザ(妊娠中)と兄ゲオルグ(8歳)が『ニコラスの容態が急変し、危篤である』との報せを受けて「大急ぎで」車で病院へ向かう途中、三人は揃って突然の交通事故で即死した。
→一人だけ風邪で寝込んでいたアインハルトは、その直後に「先代の継承者」であるニコラスの死去によって、何の準備も無く(しかも、熱が出ている状態のままで)「覇王クラウス」の記憶をいきなり継承してしまった。
(アインハルトの祖父エーリクと祖母イルメラは、アインハルトを看病すべく二人して家に残っていたため、不幸な事故を免れることができた。)
→翌日には、フリーデも夫ニコラスの後を追うようにして息を引き取り、後日、アインハルトがようやく起き上がれるようになった時には、彼女の「父母と兄と曽祖父母の合同葬儀」も何もかもがすでに終わっていた。
【なお、ニコラスにもエーリクにも同じように1男2女があり、その葬儀にはニコラスの娘たちもエーリクの娘たちも普通に参列しましたが、実のところ、彼女らは四人ともすでに結婚して、戸籍の上でも生来の苗字である「イングヴァルト」を捨て去っており、今では、エーリクからも「覇王流」からも距離を取りたがっていました。
そこで、協議の結果、「ニコラスとフリーデ、ラルフとローザ、およびゲオルグ」の墓は、みな首都近郊の墓地に築かれ、エーリクが責任を持ってそれを祀ることになったのでした。
ちなみに、コミックスの描写を見ると、アインハルトの部屋は「マンションの一室」のようにも見受けられるのですが、この作品では、原作では全く語られていない「アインハルトの家族」を詳細に設定した関係で、彼女の住居も『かつては祖父母や父母や兄とともに三世代で暮らしていた、首都北部郊外にある、それなりの大きさの一戸建てである』という設定にさせていただきました。悪しからず御了承ください。】
→以後、アインハルトは、『覇王流は完全に継承したが、覇王の記憶は全く継承していない』という祖父エーリクと、『これを機に、St.ヒルデ魔法学院中等科の教師を退職した』という祖母イルメラ(ともに59歳)の手で育てられ、祖父からはただひたすらに「覇王流」を叩き込まれた。
【また、熱にうなされている状態で「覇王の記憶」を継承してしまったためでしょうか。アインハルトは、これ以前のことをもうほとんど憶えていません。当初は、自分に「兄」がいたことすら普通には思い出せないほどで、また、自分が今は「女の子」であることにも納得できてはいなかったそうです。
Vividで、アインハルトが家族の話を全くしなかったのも、そもそも「家族の記憶」それ自体がもうかなり朧げなものになっていたからだったのです。】
・同71年7月 高町家では、桃子(39歳)と美由希(23歳)となのは(15歳)が、士郎(43歳)の「退院10周年」を祝った。
→士郎は、当時の担当医からも、『今だから正直に申し上げますが、あなたが退院した時には、この人はきっともう長くはないのだろうと思っていました。……人の命は医学だけでは決まらないものですね。いやはや、この齢になっても、己の不明を恥じるばかりの人生です』と、一方的に謝罪されてしまった。
→以下は、その夜の士郎となのはの二人きりの会話である。
「来年の春には、なのはももう『向こう』へお引っ越しか……」
「ごめんね、父さん。まだ、去年、お兄ちゃんが出て行ったばかりなのに、今度は私まで……」
「確かに、少し寂しくはなるが……まあ、気にするな。なのはの人生は、他の誰のモノでもない、なのは自身のモノだ。自分の行くべき道を行け! 少なくとも、父さんは『子供の足枷になるような親』にだけはなりたくないと、常々思っているぞ。……とは言うものの、思い起こせば、この10年、なのはにはあまり『父親らしいこと』をしてやれなかったような気もするなあ……」
