魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
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【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第6節】新暦66年から69年までの出来事。
前書き
以下、「A’s終了からStrikerS開始までの九年あまり」については、ごく手短に、年表風にまとめさせていただきます。……まあ、要するに、「はじめに」の「その2」と「その3」で書いた年表の続きなのですが……公式の設定との「微妙な」食い違いに関しては、引き続き御容赦いただければ幸いです。
なお、独自設定や重要な伏線(?)も「テンコ盛り」なので、どうか読み飛ばさないようにしてやってください。(苦笑)
・新暦66年3月 なのはとユーノ、フェイトとアルフ、はやてとその守護騎士たちの九人が、揃ってミッドチルダにおける「市民権」を申請した。
→特定の世界の市民権を取得するためには、一般に「その世界の公用語を一定の水準まで習得すること」と「その世界に5年間、実際に居住すること」が必須の条件となるのだが、管理局員になれば必ずしも「実際に」居住する必要は無い。
(ただ、これによって、なのはとはやては5年後にミッドの市民権を得るため、遅くともそれまでにはミッドチルダ標準語を習得しなければならなくなった。)
・同66年4月 上記の九人が、正式に管理局に入局した。
→九人全員に局員用の口座が作られ、めいめいに通帳が支給された。
昨年から「嘱託魔導師」として働いていた分の報酬はすでに振り込まれており、今月からは月々の給与もその通帳に振り込まれることになった。
また、フェイトはこの時点で、法的にも正当に「プレシアの遺産」を相続した。
【ミッドの法定成人年齢は17歳ですが、当然ながら、定職に就いていれば、未成年にも、財産権は成人と同等の水準で保障されます。
生前、プレシアは「表向き、行方不明」となる前に、全財産を「偽名名義の通帳」に移していましたが、彼女は幾つもの「特許」を持っていたため、その後、プレシア自身は完全に放置していた「本名名義の通帳」にも入金は継続しており、この20年余の間に、積もり積もって「それなりの額」になっていたのです。
プレシアにとっては「わざわざ省みる必要など覚えない程度の金額」でしたが、それでも、日本円に換算すると(相続税などをすべて差し引いても)軽く数千万円にはなります。
この「ちょっとした」遺産のおかげで、フェイトは執務官になった後に、『この出費が経費で落ちるのかどうか?』などということは全く気にせずに、お金を使える立場となった訳ですが、実のところ、それは「金欠で当たり前」の新人執務官にとっては相当なアドヴァンテージでした。
(実際に、「SSX」では、執務官2年目のティアナが「予約していたホテルのキャンセル料金」を気にしています。)
ちなみに、プレシアが遺した不動産(偽名で購入したアルトセイム山岳の麓の土地)の方は、そのまま管理局に接収されていました。】
→その後、三人は「三か月の短期プログラム」で訓練校に通ったりしながらも、「とある管理外世界から来た、美少女魔導師トリオ」として、管理局内で発行されている「主に士官向けの、部外秘の機関紙」にインタヴューや特集記事を組まれたりもして、「管理局内では」それなりの有名人になってしまった。
・同66年5月 〈外4パドローナ〉のクシャスラーナ王国で市民革命が起き、熱狂に駆り立てられた民衆は、捕らえた王族らを「その場の勢い」で皆殺しにしてしまった。
→末の王女メレニオラ(17歳)はただ独り難を逃れて、命からがらミッドチルダへの亡命を果たし、翌6月には、その亡命に手を貸してくれた「炎の英雄」ラウ・ルガラート執務官(19歳)と結婚した。
【彼女は多産系で、後に4男4女の母となりました。その中でも、第五子(三女)のレミスヴォーラは、新暦97年に18歳で父親と同じ執務官となります。】
→使い魔のムッディオーレは早々に補佐官を引退し、残りの生涯を「メレニオラ(および、ラウの実母マディブラム)の護衛」として過ごすことになった。
以後しばらく、管理局内での話題はこの件に集中し、そのおかげで「とある管理外世界から来た美少女魔導師トリオ」の話題は、無事に鎮静化した。
