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レーヴァティン

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第二百六十話 条約を結びその九

「充分な知識を得ないとな」
「読まんと害毒が及ぶわ」
「猛毒と言っていいまでのな」
「その毒と比べますと」
 紅葉は顔を曇らせて話した、そうしつつ河豚の唐揚げを食べている。天麩羅もあるが彼女は今はそちらを食べているのだ。
「河豚の毒なぞ」
「遥かにましですね」
 夕子はその天麩羅を食べつつ応えた、唐揚げには醤油が用意されているが天麩羅に対しては天つゆである。
「命を落とそうとも」
「死ぬにしても限られているので」
 その害はというのだ。
「まだです」
「ましですね」
「ですが漫画や小説にある害毒はといいますと」
「読む人に広まり」
 そうなってというのだ。
「社会全体にも及びます」
「テレビや新聞でも同じですね」
「そうした媒体で流れる嘘は」
 それはとだ、夕子は話した。
「社会に拡散され」
「大きく及ぶので」
「河豚のそれよりもです」
「遥かに危険です」
「全くですね
「しかもその毒素は強いです」
 それ自体もというのだ。
「猛毒と言っていいまでに」
「そうですね、ですから」
「それで、ですね」
「注意が必要です」
「何よりも」
「この世界でもそうですね」
「噂等で流せますね」
 その毒誤ったしかも人におかしな考えを植え付けておかしな行動に走らせる様なそれはというのだ。
「幾らでも」
「瓦版や新聞もありますし」
「そうしたものを使えば」
「おかしな考えは一気に広まり」
「社会に害を及ぼしますね」
「河豚の毒より遥かに悪質なそれを」
「「そして社会を脅かします」
 人の世全体をというのだ。
「海の魔神は使わない様ですが」
「悪意ある人もいます」
「そうした人も行うので」
「若しくは狂信者が」
 ここでこの言葉が出た、そして。
 紅葉は唐揚げから天麩羅に食べるものを変えて箸に取ったそれを天つゆに入れてそのうえで口に入れてだった。
 食べてだ、こう言った。 
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