「そんなこと無いよ! 私は、父さんの背中を見て育ったんだから。今の私があるのは、父さんのおかげだよ!」
「(ちょっと涙ぐみながら)それは、父親に対しては最高の誉め言葉だ。ただ、悪いところまでは真似しなくても良いんだからな。もう4年前のようなコトは勘弁してくれよ。縛るような言い方で済まんが、この世で最大の親不孝は『先立つ不孝』なんだからな」
「うん。約束するよ」
【と言いつつ、なのははその後も、『自分の生命や安全を省みない』ような行動を取り続けてしまうのですが……どうやら、悪いところまで父親に似てしまったようです。
なお、士郎はその後、寂しさのあまり、『美由希だけは婿を取ってこのまま家に残ってくれないかなあ』などと思ってしまうのですが……幸いにも、五年後に、その願いは叶えられることとなります。】
・同71年8月 ジークリンデ(8歳)は、「エレミアの力」に覚醒した結果、実家ではもう手に負えなくなってしまい、養母(実際には義理の大叔母)の縁故をたどって、グスタフ・ラグレイトの住む「別邸」に預けられた。
→グスタフ(66歳)は、かつてテオドールから『私がまだ幼かった頃の話だが、ダールグリュン家は〈エレミアの一族〉に大きな借りを作った』と聞かされていたので、その借りを返すべく、妻と二人きりで身の危険も省みずに「最後のお勤め」として、ジークリンデの身の回りの世話をすることにした。
→なお、クレア(8歳)は、兄エドガー(11歳)やヴィクトーリア(9歳)と同様、初等科学校には通うことなく通信教育を受けていたが、ジークリンデとの同居はあまりにも危険なので、この時点で両親の住む本家の邸宅へと住居を移された。
【そして、翌72年の春、破壊の痕も生々しいその別邸で、ヴィクトーリア(10歳)は、初めてジークリンデ(9歳)と出逢いました。
(この場面に関しては、Vividのコミックス第9巻を御参照ください。)
なお、エドガーの年齢については、原作にも特に設定が無いようですが、このジークリンデとの出逢いの場面で、エドガーはヴィクトーリアよりも「頭ひとつ分」背が高く描写されています。
しかし、(極めて個人的な感想で恐縮ですが)ヴィクトーリアは当時から、決して「特別に小柄な少女」という訳ではなかったはずです。
『設定として二人は同年代のはずだが、同い年や1歳差で、果たしてこれほどの身長差になるものだろうか?』と、私は考えて、この作品では二人の年齢差を2歳と設定してみました。】
・同8月 ユーノ(15歳)が珍しい病気で二か月ほど入院し、主治医のウェスカ・ラドール医師(45歳)から、自分の「免疫力」が先天的に常人よりも随分と弱い件について、決して確実な話ではないが「可能性の高い話」として「ひとつの仮説」を聞かされた。(←重要)
・同71年10月 はやて(15歳)は無事に研修を終え、正式に三佐となった。
(ただし、部隊長資格を取得するのは、もう少し先のことである。)
→同じ頃、ゲンヤ・ナカジマ三佐(42歳)もまた丸一年の出向研修を終えて、こちらは正式に部隊長資格を取得した。
・新暦72年1月 クロノ(21歳)とエイミィ(23歳)が結婚した。
・同72年2月 フェイト(16歳)がキャロ(7歳)を保護した。
・同72年3月 クロノ(21歳)は、一等海佐に昇進。提督となった。
→全く異例のスピード出世であり、「提督」としては(父クライドよりも年上の)ガルス・ディグドーラ(48歳。元、ニドルスの部下)とも「同期生」ということになる。
【ちなみに、「提督に昇進する年齢」としては、ガルスの方がむしろ「標準」に近く、リンディの34歳でも、まだ「だいぶ早め」と言われるぐらいです。】
・同3月末 なのは(16歳)たち三人が地球の中学校を卒業し、ミッドに転居した。