・同66年6月 ヴァイゼンの首都圏では、トーマ・アヴェニールが生まれた。
【実は、トーマは、ハドロのセリフにもチラッと出て来た「アヴェニール四兄妹」のうちの「下の二人」タルースとファリアの「共通の曾孫」に当たる人物です。】
・同66年7月 はやて(10歳)は訓練校課程を修了した後、レアスキルと固有戦力のために、いきなり尉官待遇の「特別捜査官」となった。
・同66年9月 〈管14シガルディス〉の周回軌道上で、民間の次元航行船が唐突に爆発事故を起こして四散し、乗客も乗員も全員が間違いなく死亡した。
(いずれも、遺体は断片的にしか回収できなかったと言う。)
→その船の乗客だった「シュベルトライテ・エレミア(ジークリンデの実母、27歳)」と「オルトリンデ・エレミア(シュベルトライテの実母、51歳)」の二人も、揃って死亡した。
→ジークリンデ(3歳)は、死亡した母方祖母オルトリンデの「年の離れた弟夫婦」に預けられていたが、そのまま引き取られ、以後、その夫婦の第四子として育てられた。
【家族構成は、父母の他に、兄が二人、姉が一人、弟が一人となります。なお、その養母(実際には、義理の大叔母)は「ラグレイト家」の分家筋の出身者で、グスタフ(エドガーの父方祖父)のイトコメイに当たる人物でした。】
→その後、シガルディスでは、かつてない規模の「事故調査査問会」が開かれたが、結局のところ、『爆弾テロの可能性が高い』ということ以外には何も解らなかった。
だが、もし仮にテロ事件だったのだとしても、『犯行声明も無く、実行犯の特定もできず、テロの理由も目的も何も解らない』という状況である。
これ以降、シガルディスの当局は再犯防止のため、手荷物検査などに力を注いだが、同様の事件は二度と起きなかった。
・新暦67年1月 なのはが「謎の光学迷彩ドローン」の奇襲を受けて倒れた。
(まだ「小学4年生の3学期」だが、ミッド式の数え方では、すでに11歳である。)
・同67年6月 リゼル(28歳)が、名門ヴェロムナン家の末子と結婚した。
→その頃には、なのはもすでに地球の病院に移っており、はやてとともに歩行訓練中だった。
【この頃には、二人は時おり「大きな犬の姿をしたザフィーラ」の背中に乗せてもらったりもしていたのですが、その件に関しては、「リリカルなのはStrikerS サウンドステージM4」を御参照ください。】
・同67年8月 なのはが完治した。
→地球では「小学5年生の夏休み」だったが、同じ頃に、はやての脚も正式に完治し、その直後に、リインフォース・ツヴァイが生まれた。
・同67年9月 はやて(11歳)が招待を受けて、初めてミッド北部〈ベルカ自治領〉の南部にある「聖王教会本部」を訪ね、騎士カリム・グラシア(20歳)と話し合って意気投合した。
【実は、はやては〈闇の書事件〉の終了後に、リンディから『聖王教会のカリム・グラシアという女性が、今回の事件に関しても事前に的確な予言をしていた』という話を密かに聞かされていたので、「カリム・グラシア」という人物に対して、はやては最初から強い関心を抱いていたのです。】
→同じ頃、ザフィーラ(人間型)は首都クラナガンで、ふとしたことからティーダ・ランスター(19歳)と「ちょっとした知り合い」になった。(←重要)
【この作品では、こういう設定で行きます。詳しくは、また「69年8月」の項目で説明します。】
・同67年10月上旬 いわゆる〈戦闘機人事件〉において、ゼスト隊が「卑劣な罠」にハマって壊滅し、クイントを始めとする多くの優秀な陸士たちが殉職した。
→クイント(26歳)は「ISホルダー」だったため、その死体は部分的に保存され、そこから造られた改造クローンは、後に「ノーヴェ」と呼ばれることになった。
→かろうじて一命を取り止めた五名の魔導師たちは、みな「レリックの融合実験」の素体とされたが、まともに成功したのは、一度は心臓も脳波も完全に止まっていたはずのゼスト隊長だけで、それ以外の四名(メガーヌと三名の男性陸士たち)は全員が失敗し、四人ともリンカーコアが損壊した上に、「いつ覚めるとも知れぬ昏睡状態」に陥った。
【実に細かな話で恐縮ですが、この作品では、『リンカーコアに関して、「損壊」は「破壊されてしまって、もう治らない」という状況を指す用語であり、一方、「損傷」は「傷ついただけで、時間さえかければまだ治せる」という状況を指す用語である』という設定で行きます。】
