| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百五十五話 ヴェネツィアでの再会その八

「素人レベルの農業政策にだ」
「軍隊ばかりにお金を使っているでござる」
「その結果だ」
「あの有様でござる」
「そうした状況だからな」
 それ故にというのだ。
「ああなることもだ」
「当然でござるな」
「国民には気の毒だがな」
「そう言うしかないでござる」
「それにあの国とは国交がないしだ」
 日本とはというのだ。
「八条学園を経営している八条グループも進出していない」
「だからでござる」
「八条学園には北朝鮮の人間はいない」
 それが在日と言っていい人達でもだ。
「そもそもな」
「そうでござるな」
「そうだ、そしてだ」
 芳直はさらに話した。
「日本ではな」
「色々なものが食べられるでござる」
「それがいいことだ」
 まさにというのだ。
「実にな」
「この世界で実感することの一つでござる」
「そうだな、しかし」
「この世界では」
「東と西の浮島で違う」
 食文化がというのだ。
「だからこちらに刺身や寿司や蕎麦はなくな」
「こちらにはパスタやピザやソーセージがないでござる」
「そうなっている」
「まさにでござるな」
「そうだ」
 こう智に話した。
「お互いにない」
「そうでござるな」
「だからこの度はな」
「ヴェネツィアでは、でござるな」
「共にだ」
「飲んで食べるでござる」
「お互いの料理をな」
「そうするでござる」
「河豚もあるそうですね」
 源三は目を輝かせて聞いてきた。
「何でも」
「はい、あります」
 良太が応えた。
「河豚もまた」
「そうですか、ではてっちりも」
「予定しています」
「それは何よりです」
 源三はてっちり即ち河豚鍋も食べられると聞いて目を輝かせた、そうして良太にこう言うのだった。
「こちらの浮島でも河豚は食べられます」
「それ自体はですね」
「カルパッチョやブイヤベースにです」
 そういった料理にしてというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