→はやては両親から受け継いだ「八神家の土地家屋」を売却し、表向きは渡米したことにして、騎士たちやリインとともに家族全員でミッドに転居した。
また、地球での売却益は「管理局員特例法」に従ってミッドの通貨に換金され、はやてはそれを使って首都クラナガン旧市街の沿岸部に結構な広さの土地と家屋を購入した。
一方、なのはとフェイトは、取りあえず「本局内の官舎」に生活の拠点を構えた。
・同72年4月 ゲンヤ・ナカジマ三佐(43歳)は、定年退官する前任者からの引き継ぎなどを終えて、正式に陸士108部隊の部隊長に就任した後、部隊長用(佐官用)の「官舎」へと引っ越したのだが、その家屋は「娘らと三人きりで暮らすには」少々広すぎる物件だった。
→ギンガ(14歳)も早速、二等陸士となり、首都圏にある同部隊へ異動。エルセアでの訓練校時代からの親友、デュマウザ・シェンドリール(14歳)とは離れ離れになった。
→一方、同じ頃、スバルはエルセア方面の陸士訓練校に入学し、ティアナと出逢った。
・同4月 エイミィは、早々と産休を取り、テロを避けて地球に転居した。
(先に「70年10月」の項目で述べたように、クロノは当時、凶悪な犯罪結社から「本気で」命を狙われており、妻子までそれに巻き込まれる危険性があったのだ。)
→この頃まで、アルフはしばしばエリオやキャロの「遊び相手」なども務めていたが、この時点で正式にフェイトの補佐官を引退して「エイミィのお世話役」(実際には、護衛)となり、それに代わって、シャーリーがフェイトの新たな補佐官となった。
【公式の設定では、『アルフの引退は、A’sのアニメ最終話における「後日譚」(71年4月)の前後のことだ』ということになっていますが、一方、StrikerSのコミックス第2巻を読むと、『シャーリーがフェイトの補佐官になったのは、72年4月のことである』という表現になっています。
(作中で、フェイトは「72年5月」に、陸士訓練校の学長ファーン・コラード三佐から『シャーリーとは いつから?』と問われた際、『先月です』と答えています。)
そこで、この作品では、「フェイトの補佐官が、アルフからシャーリーに交代する流れ」をより自然なものにするため、このような設定にしてみました。
アルフ自身にとっても、ムッディオーレという「先例」があったので、補佐官を引退して「家族の護衛」となることに、さほどの抵抗感は無かったようです。】
・同72年5月 トレディア・グラーゼが、ミッド某所でスカリエッティと接触した。
→彼は、しばらくミッド地上で「義理の娘」を探した後に、諦めて再び〈オルセア〉に戻った。
・同72年6月 カリム・グラシアの「プロフェーティン・シュリフテン」で、初めて「管理局システムの崩壊」を暗示する不吉な詩文が現れた。
・同72年10月 エイミィが、地球の海鳴市で男女の双子を出産した。
(いわゆる「ハネムーン・ベイビー」である。)
→男の子はカレルと、女の子はリエラと名付けられた。
【この双子の名前は、「リリカルなのはStrikerS サウンドステージ01」が出典となります。】
・同10月 ギンガ・ナカジマ二等陸士(14歳)は陸士二年目にして資格試験に合格し、早くも「捜査官」の資格を取得した。
→翌春からは、実際に108部隊で捜査官となり、陸士三年目で早くも「陸曹待遇」となった。
(三等陸士のうちはまだ「捜査官試験」の受験資格が無いので、通常はこれが「最速」である。)
・同72年11月 地球のドイツでは、忍(25歳)が、第一子の雪人を出産した。
・新暦73年3月 陸士訓練校の卒業式を間近に控えて、ティアナが独り裏庭で何通もの手紙をまとめて燃やしていると、不意にやって来たスバルが「風でふと舞い上がった燃えさし」をつかみ取り、とっさに火を吹き消してその文面を読んでしまった。
→スバルに問われて、ティアナは次のように語った。