・同10月 ナカジマ家には、クイントの遺体が(部分的ながらも)戻って来たが、アルピーノ家には、メガーヌの遺体は(当然ながら)指ひとつ戻っては来なかった。
→セルジオ(メガーヌの夫)は優秀な法務官だったので、ゼスト隊を管轄する地上本部の方から「メガーヌ准尉の死亡通知」が届くと、即座に『遺体の確認ができないのであれば、死亡と認めることもできない』と「不服申し立て」を行なった。
その結果、地上本部としても、ゼスト隊長やメガーヌ准尉ら「遺体の見つからなかった者たち」に対しては、「あくまでも行方不明」という扱いに変更せざるを得なくなった。
(管理局の規定では、事件や事故によって行方不明となった局員は、一般に事後10年でようやく「死亡と推定」されることになる。)
→その後、スカリエッティは、メガーヌが稀少な「召喚魔法」の資質の「潜在的な」保有者であることに気づいたが、今となってはもう彼女のリンカーコアは損壊してしまっていたため、同種の「資質」が遺伝している可能性に期待して、「三脳髄」の了解の下に、彼女の一人娘とやらを確保することにした。
・同67年11月 大きな屋敷で共同生活を送っていた「セルジオとその両親とメガーヌの両親」は、五人そろってトーレとクアットロに斬殺され、もっぱら彼等(父親と四人の祖父母)によって育てられていたルーテシア(2歳)は、「人造魔導師素体」としてスカリエッティの研究所へ拉致された。
【ルーテシアは、そこで「お嬢様」として丁重に養育されていましたが、三年後にリンカーコアが「顕在化」すると、すぐさまそこへレリックを融合させられてしまい、その後、スカリエッティの期待どおりに「召喚魔法の使い手」となりました。】
→その夜、トーレとクアットロは「アルピーノ家の屋敷」に火を放ってから帰った。
翌日、五体の焼死体がいずれも大きな刃物で斬殺されたものであると判明したため、現地の陸士隊はこれを「強盗殺人と放火、および幼児誘拐事件」として捜査したが、当然ながら、犯人は全く見つからなかった。
→今はまだ「生存と推定」されるメガーヌが、アルピーノ家の土地や資産の相続人となったが、焼け崩れた「事故物件」をそのまま放置する訳にもいかなかったので、管理局は法令に基づいて、その瓦礫を撤去し、土地を更地に戻した上で、地上本部名義でそれをメガーヌから買い取った。
また、同時に、局は「回収できたアルピーノ家の資産」もすべて換金し、土地売却益と合わせてメガーヌの口座に振り込み、直ちに(違法な引き落としを防ぐために)その口座を凍結した。
(すべては「メガーヌが本当に生きていた場合」を想定しての措置であり、また、それはセルジオが強硬な態度で「不服申し立て」を行なってくれた結果でもある。)
・新暦68年3月 ザグモルドゥ・ルヴァクティア総代(65歳、ファストラウム人)が病気を理由に突然の引退をしたため、イストラ・ペルゼスカ大将(58歳、ミッド人)が時空管理局の第10代「総代」に就任し、階級も上級大将となった。
→以後、死去するまでの七年半、イストラ・ペルゼスカ上級大将は(同年の同月に新たに中将となったレジアス・ゲイズとともに)三脳髄から必要に応じて「直接に」極秘の指示を受け取る立場であり続けた。
・同3月 クロノ(17歳)が〈アースラ〉の艦長に就任し、階級も三等海佐となった。
→形式的には、リンディ提督(休職中)の「直属の部下」である。
・同68年4月 はやて(12歳。地球では小学6年生)が、レティ提督(41歳)からの依頼で、とある「危険なロストロギア」を回収するため、〈外75パルゼルマ〉の王立魔法学院の「女子中等科」に潜入捜査をすることになった。
→外見的に「中等科の女子学生」に見える助手が必要となったのだが、シグナムやシャマルでは大きすぎて、もう中等科の学生には見えなかったし、ヴィータは逆に小さすぎて、やはり中等科の学生には見えなかったため、なのはとフェイトが臨時の助手となり、三人だけで潜入した。
(この時点で、リインフォース・ツヴァイは生後8か月であり、まだ覚えなければいけない事柄が幾らでもあったため、今回は騎士たち四人とともに地球で「お留守番」をしていた。)
→三日後には、目的のロストロギアを無事に回収し、任務は予定よりも随分と早く終了。三人は軌道上で待機していた〈アースラ〉に戻り、クロノ艦長らとともに、クレモナとデヴォルザムを経由して一旦〈本局〉へと帰投した。
