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レーヴァティン

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第二百五十九話 ヴェネツィアに向かう中でその十四

「思えるわね」
「全くだね、ただ」
「ただ?」
「あたし今思ったけどね」
 ここで桜子は考える顔になり話した。
「ラグクラフトあるね」
「クトゥルフ?」
「あの人の話の神様とは違うね」
「ああ、ああした不気味な」
「得体の知れないね」
「悪意は感じるけれど」
「知性が感じられなくて」
 そうしてというのだ。
「無意識にあるみたいな」
「本能みたいな悪意ね」
「そういうのは感じないね」
「そうね」
 双葉もそれはと頷いた。
「考えてのことで」
「クトゥルフ神話の邪神はね」
「ええ、知性はなくて」
 あっても動物的なものだ。
「それでね」
「本能的に持っている」
 そうしたとだ、桜子も話した。
「悪意だね」
「そうよね、それを書いたラグクラフトも凄いけれど」
 最初に世界も神々も創作した、クトゥルフの世界はラグクラフトが生み出し多くの創作者達が続いたのだ。
「実際にあったらね」
「また嫌だね」
「本当にね」
「海の魔神は知性はあるとよ」 
 香織ははっきりと指摘した。
「本能で動いてなかとよ」
「そうね、若しクトゥルフなら」
 それならとだ、留奈が応えた。
「もう即座にね」
「世界を全部壊してるとよ」
「あの世界の神々なら」
「そうしてるたい」
 まさにというのだ。
「とっくに」
「二つの浮島だけ残すとか」
「そうしたことはせんとよ」
「全くね」
「そういえばたい」
 ここで香織はこうも言った。
「クトゥルフの神々は名前もたい」
「どうしたの?」
「何か人が発言出来ないとかと聞いたたい」
「ああ、アルファベットで読むとね」
「複数な呼び名になるのは」
「人で読めない様な」
 そうしたというのだ。
「名前になってると聞いたたいが」
「そうらしいわね、私もそれを聞いたわ」
「そうなのたい」
「どうもね、クトゥルフだけでなく」
 その世界にもなっている神である、水を司る邪神でありその姿を見たならば気が狂うと言われている。 
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