『兄が死んだ時、墓地で私を励ましてくれた恩人がいる。どうやら、兄の知り合いだったらしい。顔はチラッと見たけど、名前も連絡先も解らない。いつか感謝の言葉を送ろうと思って、いろいろ書き溜めていたけど、もう諦めた。多分、もう二度と会えないのだろうと思う』
→ティアナの回想シーンで、その人物(実は、ザフィーラ)は、当時10歳の少女に「念話で」次のように語った。
《お前の兄の戦闘スタイルそのものは、決して間違ってはいない。アレは、ただ単に、運用が少し難しいだけだ。だが、奴の正しさを証明できる者は、今はもうお前しかいない。
兄の無念を晴らしたいのなら、お前には、誰かを怨む前に「やるべきこと」があるはずだ。強くなれ。「正しい方法で」結果を出せ。そうすれば、評価など後からついて来るものだ。》
→しかし、ティアナは機動六課に入ると、やがて、この『正しい方法で』という部分を忘れて、いわゆる「少し頭冷やそうか事件」を起こしてしまうこととなる。
・同73年4月 なのはは一等空尉に、シグナムは二等空尉に、ヴィータは三等空尉に、それぞれ昇進した。
・同73年5月 ミッド地上の某違法研究施設から、ゼストとルーテシアの手によって、ユニゾンデバイス〈烈火の剣精〉が救出された。
→後に、彼女はルーテシア(8歳)によって「アギト」と命名された。
・同73年6月 今年もまた「プロフェーティン・シュリフテン」で昨年と同様の詩文が「より明瞭な形で」現れ、カリムたちは、一昨年に初めて見た、あの〈レリック〉も「管理局システムの崩壊」と大いに関連があるのだと覚った。
→カリムたちはいよいよ状況が切迫して来たことを覚り、秘密裡に管理局内部への働きかけを強めた。
→後日、クロノ提督たちとも協議した結果、『表向きは「レリック対策」と「独立性の高い少数精鋭部隊の運用実験」を目的として、臨時の特務部隊を設立する』という方向性で話を進めることになった。
(そして、同年の8月には、カリムは特例措置によって「管理局においては少将待遇」ということになった。)
・同73年7月 ファビア・オーヴィス(7歳)の家族(父と母と兄と弟)が全員そろって自宅の火災事故で死亡した。
→ファビアは当時、家庭内で(あからさまな暴力ではなかったものの)虐待を受けており、その夜も一人だけ『明日の朝まで帰って来るな』と家の外に叩き出されていたために無事だった。
(もう少し具体的に言うと、日付の変わる頃、火災事故の発生と同じ頃に、公園の遊具の中で独り膝を抱えてうずくまっていたところを、警邏中の陸士隊に保護された。)
→後日、彼女は「森の魔女」である母方祖母マルーダ・クロゼルグ(59歳)に引き取られ、その際に(母親が結婚に際して生来の苗字を捨て去り、「ヴァゼラ・オーヴィス」と名乗ったのと同じように)戸籍の上でも父方の苗字を完全に抹消して、名前を「ファビア・クロゼルグ」に改めた。
【その後、彼女は祖母の弟子となって、さまざまな古代魔術を学んだが、新暦79年の2月には、実は「記憶継承者」だった祖母の急死によって、13歳で何の準備も無く「魔女クロゼルグ」の記憶をいきなり継承することとなる。】
・新暦74年9月 〈外2オルセア〉で、マリアージュの「軍団長」が、トレディア・グラーゼを殺害した。
→当時、すでに管理局員となって〈管8フォルス〉の地上本部に勤務していた「ルネッサ・マグナス」(14歳)は、後にこれを知り、この「軍団長」を利用して義父トレディアの遺志を実行する計画を思いつき、後に「検死官」の資格を取得した。
(→物語としては、78年の「SSX」に続く。)
【同年の機動六課設立に向けた動きについては、「プロローグ 第2章」を御覧ください。】
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