三人は、〈無限書庫〉でユーノの愚痴を聞いたり、艦内で作成した報告書をレティ提督に提出したり、そこで唐突に「謎のお茶会」に誘われて、「正体不明の三人のお年寄り」(実は、三元老)とも仲良くお話をして来たりした。
【すぐ脇に「御世話役」か「執事」のような四十代の男性(つまり、リナルド・アリオスティ)がずっと控えていたので、なのはたちも『きっと、この三人のお年寄りはすごく偉い人たちなんだろうなあ』とは思いましたが、この時点では、まだその正体には気づいていません。
そして、三人はその後、ミッドに上陸して少しだけ首都クラナガン周辺を観光してから、ゴールデンウィークの終了に合わせて地球に戻ったのでした。】
【なお、極めて個人的な意見で恐縮ですが、StrikerSの主な問題点は以下の五つだと思います。
1.話がいきなり10年も飛んでしまったことと、その結果として、主人公たちももうロリではなくなってしまったこと。(笑)
2.話数に比べて、キャラクターがあまりにも多すぎたこと。
(まあ、ここまでは、あまり異論の無いところでしょう。)
3.せっかく〈次元世界〉という魅力的な「舞台設定」を提示しておきながら、実際には、物語の舞台はほとんど「ミッドの首都圏」に限定されており、設定の「広々とした魅力」を活かすことが全くできなかったこと。
(残り二つについては、また「プロローグ 第2章」の冒頭で述べます。)
上記の1と3から考えて、個人的には、やはり3年後の「小学6年生編」を、「次元世界全体の広さを感じ取れるような形で」やるべきだったのではないかと思います。
話の内容それ自体は「リリカルなのはStrikerS サウンドステージ01」と同じぐらいの「ごくユルい話」で良いとして……例えば、タイトルは「魔法少女リリカルなのは Vacation」で、キャッチコピーは「魔法少女、少しだけオトナになりました!」ぐらいの「あざとい感じ」で良かったのではないでしょうか。(笑)
という訳で……このVacationの具体的な物語内容はあまり考えていないのですが……この作品では、『このシリーズで、「次元世界の全体像」や「その中での、ミッドチルダの特殊な立ち位置」や「管理世界と管理外世界との扱いの違い」などもきちんと説明し、ミゼットたち〈三元老〉をもさりげなく登場させて、「StrikerSへの導入」とする』といった想定で行きたいと思います。】
・同68年7月 妻に先立たれたテオドール・ダールグリュン(81歳)が、『自分の個人所有である「別邸」を執事のグスタフとその妻マーヤの二人に「一代限りで」終身無償貸与する』という旨の遺言状を残して死去した。
→グスタフ(63歳)は正式にすべての職務から引退し、妻マーヤ(61歳)や孫娘のクレア(5歳)とともに、そのままその「別邸」に引き籠って、丸三年の喪に服した。
また、エドガー(8歳)は、正式に「ヴィクトーリア(6歳)のお世話係」となった。
・同68年9月 実はイトコ同士でもある「アヴェニール夫妻」が、一人息子のトーマを連れて「ヴァイゼン首都圏」の北西側にあるアミア地方の「ヴィスラス街」へと転居した。
→その街の住民はみな、街外れにある「ゼムリス鉱山」で働く人々だったが、トーマ自身は当時まだ2歳だったので、当然ながら「転居に至った経緯」などについては何の記憶も無い。
【原作では、鉱山に近い街の名前が『ヴァイゼン北西部のアミアという街』となっていましたが、この作品では、別の事情により、ヴァイゼンの首都を「第一大陸の東部」にあるものと設定してしまったため、それとの兼ね合いで、上記のような設定に変更させていただきました。
また、トーマが育った街とその近くの鉱山には、独自に固有名称をつけさせていただきました。併せて御了承ください。】
・同68年10月 昨年に結婚したリゼル(29歳)が、一女レスリマルダを産んだ。
(つまり、クロノのハトコに当たる人物である。)
・新暦69年4月 フェイトが正式に「執務官」(尉官待遇)に就任。なのはも正式に「航空戦技教導隊」に入隊して「二等空尉」に昇進し、はやては13歳で早くも「一等陸尉」に昇進した。
→この三人は、地球では、この4月から中学1年生だが、この頃にはすでに、なのはもはやても「ミッドチルダ標準語」をほぼ習得していた。
【なお、この三人の「中学校における英語の成績」があまり芳しくなかったのは、当然ながら、『三人ともすでに本職が忙しい身の上なので、「将来的には何の役にも立たない」と解り切っている作業になど、無駄に時間を費やすことができなかったから』です。】
→また、この4月には、ユーノも正式に「無限書庫の総合司書長」に就任した。
(これは、今回「新設」された役職であり、ユーノが「初代」となる。)
【PSP用のゲームでは、『ユーノ以前にも、「司書長」は存在していた』という設定になっているようですが……Vividのコミックス第9巻には、「ベルカ方面の未整理区画」とか「総合司書長」などといった用語も出て来ますので……この作品では、間を取って、『特定区画の「専任」の司書長は以前にも時おり存在していたが、無限書庫全体を統括する「総合司書長」は、ユーノが初代である』という設定で行きます。
(ただし、普通は言葉を省略して、ユーノを単に「司書長」と呼ぶことにします。)】
・同69年6月 八神はやて一尉(13歳)が、「特別捜査官」として〈管15デヴォルザム〉の第三大陸カロエスマールの「第一州都ネイザル」における某事件を担当した。
→現地の陸士隊にとっては完全に「お手上げ」の難事件だったが、はやては騎士たちとともに、この一件をあまりにも素早く、そして見事に解決してしまったため、現地の地上局員たちの間では「メチャメチャ優秀な美少女捜査官」として、すっかり有名人になってしまった。
【そして、現地では後年、この事件が改めて一般大衆からも「注目の的」になった結果、これを題材としたTVドラマまでもが製作・放映されてしまいました。(笑)
もう少し具体的に言うと、現地では新暦73年から75年にかけて、『美少女捜査官ハーティーの迷宮入り事件簿』のタイトルで、3シーズン各18話が全大陸ネットで放映されました。
なお、主演女優はガールズバンド「レイジング・クインテット」の五人組で、芸名はそれぞれ、ヴォーカル担当がハーティー、ギター担当がオルヴァ、ベース担当がリタ、キーボード担当がマーシャ、ドラム担当がジャーディカ、と言います。
また、実在する局員の名前をそのままフィクションに用いることは法律で禁止されているので、はやてたち五人をモデルとした「ドラマの主役たち」の名前は(役名と芸名をなるべく一致させる方向で考えられた結果として)それぞれ、ハーティー、シーナ、リタ、マーシャ、ザラ、となっていました。
(シーナ役はオルヴァが、ザラ役はジャーディカが演じましたが、この二人は、他の三人と比べると、「音楽以外の活動」に今ひとつ積極的では無かったようです。)
現地カロエスマールでは、新暦71年の6月にデビューしていた「レイジング・クインテット」それ自体の人気も相まって空前の大人気番組となりましたが、76年の1月から放映の予定だった「第4(最終)シーズン」は、諸般の事情によって管理局から放映を差し止められました。
しかも、76年の11月には、狂信的なアンチのアシッドアタックで、メンバーの精神的な要でもある最年長者のマーシャが完全に失明してしまいます。
それを機に、同年の末にバンドは解散し、五人はそれぞれに「カロエスマールの芸能業界」からは完全に姿を消してしまいました。オルヴァとジャーディカは「故郷の世界」に帰ったと言いますが、他の三人は本当に「消息不明」のままとなっています。】
・同69年7月 ティーダ・ランスター(21歳)が部下二名とともに、逃亡中の犯罪者を追跡していたところ、その違法な魔導師が唐突に「街中での戦闘」を始めてしまい、「部下の不手際」もあって、その魔導師の捕縛に失敗した。
さらに、ティーダは一般市民をかばって殉職してしまったのだが、部隊長は、これを『不名誉で無意味な犬死に』だったと罵倒し、ティアナの心をひどく傷つけた。
→ティアナは、幼い頃に事故で両親を失っていたため、兄ティーダの死によって、わずか10歳にして「天涯孤独」の身の上となった。
エルセア地方の「ポートフォール・メモリアルガーデン」で行なわれた葬儀の後も、小雨の降りしきる中、兄の墓前で独り長らく立ち尽くしていたが、「とある人物」に励まされて、一人で強く生きてゆく決意を固めた。
【この人物の正体は、実は、ザフィーラ(人間型)だったのですが、ティアナがそれを知るのは、新暦75年の末、〈JS事件〉などが一段落した後の冬のこととなります。】
・同69年8月 先月の件では不手際のあった「ティーダの部下の一人」が、実は「ティーダを罵倒した部隊長」の身内だったことが判明する。
(要するに、部隊長の罵倒は、ひとつには「自分の身内をかばい、周囲にその不手際を軽視させるための措置」でもあった、という訳だ。)
→後に、この二人には割とキツめの懲戒処分が下されたが、だからと言って、今さらティアナの心の傷が癒される訳ではなかった。
【そして、もうひとつ、(問題点と言うほどではないのですが)StrikerSで個人的に気になったのは、『六課のフォワードメンバーの中で、ティアナだけが妙に過去設定が薄い』ということです。
(もう少し正確に言うと、『ティアナだけが「救済対象」としては表現されていない』のです。)
エリオとキャロは幼い頃、非常に理不尽な状況に置かれていましたが、フェイトに助けられました。スバルも、例の空港火災事件で、なのはに助けられています。
しかし、ティアナにだけは、その種の過去が特にありません。
そこで、突然ですが、この作品では、『StrikerSで、シグナムとヴァイス陸曹が「昔からの知り合い」として描写されていたのと同じように、ザフィーラとティーダも「ちょっとした知り合い」だった』という設定で行きたいと思います。】
→また、ミッドチルダでは古来、ティーダやティアナのような「二丁拳銃」という戦闘スタイルは極めて稀なものだった。
確かに、もし十全に使いこなせるのであれば、それは非常に有効な戦闘スタイルなのだが、現実には、二つの銃器を同時に、かつ本当に効率的に使いこなすためには、「高速思考」のスキルと相当な熟練度が必要であり、実のところ、そのスタイルを「完璧に」こなせる者など、現実にはなかなかいなかった。
そんな理由もあって、ティーダの戦い方は(特に、部隊長を始めとする「古い世代」の人々からは)必ずしも十分な信頼を得られていた訳では無かったのだ。
【なお、原作では、「執務官志望」のティーダが「一等空尉」という設定になっていますが、それだと、階級が「一般の執務官」よりも上になってしまいます。
(と言うか、一尉の上は、もう三佐ですよね? 三佐って、普通は「部隊長」の階級ですよね? ティーダさん、ちょっと偉すぎませんか? それとも、殉職したから「二階級特進」で、後から「一尉あつかい」になっただけなのでしょうか?)
そこで、この作品では、『ティーダは生前、三等空尉だった』という設定で行きます。】
・同69年10月下旬 〈辺境領域〉の南部に蔓延る悪の宗教結社〈邪竜の巫女〉の掃討作戦において、ニドルス提督(59歳)が「卑劣な罠」にハマって艦ごと撃沈され、使い魔のジェルディスや多くの乗組員らとともに殉職した。
→産休を終えて復職したばかりのリゼル艦長(30歳)は『あまりにも危険だから、絶対にやめてくれ』と懇願する夫を振り切って、みずから増援部隊に志願し、他の艦長らとともに、ニドルスがやり残した仕事を引き継いだ。
リゼルはこれが原因で、後に夫の実家(名門ヴェロムナン家)からは一方的に離縁され、実の娘に対する親権も法的に剥奪されてしまったが、それでも悔いは無かった。
(管理世界の法律では、一般に『就学前の乳幼児の親権は、原則として母親に属する』ということになっているので、これは「相当に特殊な状況」であると言える。)
【それから、さらに丸五年の歳月をかけて、無事にその掃討作戦を完了した後、彼女はその功績によって、新暦75年の春には36歳で提督(一等海佐)に昇進します。】
・同69年11月 〈外2オルセア〉の中央大陸の南部森林地帯で、トレディア・グラーゼ(37歳)とその義理の娘(9歳)が、偶然にも「操主の鍵」と「マリアージュの軍団長」を続けざまに発掘してしまった。
【原作(SSX)では、「59年」と言っていますが、それだと、〈マリアージュ事件〉までの間があまりにも空きすぎてしまうので、この作品では、こういう設定で行きます。トレディアとルネッサに関する年代の設定は、以下、同様に少しずつズラして考えることにします。また、トレディアの年齢に関しても、原作とは少々食い違っているようですが、悪しからず御了承ください。
なお、独自設定ですが、「操主の鍵」については「キャラ設定3」を御参照ください。】
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